参院予算委員会は19日、集中審議をおこない立憲民主党から蓮舫代表代行が質問に立ち、主に緊急事態宣言解除後の感染拡大防止策について質疑しました。

 蓮舫代行は、政府が1都3県への緊急事態宣言を21日で解除すると決定したことについて「リバウンドは大丈夫か」と疑問を呈しました。リバウンドを抑えるには、「変異株をどうやって抑えるかに尽きる」と述べ、政府が40%程度に強化するとしている変異株のスクリーニング検査を「全数調査した方がいいのではないか」と質問しました。田村厚生労働大臣は、民間における自費での検査が拡大しているため、「やれるならぜひやりたいが、実態として協力いただける範囲を勘案して40%としている」と答えました。蓮舫代行は「いま抑え込まないと、感染力が強いからあっという間に波が広がる」と感染拡大の懸念をし、民間へのできる限りの協力をお願いし、徹底した体制を整えるように要請しました。さらに東京でのスクリーニング検査が「民間の検査を入れても10%に届いていない。今から40%を目指すのは不安だ」と指摘。5兆円の予備費があることから「今からでも全ての検査キットを渡す予算も人もつけてほしい」と菅総理に求めました。菅総理は、「東京の現状で、最大限できるように厚労大臣中心にやらせたい」と答弁しました。

 感染再拡大を早期に探知できるように幅広くPCR検査をおこなう「モニタリング検査」について、政府が全国で1日1万件の検査実施を想定している中、現状は配布数が1週間で4903件、検査数が1116件、1日あたり160件程度の検査数であることを知っているか菅総理に質問。菅総理は、「今日まで1日どのくらいかは承知していない。専門家の先生の意見をうかがう中でこのような仕組みをつくった」と答えました。蓮舫代行は、「1日160件はあまりにも少なすぎる」と述べ、予備費でエッセンシャルワーカーへの定期的な検査を公費でおこなうことや、さらに医療・介護・保育従事者へ慰労金を出すというかねてから立憲民主党が提案してきたことを実施するよう改めて求めました。

 また、持続化給付金の再支給法案を立憲民主党が中心になり法案提出したことに触れ、もう一度支給をしないか菅総理に見解を問いました。菅総理は、「今回の宣言は昨年と違う。ピンポイントで影響を受ける方にお願いしている」と飲食店だけに協力をしてもらっているという趣旨の答弁をしました。蓮舫代行は「ピンポイントで影響受けた方は飲食店だけでない。それにあわせて客がいないから百貨店も映画館もコンサートもフリーランスの人もみんな影響受ける。どうして後ろ向きなのか」と菅総理の姿勢に疑問を投げかけました。

 続いて、蓮舫代行は赤羽国土交通大臣に2020年度第3次補正予算で9300億円ついたGoToキャンペーンの執行状況をただしました。赤羽大臣は「緊急事態宣言が続いて執行されていない」と答弁。蓮舫代行は、「ぜひこのお金をアクセル踏まないで、困っている人たちに使ってほしい」と求め、最近では困窮して生理用品を買えない女性が増えていることに言及し、実態を田村厚労大臣に質問しました。田村大臣は「最近マスメディアでも取り上げられている。生理用品を長時間つけますと細菌等が繁殖しますので、発熱したり血圧低下で体調が優れなくなるのでどうあるべきか情報収集しながら検討したい」と答えました。蓮舫代行は、「スコットランドは昨年11月に世界で初めて生理用品無料提供の法律を作りました。ニュージーランドは今年6月から学校で無料配布。日本でも東京の豊島区とか兵庫県明石市が無料配布を決めている。こういう部分、是非細やかに追いかけていただいて施策に結びつけていただきたい。協力は全面的にさせてほしい」と応じました。

 さらに蓮舫代行は、NTT澤田社長との会食を認めた武田総務大臣に対し、衆院予算委員会で参考人として立った総務省の担当者へ「記憶がないと言え」と言ったのかを質問。武田大臣は、「指摘の収録を確認したが確かに『記憶がない』というところまで聞こえた。予算委員会で何度も逢坂議員と記憶がないとやりとりしていて、なぜか無意識で口が出たんだろうと思う。答弁を指図するつもりもない」と答えました。

 最後に札幌地裁で意見判決が出た同性婚の合法化についてどう思うか菅総理に質問すると、菅総理は「他にも同趣旨の裁判を行っていると思う。そういう状況であるので見守る」と答えました。蓮舫代行は、「時代の変化に柔軟に対応するリーダーであってほしいので残念。台湾のオードリー・タン大臣と話したときに、台湾がどうして感染を封じこめることができたか答えが明快だった。『政府が国民を信じている。国民が政府を信じている』。今の日本に最も欠けている点だ」と指摘し質疑を終えました。

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