枝野幸男代表記者会見

2021年6月30日(水)12時30分~13時09分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/JU_Eb1CIGb4


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○東京都議会議員選挙について

【代表】
 先週25日に東京都議会議員選挙が告示され、折り返しを過ぎて後半戦に入りました。私も連日のように各選挙区に応援に入っておりますが、新人候補を中心に、大変クオリティの高い、期待できる候補者が非常に揃っているというのが本当に強い実感でございます。報道各社いろいろとされておりますが、定員1の小選挙区から大選挙区までありますので、なかなか事前の予測、情勢判断が難しいところでございます。各地を回っている感触では大変感触は悪くない、むしろいいという手応えを感じております。
 一方で、おそらくこの選挙、たぶん衆議院選挙もそうなると思うのですが、よく選挙の風という言い方をしますが、何というのでしょう、季節風とか偏西風みたいに広く強い大きな流れが一つの方向に吹くというよりも、候補者や陣営、地域ごとにつむじ風が吹いているという印象であります。それを選挙区内にきちっと広めることができるのかどうかというのがここから3日半の戦いかなと思っております。
 全員当選を目指して党本部としても最後まで全力で取り組んでまいりたいと思っています。

○新型コロナの感染状況について

【代表】
 さて、東京などで「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に移行して1週間余りとなりましたが、特に東京を中心とする首都圏ではリバウンドが明確になってきています。きのうまでの数字で、東京都の直近7日間の1日当たりの新規感染者数が494ということです。ステージ4の基準である500にもう迫っている。少なくとも東京については「緊急事態宣言」の解除が早過ぎたと言わざるを得ないと思っております。
 菅総理は解除の際の会見で、必要であれば「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」を行うと表明しています。また、28日のぶら下がりの場でも、「機動的な対応をしていきたい」と発言されました。この自分のご発言に沿って、国民の命と暮らしを守るために、今度こそは先手先手の対応をしていただきたいと思っています。
 ただし、例えば宣言の再発令を行うとしても、国民が安心して生活できる、そして事業者が営業を自粛しても倒産しないような、十分な補償がますます不可欠だと思っております。十分かつ迅速な補償なく宣言を発令しても、その効果は残念ながら期待できない状況です。規制強化で国民を押さえ込むというよりも、多くの皆さんに積極的に協力いただける規制へと変えていかなければならないということは従来から申し上げてきているところでございますが、その必要性がさらに強まっているということも指摘しておきたいと思います。
 また、オリンピック・パラリンピックについては都議選で再延期か中止を求めているところですが、こうした感染状況、あるいは外国から入国された選手・関係者の中に既に感染者が出ている、それも我々が国会でのヒアリングで(問いただし)ようやく黙っていたものが何人も明らかになったという状況です。また、国会でのヒアリングで斉木議員などが頑張っていただいて、いわゆる役員などについては個室であれば外食していいというようなとんでもない抜け道が明らかになりました。まさか、国民には夜8時までしか外食しちゃいかんと、店も開けちゃいかんとか言いながら、そしてお酒を飲むなら2人という言い方を現状でもしている中で、その例外をこうした皆さんに認めるということは、こんなものは絶対にあり得ない、国辱的だと言わざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。

○通学路の安全対策について

【代表】
 おととい、千葉の八街市でトラックが下校中の児童の列に突っ込んで5名の方が死傷されました。私も中学生の2人の子の親であります。みずからの身に置きかえると悲しみに耐えられません。亡くなられたお二人に哀悼の意を表しますとともに、怪我をされた3人のお子さんの一刻も早い回復を願っております。
 登下校中の児童の列にトラックが突っ込むという事故、繰り返されています。こうした悲惨な事故は何としてもとめなければなりません。本日の関係閣僚会議で菅総理は、(通学路の)総点検、緊急対策の拡充・強化を指示したと報道されていますが、もうこうしたことは十年一日のごとく言われていることでありまして、通学路などに歩道・ガードレール、今回のようなトラックだとそれでも防げたかという話はあるかもしれませんが、それでも、できることは緊急に行うと。住民の皆さんが反対をしている地下に穴を掘ってそこが陥没だなんていう道路を東京につくっているような金があれば、まさに全国の通学路の安全対策のためのお金、一個一個は小さい、だけど全国で一気にやろうとすれば相当な規模になります。こちらこそ優先すべきだと思っています。

○経産省職員による給付金詐欺事件について

【代表】
 私のほうから最後に、みずからの役所の補助金を経済産業省の職員が不正受給するという、考えられない犯罪が明らかになりました。
 私自身、経済産業大臣として職員の皆さんとともに仕事をいたしましたが、その多くは、我が国の経済や産業の育成を考え、その仕事に誇りを持ち、なおかつ大変優秀で真面目な人でした。ただ、このケースにとどまらず、国会でのいわゆる盗撮の事件など、経済産業省だけをとっても信じられない状況が続いていますし、これは財務省の赤木さんに象徴されるように、この8年間、真面目に働く官僚の皆さんにとっては非常に厳しいというかやりきれない時期であったということが全体のモラルやモチベーションに影響していると残念ながら言わざるを得ません。やりたくもないというか、場合によっては犯罪性のある公文書の改ざんや隠蔽、国会での虚偽答弁。その上、人事で圧力をかけられる。これでは高い志や誇りを失い、かつては考えられないような私利私欲に走った人間が出てきたということも、あり得べしとはとても言えるようなレベルのひどさではありませんが、こんな状況を生んでしまったと思っています。
 国家として、もう10年、20年ではすまない、50年、100年規模での深刻な損失を、この8年余りの、何というのでしょう、官僚に対して忖度(そんたく)を迫る政治というものは害悪を残した。その象徴だと思っております。


■質疑

○東京五輪・パラ 感染対策について

【東京新聞・大野記者】
 五輪関係者の空港での水際対策について伺いたい。濃厚接触者またはその疑いがある人は空港周辺に一旦隔離すべきなどと野党は提案しているが、政府はバスを分けるなどして選手村や事前合宿地に運ぶ方向だ。この点のご見解を伺いたい。
 もう一点は、大会関係者が守るべきコロナ対策をまとめた組織委員会の「プレイブック」について、不適切な外出や感染リスクの高い外部との接触が十分に防げないとの懸念がある。この点のご見解も伺いたい。

【代表】
 まず水際対策ですが、残念ながら場当たり的な対応に尽きると言わざるを得ません。ウガンダの選手の陽性に続いて、先ほど申しましたとおり野党ヒアリングで、入国した関係者の陽性を隠し切れなくなった。急遽慌てて、まさに泥縄で動いているとしか思えません。陽性者を隔離する、あるいは濃厚接触者を隔離するといっても、どこに隔離するのかということすら明らかにできない。それも自治体に押しつけるのかということで、私は党首討論などでも関係者以外のところで人流がふえるということでの感染拡大を心配していましたが、大会直接そのものによる感染拡大(防止対策)ということについてすら何もやっていなかった。無責任の極みだと思っております。きょう野党国対で東京五輪総点検野党合同チームを設置したと報告を受けておりますが、我々として直接的に感染対策を検証していかなければならないと思っております。
 それから、大会関係者の「プレイブック」。先ほど申しましたとおり我が党の斉木議員が精査してくれました。その結果として、コンビニでの買い物とか、個室居酒屋での食事が認められていると(明らかになった)。まさか、全面改訂するんだろうなと思っております。あり得ません。日本に入ってこられた皆さんには、少なくとも日本の国民の皆さんにお願いしているご協力より厳しいことはあっても、より緩いということは考えられない。しかも、これはバブルの外側ということになりますので、バブルの外側で国民よりも緩いというようなことを仮に認めるのだとしたら、日本政府はIOCの下にあるのかという、国家主権の問題だと思っています。

○党外交について

【夕刊フジ・村上記者】
 7月1日で、中国共産党が創建されて100周年の節目を迎えるが、それに当たって立憲民主党として、党として何かお祝いごと、メッセージを送ったりとか、そういった対応をされたか。具体的な文面などがもしあればお尋ねしたいのと、もし祝電とかを打ったのであれば、その理由をお聞かせいただきたい。中国共産党については覇権主義的な動きが見られるということや、人権弾圧といったこともあり、すなおに中国共産党創建100年をお祝いしていいものかという声もあると思うが、その点についてはどういうふうにお考えなのか、代表の見解をお聞きしたい。

【代表】
 台湾や、あるいは長年にわたるチベットなどに対する人権侵害については、甚だ遺憾だと思っております。したがって、もろ手を挙げてお祝いをするという状況ではないと思っております。
 一方で、北京政府(中国)と我が国は物理的に避けられない近い距離にあるわけでありますので、そこの政権を担っている政党に対して儀礼的なメッセージは国際局で用意をしていると承知しています。

【夕刊フジ・村上記者】
 既に送ったという理解でよろしいか。

【代表】
 確認しておりませんが、国際局で手配をして私の名前で出すというふうに報告を受けています。

○経済政策について(1)

【「フランス10」・及川記者】
 先々週の江田憲司さん、福山さんの会見で経済政策を発表したが、その中で四つの経済政策、消費税5%、年収1000万円以下の世帯への所得税ゼロ1年間、賃金引き上げ、低所得者層への現金給付ということを掲げていたが、これは政権公約にするのかと、話がちょっと福山さんと江田さんでずれているのが消費税5%、江田憲司さんは恒久的に、福山さんはきのう時限的にとおっしゃったが、ここは枝野代表はどういうお考えか伺いたい。

【代表】
 今の点については、きのうの福山会見はネットで全部見ておりました。福山幹事長の申し上げたとおりです。

○東京都議選について(1)

【「フランス10」・及川記者】
 きょうの公明新聞が、都議選でオリンピック延期や中止を公約にすることを批判していて、その理由として、まず立憲・共産合わせても過半数に全員通ってもいかない、さらに新しい議員の登院はオリンピックの開会式当日、だからそれを都議選で問うことは無責任だと言っているが、どうお考えか。

【代表】
 民主主義というのをご理解されていないとしか言いようがありません。オリンピックの開催都市である東京の地方選挙において、有権者がどういう投票行動をとられるのかということについて、単純な議席だけではなく、総合的に知事であれ日本政府であれ受けとめて対応するのが民主主義であると、議席だけではないと思っています。

○参院選挙制度改革について

【高知新聞・五十嵐記者】
 選挙制度改革について伺いたい。先月下旬に参院の改革協議会が設置されたが、次回の参院選挙まで間もなく1年という状況でもある。そうした中で、合区解消については立憲民主党としてどう取り組まれていくか。また、次回選挙までに合区解消のめど、できるのかどうか、その見込みについてどうお考えか伺いたい。

【代表】
 これは二院制における参議院の選挙制度ですので、もちろん参議院の執行部と党全体の執行部としても相談をしながら進めていきますが、これは参議院の執行部から直接にはお話しいただいたほうが、二院制と政党全体の一体性という関係の上からも適切ではないかと思っています。

○経済政策について(2)

【フリーランス・宮崎記者】
 消費税5%と関係するが、所得税の給付付き税額控除に関して、『枝野ビジョン』や2012年の法律では検討するとなっているが、江田調査会の中間とりまとめとしては今すぐ給付付き税額控除をすぐ導入するということではないかと思う。給付付き税額控除はある意味理想形・完全系のような気がするが、実際与野党の政治家が、はっきりとは言わないが、なぜ完全に実施できないかといった場合は、やはり税務署の手間というのがあるかと思う。現在、年末調整で4000万人、扶養家族が4000万人、確定申告をしている人が2500万人で、2000万人近くの人が情報がよくわからない、おそらく確定申告で所得税を納める必要がない収入の人ではないかと思われる。給付付き税額控除を完全に始めた場合は2000万人近くが新たに税務署に確定申告書を出さなければいけないわけで、これはやはり税務署が手間がかかるので麻生財務大臣も8年間全く検討をしないのだと私はかねがね思っているが、それも含めて、消費税5%時限的という時限的の意味や、『枝野ビジョン』に書いてあることと違うということはまあいいですが、どのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 この問題も、現在の与党の皆さんは反対をずっとされてきているので、実際に実行しようと思ったときに、第1弾・第2弾では簡単ではない、つまり参議院のねじれを前提にすると、ということがありますので、ある程度中期的にそちらの方向を進めていきたいということが責任あるお約束だと思っています。
 ご指摘のとおり、確かに税務署の仕事がふえるというのはあり得る議論だと思いますが、一方で行政全体を考えれば、例えば低所得者の皆さんなどに対するものを中心としたさまざまな補助・支援策というのは、自治体ごと、それも都道府県単位、市区町村単位、あるいは国が直接やっているものとか、非常に複数のものを複数の役所でばらばらにやっている。それをできるだけ、もちろんほかのものをゼロにはできないわけですが、「消費税額事前還付」という制度をとることによって、税務署は全体としての所得をすぐに把握ができている、そういう状況であれば、例えば昨年の特別定額給付金のようなケースにも迅速に対応できる。多くの先進国は類似の仕組みの中で、所得に応じてということも含めて、日本とは比べ物にならない、日本では月単位かかっていたものを週単位でお支払いしている。やはりそちらの方向には持っていくべきであって、そのために他の部署との調整の上で税務当局の人員を強化するということは僕はあり得ることだと思っていますし、また、人員を強化しなくても、それこそ私自身が一応税理士の業務をできる弁護士資格を持っていますので国会議員になってから毎年自分で確定申告をやっていますが、確定申告をする側からとってもこの間のデジタル化というのは非常に進んでいますので、そこの仕組みをきちっと組みさえすれば人員を強化することが必ずしも必要であるかどうかということにも疑問があると思っていますので、これはやはり中期的には実現をしていきたいと思っています。

○東京都議選について(2)

【共同通信・松浦記者】
 都議選での共産党との関係についてお尋ねしたいが、選挙戦の中で立憲民主党の議員や党員が共産党の候補を応援する姿が各地で目撃されている。これに対して連合や国民民主党は反発しているが、代表として何かしらの対応をお考えか。

【代表】
 大型の選挙でございますので、我が党の候補者が出ていないエリアの例えば議員などは、そうは言っても都内の各地で仲間が必死の戦いをしているわけでありますので、当然のことながら、我が党の公認または推薦候補の当選のために全力で仕事をするのが当然のことであり、それをやっていない議員等がいるとすれば、それは信じられないし、許されることではないと思っています。

○ワクチン(1) 職域接種の受付停止について

【NHK・佐久間記者】
 職域接種について伺いたい。現在一時停止している状態だが、政府は再開しない方針を固めたとの一部報道がある。ワクチンが足りていないことが理由だそうだが、政府の見通しが甘いという批判もある。これについて代表としてどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 むしろ各社の社説で「甘い」という指摘をしなければメディアとしての責任を果たせないのではないかと思うぐらい明白ではないでしょうか。
 多くの、しかも早い段階ではやはり大きな企業が先行しましたので、それこそ観光地で観光協会みたいなところが音頭をとってとか、何とかこの対象にできるようにということで準備を進められていた方は相当広範に私も聞いています。そうした方からすれば、もうはしごを外されたにも等しい。結果的に迅速に対応ができる力を持っているところだけが先行するという、非常にアンフェアな形になっている。
 だとすれば、初めからどれぐらいのワクチン接種量を確保できるのかわかっていないのかと。わかっているのだったらそのことを踏まえた募集なり何なりをしていくのは当然の責任であり、それをやらなかったワクチン担当大臣なのか厚生労働大臣なのかの責任は非常に重たいと思っていますし、職域接種だけではなく本筋の自治体接種のほうも何かワクチンが足りないからワクチンの発送を一旦とめるみたいな話で、各自治体の首長などから悲鳴というか怒りの声が上がっています。何の準備をしているのだ、何の段取りをしているんだと。
 本当に何か、進んでいますというパフォーマンスを国民に見せることを最優先にしているから、こういった実務的なところでいろいろな矛盾が出てきて、結果的に全体を遅らせていると思っています。

○小池都知事の静養について

【フリーランス・横田記者】
 静養中の小池知事の対応について伺いたいが、告示日に都民ファの平慶翔都議へ激励のコメントを送っており、これは本人から聞いて確認したが、その一方で東京都医師会の五輪意見書、感染拡大・医療逼迫の場合には中止あるいは無観客を求めるという五輪中止基準を求める意見書をそのまま放置している。こういう対応についてどう枝野代表はお考えか。きのう福山幹事長は問題ないとおっしゃったが、代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 政治的な立場や政策的な意見は大きく異なりますが、東京都知事として、特にこの感染症に対応する先頭に立っていただかなければならない。知事というのは一人しかいないわけですから、ご病気で静養されたことについては心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、きょう退院されたと報道を承知しています。当分はテレワークということでありますが、一日も早く執務に全面復帰されることを心からお祈り申し上げています。
 お尋ねの件については、病状等について詳細を存じ上げませんので、コメントしようがありません。

【フリーランス・横田記者】
 五輪中止の意見書について無反応、無視している点についてはいかがか。

【代表】
 ご病状について把握ができていませんので、何ともコメントしようがありません。

○横浜市長選について

【フリーランス・横田記者】
 横浜市長選で、山中竹春教授はいわゆるイソジンうがい薬の吉村知事会見のときのフリップに登場し、その研究にお墨つきを与える、解析者山中教授という名前が出ている。神奈川県連にも聞いたが、否定的なコメントを出したということだが、結果的にお墨つきを与えているということは変わらなくて、ルール違反の人体実験ではないかという指摘も医療関係者から出ている中で、枝野代表は山中教授についてどうごらんになっているか伺いたい。

【代表】
 私が神奈川県連から受けている報告では、その研究等についてコミットしたわけではないと、ある意味では勝手にフリップに名前が出されたと、被害者だと承知をしています。

【フリーランス・横田記者】
 郷原信郎弁護士が横浜市長選出馬の意欲を示されているが、一本化の必要性についてはどうお考えか。非常に強い意欲で、7月6日以降出馬する可能性が極めて高いと思うが、そういう事態を受けて、一本化に向けて動くのか動かないのか、必要性について。勝つには一本化が不可欠なようにも見えるが、代表のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 我が党としては山中さんの推薦を党本部としても決定いたしましたので、山中さんにできるだけ多くの皆さんの応援をいただけるように、神奈川県連を中心に最大限努力をするということに尽きると思っています。

○国会議員所得公開について

【朝日新聞・吉川記者】
 きょう発表された所得公開に関して、代表はテレビ出演料などの雑所得が各党党首の中で最低だったが、これの理由の分析や受けとめを伺いたい。

【代表】
 別に何か分析をするような性質のものだと思いませんが。

【朝日新聞・吉川記者】
 今後、秋の衆院選も控えているが、今後の発信力強化や露出増に向けてお考えになっていることはあるか。

【代表】
 それはまさに選挙に向けた戦略ですから、外に向かって話す話ではないと思います。

○通学路の安全対策について

【フリーランス・安積記者】
 冒頭発言であった、小学生の列にトラックが突っ込んだ件について伺いたい。こういった通学路の事故については今回が初めてではなく、2018年には学校のブロック塀が落ちてきて女子児童が死亡している。その対策が一応行われているが、いまだに十分な調査が完全に終了しているわけではない。通学路についても平成24年から緊急合同点検が行われ、必要なところに通学路安全対策アドバイザーなどを派遣してやっているが、こういった例を見ると、いまだにそれについては掛け声だけではないかと思う。これについてもう少し詳しく述べていただけないか。

【代表】
 今回のような交通事故だけではなく、ブロック塀、それから昨年でしたか、神奈川で崖崩れで高校生が亡くなるというような話もございました。本当にいろいろなところに子どもたちにとっての危険があるという状況をできるだけ早く解消しなければならない。したがって、これはもう国家的なプロジェクトだと思っています。
 まず、通学路という観点から子どもたちを守るということが、通学以外にも子どもたちにとって危ない場所はあるわけですが、まずは通学路という観点から、やはり文部科学省がかなり強い指導力を持って全国の状況把握を進める。一方で、これこそ官邸がきちっと主導して、国土交通省を中心にして、その対策予算というのは最優先でつける。あらゆる道路工事予算の中で最優先化するというような方針を、枝野政権では1カ月以内に決めたいと思います。

○衆院選 候補者擁立・調整について(1)

【北海道新聞・袖山記者】
 立憲民主党の世襲への考え方について伺いたい。立憲道連では先日、北海道3区の次の候補者として荒井聰さんの息子さんの荒井優さんを候補者とすることを決め、近々党本部に公認申請するかと思う。立憲民主党の規約では世襲は禁止されていないかと思うが、過去には民主党時代に自民党に対して世襲批判をしたこともあったかと思う。今の立憲民主党としての世襲への考え方を伺いたい。

【代表】
 党として改めてそのことだけをテーマにして議論をしたわけではありませんので私の考えを申し上げたいと思いますが、私も衆議院議長を務めた方のお子さんと最初小選挙区で戦った、世襲に対して草の根だということで戦って勝たせていただいた経験があります。それから、余りにも世襲の方が多過ぎるというのが日本の政治の活力を落としているというふうにも思っています。一方で、世襲だからということで機械的に物事を決めるというのは、やはりかつての民主党などではやり過ぎであったと私は思っております。
 今回の北海道の荒井議員の件についても、とにかく党本部としてはコミットしないので、地元でどなたを後継者にするのかということをまさに草の根で決めてきてくださいというプロセスの中で結果的にご長男になったと承知しておりますので、それも余りにもそういったケースばかり多くなってはよくないとは思いますが、機械的にだめだというのは行き過ぎだと私は思っています。実際にこれは私は、多くの皆さんもそうでしょうが、今回上申されると思われる後継者とされる方は、荒井さんのご子息であるということとは別に、個人として独立してさまざまな実績・経歴をお持ちであるということは皆さんもご承知のとおりなので、こうした方が選ばれるということを機械的に否定すると、それはそれで硬直的だと思います。

○新型コロナワクチン(2) 健康被害救済制度について

【IWJ・濱本記者】
 新型コロナワクチン接種後の副反応などで死亡した場合について、国の健康被害救済制度によって一時金として遺族に4420万円、葬祭料として20万9000円が給付される旨、2月19日の衆院予算委で立憲民主党の末松義規議員の質問に答える形で田村厚労大臣が説明されている。一時金については医療機関の過失の有無にかかわらず支払われるとされている。厚労省が6月23日に公表した資料によると、ファイザー社のワクチンで死亡された方は2月17日から6月18日までの間で355人、モデルナ社のワクチンについては5月22日から6月18日まで1人となっている。田村大臣の予算委での説明どおり支払いを受けるべき遺族の方が漏れなく支払いを受けることができるように政府の監視をお願いしたい。

【代表】
 副反応の問題については、その副反応が原因で亡くなっているのか、そうでないケースであるのかということについては、ケースごとに違うと思っています。あえて申し上げれば、もっと情報公開と、わかりやすい説明を厚生労働省は行うべきだと。現状は、先ほど申しましたとおり、早くワクチンを打つために頑張っているぞというパフォーマンスは一生懸命ですが、それは接種後の状況についてむしろもっと積極的に、こういう状況であると、したがって因果関係がないケースがこれぐらい含まれるとか、そういったことの説明をもっと積極的にしないと、いろいろな皆さんが逆に不安を持たれると思っています。その点をしっかりと求めていきたいと思っています。

○「経済政策(3)」「候補者擁立・調整(2)」「補正予算」について

【フリーランス・宮崎記者】
 3点伺いたい。一つは、一部報道の確認だが、来年の通常国会に消費税の時限的な5%の法律案を提出するという報道があった。
 2点目は、立憲民主党と国民民主党の選挙区の一本化を始めるという趣旨の報道があった。私の認識では、京都5区で国民会派と立憲会派が京都5区はあるかと思うが、それ以外はないのではないかと思うが。
 3点目は、二階幹事長が補正予算に関して言及した。補正予算の骨格を示してから選挙だという趣旨の発言だったかと思うが、その受けとめと、やや評論家的に教えていただきたいが、補正予算を全くやらないで11月でも8月でも総選挙をやるというのは今の日本の現状からしてあり得るのか伺いたい。

【代表】
 1点目ですが、私はとにかく政権を預からせていただければ、早い段階で時限的減税を実施しようと思えば野党自民党などの協力を得なければならなくなりますので、政権をお預かりさせていただければ直ちに野党自民党に対して協力をお願いするということを申し上げました。その具体的時期については、これは時限的に、感染が落ち着いて、いわゆる当たり前の日常を取り戻しつつあるプロセスにやることに意味があるわけなので、3年後、4年後では意味がない。そういった意味では、できれば来年の通常国会に結論を出す。そのためには野党自民党の協力が必要であると。そういうことを申し上げているということであって、何か時期を区切った何かということではなくて、そういった趣旨のことを申し上げています。
 2点目ですが、現状3選挙区、そのご指摘いただいた会派の方とのバッティングはバッティングと思っていませんので、3カ所ほどあると思っていますが、そのことも含めて国民民主党さんとの連携のあり方については幹事長や選対委員長がいろいろと水面下で調整をされていると承知をしています。
 3点目ですが、私どもは本来通常国会を延長して、今、補正予算の審議をすべきときであると。今からでも遅くありませんから、今から編成したら1カ月ぐらいかかるでしょうから、それこそ東京オリンピックの終わったころに臨時国会を召集して補正予算の審議をすべきであるというのが本来の姿だと。それでも遅い、本当は今審議すべきだと(考えている)。

【フリーランス・宮崎記者】
 補正の骨格だけ示して解散というのは、受けて立つことはできるか。

【代表】
 その場合だと、選挙が終わった後、違う補正を成立させることになりますね。