泉健太代表は19日、岸田総理の施政方針演説に対する代表質問終了後に国会内で記者団の取材に応じました。

 冒頭、「昨年の代表質問のときもそうだったが、総理の答弁が抽象的なところがあって(議論が)前進しない。今までの政府の考え方をただ繰り返すのであれば、新たに質問した意味がなくなってしまう。せっかく答弁していただくわけだから、『具体的に』と問われれば具体的にお話いただきい」と議論を振り返りました。

 新型コロナ対策について「本年6月を目途に危機に迅速・的確に対応する」とした総理答弁を例に挙げ、「迅速と、本年6月とが全然一致せず矛盾している。迅速なのか、6月まで待つのか、危機感が足りない」と指摘。若者の所得の引き上げや、分配政策については、具体的に何かと尋ねたのに対しも明示的なものはあまり示されなかったとも語りました。

 18日に立憲民主党が提出した議員立法「離婚世帯子ども給付金支給法案」を取り上げ、これによって9月1日以降に離婚した場合などで給付金が届かなかった世帯の子どもたちに10万円が給付されることになり、対象となる子どもは約4万1000人と推計されることに触れ、「クーポン券をほぼ事実上採用しないということになり、事務費も相当浮いている。(財源の)約40億円は出せる金額のはず。(財源があるのに)政府がこうしたことに取り組まないのであれば、聞く力があるとは言えない」と問題視し、具体的な取り組みへとつなげるべきとの認識を示しました。

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記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下の通りです。

記者)岸田総理に対し予算委員会ではどのような姿勢で臨んでいくのか。
泉代表)今日の代表質問は、一往復で更問いができないが、予算委員会は更問いができる。単なる押し問答ではなく、ちゃんと聞いたことに答えていただく。そういう形で新型コロナ対策や分配政策、安全保障などについて質疑していきたい。

記者)代表質問のなかにあった、新型コロナ対策に関する「まん延防止等重点措置の見直し」とは具体的にどういうことか。
泉代表)この見直しは、とにかくオミクロン株の特性に合わせて、例えば病床の使用率や重症病床の使用率の基準などは感染のスピードが違うことを踏まえることになるはずだということで質問させてもらった。総理の答えは「医療体制のひっ迫度に重点を置いたレベル分類を踏まえた総合的な判断」ということだった。その通りだが、それに基づいて数字があるので、その見直しをしなくていいのかという問いをしたが、それにはお答えにはならなかった。

記者)13都県にまん延防止等重点措置が適用されることへの受け止めと、これまでの政府の対応についての評価を
泉代表)総理は施政方針演説で、この間に準備期間が十分にあり、準備ができたと語ったが、本当にそうした認識なのかを疑わなければいけない。全国では今、この新型コロナ対応に相当追われている。学校の休校も相次いでいる。今後、緊急事態宣言となったときには補償も生じてくる。まん延防止等重点措置であれば、各店舗にどのような要請をしていくのかも、政府が言うほど自治体は楽観的ではなく、非常に悩ましい課題がたくさんあると思う。現在は13都県だが、まだまだ増えてくる可能性がある。各自治体が判断をしやすい環境を国が作っていくべきだと思う。

記者)日米地位協定の見直しではなくオミクロン株などの対応は日米合同委員会で対応していくという趣旨の答弁だった。それで十分だと考えるのか。
泉代表)地位協定の見直しをわれわれは求めている。もちろん合同委員会で協議をすることは必要だが、今回の「コロナだからこういう対応をします」ということではすべて後追いだ。後追いの対応ではなく、基本的に日本側にどんな権利があり、その上でアメリカの基地があり、米兵が存在しているのかということだと思う。今日は取り上げなかったが、今低空飛行の問題など全国からさまざまな懸念の声も上がっている。ホスト国として当然の権利を訴えることは、そんなに遠慮する話ではないと思う。