衆院予算委員会では16日午前、総務省の接待問題をめぐり、衛生放送関連会社「東北新社」の中島信也社長とNTTの澤田純社長を参考人として招致し、質疑が行われました。

 立憲民主党から、後藤祐一議員に続き質問に立った今井雅人議員はまず、東北新社が放送法で定める外資規制に違反していた問題に関し、東北新社側と総務省側とで答弁が食い違う点をあらためて確認しました。

 中島社長は、東北新社は事業認定を受けた後の2017年8月、外資規制違反に気がついたため、この件を相談すべく、木田由紀夫氏(前・東北新社執行役員)が総務省に連絡、当初予定していた担当者が休暇中だったため、当時、総務省の情報流通行政局総務課長だった鈴木・総合通信基盤局電波部長と面談し、違法状態であることを報告したと答弁。15日の参院の質疑では、その際、違反状態を解消するために事業認定を子会社に継承するアイデアを出したとも述べています。

 一方、面談相手であったはずの鈴木電波部長は、「記憶にない」と繰り返し、今井議員が記録の有無を尋ねても「アポをとって来られる方もいるし、ごあいさつということであればその場でお話するケースもある」「アポを取って来られた方についてはその時点での記録はあると思うが、今の時点では何も記録はない」などと不誠実な答弁に終始。両者の齟齬(そご)について武田総務大臣は、17日に検証委員会が立ち上がるとして、そこでの審査に期待したいと述べるにとどまりました。

 こうした状況に今井議員は、中島社長に対し、木田氏と鈴木電波部長との当時の面談について、段取りを含めて詳細に確認し、国会に報告してもらいたいと要請。中島社長は「経緯の詳細についてはご報告申し上げる」と応じました。また鈴木電波部長に対しても、あらためて調べて結果を報告するように求めました。

 今井議員は、「東北新社にも瑕疵(かし)はあるが、総務省が知らん顔をするということはあってはならない。この問題は解明するまで国会での質疑は終わらない」と徹底解明を誓い、木田、鈴木両氏の証人喚問を求めました(後刻、理事会で協議)。

 今井議員はまた、NTTの澤田社長と武田総務大臣との会食の有無についても取り上げ、澤田社長が「個別の会食」を理由に答弁を拒否していることを問題視するとともに、武田総務大臣が明言を避けていることに対し「総務大臣は総務省のトップであり一番の権限者。政治家として政治活動の個別のことを表に言う必要がないとしても、行政のトップである総務大臣が監督をしている企業と食事をしたかどうかを答えない理由は何もない。行政の立場として答える必要があると思う」と指摘。武田総務大臣が「国民の疑念を招く会食はしていない」と強弁していることに、今井議員は「それは大臣の解釈。そういう疑念が持たれるような会合がおこなわれていないか、その内容はどういうものなのか、そこでは適切なことが行われていたのか、それをわれわれも確認したい。なぜ言えないのか。やましいことがあるのか。ここまで答えを控えるのかまったく理解できない」と述べ、引き続き追及していく考えを示しました。

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