小川淳也政務調査会長は3月25日、「持続可能な社会ビジョン創造委員会」の一環として、同委員会委員で法政大学教授の水野和夫さんと対談。ポスト近代における持続可能な社会について議論を交わしました。
水野さんが冒頭、プレゼンテーションを行い、21世紀は「歴史の危機」(陸と海のたたかい)を、いかに乗り越えるかが課題との認識を示しました。ロシアによるウクライナ侵略については、16世紀のスペイン・オランダ(陸の国)とイギリス(海の国)の争いから「400ぶりの21世紀において、中国・ロシア(陸の国)と米英(海の国)が正面衝突し始めた」と指摘しました。また、その背景には、「資本の蓄積が、公共の利益につながるとみんなが信じている」ことにあると述べました。
その上で、近代=「より遠く(価値極大化)、より速く(化石燃料依存社会)、より合理的に(経済至上主義)」という行動原理から、ポスト近代=「より近く(地域主権)、よりゆっくり(再生エネルギー社会)、より寛容に(共生社会)」という行動原理への移行が必要だと指摘しました。
しかしながら、日本においては「不平等が人を殺している」(「INEQUALITY KILLS」2022,OXFAM)状況だとして、まずは「失われた30年の清算」のために、不平等の是正による人々の「救済」が必要だと述べました。そのためには、「国が果たすべき役割」として、「年金等の社会保障制度の持続性による将来不安の除去」が欠かせないと指摘しました。また今後、「プーチン大統領がウクライナを侵略しなくとも、いずれ化石燃料の枯渇により価格が高騰するので、再生エネルギー社会に切り替えていく」ことが必要だと強調しました。
水野さんのプレゼンテーションを踏まえ、小川政調会長は「水野先生の哲学、経済思想は自分の中にベースとしてインストールされている」と応じました。また、「日本は人口減少のフロントランナーでもあるので、世界に先駆けて解決していくという思考」が必要であり、「アベノミクスはまさに昭和の発想、復古的な政治であった」と振り返り、むしろ「再エネについては江戸時代の方が持続可能な社会であった」と述べました。その上で立憲民主党は、「まっとうな社会改革をけん引する政党でありたい」と意気込みを語り、「公助を整えるためには、信頼性ある政治、透明性ある政治」が不可欠だと強調しました。