東日本大震災復興本部(本部長:玄葉光一郎衆院議員)と震災復興部会(部会長:金子恵美衆院議員)は合同で19日、国会内で会議を開催。3月11日に東日本大震災から10年を迎えるにあたり、東日本大震災復興に対する提言・要望(案)について意見を交わしました。
冒頭、本部長代理の階猛衆院議員は、東日本大震災を引き起こした地震の「余震」とされる、今月13日夜に福島県沖で発生したマグニチュード7.3の地震に触れ、「10年が経っても余震ということで影響は続いている。東日本大震災からの復興もまだまだ道半ばであることを肝に銘じて、これからも風化させることなく全力で取り組んでいきたい」とあいさつ。提言・要望の取りまとめに向けて、「いいものに仕上げていきたいのでご協力の程よろしくお願いしたい」と積極的な議論を呼びかけました。
会議ではまず、提言・要望案の内容について、東日本大震災復興本部事務局長の金子恵美衆院議員が説明。提言・要望案は、同本部として昨年12月におこなった現地視察などを踏まえてまとめた、(1】地震・津波被災地域の復興に向けた提言・要望(2)原子力災害被災地域の復興に向けた提言・要望(3)被災地全体の復興に向けた提言・要望――の3つの柱からなるものです。これまでの課題に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策や、13日の余震で再度被災した方への支援等も盛り込む形の計22項目。金子議員は、13日の地震により、今も東北新幹線が一部区間で運転を見合わせているなど、その影響の大きさをあらためて指摘。「受験シーズンでもあり、子どものケアが重要な時期になっている。東日本大震災は終わっていないと訴えたい」と力を込めました。
出席議員からは、特に津波被害に遭った沿岸部の被災者の心のケアや、防災教育、災害時要援護者への対応、COVID-19による影響でさらにダメージを受けている被災地域に対する事業支援の上乗せ、原子力発電所の廃炉、放射能除染のあり方など、さまざまな視点からの提起がありました。
最後に本部長の玄葉議員が、「前向きでグッドアドバイスがたくさんあった。それぞれの意見を整理し、どのように盛り込められるか、野党第1党だからこそ言える、なかなか与党では踏み込めないことも含めてしっかり提言できるようまとめていきたい」と発言。13日の地震にも触れ、「一番ショックだったのは、『13日の地震は東日本大震災の余震とされ、宮城も福島も今の状況があと10年続く』と言われたこと。これはすごく重い。今回、また、これから起こる被害について復興特会(東日本大震災復興特別会計)で対応してもらうのがいいのではないか。財政フレームを提言していきたい」と述べました。
参加議員から出た意見を整理した上で、役員会としてあらためて案を作成。その後会議を開き、最終的な取りまとめに向けた議論を進めていきます。