中村喜四郎候補(茨城7区)は27日正午、猿島郡堺町百戸で同日10カ所目の街頭演説をおこないました。「選挙は、みんなで国の政治を考える良い機会」と切り出した中村候補は、国会を動かす上で、国会議員はもちろんだが、「行政職の国家公務員が果たす役割が非常に大きい」と述べました。候補自身が薫陶を受けた田中角栄に限らず、福田赳夫、中曽根康弘ら時の総理大臣が「公務員にすごく気を使った」と振り返りました。田中元総理の場合、ある役所の幹部が面会に来た場合、その人がいつ大学を卒業し、入省後にどのような課長、局長を経て、今のポストに至っているのかに触れ、当の役人に「これほどまで私に関心を持ってくれているのか。よし、この人のために頑張るぞ」と惚れさせて仕事をしたと明かしました。
公正に行なわれてきた公務員人事
また、国家公務員の人事が公正に行われることの重要性を例えを用いて説明しました。東京大学の卒業生など20人が財務省職員に採用され、そのうちの1人だけが最終的にトップになる。どのようにして選ばれていくのか。「3年先、5年先のことは頭が良くても、見通しが立つ人、立たない人と個人差がある。問題にぶつかった時、『物の本質は何か』を見極めるのも頭がいいだけではできない。洞察力(がある)。ピンチになった時、みんなががっかりしている時にそれをチャンスに変えられるのも、その人が持っている天賦の才能。人格が良い。みんなから尊敬されている。そういう人になったから一番上に行ったんだ」と、みんなが納得できる人事が大切であり、かつてはそうだったと語りました。
やってはいけないことをやった
このように行政職員と国会議員の関係が機能していた頃は、「健全な政治だった」と振り返りました。ところが7年前、自民党政権が「やってはいけないことをやった」と批判しました。具体的には、内閣人事局を新たに設置し、「自民党が役人を偉くするか、しないかを決められるようになった。それから、とんでもないことがいっぱい起こるようになった」と断じました。例えば、森友学園問題は、「国有地は適正価格で売らなくてはいけないのに、安い値段で売ったということは法律違反」、安倍さんの奥さんが原因だとも言われているのだから、「(亡くなった近畿財務局職員のお墓に)安倍さんがお線香を上げに行って、『申し訳なかった。私が責任を取って総理大臣を辞める』と言ったって一つもおかしくない」とその政治姿勢に疑問を呈しました。
野党を強くしまともな政治へ
国家公務員が政治家に忖度するなど、政治が歪められている原因について中村候補は、「野党が弱い」ことを挙げました。「野党の国会議員が全国会議員の29%しかいない。与党は71%いる。71%の与党に29%の野党が何を言ったって通らない。与党はやりたい放題ができてしまう。野党が少し強くなって、35%、40%と相手との距離がどんどん縮めば、まともな政治が戻る」「役人に責任を押し付けるなんてできなくなる」と力を込めました。
どうすれば野党が強くなるかについては「オール野党を結集すればいい。オール野党を結集すれば、弱い野党と馬鹿にされても強くなる」と述べました。自ら尽力して4年前から始めたオール野党結集の運動は、当初はまとまりを欠いたが、徐々にまとまりが出てきたことから、本年3月の千葉県知事選、6月の静岡県知事選、そして8月の横浜市長選に応援に行き、いずれの選挙でも勝利したと報告しました。この結果に対して「自民党がたまげてしまい、総理大臣を替えるしかない。菅さんを辞めさせて、岸田さんにした」と分析し、「民主主義を取り戻すためには、弱い野党が結集するしかない。それは政治家の仕事だ」と述べました。
選挙に行かないと政治はどんどん悪くなる
熱心に耳を傾ける聴衆の皆さんに向け「国民の皆さま方にお願いがある」と切り出し、「なぜ与党が強いかと言ったら、投票率が低いから強い。自民党・与党の支持者は、雨が降ったって、風が吹いたって絶対選挙に行く」。一方、「強い与党も弱い野党もダメ。だから選挙に行かない」という無党派層の人たちがいるが、「弱い野党だって、この国になかったら独裁になる。弱い野党を強くするか、弱くするかは国民の考え方ひとつだ」と訴えました。
「一番いけないのは、政治を批判したら投票に行かないということ。政治を嘆いて選挙に行かないこと。これをやってたら政治はどんどんどん悪くなる」と懸念を示しました。中村候補は、「今なら間に合う。今国民が立ち上がってくれて、投票率が上がれば、野党が強くなれば、与党はブレーキをかける。それが民主主義を健全に動かすためには必要なことだ」と訴えました。