党ジェンダー平等推進本部は4月20日、国会内で会議を開き政府から(1)内閣府・男女共同参画局が主催する「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」第11回資料「教育に組み込む 壁ドン・告白・プロポーズの練習、恋愛ゼミ」(4月7日開催、成蹊大学文学部・小林盾教授提出)(2)議員へのハラスメント動画公開「政治分野におけるハラスメント防止研修教材」――についてそれぞれ説明を聞きました。

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 冒頭、あいさつに立った同本部事務局次長の打越さく良参院議員は、報道等でも話題になっている、研究会で恋愛支援策として提案された「壁ドン・告白・プロポーズの練習、恋愛ゼミ」について、「男女共同参画、ジェンダー平等に資する方向なのかどうか。今後の取りまとめにどう生かしていくのか、議論の経過なども含めて話を伺いたい」と説明。議員へのハラスメント動画についても、作成した経緯や、今後の活用方法について説明を求めました。

 男女共同参画局の担当者はまず、「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」の趣旨や構成員、昨年5月18日の第1回会議からの開催実績、第11回会議で提出された「結婚と家族をめぐる基礎データ」の概要について説明。その上で、構成員の1人である小林盾教授の提出資料「豊かで幸せな人生100年時代に向けた、恋愛の役割はなにか:恋愛格差社会における支援の未来形」の内容については、あくまでも個人の知見を聞いたものであり、会議ではそれを踏まえてさまざまな視点から議論をしたと説明がありました。

 出席議員は、「(特に「壁ドン」は)DVや性暴力対策を担当する男女共同参画局として問題だと考えないのか」「データと見出しにずれがあるようなものもあり、主観が入っている分析ではないのか」など、個人的な見解と言えども、男女共同参画局としての見識が問われると指摘。男性議員も「違和感がある」と発言、政府の会議で税金を使っての議論としてどうなのかと疑問視する声が上がりました。

 こうした声を受けて担当者は、「誤解のないよう、不快な思いをする人がいないよう取りまとめていきたい」とあらためて政府の立場を述べました。

 議員へのハラスメント動画公開「政治分野におけるハラスメント防止研修教材」については、一部動画を視聴した後、担当者から作成の目的や経緯、教材の特徴、対応等ついて説明を聴取。今後の対応としては、ハラスメント防止研修の実施状況等とあわせ、本教材の活用状況について定期的に把握していくと述べました。

 この研修動画については、参加議員から「いいものを作っていただいた」「よくある事例で納得した」など評価する声が多数上がり、研修後の対応まで確認してほしいと要望。担当者は「地方議会で研修を実施することが義務付けられている。活用状況を含めてフォローしていきたい。条例の制定に取り組む等、実際にどうするのか各議会でも議論していただきたい」などと述べました。

 最後に同本部長代行の岡本あき子衆院議員は、「議会の中の文化を変えていくきっかけになるといい」と期待を寄せるとともに、実際のハラスメント事例にどう対応していくか、引き続き議論の必要性を強調しました。