立憲民主党は14日、SDGsのゴール4（教育目標）を達成するための世界規模のキャンペーンである「SDG4教育キャンペーン」の報告会［主催：教育協力NGOネットワーク（JNNE）］として子ども・ユースによる政党訪問を受けました。立憲民主党からは子ども・子育てプロジェクトチーム座長の大西健介衆院議員、文部科学会事務局長の石川大我参院議員、同部会事務局次長の横沢たかのり参院議員が出席しました。

　2015年9月の第70会国連総会において、持続可能な開発目標（SDGs）を含む「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、教育については目標4で、2030年までにすべての子どもが質の高い就学前教育、初等教育、中等教育を受け、成人識字率を改善することを目標に掲げています。会合では、キャンペーンの報告として、「SDG4教育キャンペーン2021ファクトシート」が示され、日本の教育と教育協力の現状6のポイントについて6政党へアンケートした内容の結果が説明されました。
　質問の内容は、1つめが、「子ども参加・子どもの意見の尊重」で教育支援策を考えるうえで、当事者である子どもから声を聴いているか。2つめが、「外国にルーツをもつ子ども」で外国にルーツを持つ生徒の高校進学率が少ないと推定されており、高校進学の実態を知るための調査データも乏しいことから、全国的な実態調査を実施し、データを公表することに賛成か。3つめが、日本の女性教員の中学校における比率が44％であるにもかかわらず、校長・副校長に占める女性の割合が8％となっており、固定的な性別役割分担意識やアンコンシャスバイアスを助長していることから、校長・副校長に占める女性の割合を2030年までに30％以上にすることに賛成するか。4つめからは国際的な教育課題に関することで、ODAに占める基礎教育援助の割合は援助国平均が3.4％であるのに対して、日本が1.4％と低く、「教育を後回しにはできない基金」（ECW）に日本政府がこれまで全く拠出していないことから、日本がECWに拠出することに賛成するかというもの。5つめが、世界の4,600万人の女の子が学校に通えるようにするため「教育のためのグローバルパートナーシップ」（GPE）への拠出を大幅に増やすことことに賛成するか。6つめは、2015年にオスロで開かれた国際会議で発表された「学校保護宣言」及び「武装紛争下で学校や大学を軍事目的使用から守るためのガイドライン」に日本が支持すべきかという質問です。立憲民主党は1つめから5つめまでの質問には賛成で、6つめについては党内で議論されていないことから「いずれ支持」としていました。出席議員からは、「反対する理由はない」「日本は、太平洋戦争の経験があるからこそ積極的役割が果たせる国だ」等の意見が出ました。

　続いて、子ども・ユース代表からの提言を受けました。提言は、前述の6つのポイントに沿ったもので、（1）「子どもの声にも意味がある！―声なき人々の声の尊重―」（2）「誰ひとり取り残さない学校教育を！外国にルーツをもつ子どもにも質の高い教育を！」（3）「気づいてほしい！ジェンダーの視点から見る教育現場の在り方」（4）「日本もECWに拠出して！―危機に直面している子どもたちに質の高い教育を―」（5）「”今”こそ投資だ。女の子の”未来”を守る、世界の”未来”を創るために。」（6）「大人の操り人形にならないために―子どもたちの権利・教育・夢を守る―」というものです。詳細は以下をご覧ください。

SDG4教育キャンペーン2021子ども・ユースからの要望.pdf

　その後、子ども・ユースと議員との意見交換がおこなわれ、子ども・ユースからは「ただ単に女性管理職の割合を増やすだけでは退職が増えるだけ。職場環境を男女関係なく働きやすい環境にするべきではないか」「外国ルーツの子どもについて、立憲民主党は就学支援や学習支援をおこなうべきと言っているが、周りの環境や親への支援が大事。また、データの公表はどのように生かしていくのか」「マジョリティーだけの意見を尊重するではなく、小さな意見も汲み取ってほしい」――等の意見がありました。

　石川議員は、「今の指導的立場の働く環境は、男性がうまく働けるシステム。男性・女性関係なく勤められるシステムにならないといけない」と述べました。
　横沢議員は、「オリンピック・パラリンピックでも女性の意思決定権者の割合は日本が低い。女性比率30％を目指して一生懸命取り組んでいるが、国として環境整備がすごく大事だ」と説明しました。
　大西議員は、立憲民主党が提出している「子ども総合基本法」を取り上げ、「子どもの声を聴くということについて、子どもの声を代弁し、子どもの権利擁護をする独立機関をつくりなさいと法律に書いているので、頑張って取り組もうとしている」等と立憲民主党の取り組みを説明しました。