立憲民主党は10日、新型コロナウイルス対策本部(本部長・長妻昭衆院議員)を国会内で開きました。会議では前回の質問に対する回答のほか、基本的対処方針の変更についてのヒアリング、他にオミクロン株の致死率とインフルエンザの致死率の比較等が議論されました。

 冒頭のあいさつに立った長妻本部長は、「心配なのは自宅死だ」と述べ、日本における新型コロナウイルス第5波と第6波を比較すると重傷者は第5波の方が多いが、死者数は第6波の方が第5波よりも2倍近く多いことを紹介しました。重傷者になる前に突然に亡くなる人が多く見られることを指摘し、「自宅のケアが非常に大切でありますが、オンライン診療は数パーセントということでほとんど進んでおりません」と自宅療養における医療提供体制を懸念しました。また、昨年11月頃には3回目のワクチンを打つ在庫があったのではないかと後藤厚生労働大臣に委員会で質疑した件を取り上げ、後藤大臣は当初、否定していたにも関わらず今日厚生労働省から長妻本部長に出された資料には「11月1日時点で、国の所有だけで3800万回分余っているのがあったわけです。おまけに自治体が持っていて余っているのが、ファイザーで770万回分、モデルナで120万回分」と記載があったことを明かしました。長妻本部長はオミクロン株が重症化しにくいと思われていることを危惧し、「もっと危機感を持って、亡くなる方が大変多い、怖いオミクロンなんだということを認識し、しっかりと危機管理していただきたい。われわれも全面的にバックアップをして提言をしていく」と表明しました。

 内閣官房から別添の資料のとおり説明ののち、議員から質疑がありました。基本的対処方針の記載について、「『高齢者を中心に基礎疾患のある者において、オミクロン株への感染が契機となって基礎疾患が増悪する事例が多く発生しており』とあるがこの表現が薄すぎる。もっと危機感を持った表現にしてほしい」と意見がありました。内閣官房の担当者は「切迫感がないわけではない。感染者の割には重症化が出てこないのは事実だった」等と答えました。

【議題2】資料(内閣官房コロナ室).pdf

 厚生労働省からは前回の会議で出た質問に対して別添の資料のとおり回答がありました。

【議題3】1,3~8資料(厚労省).pdf

【議題3】6資料(厚労省).pdf

【議題3】9資料(厚労省).pdf

【議題3】10資料(厚労省).pdf


 また、出席議員から厚生労働省に対して、大阪府のオミクロン株感染を原因とする致死率が0.04%から1週間で0.07%に上がっており、インフルエンザの致死率は0.03%と回答している事に触れ「後藤大臣は十分な知見がないと答えられないと答弁するのではなくて、国民は致死率が高いとびっくりすると思いますよ。重症化しにくいと思っている。大臣は国民に向かってこのことを言うべきだ」等と強く訴えました。厚生労働省担当者は、「現時点でインフル致死率の方が低いと申し上げているわけではない。まだ下振れリスクもあるので、今後データの積み重ねがあれば後から出る」「数値で強弱を示すのは困難」等と答えました。