衆院本会議で19日、岸田総理の施政方針演説をはじめとする政府4演説に対する代表質問が行われ、小川淳也政調会長が登壇しました。
冒頭で小川政調会長は、先週末にトンガ沖の海底火山の噴火に伴い津波警報が発令され、実際に被害が確認されたことや、大学入学共通テストの受験生にとってストレスのかかる状態での受験になったことに言及し、心よりのお見舞いを申し上げました。他方、17日の総理の施政方針演説において、このことに何ら言及がなかったことについて、疑問を呈しました。
■オミクロン株対策
急激に感染拡大するオミクロン株への対策について、政権発足後100日あまり経った岸田政権の「ハネムーン期間」は、国内においてデルタ株がオミクロン株に置き換わる「インターバル」期間であったとし、本来は感染が落ち着いていたこの時期に、「準備を万端、整えるべきであった」と指摘しました。
また、オミクロン株の重症化率の質問に対し、岸田総理は「国立感染症研究所によれば、デルタ株と比較してオミクロン株では重症化しにくい可能性が示唆をされています」として、政府の対策の緩みにつながりかねない認識を示しました。
■総理の朝令暮改
小川政調会長は、岸田総理の姿勢について、「こども給付金をクーポンとするのか、現金を認めるのか。オミクロン株の濃厚接触者となった受験生の大学受験をめぐる対応。蔓延防止措置に関連して、飲食店への協力金のアンバランスから、認証店が相次いで認証を返上するという本末転倒の事態」が頻発しているとして、安倍・菅政権と比べると「一見謙虚」だが、岸田総理の政策判断は「朝令暮改」の実態を浮き彫りにしました。
■建設統計不正問題
建設統計不正については、改めて政府として、責任の所在を明らかにするとともに、関係者の処分を行い、また報告書では明らかにならなかった不正統計のGDP統計への影響について、更なる説明責任を果たすべきとの質問に対しては、岸田総理は「責任の所在については国土交通省において関係した職員の責任を明らかにし、処分を速やかに行い」、GDP統計への「直接の影響はない」として幕引きを図りたい姿勢をにじませました。
■議員定数10増10減
そもそも自民党と公明党が議員提案して法改正された一票の格差是正について、10増10減が必要になるとの試算結果を総務省が公表したところ、与党有力者から異論が出ている問題をただしたところ、岸田総理は、本年6月25日までになされる勧告に基づき「区割り改定法案」を「政府としては粛々と提出する」と述べました。
■新しい資本主義とは何か
最後に、小川政調会長が「総理の言う新しい資本主義とは一体何なのか。『成長と分配』という言葉は聞き古しました。ではなぜそれが今まで達成されなかったとお考えなのか」とただしたところ、岸田総理は「今年の春、新しい資本主義のグランドデザイン、そして実行計画を取りまとめてまいります」と述べるにとどめました。
※「社会の持続可能性を回復し、未来への責任を果たす。立憲民主党はその挑戦を牽引する政党でありたい」と決意を述べた小川政調会長の代表質問全文は以下のPDFファイルをご覧ください。