立憲民主党は6月6日、水田活用直接支払交付金法案(正式名:水田活用作物の生産を行う農業者の農業所得を補償するための交付金の交付等に関する法律案)を国民民主党、無所属議員とともに参院へ提出しました。
転作助成の柱である水田活用直接支払交付金について、政府は昨年12月、突如見直しを行い、今後5年間1度も水を張らない農地は交付対象から外すといった方針が示されました。見直しは現場の農家にとっては寝耳に水であり、数多くの生産者から重大な懸念を持つ声が寄せられました。これを受けて立憲民主党は今年2月、現場の生産者の意見を聴取したうえで、一旦白紙とすることなどを農林水産省に申し入れました。一方、農業者の不安を払拭するためには、従来から批判の多い、予算措置のみに頼る「猫の目農政」からの脱却が必要であり、法律で明文化し恒久化することで、国として、いかに日本の農業を支えていくかを示すことが必要と考え、今回の法案提出に至りました。
法案は、水田活用作物・地域作物の生産を行う農業者に主食用米に係る所得との差額を補填するとしています。現在の水田活用直接支払交付金を法制化するものですが、定期的に水張りを行っていること等の要件は定めていません。
提出後、筆頭提出者の田名部匡代農林水産部会長が記者の取材に応じ、「食料安全保障について政府も声を上げ始めているが、だからこそ、水田を水田として、また農地を農地として維持するために、しっかりと国が責任を持って対応していくことが重要だと考えている。米が過剰な分、水田を活かして生産活動を続けていただくことが、結果として食料自給率を高めることにもなると思う。この法案の提出で、まずは農家の皆さんが将来の見通しを立てて安心して営農活動を続けていくことが大事」と法案提出の主旨を述べました。
法案提出には、田名部議員のほか、立憲民主党から小沼巧、横沢高徳参議院議員が出席し、金子恵美農林水産副部会長、小山展弘農林水産担当政調副会長、神谷裕農林水産部会事務局長の農林水産部会役員が同席しました。