泉健太代表記者会見

2022年8月5日(金)10時30分~11時15分

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/rG4qLmnzrRA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○我が国EEZ内への中国弾道ミサイル落下について(1)

【代表】
 おはようございます。
 まず、昨日、中国軍が弾道ミサイルを発射したということで、そのうちの5発が我が国のEEZ、排他的経済水域の内側に落下するということで発表がありました。
 これは、我が国の安全保障、そして国民の安全に関わる重大な問題である。我が党としても、この中国の行為には強く抗議をしたいと思います。
 中国は、弾道ミサイルの発射を含む軍事演習のことを厳正な威嚇というふうに表現・表明をしていますが、やはりこのような、まさに威嚇ですね、これは行うべきではないと思いますし、全く平和的解決にはならない行為であると。中国側の言うような姿勢は全くもって地域の環境の安定には資さない行為であると思います。
 また、カンボジアで開かれているASEANの外相会議、ここで日中外相会談が予定されていたところ、中国側からそれを拒否するとの申出で中止となった。これも極めて残念でありますし、遺憾であります。やはりさまざまな環境がある中で対話を行うということが基本であって、いたずらにこのような機会を失わせるということについては、これも中国側に否があるというふうに私は考えます。
 改めて、この我が国のEEZの内側にミサイルが落下するというのは、中国においては初めてのことであって、通告の仕方等々についても納得できるものではないわけであります。非常に乱暴なことであったと思います。改めて強く抗議をしたいと思います。

○「原爆の日」を迎えるに当たって

【代表】
 きょう5日ですが、あしたは広島の原爆の日ということで、私も式典に参列します。きょうは夕方にICANが主催をするシンポジウム、各党が呼ばれておりまして、私はオンラインでの参加ということになりますが、このシンポジウムにも参加し、また、あしたも、式典以外にも、学徒の慰霊碑への献花ですとか、さまざまなことを行う予定となっています。
 また、9日には長崎を訪問させていただき、慰霊碑で献花を行うということで、改めて立憲民主党としても、憲法の平和主義に基づいて、非核三原則を堅持して、国際協調・専守防衛を貫く。この立場を明確にして、我が国が唯一の被爆国として核廃絶・核軍縮に先頭に立って取り組む。そういう国であるべきであるということも改めて我々として訴えてまいりたいと思っています。

○我が国EEZ内への中国弾道ミサイル落下について(2)

【代表】
 中国のミサイル発射については、きのう既に私としてはツイートもしていますが、改めて党として声明を出して、中国側にその意思を表明したいと思っております。それはきょう中に行おうと考えています。

○全国各地における大雨被害について

【代表】
 おとといからきのうにかけて、全国各地で深刻な水害、大雨被害が相次いでおります。この被害に遭われた地域の皆様にお見舞いを申し上げます。立憲民主党としても、この復旧・復興の支援に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 線状降水帯の予測が徐々に活用されてきているようになっておりますので、とにかく被害者を出さない努力をしていくということに各自治体も含めて最善を尽くすということとともに、今、大きな被害が生じている地域が、(新型)コロナですとかさまざまなことで、避難の環境や、あるいは災害ボランティアの環境も変わっているところですので、そういったものを踏まえて、一刻も早く地域の生活が元に戻ることができるように我々としても支援をしてまいりたい。政府にもその申入れをしていきたいと思っております。

○臨時国会閉会 閉会中審査の必要性について

【代表】
 今国会が3日間ということは、これまでも我々批判をしてきましたが、この大雨被害ということについて、先ほど馬淵国対委員長には、災害特、こちらも当然議論を行うべきだということで、我々としてこれを求めるということもさせていただいています。
 国会を開いて、コロナ対策、経済対策、国葬の問題、国会の中で、開会をして議論すべきだというのが我々の本来の主張、元々の主張でありますが、それが与党側が応じないということであれば、この大雨被害も含めて閉会中審査ということを求めたいと思っておりますので、災害特についても閉会中審査を求めていきたいと思います。
 岸田総理がおとといの自民党の両院総会で、私たちは歴史を画する課題に直面している、戦後最大級の難局だというふうに言いながら、国会をこうもあっさり閉じる。最大級の難局だと言いながら、国会議員たちは不要だと言っているに等しいのではないでしょうか。これでは、国会を開かない岸田総理と、国会に来ないガーシーと、同じようなことではないかと思います。国会軽視ということについては同種ではないかと、そのようにも思います。国会をもっと重要視していただきたい。
 それは、今回の国葬の問題でもそうですが、政府は予備費を使うというふうに言っている。そもそも国葬にすべきかどうかということについても、これは国会が総理を選出しているわけですから、その決定プロセスにおいて国会の関与というものは私は不可欠だと思っています。ですから、予算を支出するということであれば、それについても当然国会の関与は不可欠であると思います。これが双方、今、果たされていないということも大変な問題であると思います。
 とにかく、この国会軽視の風潮が、与党からも、そして一部の国会議員からも出てきているというのが、大変な問題であるというふうに思います。
 コロナ問題についてもぜひ議論をしていくべきだと思っているわけですが、政府は「BA.5対策強化宣言」を各都道府県に渡すのみで、具体的な対策がまだまだ行われていないという状況であります。引き続き4回目のワクチン接種を促進する。そして、その対象者をエッセンシャルワーカーに広く広げるということ。これがまだまだできておりませんし、先日来お話ししている二類相当の見直しを急ぐべきだということについても、まだ具体的な動きは遅いと思っています。

○旧統一教会と政治の関わりについて

【代表】
 続いて、旧統一教会のことについてですが、まず名称変更のことについては、下村元文科大臣も、あの黒塗りはおかしいというふうに言っている。文科省が改めて問われているということ。そして、下村元大臣がそのとき直接どうやりとりをしたのかということも当然解明をされなければいけない、もっと明らかにならなければいけないと思います。
 自民党には数多く文教関係議員もおりますし、また、まさに(旧)統一教会と関係性を持ってきた議員が多数いるわけですから、そういった人物が全く誰も、誰一人としてアプローチをしなかったのか。文化庁にアプローチをした、文部科学省に、あるいは政務三役にアプローチをした議員がいるのかどうか。これも調査をされるべきことだと思います。
 私は、支援団体、これはもう立憲民主党にとっては統一教会は支援団体ではないということは明確であるけれども、自民党にとっては支援団体の一つだということを言ってまいりました。さらに言えば、統一教会側に対して、茂木幹事長は、組織的な関係はないという言い方をしましたが、統一教会側は組織的に自民党議員を応援していた。これはもう間違いないことではないかと思います。統一教会側が組織として自民党を応援していた。これは間違いない事実だと思います。
 その意味では、もう繰り返し言われていますが、下村元大臣については今後一切関わりを持たないということは明言をしたようであります。では、他の議員はどうなのか。そこを曖昧にしている大臣もおります。今後の関係を持たないということを明言できないということであれば、それは今後の関係を許容しているということでもあると思いますので、この点、関わりを持ってきた全ての議員にははっきりしていただきたい。このことも訴えたいと思います。
 我が党は旧統一教会被害対策本部を設置していますし、きょうは国会内で国対ヒアリングを行います。これは、これまでも重要課題については通常国会においても何度か国会内でヒアリングを既に行ってきておりますが、今回は、我が党が考えている課題についてということのみならず、他党においても同様の課題意識を持つ政党が幾つか存在しているということが明確になっていますので、その意味で、他党にも呼びかけをして、この国会でのヒアリング、国対ヒアリングを行うということにいたしました。
 役所が、よく複数政党に呼ばれて一つ一つ同じ説明をすることも大変だということも従来から聞いておりましたが、今回はそういった意味で課題意識が共通するということで、その共通する各政党と共に国対ヒアリングを行うということで、本日は前川喜平、元文部科学の、当時は宗務課長をしていたということで、お呼びさせていただいております。

○両院議員懇談会の開催予定について

【代表】
 あと一点。きょう、皆さんご承知だと思いますが、両院懇談会ですね。きょうは午後2時から予定をしているということもお伝えします。


■質疑

○参院選の総括作業について(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 最後に発言があった両院懇の関係だが、おとといも両院懇が開かれ参院選の総括について話し合われたと思うが、そこで意見が出たため、それを修正してきょうというところだと思うが、改めて、この参院選の総括、どのように総括をして、どのようなスタートを切りたいのかというところが一つと、おとといの挨拶でも泉代表のほうから、人事を含めて体制強化ということをおっしゃっていると思うが、いつ、どのぐらいの幅で人事をやろうと考えているのか、あればお願いしたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 きょうのこの両院懇でも、前回いただいたご意見を踏まえて、その総括の修文を行って、お示しをして、またそれに対してご意見をいただきたいと思います。可能な限り、いつまでもということにはなりませんが、地域の県連組織等からもご意見をいただいていますので、可能な限り反映をさせて、次につなげていくという努力を最大限やっていきたいと思います。
 その中で見えてきている、今、課題が出てきていますので、やはりその課題の解決・改善に見合った人事の強化を行っていかなければいけないと思っています。今、幅とか時期とかについて具体的に考えているものはありません。しかしながら、今、我々としては国会閉会というのは大変残念でありますが、極めて遺憾でありますが、いわゆる次期の臨時国会と言われる時期には当然新体制で臨むということをイメージしています。

【産経新聞・大橋記者】
 臨時国会に新体制で臨むということだが、総括を来週10日にもまとめる予定だと思うが、お盆明けにもその人事をやるおつもりか。

【代表】
 今、何か時期ということで、いつからとか、いつまでとか、そういうことを考えているわけではないです。

○国対ヒアリングについて

【産経新聞・大橋記者】
 きょうの国対ヒアリングだが、参加する政党が、共産、社民、れいわというふうに聞いている。結局、問題意識を共有している政党とやるということは理解できるが、見た目上というか形とすると、またいつもの形なのではないかというふうに思ってしまうが、その点、代表はどうお考えか。

【代表】
 一度、国対ヒアリングを見直すと。あれは野党合同ヒアリングという名前でしたね、野党合同ヒアリングを見直すと。まさにその見直しをしたわけです。ですから、やはり一旦さまざまな形で、これまでやってきた野党合同ヒアリングというものを再検討して、そして今回に至っているということです。
 前回まではというか、野党合同ヒアリングという言い方ではあったのかなと思いますが、何か名称が明示的に同じとか変わったとかということが大事なことということではないのですが、ただ同じものを復活させているという理解ではないです。やはり必要なことをやるということに尽きるということです。

○参院選の総括作業について(2)

【日本テレビ・江口記者】
 人事を含めた体制強化ということだが、今の執行部人事というのは代表選を戦った4人が入っているのが大きな特徴だと思う。これまでの参院選のプロセスと結果を受けて、ご自身のこの執行部人事についての評価をお聞きしたい。

【代表】
 これまでのということですね。

【日本テレビ・江口記者】
 はい。

【代表】
 一つ大きく象徴的だったのは、これまで党運営の中枢を担ってきた先輩方ではなく、基本的に、そういった意味では新しい世代による代表選挙だったと思います。そして、私が一つのチャレンジとしてやはり考えたのは、その経験豊富な先輩の皆様にある意味頼ってきた我が党全体が、新しい局面、そこにはもちろん背伸びもあるかもしれないし経験では不足しているところもあるかもしれないけれども、しかし、その立場を背負って党の中枢を担っていく。それによって、また多くの議員たちが成長していく。そういうものを一つの姿として、この執行部の主要人事を決めたという経緯があります。そこについては間違いなく大きな成果というか、新しい人材が育つということにおいては成果はあったのかなと思います。  もちろん、一方で、参議院選挙で結果を出さねばならなかったというのは当然のことでありますので、そこについて、やはり大いなる反省と、そして、これをどう克服していくか。それをやはり考える、考え続けているというのが今の状況です。

【日本テレビ・江口記者】
 もう一点お伺いしたい。人事に手をつけるということを先日表明されたと思うが、刷新感というものを、立憲は変わるんだということを人事で見せることの必要性については、どのように考えていらっしゃるか。

【代表】
 見られる方によって刷新感というのもさまざまだと思います。ですから、そこは多少主観になってしまうので、この方の言う刷新と、この方の言う刷新では、違うと。例えば、ある人を登用したら「それは刷新じゃないよね」と言う人もいれば「大いなる刷新だね」と言う人もいたりするので、あまりその刷新感というものにはとらわれることなく、やはり党内の有為な多くの仲間たちができる限り生きるような、仲間たちの力が生きるような人事に全力を尽くすということを心がけたいと思います。

【日本経済新聞・大澤記者】
 人事について追加で伺いたい。先ほど、今の体制の人事の振り返りを伺ったが、それを踏まえて、今、総括中だが、今後新たに強化という意味で具体的にもう少し掘り下げるとすると、どういうような要素を強化したいと現時点でお考えか。

【代表】
 最終的には総括を経て、まさに、きょうまた文章はさまざまな修正がある可能性もあるので、その総括を受けた人事というものは当然考えねばならないと思います。
 ですから、現時点でどこの分野がとか、どの役職がということを明示的にお話しできることは今はありません。

【日本経済新聞・大澤記者】
 それは総括が整ってから見えてくると。

【代表】
 そうですね。総括の中で、今この過程においても見えてきているものは当然ありますが、最終的な確定の前に、そのことを言及する段階ではないということです。

○エネルギー政策について

【日本経済新聞・大澤記者】
 エネルギー政策について伺いたい。ロシアがサハリン2の運営会社、新会社の設立を決定した。電力の逼迫や日本の電気料金の高騰などの懸念につながると思うが、改めて立憲民主党の原発政策とエネルギー政策についてお考えを伺いたい。

【代表】
 まず、サハリン2の運営会社新設というところなのですが、まずロシア側に言いたいのは、国際的なビジネスの信頼を失うようなことはロシアの国益を損ねることになるということは、これは長期的な意味も含めて、これは言わなければいけないと思います。それはロシアにとっての損失につながるということですね。まず、それが一つ。
 あと、残念ながら、しかしながら、ロシアのこうした行為は、ある意味、いずれという形で予見されているような状況にある中で、我が国が国民に対して、生活と産業分野においてLNGの安定供給をしていくための取組をもっとやらなければいけない。このサハリン2に依存している地域のガス会社等々もありますので、それは岸田総理のお膝元の広島もそういう意味ではそうですが、そういったところの供給ですとか価格に大きな変化が起きないような政府の努力、これができているのか。当然ながらロシア側がこうしたことを行っていくということは日本政府も予想せねばならないわけですから、対策を十分打つべきだということです。
 そして、原子力について、これまでも言ってきたのは、あくまで安全における規制基準というのはエネルギーの逼迫度合いによって変えていいものではないということに尽きるわけです。原発の稼働については、厳格な規制基準と、地元の同意、こういうものを経て行われるものであることは間違いないわけで、そのプロセスを飛ばすとか基準を緩めるというのはあってはならないことです。そういったスケジュール感、原発も細かにスケジュールがそもそもある程度見えているわけですから、それを踏まえたエネルギー供給の確保を我が国として行わなければいけないということだと思います。

【日本経済新聞・大澤記者】
 リプレースについてはいかがか。原発政策の中で、この電力逼迫というのを契機に、自民党のほうではリプレース議連がもう一回立ち上がり政府への申入れとか対応を重ね始めた。主張が異なる立場からとはなると思うが、リプレースについての党としての考えは。

【代表】
 今からのリプレースですとか、あるいは新たな原子炉という話も、確かにいろいろと技術的に考えられているものはあるのかなと思うのですが、それですらというか、それとて、おそらく長期の時間を要することであって、今の逼迫に関連づける話ではないのだと思います。
 そのように中長期的に考えたときに、やはり大きく可能性があるのは、再生可能エネルギーをいかにして複層化していくか。再生可能エネルギーを多分野化させて、その供給の安定化を図っていくということが、2010年代からもっと本来は進んでいるはず、べきだったことを、自民党が政権をもう一度持ったときに遅らせてきたことが今の電力不足にもつながっていると思います。電力の融通を、もっと系統線を太くするとか、あるいは洋上風力発電だとか、こういったものをもっと促進するということが、将来的にも我が国のエネルギーリスクを減らす、また、安全保障リスクを減らすという、やはり王道の政策ではないかと思います。カーボンニュートラルにおいてもですね。

○台湾情勢について

【朝日新聞・鬼原記者】
 米中関係について伺いたい。ペロシ下院議長が台湾を訪問して蔡英文総統と会見した。それを機に米中関係に非常に緊張が高まっているわけだが、この現状について代表はどう分析されているか伺いたい。

【代表】
 民主主義国家といえどもというか、議会の形態ですとか、これは各国それぞれで異なっているわけで、日本のような議院内閣制と、アメリカのような大統領制、そこにおける議会の位置づけというものもやはり違っていて、これまでのアメリカの発信を聞いていると、大統領は大統領、そして議会は議会という考え方で、必ずしも議会がアメリカ政府の言うことを聞くという存在ではないということからの、アメリカ特有の判断として、今回ペロシ議長が訪台されたと。
 ただ、これも米中の間の話では、必ずしもアメリカ政府として歓迎をしているものではないというふうに聞いておりますし、中国側も反発はしているけれども、この軍事訓練のあり方等々においては、そういった意味ではアメリカ政府と意思疎通を取りながらの何らかの動向があるというふうにも言われていますので、私は全面対決状態ではないのかなと思います。
 このアメリカの民主主義のシステムにおいて、議長の行動というのが一定独立されているということには理解をしながら、一方では、やはりアメリカの下院議長といえども、世界各国を回られるということであれば、当然周辺国にも影響が生じる場合がありますので、そういった点で、我が国政府とどれほどのやりとりをし、どれほどの共通認識を持てていたのかというところは、今後もう少し明らかにしていかなければいけないなと思います。
 やはり、この台湾海峡周辺の安全保障環境の波を高めてはいけないということは私たちとしては思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 中国にとっては非常に今は重要な時期とされていて、この11月に向けて習近平体制がどうなるのかという時期で、メンツを潰されたというような表現も聞くが、こういった中で、このタイミングでのペロシ議長の訪台というのは率直に賛否はいかがか。評価はされるか。

【代表】
 私が賛否までを言うことではないかなと思います。
 ただ、やはり、アメリカ、議長の行動そのものにどうこうということではないけれども、しかし一方で、この台湾海峡周辺の波を高めるということについては、考えねばならないなとは思います。あまり、そこは、さまざまな影響が出ることではないかなと思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 最後に、日本政府の対応について。この手の緊張が高まる状況が発生すると、やはり日本として台湾有事にどう備えるのかという議論がなされる。そういう点が重要だと思う反面、台湾有事が起こってしまうと日本は無関係ではどうしてもいられない状況があるわけで、そうしないための外交努力も重要だということなのだと思うが、日本政府として今すべきことについては、代表はどういうふうにお考えか。

【代表】
 まず中国には、軍事訓練を即時停止して、自制を求める。まず、これが一つです。
 そして、これまでもそうでしたが、G7でも確認をされていることでありますが、この中国の自制を求めつつ、日本だけではなく、当然周辺各国、ASEAN、Quad、さまざまな枠組みで、多国間でこの周辺地域の現状変更を許さない、安定性を高めていく、そういう努力が必要だと思いますので、あらゆるそういった国際的枠組みを活用して、中国を冷却させるというか、熱くなった中国を冷静に戻すということは大事だと思います。

○安倍元総理国葬への予備費支出について

【東京新聞・曽田記者】
 冒頭にもご発言があったが、安倍元総理の国葬への予備費支出について2点伺いたい。
 1点目が、国会での議論を経ずに予備費が使われることが財政民主主義の視点から適正かどうか、お考えを伺いたい。
 2点目が、税金が原資の予備費を国葬に支出することへの是非についてお考えを伺いたい。

【代表】
 予備費そのものは、これは憲法87条ですが、「予見し難い予算の不足に充てる」。災害対策とか、そういったもので言えば、それは内閣の責任で支出するということはあり得る話なのですね。
 ただ、私が冒頭話をしたのは、災害対策とはこれは訳が違うものであって、政府が、どう元総理についてある意味式典を行うかということについて内閣が決めるということであり、しかしながら、我々としてはそれは元総理の見送り方ということについては、国会が選出してきた元総理であるということで考えれば、立法府も十分に関与してその意思決定が行われるべきだと考えますし、当然その形式だけではなく、予算の出し方についても国会が関与すべきことであると思います。そういったものが今は果たされていないということですね。

○「閉会中審査」「物価高対策」等について

【フリーランス・小山記者】
 この夏は災害もきのうのように多発しそうなので、農地を守るとあるが、農地も含めてむちゃくちゃになってしまうと思うし、代表のおっしゃったように国会を開きっぱなしにすべきというのは本当にそうだと思うが、そうは言っても閉会中審査が行われることを条件に同意されたということで、これは国会議員の方々がほぼ永田町に、お盆を除いて、いらっしゃるような状況になるのか。

【代表】
 まず、閉会中審査というのは、私たちにとっては不本意ながらという言葉がやはりつくということですね。本来は国会が開かれるべきであって、閉会中審査を何とか、この与党が主導の与党多数の国会の中で何とか確保するというところまでは行ったけれども、決してそれは本意ではない。不本意だということ。これはやはり明確にしたいと思います。
 だからこそ、やはり議席をたくさんいただくことができれば、こういった国会ももっと有効に機能させることができると思っていますので、本当に与党多数の中で開くべきときに国会が開けない、与党の夏休みを認めてしまう、そういうことはもう極めて残念であります。
 閉会中審査の場合ですと、これまた強く求めた委員会しか開いてもらえない。残念ですが、そういう状況になると思います。ですから、我々として最低限と言っているのは、予算委員会はもちろんのことですが、厚生労働委員会、コロナ対策。予算委員会では経済対策。そして、文部科学委員会では、名称変更の問題を含めて、私立幼稚園連合会の不適正支出の問題もありますし、こういうこともやらなければいけない。そして、先ほど言った災害対策ですね。これは絶対に求めていきたいと思いますが、そのほかにもさまざま、例えばよく言われるのは拉致問題対策の特別委員会だって、本当に年に一回開いてくれるかどうかぐらいな、実質審議できるかどうかぐらいなことなのです。それでは全く動きは国民に見えもしないわけでして、実際に動きもないわけでして、本当はもっと国会が開かれるべきということであります。
 その意味で、その当該委員のメンバーが、その閉会中審査のときには来ますが、それ以外のときには基本的には国会には国会議員たちは少なくなるという状況ではあると思います。
 立憲民主党としては、それに加えて、国会が開かれていなくても、必要なことについては国会内でヒアリングを行いたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 物価高がじりじりと迫ってくるのを感じる毎日だが、補正予算を何とか9月の国会にひねり出していくようなムードづくりとして、超党派でも結構だが、何かそういった手段というのはあるか。市民の声が大きくなることも大切かと思うが。

【代表】
 当然さまざまなことがあると思います。今も、全国の国会議員と各自治体議員も含めて、各地を回って、皆さんのお仕事の状況ですとか、あるいは、インボイスが迫る中でこれを本当にやるべきなのかとか、いろいろな声もいただいていますので、そういったものを、できれば閉会中と思っていますが、果たせなければ、次の国会のときにぶつけていく。それを取りまとめる準備も国会開会前からしなければいけないと思いますので、立憲民主党としては全力でやっていきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 安倍元総理の遺志を継ぐグループが、積極財政グループのほうで、50兆の補正予算の案を高市早苗さんに出しているそうなので、ぜひ超党派で国民を救っていただきたいと思う。
 新人議員の方が参議院に入られ、開会日に党内で何かイベント的なことはあったか。もしくは、委員会配置などで何か決まっていることなど、話題があれば教えていただきたい。

【代表】
 イベントというほどではないですね。国会が開会して、正門の前で新人議員の皆さんが写真を撮影されたり、参議院の議員総会では前列のほうにみんな並んでいたり、両院懇談会の中で一人ひとりを紹介したりというのはやりました。みんなで歓迎をするということは行いました。
 委員会配置については、新人だからどこどこということはなく、それぞれの得意分野に応じて配置をさせていただいています。

【フリーランス・小山記者】
 水野素子さんの配置が気になっているが。

【代表】
 今回の国会は短いということもあって、実際の委員会配置は次期臨時国会に向けて改めてさまざま配置をしていくということになろうと思います。もちろん本人がどういう希望を出すかというところもありますので、そこは今後確定していくと思います。

【フリーランス・小山記者】
 最後に、野党共闘がうまくいかなかったという、どちらかというとマスコミのリードで世論がつくられている印象がある。茂木幹事長はインターネットテレビで、国民民主党と立憲民主党の野党分断に岸田さんが動いたということを司会者に言われて、やや肯定している。立憲のほうは3月に、自分から1人区の調整にはちゃんと動いていて、返事をするのは共産党の志位委員長、れいわ新選組の山本さんということだったが、これでちょっと立憲が責められているのがよくわからない。今のちょっと不自然に盛り上がっているハレーションの内容だが、連立政府を前提にしなかったというのが共産党系の支持者たちの問題なのか。これがちょっと私はわからないのだが。

【代表】
 まず、茂木幹事長の発言というのは、さまざまに政治的な意図があって、牽制をしている発言なので、それは額面どおりにはまず受け取るべきではないということが一つです。
 あと、私はあまり、どの方がどう言っている、どこどこの党の支持者の方がどう言っているというのは、あまり気にはしていませんが、我が党の先日の両院懇談会の中で出てきた、ある意味報告としてというか、福山さん、当時の幹事長が先日の両院懇談会で手を挙げられて、共産党とは連立政権を組むということの約束は全くしてこなかったということ、それはもう前の執行部のときから明確な方針だったというふうにおっしゃっていましたので、それは全くもって立憲民主党として一貫性を持ってやってきていることではないかと思います。

○吉川議員辞職勧告決議案について

【共同通信・久能記者】
 未成年者との飲酒が報じられた吉川赳衆院議員だが、今国会にも辞職勧告決議案が提出されたが、与党側が採決に応じずに国会を閉じることとなる。この与党対応への評価と、吉川氏自身、会見も開いていない、辞職もしないという現状だが、これをどうお考えか伺いたい。

【代表】
 吉川赳議員は、地元有権者を裏切り、そして今や全国民を裏切っている状態ではないかと思います。説明責任を果たしていないということですね。
 岸田総理が、それぞれで説明責任を果たすべきだと言い、そして、その説明責任が果たされないのであればそれは進退に直結するというふうに、元派閥のリーダーというか元所属していた派閥のリーダーがそう言っていて、今もなお政界ではやはり鈴をつけるのは誰なのかということの中に岸田総理というのが入っているわけですから、そこはやはり無所属になったから誰も鈴をつけられないという話ではなく、しっかりけじめをつけるべきだと思います。そのけじめという意味では、自民党も、そして岸田総理も、大きな責任を持っていると思います。
 この説明がないままで吉川議員にも歳費、報酬が払われ続けるということは、多くの国民にとっては耐えがたい状況・状態ではないかと思います。

○新型コロナ対策 感染症法上の位置づけについて

【共同通信・久能記者】
 コロナの関係で、きのう政府と与野党の協議会も開かれたが、小川政調会長は、二類相当の見直しについては感染拡大下では行うべきではないという発言をされたと紹介があった。党として、この二類相当の見直しという部分、具体的に今どう考えていらっしゃるかと、専門家からは全数把握について見直すようにという提案が出ているが、このことについて評価をお願いしたい。

【代表】
 まさにそういうことを政府として検討すべきだと思います。どの段階から実際にその見直したものがスタートするのかというのは当然いろいろ考え方があり得ると思いますが、今はもう検討はせねばならないときだと思います。間違いなく、二類相当の見直しということについて、政府は検討をして、そして、いつから始めるのかということも、もうそろそろ国民の皆さんに提示していくべきだと思います。