衆院予算委員会で16日、日本電信電話株式会社(NTT)代表取締役社長の澤田純氏、株式会社東北新社代表取締役社長の中島信也氏を参考人招致した質疑がおこなわれ、衆院会派「立憲民主・無所属」から後藤祐一議員が質問に立ちました。

 冒頭、後藤議員は同日付で谷脇前総務審議官を停職3カ月の処分にしたという報道について、武田総務大臣に事実関係をただしました。武田大臣はNTTから違法な接待を受けていた問題で、谷脇前総務審議官を停職3カ月、巻口国際戦略局長を減給10分の1、2カ月の懲戒処分にしたことを明らかにし、谷脇氏から辞職願いを受け、同日付で退職を認めたと報告しました。
 後藤議員は「谷脇氏の辞職を認めたのは口封じではないか」と強く批判し、放送法違反の真相究明を隠ぺいしようとする武田大臣の責任を追及しました。

 15日の参院予算委員会で東北新社の中島信也社長が、放送法の外資規制違反を認識した2017年の8月に同社社員が当時情報流通行政局の総務課長を務めていた鈴木信也電波部長(総合通信基盤局)に会って口頭で報告したと答弁したことを取り上げ、鈴木部長に東北新社側からの報告の有無を確認しました。
 鈴木電波部長は「会ったかどうか記憶にない」とし、外資規制違反の報告を受けたと認識していないと答えました。

 後藤議員は「総務省は東北新社から放送法違反の報告を受けながら放っておいたのか。まさに行政をゆがめたのではないか」と武田大臣に迫りました。
 武田大臣は「双方に齟齬(そご)がある」と述べ、17日に発足する第三者委員会で、客観的に検証していく考えを示しました。

 さらに後藤議員は「東北新社が違反状態を解消するために事業認定を子会社に継承し、総務省が子会社への継承を認可したのは脱法行為ではないか」と述べました。その上で、武田大臣に「総務省が決裁した当時に東北新社の外資比率を調査したか」質問しました。武田大臣は「調査していない」と答弁し、総務省のずさんな対応を認めました。

 後藤議員は、鈴木部長が2013年から衛星・地域放送課長(情報流通行政局)を務めていた際に、所管する東北新社の木田由紀夫前執行役員、菅正剛前メディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長と面識があったかをただし、鈴木部長は面識があったことは認めましたが、会食をした記憶はないと答えました。

 後藤議員は東北新社の特別調査委員会による中間報告の開示と、総務省の第三者委員会による徹底的な真相究明を求め、質疑を結びました。

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