立憲民主党は10日、日本版マグニツキー法案である「特定人権侵害行為への対処に関する法案」を衆院に提出しました。世界では、さまざまな地域で拷問や迫害、強制労働など深刻な人権侵害が発生しています。こうした事態に対して日本を除くG7の各国は近年、いわゆるマグニツキー法を相次いで制定し、国際人権法に定める人権を著しく侵害する行為に関与した者に対し制裁を科し対処しています。

 ところが日本は、人権侵害行為に対処する法を制定していないことから、「汚い資金が集まる」「人権後進国」と批判を受けています。憲法で人権尊重、国際協調の精神を謳う日本こそ、人権外交を推進するべきとの立場から立憲民主党は、外交・安保・主権調査会の下に人権外交・国際貢献力強化ワーキングチーム(WT)を設置し、人権問題に精通した実務者や有識者との意見交換を重ねて本法案を取りまとめました。

 主な内容は、国際人権法に定める人権を著しく侵害する行為があった外国における防止措置・被害救済手続によっては人権状況の改善が見込まれないと認められる場合、次の対処措置を講じるというものです。

・各議院等による特定人権侵害行為に係る事案調査のための政府への報告要求等(第3条)
・政府による必要な措置(資産凍結、輸出入規制、入国拒否、退去強制等)の実施(第5条)及びこれを可能とするための外為法や入管法の改正(第9条・第10条)
・被害者の保護及び支援(第6条)
・国会報告及び公表(第7条)
・国際的な連携の強化(第8条)

 衆院事務総長への法案手交後、提出者である松原仁(人権外交・国際貢献力強化WT座長)、中川正春(人権外交・国際貢献力強化WT顧問)、徳永久志(人権外交・国際貢献力強化WT事務局長)、末松義規(外交・安保・主権調査会長)、渡辺周(外交・安保・主権調査会長代行)各衆院議員及び田島麻衣子(人権外交・国際貢献力強化WT主査)参院議員が記者団の取材に応じました。なお、手交には欠席でしたが、桜井周衆院議員も提出者です。

 筆頭提出者である松原衆院議員は、「人権大国たらんとすれば、日本版マグニツキー法を持つことは、最低限の条件だと思っている。これが一つの大きな前進のための起爆剤となり、この法案が認められることを強く願う」と力を込めました。末松外交・安保・主権調査会長は、「日本で法律案を作ったのは初めて。画期的だ」とコメントしました。

 現在の国際情勢の中で本法案を提出する意義を問われて松原議員は、「さまざまな地域でサプライチェーンに強制労働がある商品が拒否をされる状況が今出てきている」と米国などでの事例を示し、こうした国際状況下では必要な法案だと強調しました。最後に「人権侵害をなくす『人権大国』、『戦う人権主義』を標榜することは国益にかなう」と述べ、成立に強い意欲を示しました。

【概要】特定人権侵害行為対処法案.pdf
【法案】特定人権侵害行為対処法案.pdf
【新旧】特定人権侵害行為対処法案.pdf

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