西村智奈美幹事長記者会見
2021年12月14日(火)16時15分~16時36分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/6BuQq1VpKu4
■冒頭発言
■質疑
- 憲法議論について(1)
- 補正予算審議について
- 名護市長選・沖縄県知事選について
- 政調体制について
- 議員立法「コロナ困窮労働者給付金法案」について
- 子育て世帯への臨時特別給付について
- 憲法議論について(2)
- 入管行政について
■冒頭発言
○第38回常任幹事会を開催
【幹事長】
お疲れさまでございます。幹事長の西村です。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
きょうはまず、先ほど泉新体制になりましてから初めての常任幹事会が行われましたので、そちらのほうからご報告を簡単にさせていただきたいと思います。
きょうは新体制の人事案件が主でございます。それぞれの委員会あるいは部局が立ち上がりまして、その中で一緒に仕事をする仲間たちのメンバーの提案がありました。それがほとんどでございます。
小川政調会長からは、既にご報告があったかと思いますが、補正予算の組み替え動議をあす提出する予定でございます。その内容についての報告と、それから政調の補正予算に係る個別の審査案件について報告がありました。
選対のほうからは、地方自治体選挙の結果、それから公認候補あるいは推薦候補のご紹介がありましたのと同時に、首長選挙で岐阜市長選挙、柴橋さんの推薦を決定いたしております。
そして、きょうは長野県選挙区での参議院選挙、ここでの杉尾さんの公認内定を決定したというのが主な内容でございます。
○臨時国会 補正予算審議について
【幹事長】
臨時国会もいよいよ衆議院の予算委員会が山場を、そろそろ越えるか迎えるかというような状況でございまして、本当に待ちに待った国会の開会そして衆議院の予算委員会ということなのですが、まずはこの間、岸田内閣が臨時国会の召集を全くしてこなかったということについては苦言を呈さなければなりません。新型コロナウイルスの第5波が起きているときからも私たちはとにかく臨時国会を憲法53条に基づいて開くべしと言い続けてまいりましたが、一顧だにされず、今月になってようやくの召集でありました。
例えば例の子育て世帯に対する10万円の給付問題についても、この時期になって岸田総理は全額現金給付が可能だというふうに方針転換をしましたが、これはもっと早く臨時国会を開いていて、そして私たちからの質問によって問題点が明らかになり、もっと早くにこの方針を変更していることができていれば、各自治体の議会の皆さんもそれに対応した予算組みができたはずであるというふうに考えますと、本当に残念でなりません。この間の自公政権の審議拒否には強く抗議をしたいと考えております。
また、クーポンの問題についても、きょうの午前中、我が党の逢坂代表代行がクーポンにこだわり過ぎたのではないかというふうに、ごく真っ当な、一般市民からしますと真っ当な指摘を申し上げたところ、担当の大臣は原則クーポンを堅持するというふうにおっしゃっているわけですが、やはり各自治体のご意見を聞いていても、また、町の中でのお声を聞いていても、原則であるクーポンでの支給というのを選択する自治体は結果としてかなり少なくなるのではないかと考えております。ということからいたしますと、岸田政権も、これまで野党からの、そして国民の皆さんからの声に押されて現金の一括給付というところまでは来ましたが、最終的には原則クーポンという方針そのものも転換せざるを得なくなるのではないかと考えております。
ワクチン接種の問題もそうですが、こういうふうに新型コロナウイルス対策として出してきた政策についても二転三転しているということからいたしますと、本当にその基本の重要なところでころころと方針が変わる、そういう内閣ではないかというふうに、今、受けとめております。
■質疑
○憲法議論について(1)
【時事通信・木田記者】
憲法に関して伺いたい。きょう初めての(党)憲法調査会が開かれるが、どういった議論を期待されるかということと、衆議院の憲法審査会のほうで自民党から自由討議の提案があり立憲民主党は持ち帰っている状態だが、党としてどのように対応される考えかお聞きしたい。
【幹事長】
まず、どのような議論を望むかということで申し上げますと、静かな環境のもとで円満に議論が行われるということを期待したいと考えております。
私たち、憲法に関する議論そのものは否定しておりません。しかし、改憲ありきの、改憲自体を目的としている議論についてはくみしないという考え方ですので、憲法審で与野党の合意のもとに行われる議論ということであれば、それは静かな環境で中身の深いものをやっていただきたいというふうに考えております。
○補正予算審議について
【朝日新聞・小手川記者】
補正予算案について、きょう組み替え動議を公表されているが、否決された場合、政府案にどう対応するのか。賛否の理由も含めて伺いたい。
【幹事長】
賛否については、まだ決しているものはございません。他方で、昨日からの我が党の質問者がさまざま指摘しておりますとおり、例えばマイナポイントですとか、そういう意味で本当に今必要な使い方なのかといった疑問が呈されているわけですので、それをもとにしかるべき時期に判断をしていきたいと思っています。
○名護市長選・沖縄県知事選について
【朝日新聞・小手川記者】
沖縄のことについて伺いたい。来年1月に名護市長選があり、その後、沖縄県知事選、参院選と、沖縄の重要選挙が続くが、立憲民主党としてどのようにかかわっていくか伺いたい。
【幹事長】
沖縄の問題については、きょうで埋め立て開始からちょうど3年たつということで、非常に重要な時期を迎えていると考えております。私は、辺野古の新基地移設については、これは予算の面からも工期の面からも、また、米軍の考え方などから含めても、もうそれに固執する必要は全くないと考えておりますし、中止すべきだと考えております。
その中で、来年にはさまざまな選挙が行われることになっておりますが、名護市長選挙については候補者は既に推薦決定しております。知事選の対応につきましても、そういった我が党の基本的な方向のもとで沖縄の皆さんとこれから協議をして方針を出していきたいと考えています。
○政調体制について
【「フランス10」・及川記者】
役員人事を見て、ふと思ったのが、政調で会長代行に階猛さんということで、階さんというと去年特例公債法反対の演説でプライマリーバランスの2025年度黒字化を主張された、緊縮傾向の強い方だ。一方で、政調副会長に落合貴之さんという、前体制において江田憲司さんのもとで経済政策をつくった積極経済の方がいらっしゃる。立憲が衆議院で掲げた、低所得者への年12万円の給付、1000万円以下の所得世帯への所得税減免、そして消費税5%、階さんが政調会長代行で変わったりしないか、それをやや懸念します。
【幹事長】
ご意見でしょうか、ご質問でしょうか。
【「フランス10」・及川記者】
経済政策が変わることは、衆議院総選挙で掲げたことが変わることはないか。
【幹事長】
現時点で私たち、基本政策集に掲げた政策を、みんな自分たちの政策として一緒に戦っております。今の時点で政務調査会のほうからこれについて何か変更したとかいうようなことはございませんので、現時点では同じ政見を持っているということでございます。
○議員立法「コロナ困窮労働者給付金法案」について
【朝日新聞・神澤記者】
きょう午前中、会見で小川淳也さんが、ワーキングプア向けの給付金に関する法案を準備しているという話をされた。予算の組み替えとは別途切り分けてそういったものを準備しているが、一方で慎重論もあるので検討していくというようなお話だったが、きょう何か常任幹事会などでこれについて決まったことがあれば教えていただきたい。これは出すという方針でいいのか。
【幹事長】
ありがとうございます。コロナ困窮労働者給付金に関する法案ということで、きょうの時点では(議員立法)登録という報告を受けております。登録というのは、今後その法案の(政調)審議を進めていくという、そのスタートラインに立つということですので、きょうのところは登録しましたという報告はありましたが、中身、詳細に至る説明などはありませんでした。
【朝日新聞・神澤記者】
今後もう少し、出す出さないを含めて、まだ議論があると。
【幹事長】
そうですね、もうきょうが14日ですので、残り会期を考えますと非常にタイトだとは思うのですが、緊急を要する内容だと思いますので、今後政務調査会ともよく話をしながら進めていきたいと思います。いつの時点で出せるのかということについては、私は今何か予断を持って申し上げることはできません。
○子育て世帯への臨時特別給付について
【朝日新聞・神澤記者】
クーポンについてだが、まさに後藤(役員室長:会見陪席)さんの指摘で問題が明らかになったと思うが、実際このクーポンを取り下げるというか、だいぶ現金給付を自由に自治体の意向でできるようなってきた中で、それはそれで何か立憲民主党として反対というか懸念をいろいろ示されているような形があり、結局どっちを求めているんだというのが少しわかりづらくなっていると感じる。今の政府が軟化というか現金給付を認めているところで、どういったところは認めていて、どういったところに懸念を示しているのか、改めて伺いたい。
【幹事長】
まずは、私、これまでの経過で、やはり岸田内閣が半分現金で半分クーポンにする、その理由そのものがやはり不明確だと思うのです。そもそもが、この子育て世帯に対する10万円給付がどういう政策目的なのかが正直言うとはっきりしないところがあります。子どもに対する支援なのか、生活困窮世帯に対する支援なのか。子どもに対する支援だったらもっと別のやり方があってしかるべきだし、困窮世帯に対してだったらもっと別のやり方があると思っております。
その中で、現金・クーポンと、こういった形で分かれて、やはり自治体で実務を預かる、そして住民に最も近い自治体の皆さんが「これではいけない」「これでは本当に役に立つのか」といった懸念の声を上げられた。このプロセスが、まさに岸田総理が「聞く力」があるというふうにおっしゃるのであれば、その「聞く力」を発揮してこれまでにもっと時間を使って対応できたはずだと思うのですが、そのプロセスも問題であったと思っております。
○憲法議論について(2)
【産経新聞・澤田記者】
憲法について伺いたい。先ほど幹事長は与野党の合意のもとで開かれるような議論をという認識を示されたと思うが、現状、立憲民主党が合意すればおそらく開けるのではないかというのが現実的だと思う。今回、あさって定例日に憲法審を合意して開けるという状況だとお考えか。また、開けない場合、今国会で一度も自由討議が行われないということになるが、それでも別に構わないという認識なのか。以上2点を伺いたい。
【幹事長】
私、現場のお話を聞いておりまして、非常に丁寧にやっておられるというふうに思います。ですので、与野党の合意ができるのではないかという見通しは今持っております。ただ、そこは現場に、正直申し上げれば私が合意しろとか合意するなとか言えるような立場ではありませんので、そこはまさに現場の方々にある意味お任せをしているということになります。
○入管行政について
【フリーランス・西中記者】
幹事長は衆議院の代表質問に立たれたが、幹事長が質問されるということでおそらく党内からは、特に今国会は予算委員会以外は各委員会ほとんど開かれないということで、この質問をぜひしてほしいという要望がたくさんあったと思うが、その中で名古屋入管で亡くなられたウィシュマさんの問題について取り上げた。まず、その質問を取り上げようと思った理由。そして、岸田首相の答弁に対してどのような感想を持たれたか。従来どおり法務省の今やっている調査報告の内応を進めていけばいいと、手紙は読んだとおっしゃっていたが、今のような進め方でいいのかどうか。今後の入管政策に及ぼす影響について今後どういうふうに取り組んでいかれたいかということも含めて伺いたい。
【幹事長】
我が国は人権を大事にする、人権外交もしっかりと行ってきた国だと理解しています。ですので、その日本が国内で、しかも入管の施設の中で、医療も受けずに亡くなる方を出してしまったということは、これは大変な問題だと思っておりますので、ここはやはり質問しなければいけないと思ってさせていただきました。
岸田総理の答弁で、手紙は読んだというふうにはおっしゃったのですが、返事を出しますかと、私はそこまで聞いたのですね。しかし、それについては何もお答えになりませんでした。また、調査についても、法務省や入管庁がやっているからその報告を受けるとしかおっしゃいませんでした。私は、それだけでは不十分なので総理がきちんとリーダーシップをとって調査を第三者的に行ってくださいということは申し上げたのですが、それについて何もお答えにならなかったということは、極めてこの問題に後ろ向きであると思いましたし、また、言ってみれば時間が過ぎるのを待っているかというふうな思いもいたしました。
立憲民主党としては、さきの国会で入管法などに関する法案も提出いたしております。国会が解散しましたので廃案にはなっておりますが、ぜひもっと第三者的な目といいますか、司法的な手続もかませるような形での改正ができるように、私としてもこれからも取り組んでいきたいと考えています。
【フリーランス・西中記者】
関連だが、今おそらく衆議院第1議員会館で、多文化共生基本法や難民保護法、次期国会で立憲民主党が提出する法案について検討がきょうもされていると思う。この多文化共生に向けて、特に入管法の抜本改正、あるいは難民の受け入れといったことについて、これから党としても本格的に取り組んでいくと、前面に出して取り組んでいくということだと思うが、その中で生活困窮する人が今たくさんいる。そういう臨時のことを踏まえて、今、党として何ができるのか。前の記者会見で代表は支援団体を支援するようなことを考えているとおっしゃっていたが、そういった年末年始にかけて具体的なこういう対策をしたいというような考えがもし党全体としてあれば伺いたい。
【幹事長】
支援団体への支援も当然必要だと思っております。あわせて、今、本当にこの新型コロナの中でより一層、例えば在留している外国人技能実習生の皆さんであったり、大変困難な状況に陥っていると考えております。そういった方々への支援などについても党として細かく目を配りながら、やはり間接的になりますが支援団体への支援ということになりましょうし、また、多文化共生に向けての政策面、法制度、こういったところでの改善を積極的にやっていきたいと考えております。