泉健太代表記者会見

2022年10月14日(金)10時30分~11時37分

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/zZya2UG_OVU


■冒頭発言(緊急経済対策発表)

★配布資料党HPより
「生活氷河期」を乗り越えるための緊急経済対策-立憲民主党
https://cdp-japan.jp/news/20221014_4646

■質疑(緊急経済対策発表)

■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言(緊急経済対策発表)

○「『生活氷河期』を乗り越えるための緊急経済対策」発表

【代表】
 おはようございます。
 きょうは、通常の会見の前に、長妻政調会長、城井政調会長代理にもお越しいただいていますが、今般の物価高、さまざまな経済の逼迫した状況に応えるための、我が党の「『生活氷河期』を乗り越えるための緊急経済対策」を皆様に発表させていただきたいと思っております。
 この画面をご覧いただくと、皆さんに映っていると思いますが、総額で7.2兆円。これはいろいろと、大きな規模にするしないとか、いろいろなものはありましたが、これから6カ月、この年度内のということで、特に生活関連、中小企業関連、そして、我々が立憲民主党として特に重視している、燃料代を抑えながら時代を前に進める、燃料代を抑えながらエネルギーシフトを行う、国民の負担を抑えながら恒常的に負担を抑えることができるエネルギー環境をつくっていくという意味で、「1.家計を支える」「2.事業を支える」「3.省エネ・再エネ投資」というふうに今回分類させていただきました。
 今、この(新型)コロナが長引いている。徐々に復活してきているとはいえ、業種によってはまだまだ傷んでいるところもある。そして、国民生活もまだ本調子には戻っていない。また、物価は、日銀の考え方とは我々違いますが、いわゆる2%を5カ月連続で上回っているという意味で、しかも、今後、岸田政権はもう円安を見込んだ考え方に変わってきている。一方で時々介入をするということの整合性も不思議なところもありますが、この物価の高騰ということですね。そして、賃上げということはよく言われます。当然我々も賃上げを目指して、適正な価格転嫁、労務費の確保、そういうものを目指してはいますが、すぐにこの賃上げが達成できるわけではないと考えると、今の局面を、何とか生活を防衛せねばならない、しのがねばならないと思っています。その意味での、この我々の緊急経済対策ということがあります。
 この賃上げが必要だと言うけれどもいまだ実質賃金が下がっているということや、そして年金生活者の皆さんにとってはこの物価高というのはもろに生活苦にかかってきているし、そういった中で年金が減少しているということで、きょう皆さんに説明文の紙も配らせてもらっていますが、冒頭の1行目に四重苦というふうに書かせてもらっています。「コロナ禍」「物価高騰」「低賃金」「年金減少」、こういう四重苦という状況を我々としては「生活氷河期」と。これを乗り越えねばならないと考えております。

○緊急経済対策「1.家計を支える」

【代表】
 一つ一つ少し説明していきますと、「1.家計を支える」。
 今、自民党内からも声が上がってきているようですね。昨年と同様の、18歳までの全ての子どもに10万円給付。これはぜひやっていただきたい。やるべきだ。我々であればやるし、そして、自民党が賛成するのであれば、我々もこの点については当然協力したいと思っています。
 この物価高で年間の負担額が8万円以上になるという計算も出ておりますが、特に子育て世帯は、子どもに関する費用はさまざまなところ、給食費を初め、その他、食料費についても上がってきているということ。そして、我々そもそも、この我が国の子育て予算が対GDP比でいまだ1%台というところは、この我が国の少子化傾向にも関連しているし、そして欧米各国に比べてもこの予算が非常に少ないと思っています。
 今、やはり若い世代は、子どもを産み育てようと思うときに、生活のことを見ながら判断せざるを得ない方々がたくさんいる中で、子どもが生まれると負担になるということでは、やはり子どもを産み育てることをどうしても避けてしまうというような傾向もありますし、長妻政調会長がよく言っていますが、このコロナ禍の影響もあるのでしょう、今、日本の少子化傾向は7年前倒しで進んでいるということも話がございます。
 我々として、この少子化傾向を反転させたい。そして、子どもを産み育てられるということにおいて損をしない環境をつくっていきたいと思っておりますので、本来であれば児童手当を高校卒業まで1万5000円を所得制限なしでというふうに我々訴えていますので、そういったことが実現していない中での、この10万円給付という考え方でもあるということも皆様にお伝えしたいと思います。
 そして、政府は住民税非課税世帯5万円給付、これをやろうとしているわけですが、たしかその5万円給付だけでも事務費が510億円と、これはこれで問題意識を持たなければいけませんが、対象が狭いということですね。これは我々も繰り返し言ってまいりました。ですので、今回、政調のほうでさまざまに計算や議論もしていただいて、住民税非課税世帯の年収の倍の世帯を対象にこの給付を行うべきではないかということで、我々としてこの対策を組ませてもらいました。ですので、5500万世帯のうち大体3000万世帯ぐらいにこの給付が届くことになると思います。
 電力料金の高騰ということで、政府は直接的な電力料金の引下げの案を今出してきている。きのうも西村大臣は、全てが国民に還元されるようなものとして指示を受けたというような、おとといですか、そんなこともおっしゃっていたような気がしますので、それはそれとして制度として貫徹するような制度設計をしていただかなければいけないと思っておりますが、我々としては、この電力料金やガス料金、その他公共料金の引上げ等々を含め、また、物価高全体を含めて、幅広い世帯にこの5万円給付が行き届くべきだと思っておりますので、住民税非課税世帯の2倍の年収の範囲というところを我々としてはこの5万円給付の対象としたいと考えております。
 そして、暮らしと地域の応援の交付金。これは地方に対しての交付金(の創設)ということになります。

○緊急経済対策「2.事業を支える」

【代表】
 続いて、「2.事業を支える」ということで、中小企業のコロナ債務減免を可能にする。これは既に代表質問でも触れております。ゼロゼロ融資がいろいろと期限が近づいてきている。しかし、いまだにそういった状況にはない、観光産業、今でこそ予約が相次いでいるとはいえ、これまで負債を抱えながら仕事を何とか維持してきたという業界もありますので、この債務の減免を我々として可能にしていきたいと思っています。これは先日、京都商工会議所でも、会員アンケートを取ったら50%を超える割合で、債務の返還に不安があると、計画そのまま実行ということには不安があるというデータもありましたので、我々としてこの中小企業コロナ債務減免を訴えたいということ。
 また、インバウンド(対応の強化)。これは今、国内の「全国旅行支援」はありますが、海外から来るインバウンド客への、より対応していかなければいけない。ここは通訳にかかる費用の減免ですとか、いわゆるハラールとか、ビーガンとか、こういうものへの一層の対応をしていく。要は我々としては恒常的にこのインバウンド環境が確保される状況をつくっていくということも訴えています。
 そして、3番目が、肥料・飼料価格の安定化。これは政府のほうが、今、対策も打っておりますが、我々として、例えば7割補助というものを9割補助に変えていくとか、そういうことで、総額2000億円ほどの規模で、この肥料・飼料価格の安定化対策をしていきたいと思っています。
 その他、地域公共交通への支援なども予定しております。

○緊急経済対策「3.省エネ・再エネ投資」

【代表】
 3番。ここは総額1.5兆円ということですが、まず一つは、建物断熱、エコ家電の更新、エコカーの普及促進、そして太陽光パネルの設置支援ということですが、やはり先ほど申しましたように、ただ単に電力料金を支援するというのは、実は構造は何も変わっていないということですよね。消費の構造も変わっていない。そして、電力を生み出す構造も変わっていない。その負担を一時的に抑えるというだけの話では、その補助が切れればまた元の電力料金に戻ってしまう。では、いつまでその補助を続けられるのかという話になるわけですので、我々としては、電力料金をもし政府が支援するとしても、やはり断熱ですとか、あるいは蓄電とか省エネということに取り組むほうが恒久的な対策になると考えていますので、時代を動かしていきたいと思います。
 その意味で「省エネ・再エネの投資」というふうに書かせていただいているということで、電力効率の悪い家電製品の買い替えを一定補助をしていく。こういうこともしていきたいと思いますし、中小企業の省エネ診断をより進めて、その省エネ機器の設置についても補助をしていく。そして、先ほど言ったように住宅断熱についてもその補助をしていく。
 こういう考え方で、我々としては総額7.2兆円という対策をまとめさせていただきました。政府には、ぜひこれをしっかりと受け止めて、野党の声も聞いた、漏れのない対策を講じてもらいたいということで、我々としてはこの実現を目指してまいりたいと思います。
 まず、経済対策について、皆様からご質問をいただければというふうに思います。

○緊急経済対策の規模について

【司会(事務局)】
 冒頭、政調会長、政調会長代理から補足のご説明はありますか。

【長妻政調会長】
 一点だけ。
 規模についてちょっとお話ししますが、政府の経済対策、まだ出ておりませんが、何かどーんと出す、相当大きな規模だという声も聞こえてまいります。
 ただ、これ注意しなければいけないのは、去年の12月に補正予算が出ました。そのときには政府の補正予算の規模は31兆5627億円の補正予算でした。ところが、補正予算というのは基本的には年度内に使い切るということで成り立っているわけでありますが、翌年度への繰越しが22兆円あったわけです。これは戦後2番目に大きいわけです。この22兆円というのは本予算の繰越しも含まれているので、この補正予算の限定した繰越額は出せないと政府は言うのですが、かなり多くの部分は補正予算が入っているのではないかと思っております。
 そういう意味では、消化できないようなものを大きく見せるというやり方や、公共事業を紛らわせて必要性の低いものを入れていくというやり方については我々は疑義を持っておりますので、懐にきちっと届くというような確実な政策ということで出させていただいているということであります。
 あと一点だけつけ加えますと、政府は電気料金について再エネ賦課金をなくすというような検討をしているようでありますが、この再エネを何でそういうふうに敵視するのでしょうか。しかも、再エネ賦課金を全部なくしたとしてもモデル世帯で1カ月900円安くなるだけなのですね。ですから、そういうようなことではなくて、懐に届くような、そういう経済対策ということで発表させていただいたところです。
 補足です。以上です。


■質疑(緊急経済対策発表)

○「『生活氷河期』を乗り越えるための緊急経済対策」について

【東京新聞・山口記者】
 財源の関連で一点伺いたい。今、円安で消費者物価が上がって国民生活を直撃している。一方で、ドル建て資産が多い政府の外為特会は円安によって円換算すると残高が増えていると見られる。国民民主党の玉木代表の試算では、円安効果で運用益だけで37兆円増えていると言っている。これは一種の埋蔵金とも言えるかと思うが、代表の認識として、この37兆とか外為特会そのものが埋蔵金と思っているかどうかということと、もう一点、外為特会の膨らんだ部分は経済対策の財源になり得るのかという点を教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 円安で確かに膨らんでいるというのはありますが、そう簡単に使えるものではないという理解です。ですから、現時点で財源となるとは考えていないということです。

【東京新聞・山口記者】
 埋蔵金という認識は。

【代表】
 埋蔵金、埋蔵されているかというと、日々動いているものではあると思いますけれども。そして、隠れて、いわゆる置きっ放しになっているものかということで言うと、かつて民主党政権が言ってきたような埋蔵金とは少し違うのかなとは思います。

【時事通信・木田記者】
 今回の経済対策で、政府の経済対策との一番との違い、ポイントをお聞きしたい。

【代表】
 政府の経済対策って、何ですか。

【時事通信・木田記者】
 政府が考えている。

【代表】
 それは、もう発表されましたか。そもそもどうやってわかるのですか。

【時事通信・木田記者】
 発表はされていないが、これまでの国会答弁や記者会見でいろいろと総理は自分の経済政策を話されていると思うが。

【代表】
 例えば、どのような。

【時事通信・木田記者】
 例えば5万円の給付ですとか、いろいろ。

【代表】
 それはまさに、先ほど5万円給付の対象範囲が全然違うという話を我々はさせていただきました。

【時事通信・木田記者】
 全体的な違いのポイント、例えばこういう視点でと。

【代表】
 なので、政府の経済対策が、まず、いまだに発表されていないということが問題ではないですかね。そもそも立憲民主党は経済対策をいつ発表したかで言えば、これは4月ということになるわけです。政府は、これから円安が続き、一層進行し、一層物価高になるということを、立憲民主党は既に言っていましたし、私は政府も予測していたと信じたいのですが、にもかかわらず今の今まで経済対策をつくってこなかったし、今もなお完成していないわけですよね。ですから、そもそも遅い。ここが大きな違いだということがまず一つ。
 そして、まだ発表されていない以上は何とも言いようがありませんが、少なくとも今お話があったように5万円給付でいえば対象範囲は全然違うということになります。
 我々は消費からの経済再生ということを訴えている。一方で、これまでの政府の対策というのは業界団体を通じるものが多いと思います。ですから、効果が本当に国民に届いているのかというところを見れば、国民の側からの不満や疑念というものが出てきているのではないかと考えます。
 あと、経済対策というか、中小企業の皆さんに対する視点・目線ですね。これは我々は(インバウンドの廃止か延期)ということも言ってきましたが、今回のゼロゼロ融資の減免も含めて、今、中小企業の現場が悩んでいる、苦しんでいるということに政府が寄り添えているのかといえば、今、そこの「聞く力」は失われていると思います。もっと中小企業目線で対策を打つべきだと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 この1番目の、大宗を占める5兆円、この三つ。18歳以下はたぶん1500万ぐらいだから、これは1.5兆ぐらいか。このウエートづけは幾らになっているのかまず伺いたい。それから、代表のご子息もたぶん18歳未満がおられるのかもしれないが、やはり子ども世代のところにお金を出せば消費に回ると、そういう確信があるということか。まず、この三つの内訳を教えていただきたい。要するに、18歳未満に幾ら行く、その下のは幾らと。この三つが大宗なので、この予算の見積もりを教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 まず、18歳までの全ての子どもに(10万円を給付)というところについては、1.9兆円になります。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 1900万人いると。

【代表】
 そうですね。
 そして、5万円給付(世帯の対象拡大)については7000億ということになります。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 残りが3番目か。

【代表】
 ここには項目として載っていないのですが、我々がこれまでも掲げてきた、給食の無償化、大学・専門学校の学生の授業料負担軽減、こういうメニューもこの4.9(兆円)の中には入っていまして、給食の無償化は2300億円、大学・専門学校の授業料負担軽減については約9000億円、そういうものも足して4.9ということになります。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 10万円給付のときには、とにかく消費に回らなかったという問題があった。今回については18歳未満と絞ったというのが面白いアイデアだと思うが、これは必ず使われるという確信があると。私はここにもっといっぱいつければいいだろうと思うぐらいだが。それはやはり、代表はお子さんがおられると思うが、実感としてこの部分が一丁目一番地と。18歳未満というと、要するに中学校を卒業したらもう仕事をする人もいるが、そういうところも含めて、ここの設計の部分。まくからには使ってもらわないと総需要が出てこないが、その辺についてはどうお考えになるか。ここだけしっかりお考えを伺いたい。

【代表】
 緊急経済対策という文脈で言えば、確かに、使ってください、使っていただきたいということにもなりますし、一方で、我々、先ほどお話ししたように、やはり児童手当を根本的に増やしていかなければいけない。しかし、今、その環境が政府・与党によってつくられていないということで言うと、子育て世帯においては児童手当、それは当然貯蓄をしてもよいものでもあるわけで、子どもたちのために使われるものということで支給されているものということで言うと、今の子育て世帯は基本的に将来不安も抱えていると思いますから、今すぐ使うということに当然どこかではならない部分もあるだろうと思います。
 ただ、子どもたちのご飯を買うにしても、あるいは学校に関わる教育関連のことにお金を使うにせよ、それを我慢しているケースというのは多々あると思うので、やはり消費性向が高い人たち、世帯になるというふうには思います。こういう皆さんに特に給付をしていくということ、そして将来世代の生活を支えていくということは、国としてのメッセージとしても重要であると考えています。

【朝日新聞・鬼原記者】
 「家計を支える」の1個目で、確認だが、「今年も」という表現がすごく気になる。去年の給付は特例給付世帯は入っていなかったと記憶しているが、そうすると昨年と同様に10万円というのはちょっとミスリードではないかと思うが、認識が間違っているか。

【代表】
 我々が訴えている「今年も」というのは、そういった意味では、我々自身は(従前から)全ての子どもということを訴えてきていますのでそう書きましたが、どこで見るかというところは確かにあるかもしれません。政府のやったことで見ると、そうではないかもしれないということですね。

【朝日新聞・鬼原記者】
 端的に、今、質問もあったが、これは全国民への10万円給付としなかった理由は何だったのか。

【代表】
 これは考え方として確かにそういう考え方もあるであろうと思いますが、コロナからの経済回復の状況ですとか、前回の全国民への給付の、先ほどお話も少しありましたが、貯蓄に回ったところの考え方だとか、そして、何より子育て世帯を重点的に支えていかねばならないという考え方。そういうところから、我々としては今回、全世帯ではない形で考えました。
 ただ、10万円給付ではないですが、5万円給付の対象が全国の世帯の半分を超えるぐらいを対象にしているので、そういった意味では、この5万円給付のところは相当な範囲になると思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 あと一点。どう実現に向けて働きかけていくかというところだが、法案ではないので他党と共同提出とかそういう類いのものではないにしろ、何かほかの野党との連携・協力が考えられるのかどうか。どういうふうに政府にアプローチしていくか。その辺のお考えを教えていただきたい。

【代表】
 そうですね、私たちとしては他の野党にもこの案をお示ししたいと思いますし、政府に対しても当然実現を呼びかけていきたいと思いますので、それはあらゆる形でということになると思います。

【NHK・高橋記者】
 いろいろ幅広く説明していただいたが、この立憲民主党の対策というのは、「生活氷河期」とも呼ばれる深刻な状況と言われる中で、どんな方たちに届いてほしいか。アピールポイントというか、その辺りを教えていただきたい。

【代表】
 もちろん全ての国民の皆様に、できる限り、いただいている税金を還元していく、再分配していくということが大事なわけですが、その中で選択なり集中なりしていかなければいけないと思っています。
 再分配ということで言うと、今、企業活動は旺盛で、内部留保が過去最高になったり、あるいは税収が増収傾向であったりということがあります。そういった果実を、やはり消費をより積極的に行う国民の皆様の層に届けていくということ。生活の底上げを図っていくということ。それに加えて、先ほどからこの電力のところで言っているように、未来への投資を行っていくこと。ここが重要だと思うのですね。先ほど別の記者さんの質問で、自民党との違いはという話がありましたが、今のばんそうこうで手当てするということだけではなく、そもそも新しい時代へシフトさせていく、革新させていくということが大事だと思っていますので、その意味では、この環境投資、ここは特に力を入れていきたいと思っているところです。

■冒頭発言

○「野党の役割」について

【代表】
 それでは、通常のというか、その他のことについて触れたいと思います。
 先日、N高というところで、立憲・維新・国民、3党の党首が集まっての「野党の役割」という討論がありました。私はそこでも政権交代の礎となるという話をしましたが、馬場さんは特に、より何だか波長が合ったなという気がする場面が随所に見られたなと思います。
 もちろん、今、選挙協力を想定しているものではありません。とにかく国会の中で国民の皆様が望むことを一つでも多く実現するために、例えばきのう行われた(衆院安保・外務・拉致特別委員会)連合審査、そして参議院の外防も、要求しなければ今週何も委員会が開かれなかった可能性がある中で、この北朝鮮の度重なるミサイル発射、そして岸田政権が全く進められていない拉致問題、そういうものも踏まえて連合審査を立憲と維新で求めたと。それに自民党も応じざるを得なかったということも含めて、非常にさまざまな前進が図られているなと思います。

○議員立法「通園バス置き去り防止法案」を提出

【代表】
 きょうは、(日本維新の会との)6項目の合意、今は合計8項目ですが、その合意項目の一つである園バスの安全対策ということについて、法案提出を(立憲・維新・共産共同で)13時から行います。これは「通園バス置き去り防止装置義務化法案(通園バス置き去り防止装置義務化法案)」ということでありまして、我々はもう、これは命に関わっていることで、可及的速やかにということで、自治体や当事者、要は園ですね、園が設置をちゅうちょしてはいけないものだと考えていますので、即時にこの防止装置を設置させるために、10割補助。この防止装置を補助率10割で我々は設置すべきだということで法案を出そうと思っています。政府はそこが10割ではないということで、本当に煮え切らないわけですが、これを野党として何とか世論の力もいただきながら実現をしていきたいと。そのように思っています。
 また、ご承知のとおり、(旧)統一教会の被害者救済法案。これについてはきのうのNC(次の内閣)でも我が党了承をいただきましたので、来週の早々、たぶん月曜日になるのではないかというふうに考えていますが、ここで法案の提出もさせてもらいたいと思っているところです。

○「北朝鮮ミサイル発射」「安全保障政策」について

【代表】
 そして、北朝鮮のミサイル。改めて我々としてこれは厳重に抗議したいと思います。
 きのうもこれは委員会質疑で議論になりましたが、日本政府の抗議ルートというのが、北京の大使館ルートという、よくわからない決まり文句で語られ続けているわけです。何でそんなことを言っているのかと。それは直接することもありでしょうし、他のルートも複数あってもいいわけであって、北京の大使館ルートというのが単なる決まり文句になって、北朝鮮にも何も響いていないということであれば、そういったものの改善も必要だと思います。
 また、きのうの質疑で明らかになったのは、これはもうニュースでも出ていましたが、(北朝鮮の)核の小型化などが進んでいる、弾頭化が進んでいるということ。これもやはり委員会を行って立法府でそういったことが共有されるということが非常に重要だと思いますし、我が党の玄葉NC外交・安全保障大臣からも、日本の防空システムが脆弱ではないかという問いに対して、浜田大臣がそれを認めるというところもありました。
 当然、立憲民主党は国家国民の安全を守る、その責務を背負っている立場ですので、足りないものは当然ながら充実させていかなければいけない、装備していかなければいけないというふうに思っていますので、野党3党の先ほど言ったN高での討論会でもここは共通しましたが、防衛費の増額そのものについては反対ではないと。十分あり得ることであるという認識でありますし、今の局面で言えばそれは当然のことであろうというふうに思っています。
 また、私はその場でも少し触れたのですが、いわゆる「反撃能力」、そして敵基地攻撃能力ですね。ここが、法理的な話と、やはり実際の安全保障上の考え方ということ、両面から見ていくものであるわけですが、改めて、我が国は周辺国に対して侵略をする意図も先制攻撃をする意図も全くない国家であると、これは鮮明にしておくべきだと思います。それは北朝鮮に対してだって、何も我が国が攻める意図は全くないわけですから、それは北朝鮮であろうと中国であろうとロシアであろうと、我が国を攻撃するようないわれはないと私は思っておりますし、我が国が攻撃されるようなことがあってはならないと思っておりますので、各国においてもぜひそういったことを明らかにしていただきたいと。互いに侵略する意図はないと、我が国も他国を侵略する意図はないということは、やはり時々明らかにしていただくことで、どうしても軍拡競争になりがちですが、そういったことに対して侵略の意図はないというのは明確にすべきだと思います。
 しかしながら、当然、もし他国からの侵略というものや攻撃があれば、それに対して一定の報復力を持つということ、報復があり得るということは、どの国もこれは同時に理解をしなければいけないと思いますので、日本だけ攻撃をされても報復がない国だというふうに思われるわけにはいかないと思います。そういったことも踏まえて、この「反撃能力」、そして敵基地攻撃能力の議論をしていく必要があるというふうに思います。


■質疑

○旧統一教会問題 山際大臣について

【時事通信・木田記者】
 旧統一教会との関係が指摘されている山際経済再生担当大臣の辞任を求める声が、立憲民主党だけではなくほかの党からも相次いでいるが、いまだに閣僚を続けているという状況だ。この状況をどうご覧になるか。また、来週の予算委員会などで、この問題を含む旧統一教会と政治との関係をどのように立憲民主党として追及されていくお考えかお聞きしたい。

【代表】
 細田議長に対する質問も、これは、それまでに細田議長が説明を怠ってきたから、国民に背を向けてきたから質問に至りましたし、だからこそ細田議長はその後に追加説明をしたということも含めて、やはり国民の目は厳しいですよということを岸田総理は理解すべきだと思います。決して軽んじてはならない。
 その意味では、山際大臣を更迭すべきということですね。当然ご本人が辞任するというのは、それはあるべきだと思いますが。
 というのは、やはりここまで再三、事務所の大切な資料を捨てたとか、見つからないとか、そして事実が発覚すると、そういったことがあったような記憶があるとかですね。まだまだ実は、海外の統一教会系のイベントに参加したときの例えば費用負担の問題ですとか、明らかになっていないこともあります。今後また事実が出る度にそれを釈明するということを繰り返すのであれば、それまで知らぬ存ぜぬ、とぼける、ごまかす。こういうことを繰り返している大臣に対して、今、国民はノーを突きつけている。もう大臣の任にあらずというふうな考え方で国民の皆さんはいると思いますので、決め切れない岸田総理に対して、今、国民が決断を迫っていると思います。
 早く岸田総理は決断をせねば、当然、予算委員会、他の委員会でも、この点は問われることになると思います。

○防衛力整備に関する議論について

【産経新聞・大橋記者】
 今の代表の説明ぶりだと、「攻撃能力」と言おうが「反撃能力」と言おうが「打撃力」と言おうが、そういったものの必要性は認めるということか。

【代表】
 当然、我が国の憲法上も反撃をするというのは可能なことになっていますので、それはあり得る話だと思います。
 ただ、どの対象に何を行うのかという具体的な議論なくして、全体のその反撃力の設計ができない、予算づけができないというふうにも思っていますので、考え方としてどのようなことを想定しているのかを政府は説明する責任はあると思います。かつては、ミサイル一発に対して、その拠点をたたけばよいという話だった。しかし、今はそうではない時代の中で、当然「反撃能力」ということを具体化しようと思えば相当の規模のものになることも予想される。そういったことをまず明らかにしていただかなければ賛成することも反対することもできないということだと思います。

○寺田総務相・金子財務政務官の不祥事報道について

【読売新聞・北村記者】
 先ほど山際大臣については言及があったが、そのほかにも寺田総務大臣の脱税疑惑の件や、金子さんの女性問題など、政務三役でこういったある種の不祥事が報じられるということが相次いでいるが、そのことへの受け止めをお願いしたい。

【代表】
 何やっているんでしょうね、と思います。
 総務大臣の場合は、自身の政治資金の問題で、また、それを解釈する、説明する側の総務大臣ということもあって、もはや国民の目から見れば第三者性まで疑われるということではないかと思います。ここは今後どれだけそれぞれがまず説明を果たせるかということだと思いますので、今、立憲民主党としては寺田大臣のこの疑惑については質問状も寺田大臣に届けて、それに回答してもらう形で、国民の皆様の理解・納得が得られるのかどうかの検証をしているというところです。引き続きその検証は続けていきたいと思います。
 金子さんですか、政務官ですか、その魔の何々みたいなのはやはり自民党の中に息づいているのでしょうけれども、いまだにそういう女性問題などで話題になってしまっているというのは情けないなと思います。

【読売新聞・北村記者】
 全体について、政府の緊張感というか、そういうものが失われているといったような所感というのはお持ちか。

【代表】
 だからこそ、立憲民主党は、今、野党の存在が大事だと思っていますので、改めて、クリーンな政治とか、ルールを守る政治とか、国民の側を向いた政治、これを訴えていって、今のその緊張感のない自民党の政治に代わって立憲民主党が政権交代の礎となっていけるように努力をしていきたいと思います。

○予算委員会審議に向けて

【NHK・高橋記者】
 来週から予算委員会が始まるということを前に2点ほど伺いたい。これまでの政府の物価高や円安、統一教会、国葬の対応やコロナの対応について、現状をどのように評価されているか、まず伺いたい。

【代表】
 岸田総理、全てにおいて後手後手ですね。なぜこんなに決めることができないのか。その「聞く力」を「語る力」や「実現する力」に変えられなかったのがこれまでの岸田総理ですので、そこを問いたいと思います。
 先ほど話もあったように、山際大臣の更迭もできない。そして、経済対策もここまで遅れてしまっている。夏の第7波では1万人以上の方が亡くなられてしまっている。しかし、感染症法(改正)もここまで議論が進んでこなかった。こういう、決め切れない、そして国民に不利益が生じている岸田政権に対して、立憲民主党を初め野党各党で厳しく問いただしていきたいと思います。

【NHK・高橋記者】
 そうした政府の現状について、今、内閣支持率もいろいろな調査で低下しているが、国民はどういうふうに不満を持っているとお考えか。

【代表】
 岸田総理の「新しい資本主義」が、一向に形にならない、もはや消えつつある、こういうことに対する幻滅。あるいは、やはり岸田総理が重要なときに決断ができなかったり、そして一方では、国葬のように乱暴に誰にも諮らずに物を決めてしまう。こういう不安定さに、国民の皆さんは、今の岸田政権には次第に心が離れているのではないかと思います。

【NHK・高橋記者】
 最後に、来週の予算委員会、本格論戦ということだが、岸田政権とどのように厳しく対峙されていくか。意気込みを教えていただきたい。

【代表】
 今の岸田政権を検証する中で、一つは、その対策の遅れですね。感染症法がここまで遅れてしまった。そして、経済対策もここまで遅れてしまった。物価高が、物価(上昇)が5カ月連続で2%、実質賃金は4カ月連続で少なくなっている。こういう厳しい生活環境をもう放置できないと、その国民の皆様の声をぶつける。
 また、統一教会の問題などは疑惑に答えていないということが問われている。これは自民党自身も問われていますので、総理として、総裁として、岸田総理の姿勢が問われていると思います。

○国葬問題について

【共同通信・久納記者】
 政府は先ほど、安倍晋三元首相の国葬の経費について12億4000万円だったと発表した。当初の見積もりよりは少なくなったが、この金額への受け止めと、国民の理解はまだ各種世論調査でも進んでいない状況だが、改めてこの国葬についての受け止めをお願いしたい。

【代表】
 まず、政府発表というのが第一報から変わってしまう可能性もあるので、現時点でまだ確定的にその数字が正しいものかどうかというのは言えない。当初2億数千と言っていたのが16億という予算組みになって、結果12億ですから、そもそも2億というのが最初の出発点でしたよねと考えると、その6倍とも言えるわけですよね。そして、この12億というものが、どの予算を含めたものなのか。全国から非常に多くの警察官が東京に配備され警備にも当たっていたと思いますので、どこまでが含まれているかというのを検証していきたいと思います。
 また、国葬のあり方ですね。立憲民主党は国会に協議体を設けるべきだというふうに言っておりますし、そして、たしか国民民主党ですかね、きょう、勘違いでなければ、何かニュースで、天皇陛下と上皇陛下のみを国葬の対象にする法案をつくるというような話が聞こえてきましたが、これは私が以前からお話ししてきたことと、その言葉を見る限りは同じかなというふうに思います。政治家は国葬の対象にすべきではないと。天皇陛下と上皇陛下のみが国葬の対象であるべきだと。そして、政治家は、元総理は一律内閣葬であるべきだと。これは繰り返し言ってきたことですので、呼びかけがあるかどうかわかりませんが、考え方が同じなのかなというふうには、今、理解をしているところです。

【共同通信・久能記者】
 関連で。その考え方が一致している部分で、例えばこれから共同歩調を取れるかとか、その辺りは現時点でお考えはあるか。

【代表】
 もちろん呼びかけがあるかどうかというところはありますが、私たちとしてもそこは、これまで言ってきたことと同じであれば、何らか連携をすることはあり得ると思います。

【共同通信・久能記者】
 重複するかもしれないが、政府は有識者から聴取するなどして、安倍首相の国葬について検証する考えも示しているが、立憲民主としては、先ほど少しあったが、どう政府に追及していくか、説明を求めていくか、お願いしたい。

【代表】
 当然、その有識者の皆様が何を議論する場としてテーマ設定されるのか、そこをもう少しよく見なければいけない。その国葬を前提、内閣が決められることを前提、議会に諮るかどうかを議論するだけとか、ちょっと何を議論するのか。それとも、いわゆる国葬の規模の議論をするのか。そういったところもよくちょっと見なければいけないなと思います。

○福岡市長選挙について

【西日本新聞・井崎記者】
 ローカルな質問で申し訳ないが、福岡市長選のことだが、今週、現職の高島宗一郎さんが立候補表明をされ、立憲民主党の元市議の田中慎介さんが野党候補としてまとまった。自民系というか、自民党に近い候補に野党候補が挑むという、久しぶりにそういう構図が福岡市長選でできたわけだが、2006年に民主党が首長を取ったときは、党首・幹事長、岡田さんだったと思うが、選挙中に複数回福岡入りされるなど、かなり力を入れてきたが、今選挙はどう戦われるおつもりか。

【代表】
 今、たまたま横に福岡県連の(城井)会長もいらっしゃいますので、そちらに聞いていただいたほうがいいかもしれませんが、現時点では具体的に誰がどう行くというところまでを決めている状況にはないということです。党本部からはですね。それが一つ。
 ただ、党として推薦を決定しましたし、福岡で生まれ育って、地元愛があって、(現市政で)ブランド力は高まったかもしれないけれども住民生活の格差が生じている問題ですとか、さまざま光が当たらなかった、例えば施設の老朽化ですとかインフラの更新ですとか、そういったところに光を当てようとしている田中慎介さんには我々も非常に期待をしています。まずはそういったところから、党本部としても何ができるかというのを、これから至急詰めていきたいと思います。

○「ハラスメント対策」「自治体議員の働く環境」について

【毎日新聞・安部記者】
 先月、神奈川県の自治体議員から複数のハラスメント相談が党のハラスメント委員会にされていると思うが、現在の調査の進捗状況など、わかることがあれば教えていただきたい。関連して、泉代表は先日N高政治部のイベントに出席された際に、党内外の政治文化が男性目線になっていることを踏まえた上で、クオータ制も含め女性議員を増やす取組を進めたいとお話しされた。女性議員のみならず、育児や介護を議員活動と両立するなど、これまでの主な属性とは違う人が議員に増えてきた場合、それまで慣習でよいとされてきたことなどがハラスメントとして指摘されるようなことも起きてくるかと思うが、半年後に統一地方選を控える中で、党として所属する自治体議員が働きやすい環境をどのようにつくっていきたいか。代表のお考えをお聞きしたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 自治体議員がどのように働きやすい環境をつくっていくか。先日のN高の企画のときには、やはり朝早くから夜遅くの宴会まで自由に活動できるというのは比較的男性のことをイメージした活動になっているということは私以外の党首も言っていたと思うのですが、そういうものを前提に競争させるというのはやはりフェアではないと思います。ですから、それは朝の街頭演説に立てなくても、夜の宴会に参加できなくても、育児をしていても、介護をしていても、もっと言えばそれは男性であっても女性であってもですが、当選できる環境をつくらなければいけないと思うし、制度的に、これはそのときにも言いましたが、そもそも選挙権・被選挙権が制限選挙からスタートしていて、男性起点・男性目線からのスタートなんですよね。そういうところからも、根本的に、男女、ジェンダー平等というところから改めて選挙制度全体だって見直す必要があるのではないかと思います。
 なので、党としては、今、女性の議員の数がまだまだ少ないと思っていますので、例えば党として取り組んできたことで言うと、さきの党の執行役員の半分を女性にしたことの中で、具体的な動きとして、各都道府県連においても女性役員をもっと増やしていこうという動きが出てきています。そして、党の選対の中の女性役員をつくるということだけではなく、各都道府県連においても選対役員の中に女性の役員が入ってもらうとか、こういうこともやろうと。そして、女性の支援チームですね、女性候補の支援チーム。
 これもN高・S高のところで言いましたが、キャリア支援というも今後考えていきたいと思います。要は、例えば3期で引退しても40歳代とか、今、若手議員も増えていますので、そういう方々の再就職支援みたいなもの。もちろん本人が望めばですが、そういうものも考えなければいけないし、例えば会社を辞めて立候補された方に対する、残念ながら惜敗した場合のキャリア支援というか復職支援。こういうこともぜひ考えていきたいと思っています。
 そして、ハラスメント委員会に対する申出、そして、その進捗状況というものですが、これはハラスメント委員会そのものが一定の外部性がなければいけないということと、党の例えば最高幹部であってもその中に介入するということがあってはならないと思っていますので、第三者性の高いこのハラスメント委員会の中で、今、議論がされている、審査がされていると思います。私は、そう遠くないときに、もうそろそろ結論が出るのではないかなというふうには考えておりますが、ちょっと予測の範囲でしかありませんが、今そんな状況だと思います。

【毎日新聞・安部記者】
 一点だけ確認だが、地方議員も含めて役員の中に女性が増えてきたことで、上がってくる声に対しては、その外部性・第三者性も確保しながら向き合っていきたいというようなお考えか。

【代表】
 上がってくる声というのは。党の。

【毎日新聞・安部記者】
 地方議員の中に女性役員を増やしたいというふうに今おっしゃったかと思うが。

【代表】
 その話、女性役員を増やしたいという話と、ハラスメントの話は、全く別の話です。

○「保険証をマイナカードに一体化」政府方針について

【朝日新聞・鬼原記者】
 マイナンバーカードについて伺いたい。2024年の秋までにマイナンバーカードに健康保険証を切り替えるという話が出ている。あまり詳しくはないが、影響がよくわからないのだと思う。こんな中でお尻だけ区切って動きを進めていることに疑問が指摘されてもいる。たしか加藤厚労大臣は、仮にマイナンバーカードの健康保険証でなくとも保険料を払っていれば医療を受けられるときのう言っていて、何やねんという感じだが、代表の考えと、今後どういう問題が考えられるのか、その辺のご所感があれば教えていただきたい。

【代表】
 まず、立憲民主党として、かつてデジタル関連法案が審議されたときに、立憲民主党の考えるデジタル5原則というのを打ち出したのですね。その中には、利用しない方が不利にならない、誰一人取り残されないということですが、そういう考え方が必要ですので、仮に皆さんに(マイナンバーカードを)持ってもらったとしても、持たない人が不利になってはいけないというところはまず考慮しなければいけないということです。
 そして、今のデジタル技術の観点から見たときに、カードを使うということが本当に効率的なものなのかは一概には言えない時代になってきている。スマホで手続ができたほうが、紛失の問題ですとか、さまざまなセキュリティの問題でも、場合によってはそちらのほうが利便性が高いという可能性もありますので、どうしても政府は、ここまで投資をして積み上げてきた、このカードから抜け切れなくなっているのではないかという気もいたします。
 そういったところを考慮しながら、あとはやはりカードを持っていて利便性が高いと思われていないから普及が進まないのであるわけですので、その利便性の向上として何を打ち出せるのかというところが今後もやはり課題ではないかと思います。

○米山衆院議員の入党について

【フリーランス・堀田記者】
 米山さんの入党に関して、これだけいろいろと言われている人だったが、つまり統一教会というのは選挙の弱い人のところに近づいていく。米山さんは自民党に行ったり維新に行ったりして、国政は全部負けていた。身体検査はなぜしなかったのか。これで統一教会を批判しているときに批判できなくなるようなことになるのではないか。私はクリーンな立憲民主党に対して期待していたが、身体検査というのはしなかったのか。

【代表】
 米山さんが自民党の候補者として立候補したときに、統一教会に入っている方を選挙スタッフのボランティアとして受け入れたことがある、そして関連団体の事務所で選挙演説を行っていたことが判明した、ということですよね。これは入党の前からたしか本人が発表していたのではないですかね。

【フリーランス・堀田記者】
 いや、していない。

【代表】
 していないですかね。いや、たしかしていたのではないかと思うのですね。

【司会(事務局)】
 事実関係としては先に発表されています。

【代表】
 ということで、身体検査も何もというか、そういった過去の経緯があるということは認識した上でということです。
 立憲民主党の考え方というのは、もちろん関係が続いていたり、あるいは関係を隠していたりということについては、それは許されないと考えています。国民の皆様がどう評価されるかというのは当然ありますが、我が党としては隠し立てなく、どのようにして接触したのか、どういう経緯であったのかということはつぶさに明らかにして、それを再発防止につなげていくべきだということを言っています。これは政界全体の再発防止につながる話ですので、私は明らかにすべきだと言っている。
 自民党だった当時にということで、おそらく離党して以降は関係がないということなのでしょうけれども、まさに自民党のときであればこういう接触の仕方があるんだということがわかってきたと。これもやはり今後の対策に私は政治全体が生かしていかなければいけないと考えています。

○「国民健康保険料」「国対ヒアリング」等について

【フリーランス・小山記者】
 先週ちょっと遅い通告だったのでお答えいただかなかった部分について回答いただきありがとうございます。現時点で国民生活の負担軽減として国民健康保険料を引き下げることは考えておりませんという返事をいただいている。ほかの部分で対策を、政策を持っていらっしゃるが、国民にとってやはり国民健康保険料の高いこと、異常さというのは、国民が最も、国家がおかしくなっているよねと話題に上りやすいところだ。大きな会社の保険のあるところは別だが、多くの自営業者への抑圧になっているというのははっきり感じる。そういったことがあるので、保険証のマイナンバーカード一体化などに費用をかけているというところが本末転倒ではないかということで国民の反発を免れていないと私は感じている。この辺り、まだ政策にはなっていないということだが、今国会でも本当に緊急性ということでアピールをしていただいてもいいのではないかと私は思うが、普段こういった話題に代表は触れていらっしゃるか。

【代表】
 いえ。

【フリーランス・小山記者】
 では、そういうご意見はあまり聞かないということか。

【代表】
 聞く、聞かない、いろいろなご意見を聞くことはございますが、基本的には党の部会の中でさまざまなご議論をいただいていると、いただいたご意見に対して議論をしているということですので。

【フリーランス・小山記者】
 全然違う質問だが、今回、解散命令の請求について統一教会の国対ヒアリングが実施されているのはすごくいいことだと思って期待している。ただ、ちょっと全体を見渡して、野党ヒアリングの題材というのを、誰が、またはどこの会議が、どのように決めていらっしゃるのかというのは国民は知りたいと思うが、教えていただけるか。

【代表】
 党として決めているということになるわけですが、国対の中で国対役員会を開いてもらっていますが、そういうところでよく議論をして、まず案として何をしたいのかということについて検討したりはよくしております。もちろんそこだけではなく、ほかから、これをやるべきだというふうに出てくることもあります。

【フリーランス・小山記者】
 国対委員会が取りまとめということでよろしいか。

【代表】
 取りまとめというか、大体院内で行うことが多いものですから、国会内で行うという意味で、国対がさまざまな準備、段取りをするということですので、最終的には国対に集約されるということですね。

【フリーランス・小山記者】
 題材はいろいろな議員さんから出るということか。

【代表】
 はい。

【フリーランス・小山記者】
 ちょっと立憲さんは優先順位がおかしいなと思うことがある。
 最後に、「野党の役割」を拝見した。代表は、女性議員に関するフォローの部分とか、ちょっと言えなかった部分もあったなと思ったが、高校生の質問は見事だったと思う。特に心に残った質問はあったか。

【代表】
 全て、と言うと何か優等生っぽくてあれなのですが、主権者教育のことにやはり声を出してくれたというのはとてもいいなと思いました。子ども議会というのが行われているけれども、それにはやはり満足していないという認識だったので、やはりそこは同じだなと思いましたし、形式的な形だけのものを求めているのではなくて、自分たちも本気で世の中をつくることや、自分たちのものを決めることに参加したいと思っているということを強く感じました。
 ですから、他の政策でも、ただ単に勉強のためではなくて、自分自身も当事者の一人として考えた上での質問をしてくれていたのではないかなと思いました。