衆院予算委員会で14日、2021年度補正予算案の基本的審議の2日目がおこなわれ、立憲民主党・無所属の岡田克也議員が2番手として質問に立ちました。岡田議員は(1)核軍縮政策(2)核兵器禁止条約(3)気候変動・脱炭素化対策(4)政治に取り組む基本姿勢――等について質問しました。

■核軍縮政策

 岡田議員は、米バイデン政権が核攻撃を受けない限り、核兵器を使わないとする「先制不使用」宣言を推進しようとしている点を評価し、岸田総理が宣言に否定的な見解を示していることについて「なぜ駄目なのか」と迫りました。

 総理は一般論との立場を示した上で「核兵器国の信頼関係がベースにならなければいけない。少なくても検証できる透明性なくして、こうした宣言は実際に機能しない」と答弁しましたが、日米間の具体的なやりとりについては、「申し上げることは控えている」と回答を拒否しました。これに対して岡田議員は、「せっかく米国のバイデン政権が核軍縮に舵を切っている。その時に日本が否定的な態度で終始するのは理解できない」とし、日本政府に「再検討すべき」と強く求めました。

■核兵器禁止条約

 核兵器禁止条約に関して岡田議員は、「オブザーバー参加すれば、議決権はないが、発言権は得られる。そこで日本の考え方を参加国に対して説明する機会だってある。あるいは被爆国として核がどういう被害を及ぼすか説明の機会もある」とメリットを強調し、岸田総理に同条約へのオブザーバー参加を提案しました。総理は、「米国と核軍縮、不拡散で信頼関係を作り上げる」ことが優先との考えを示し、オブザーバー参加は、「肝心の信頼関係そのものを損ねてしまう」と否定的認識を示しました。

 それに対して岡田議員は、来たる日米首脳会談で核問題を議論し、「オブザーバー参加を行うことを日米間で合意する。アメリカの『先制不使用』宣言、あるいは準ずるものについて日本はこれを歓迎する。ただし、そのことによって、抑止力が減じられることがないよう日米で協力する」、これを一つのパッケージとして、日米首脳会談の成果とすることを提案しました。総理は「バイデン大統領との間で『核兵器のない世界』を目指すという観点から、信頼関係をしっかり作ることは、しっかり目指さなければならない」と答弁しました。

■気候変動・脱炭素化対策

 菅前政権下で検討が進んだ気候変動対策に関しては、岸田政権に変わってから後退しているのではないかと疑問を呈し「カーボンプライシングについて、もっと前向きの発信を総理としてすべきではないか」と強く求めました。

 総理は「世界の動きにもしっかりと目を凝らしながら、取り組みを前進させるように努力をしたい」と答えましたが、岡田議員から「具体的手段がなければ実現できない」とし、菅政権が進めたカーボンプライシングの検討を進めるよう求めました。

■政治に取り組む基本姿勢

 最後に岡田議員は、「桜を見る会」問題について参加者数が2013年度と2019年度では大幅に増えていること、招待者の内訳において自民党関係者の推薦で約6,000人、総理の推薦で1,000人などを指摘し、どのような経緯で、どのような実態だったのかをしっかり検証すべきと説きました。

 岸田総理は、「大いに反省すべき点があるし、二度と起こしてはならない」「検証すべきだという指摘についても、今党改革の議論をしているが、こうした議論を進めていき、信頼を回復していきたい」と語りました。岡田議員は、「桜を見る会そのものではなく、自分たちの政治活動のために使ってしまったことが問題で、しかも総理大臣が自らやっていた。本当に情けないし、国民に対して申し訳ない」と述べ、「党としてけじめをつけるべき」と説き、質問を終えました。

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