泉健太代表記者会見

2022年12月16日(金)10時30分~11時30分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/GIW9UEIKV4U


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○安全保障関連3文書の閣議決定を控えて

【代表】
 おはようございます。
 まず、きょうのおそらく夕刻だろうというふうに言われていますが、政府は安保3文書を閣議決定すると予定されているようです。
 国民や国会に対しては何ら説明がない状況のまま、これだけ大きなものを決める。しかも、戦後の我が国の安全保障の方針が大きく転換されるということです。国民や国会に対して、情報共有・情報提供も、説明も、そして論戦もない。チェックや監視が働かないままこうした方針が決定されるというのは大変遺憾であります。  正式決定前ですから、まだ確定的には言えませんが、立憲民主党は、我が国の必要な防衛力は整備するという考え方です。そして私も、責任政党として、この日本の防衛の将来像というものは真剣に受け止めていきたいと思いますが、やはりこの専守防衛というものがしっかり守られるものかどうか。特に「着手」と言われるものは、政府あるいは与党が議論しているほどそう簡単に判断できるものではないわけで、実際には何をもって(武力攻撃の)着手とするのか。決して先制攻撃になってはいけない、第一撃になってはいけないということは明らかであります。そういった点が大変不明確でありますし、また、「存立危機事態」についても、いわば我が国に対する直接な武力攻撃ではない段階で我が国が他国に武力行使をするということになるのであれば、これはやはり許されることではないと思っております。そういった点から、厳しく、この政府の3文書、今後を見ていきたいと思います。  また、いわゆる43兆円という、この規模ですね。ウクライナ情勢において、我が国の防衛力、さまざまに質的な転換を図らなければいけない。そこは立憲民主党も考えているところではあります。ですから、よく言われるような、宇宙、サイバー、ドローン、電磁波、さまざまな新たな技術の導入ということは必要であろうと思いますが、それも際限なく導入していいということはありません。国民の理解を得られるものではありません。私たちは、その意味でも、やはりこの防衛費を、なぜ43兆円なのかということを政府が説明すべきだと思いますが、中身は全く見えてきていないということであります。
 そして、43兆円の確保の仕方。これについても問題が幾つも出てきていると思います。
 例えば増税です。所得税については、岸田総理は、所得税の負担が増加する措置は行わないと、そういう発言もしていたわけですが、早速うそをついていたということになるわけで、結局、復興特別所得税のスキームを使って、流用する形で増税、1兆円の増税ということをやろうとしている。今でも被災地は復興が続いているさなかにあって、現在も3.1万人の方が避難を続けている。仮設住宅には1000名の方が入居しているという段階で、復興もまだまだ続いている状況であります。にもかかわらず、自民党・公明党の税調で、復興特別所得税、たばこ税、法人税と、この3税をいとも簡単に了承した。私は、何か自民党の本部だとかで、さも紛糾しているかのように見えた、あの顛末というのは、あっさりと了承という形で終焉を迎えたと思います。全くもって本気の増税反対ではなかったということではなかろうかと思います。
 歳出改革についても、元々相当予算を水増し・水膨れさせていますから、今ある予算の剰余金というものが、果たしてスリム化したものなのか、歳出改革と言えるものなのかといえば、これも甚だ怪しいと思います。こうした歳出改革についても具体的には何も明かされているものはないと思っています。
 また、いわゆる建設国債を使うというものですね。これは1966年に、当時、福田赳夫大蔵大臣が述べたところが起点となっていますが、ただ、これはもっと言えば、かつての第二次世界大戦のときに、やはり日本が戦時国債をどんどん乱発して、そして際限なく当時の軍事費に、予算を膨らませてしまったということの大いなる反省がある話でありまして、直接的に一気に例えばミサイルを買うために国債ということはやっていないではないかと言う人がいるかもしれませんが、こうやって徐々にたがが外れていく。その行き着く先がおそらくあの当時のようなことになってしまうということだと思いますので、改めて、この防衛費については我々国債でこれを確保するということはしてこなかった。こういう重たいこれまでの政策を大転換させるということも、国会の議論がほぼないままに進められようとしている。これもまたとんでもないことだと思います。
 そして、そもそも、これは当然ですが、我が国は二度と戦争してはいけないと、こういうことを明確にしていくわけですが、立憲としてはですね、その中でやはり外交の役割というのが極めて重要だと思っている。外交をやったって結局いつ戦争を起こされるかわからないとか攻められるかわからないと言いますが、戦争の前にはさまざまな兆候というのがやはり現れるわけで、そこは多くは外交によって未然に防いだり、そして話合いが続けられていく中で、最終的な破綻の結果として戦争や武力侵攻というものがあるわけでして、そういった意味では突然いつも何も全く兆候もなく軍事侵攻がスタートするということではないわけです。そういった意味で外交の努力は極めて大事だと思いますが、この外交努力。
 特に、今、我が国が防衛費を増やそうとしている文脈の中で言えば、周辺国の脅威ということを前提にしているわけですよね。周辺国の脅威を前提としているならば、その周辺国との外交関係を日本がどう安定化させる努力をしているのかということで言えば、私はそれは極めてまだ不十分だと思います。例えば北朝鮮との対話については、「条件をつけずに」と繰り返すだけで、何ら進展はないということでありますし、中国についても、もっと、軍拡競争にならない取組というものを日中双方でより進めていくべきだと思います。そういう努力。そして、日中双方で例えば、当たり前ですが、相互に侵攻しないと、不可侵と、これはもう既に定められてはいますが、それを何度となく確認するということで、当然ながら脅威を減らしていくということもできると思います。そういった努力は全くまだ足りていないと思います。
 こうした点から、立憲民主党としては、今のこの政府安保3文書、これから決定するということでありますが、我々の考え方もこの安保3文書が閣議決定された時点で党の声明として発表したいと思います。また、立憲民主党の安全保障の考え方については、今、党内で議論しておりますので、来年の通常国会でも論戦をしていく、そのベースとなるものでもありますので、これの策定、取りまとめをしてまいりたいと思います。

○政府「全世代型社会保障構築会議」の報告について

【代表】
 そして、全世代型社会保障構築会議、本日報告書を取りまとめて総理に提出ということで、児童手当の拡充の方向性ということは、これは歓迎をいたします。
 一方で、やはり実施時期の明示だとか、どう拡充するかということについては、明らかになっていない。
 そもそも防衛費やGXに比べれば、本来同じスピードか、それよりも優先して、子ども・子育て支援、教育の充実、子育て予算の倍増については具体策を示すべきことであると思いますが、自民党はその優先順位が逆転しているということですね。最も遅れているのが、この子ども・子育て分野ということです。
 そういった意味で、この児童手当の拡充は言っているものの、まだその財源の確保の仕方についても明確にはなっていませんので、この辺りも我々は早く財源のめどをつけるべきだということを訴えていきたいと思います。


■質疑

○安全保障政策について(1)

【時事通信・木田記者】
 3点ほど伺いたい。1点目は、冒頭発言でもあった、立憲民主党の安全保障政策に関して。ほかの野党も各党政策をまとめている中で、立憲民主党はまだまとまっていないという状況だが、現状の受け止めと、今後のスケジュール的な見通しをお聞きしたい。

【代表】
 何か別にまとめるスピード競争をした覚えはないので、まだまとまっていないというのは別に何か遅れているわけではないということですね。単に我々として立憲民主党のスケジュール感の中で取りまとめを順調に行っています。

【時事通信・木田記者】
 もう一点が、防衛費に関して、高市大臣が首相の増税方針に反対するような発言を繰り返しているが、これは閣内不一致に当たるとお考えか。

【代表】
 はい。

【時事通信・木田記者】
 また、このまま閣内に高市大臣はい続けるべきだとお考えか。

【代表】
 それは自民党の側で勝手に考えればいい話であって、もめ事のように見えて茶番ではないかということを指摘したわけですので、そういったところを、一つ一つの発言と行動が問われるのは高市大臣なり岸田総理だと思いますよ。

○秋葉復興相問題について

【時事通信・木田記者】
 もう一点、別件で、政治と金の問題が指摘される秋葉復興大臣について、通常国会でも立憲民主党として秋葉氏の辞任を求めていくお考えか。

【代表】
 取り下げるものではないと思いますが。やっていたことは変わらないわけで、我々は秋葉大臣は辞任すべきだという主張のままです。

【時事通信・木田記者】
 関連して。通常国会前に辞任すべきとお考えか。

【代表】
 我々は常に辞任すべきだと言っているわけで、通常国会後に辞任しなさいなんて言うわけがないですよね。ですから、常に辞任を求めているということです。

○「臨時国会での維新との共闘」「旧統一教会問題」について

【フリーランス・宮崎記者】
 立憲・維新の国会内共闘の継続に関して伺いたい。先週土曜日、代表が、感想としては行政改革などでも立憲・維新とやっていきたいという趣旨のことをおっしゃったとホームページや新聞等に出ているが、行政改革ということになると、維新の場合は大阪府・大阪市の公務員制度改革とか、そういったところで大阪のほうではもうずっと10年間やり合っているかと思うが、この行政改革という発言はそういったお考えの中ではいかがか。

【代表】
 ありがとうございます。
 私が他の発言や会見で言っていることは、基本的には歳出改革という言葉を使っています。その意味合いで使った言葉ですので、いわゆるこれまで何十年前から使われてきた行革ということを頭で想定しながら使ったというよりも、歳出改革と言ってきたものが、たまたまそのとき行政改革という言い方になってしまったということですね。

【フリーランス・宮崎記者】
 できれば、歳出改革というふうに、代表としてはおっしゃったと。

【代表】
 そのつもりでおります。

【フリーランス・宮崎記者】
 4党協議のほうだが、これが継続するのか。維新が国対委員長と政調会長の対談というのをユーチューブで発信しているが、この中で、4党協議は私は救済法案のことだけだと思っていたが、感染症法のほうの5類の附則のことに関しても実は4党協議が機能していたそうだが、この4党協議というのは長妻政調会長を中心に来年も続けていきたいとお考えか。

【代表】
 感染症法のほうの。それは名前がたぶん一緒というだけで、一つの集まった場で、同じ場で両方のことを議論していたことはたぶんないと思うのですね。ですから、枠組みが一緒というだけで、たぶん会議体は別々だったと思います。
 今、我々、私が長妻政調会長から聞いているのは、そして私も求めているのは、旧統一教会の被害者救済法についての4党協議ということで我々は確認していますので、感染症法についてはもう一度確認をしてみたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 4党協議、来年にかけて、救済法に関してさらに改正を求める声もあり、宗教に関する児童虐待に関しても、政府のほうも動きがあって、野党も検討していくべきだという声もある。4党協議も来年引き続きチェックの段階から含めて早速動いていってほしいとお考えか。

【代表】
 いや、私は年内だってやったっていいと思いますよ。やはり間髪入れずに。ともすれば、もしかしたら自民党、政府・与党の側に、法案成立をもって一件落着のように空気をつくっていく可能性もあるので、私はやはりそうではないと。ここからまさに被害者救済がスタートするのだと思いますので、本来であれば、年内、振り返りも含めて、やはり持たれるべき、持つべきだと思います、4党協議は。ですから、年明けということではない求め方をしたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 宗教法人法に基づく解散権に関して、岸田総理や永岡大臣もそちらに向けて作業も進めていくということで、質問権2度目に関しては1月6日に答えが来るようだが、宗教法人法に基づく解散の請求といったところまで今後進めていくお考えか。

【代表】
 それは立憲民主党が進めることではないわけです。(政府や都道府県に)質問権があって、解散請求という手続になっていくかどうかということですので、それは我々は注視していきたいと思います。

○安全保障政策について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 安保3文書について幾つか伺いたい。まず、政府の今の方針の問題点について代表の認識を伺いたい。防衛費というのは毎年安定的に確保しなければいけないもので、そうでなければ足元が揺らぐということを見ると、今の増税の議論が始まる時期や、実際どういうふうに負担を求めていくのかが決まらなかったわけだが、防衛費の安定財源の確保という観点から代表が今の政府の方針にどういう問題意識を持っておられるか、まず教えていただきたい。

【代表】
 あまり政府の議論を前提にしないということは、私は大事だと思います。安定財源と言って、それは43兆をベースにもし考えているとしたら、それすらやはり怪しいという話ですよ。ですから、改めて、我が国の脅威というものは何で、それは防衛費の積み増しでしか解決できないもので、それが幾らなのかで、そして、その確保がどうあるべきかという話ですから、私は増税の実施時期が書かれなかったというのは玉虫色であり自民党内の茶番を象徴するものだと思いますが、やはりその前提にそもそも立つことがおかしいのではないかとも思いますから、まずはやはり歳出改革ということも言っていかなければいけませんし、本当に総額43兆なのかと、そこをやはり突いていきたいと思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 立憲の党内の議論を伺いたい。議論している最中であることは理解した上で代表のお考えをと思うが、今の文脈で言うと、立憲民主党としてはやはり増税ということではなく、歳出改革を行った中で確保できる財源に基づいた防衛力を組み立てていくと。

【代表】
 順番はそうですね。当然歳出改革が先だということです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 歳出改革をして、どれぐらい使えるかをめどを立てた上で、必要なものを積み上げて、防衛力を強化していくと。

【代表】
 必要なものの積み上げと歳出改革というものは、そこは別に順番がある話ではなくて、積み上げは積み上げで当然行いながら、当然何らかの財源が必要になるのでしょうから、歳出改革の具体像も示さねばならない。
 あとは、その積み上げたものの規模、そして歳出改革の規模によって、その後、どちらを選ぶのかという判断がまた出てくるということですね。諦めるのか、それとも何らか財源確保のためにさらに何か頑張る手法があるのか。そういうことを考えていくということになるでしょうね。

【朝日新聞・鬼原記者】
 今おっしゃった財源確保というのは、増税も排除しないということでいいか。

【代表】
 それは現時点では何もわかりません。

【朝日新聞・鬼原記者】
 国債発行はいかがか。

【代表】
 基本的にないという考え方です。

【朝日新聞・鬼原記者】
 各論で言うと、いわゆる「反撃能力」というのがよく言われるが、この「反撃能力」を持つということについて、参院選のマニフェストでも抑止力と対処能力を重視するということが書いてあると思う。いわゆる政府が考えている「反撃能力」について、これは是とするのか。それとも、別の考え方なのか。その点はいかがか。

【代表】
 これはよく言われるのですが、政府の「反撃能力」も、何も語っていないのです。「敵基地攻撃能力」のときからそうだったのです。言葉だけはあるけれども、では、政府は、この言葉はどういう意味なのですかと、教えてくださいと言ったら、結局何も明かしていないのです。では、先ほどお話ししたように、「着手」について具体的に何をどう考えているのかといえば、それはわからないと政府も言うわけですから、「いわゆる」という言葉をつけるしかないでしょうし、あくまで「反撃能力」という一つの定義があるわけではなく、「政府の」とか「自民党の言う」とか、あくまでそういうものでしかないのでしょうね。
 そういう不確定な「反撃能力」という前提の中で、私たち立憲民主党が指摘し、また懸念もするのは、先ほど話をしたように、第一撃がこちらからというのはあり得ないよと。これはあり得ないということですね。まず、それが大きいと思います。
 何をもってして反撃をするのかというところが本当に難しい。なかなか、おそらく自民党の防衛関係の議員でも、そこを明確に言える人は少ない。おそらく言えるとしても、何かわかりやすい例示をもって「例えばこの場合であれば」ということぐらいしかたぶん言えないと思います。
 そういう中で、国際的にも先制攻撃と見なされるリスクがあるというところは共通して認識を持っていますので、やはり先制攻撃とみなされてはいけない。第一撃を行うべきではない。立憲民主党の考え方はこういうことです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 他党との関係で、閉会日に日本維新の会と党首会談をされた。そのときにも防衛の話が話題に上ったということで、増税ありきではないということで認識が一致したという趣旨のことをおっしゃったと思う。今の検討中の立憲民主党の安全保障政策について、維新と今後どう連携ができるのか。また、今、代表の感覚として、やはり増税ありきではないという点で維新と一致して今後常会で論戦を張っていけるのか。その辺の見通しはいかがか。

【代表】
 見通しはないですね。何か明確な見通しがある話ではなくて、立憲民主党としてはそういう考え方だし、維新にもそこは理解していただけるのではないかと。やはり維新も、歳出改革、増税ありきではないということを言っていたと記憶していますので、そうであれば我々の主張とそこは合致する部分はあるのではないかと。そこまでですね。

【朝日新聞・鬼原記者】
 安全保障政策について、維新と特出しで何かこう議論する、そういうお考えはいかがか。

【代表】
 今言ったとおりです。できる、現時点で見えてきている風景というのは、そこまでです。

【NHK・高橋記者】
 冒頭と重なる部分もあるかもしれないが、安保3文書に関して、「反撃能力」を明記するということは歴史的に大きな転換だと言われており、5年で43兆円というのも非常にこれまでにない額だと思うが、こうした歴史的な転換と言われるような閣議決定がこのような短期間の議論で行われるということに対して、受け止めをまずお聞きしたい。

【代表】
 乱暴。危ういですね。岸田総理のソフトな風貌とは真逆で、非常に乱暴な進め方。民主国家としてはふさわしくない進め方をしていると認識しています。

【NHK・高橋記者】
 本来であればどのような形でその議論が進められるべきだったと思われるか。

【代表】
 私たちは、防衛政策ですから、必要なことは国会での秘密会等々を使えばよいということも言ってきました。国民の皆様にできる限りの情報公開をしていくことはもちろん、国民の代表者たる国会の場でもう少し具体的に踏み込んだ民主的な議論を行う。これが大事だと思います。そういったことは現時点までには全くできていないですね。
 臨時国会でも、何を聞いても「検討中」「まだわからない」。そして、国会が終わった途端に、もう一気呵成に乱暴な進め方で増税を1週間で決める。そして、国債の発行も突然決める。この数十年間は何だったんだと。大方が自民党政権で、大方が自民党政権の下での当然ながら法制局なりの解釈等々も続けてきて、我が国の防衛政策なりの安定性を確保してきたものが、こうも簡単にひっくり返される。極めて危険な状態にあると思います。

【NHK・高橋記者】
 43兆円を確保するために所得税や法人税など増税の議論もされているわけだが、こうした中身を国民に示さないままに、税金、増税のこと、国債のことを決めていく、政府・与党の姿勢に関してはどのように感じていらっしゃるか。

【代表】
 いや、もう許せませんよ。だめですね、こういう進め方は。国民の皆さんにもやはり怒っていただきたい、伝えたいという思いです。
 43兆円、決してありきではないです。幾らウクライナ情勢があったからといって、日本の防衛費をいきなり1.6倍にする話にはならない。そして、周辺からの脅威に対して、全てそれを矛と盾を増強して守ろうというのも無理です。そういった考え方ではなく、外交。そして相互の、平和の、両国の話合い、協議。そういうものも進めていくことによって互いの驚異を低減させていく。これも当たり前のことです。当たり前のことです。そういった努力をもっと続けていくべきだと、やっていくべきだと思います。

【NHK・高橋記者】
 きのう、国民に対して失礼なのではないかというふうにおっしゃっていたが、こうした政府の姿勢に対してはいかが。

【代表】
 きのう失礼だと言って、きょうもう一回同じことをなぜ言うのかわかりませんが、何も変わっていません、気持ちは。許せませんし、失礼だと思いますよ。

【共同通信・久納記者】
 防衛費の関係で一点。冒頭の確認だが、徐々にたがが外れてしまって当時のようなことになってしまうという危うさを指摘されたと思うが、今の乱暴な進め方というのがやはり当時の戦争とかにつながる、盲目的に戦争に進んだところと重なるというか、そこの部分の危うさを感じていらっしゃるということか。

【代表】
 はい。

【共同通信・久納記者】
 その辺りをもう少しお聞きしたい。

【代表】
 先ほどお話ししたのは、戦時国債の乱発です。これが当時の日本軍の統制を利かなくしてしまった一つの原因だということで、その反省に立って、戦後は防衛費に国債を充てないという教訓からこうした取決めをしてきたわけですよね。それが宏池会の岸田政権の下で破られるとは、福田さんも全く思っていなかったのではないでしょうか。福田赳夫さんは天国で泣いているのではないですか。怒っていると思います。怒りを持っていると思います。
 そして、国債の発行。これは建設国債に限らずですが、やはり経済の専門家等からも、平時に国債が乱発されれば、もしですが、非常時が起きたときに我が国の財政破綻ということにもなりかねないし、国際的な協力も得にくくなる。さまざまな点で平時から膨大な量の国債を抱えておくことは危険だとも言われているわけですよね。そういった財政の統制も今の岸田政権は非常にできていない、緩くなっているというふうに思います。
 戦後は、確かに日本は経済破綻の状態から復興したわけですが、そういった経済破綻を招かないためにも、国債を安易に利用することは許されないと思います。

【共同通信・久納記者】
 「新しい資本主義」とか、なかなか物事を決められなかった岸田総理だが、国葬やこういう問題で、やや乱暴に決めている。この背景というか、部分はどうご覧になるか。

【代表】
 「新しい資本主義」というのは少なからず国民のために決断を行うものとして提唱されていたはずなのですが、岸田総理の決断力というのはどんなときに発揮されるかというと、党内向けに発揮されるということですよね。国葬においても、旧統一教会においても、そして今回の防衛費の関連についてもそうですが、常にやはり自民党内の基盤を揺るがさないようにするための内向きな決断でしかないと思います。国民生活や国民の側を向いた、国民の望む決断をするということではなく、危うくなった党内基盤を補強するための決断。こういうことを繰り返していると思います。

【共同通信・久納記者】
 最後に一点。この防衛費や増税について、来年4月には統一地方選もあり、衆院選もいつあってもおかしくない状況だが、こうした各種選挙で争点化していく、問うていくお考えはいかがか。

【代表】
 選挙のときだけの争点ではないです。もう来年通常国会の大きな争点です。

○地方選における取組について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 ライバル関係というか、維新との共闘というのはやはり大きな成果があったと思う。ただ、見ていて、どちらに躍動感があったというと、やはり維新だっただろうと。

【代表】
 そんなことはないです。それは一人ひとりの見方だと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 どちらかというと、要するに向こうの幹事長・政調会長は若く、この間も含めて、統一地方選についても候補者が既に800人から900人立つような状況になっている。やはりその辺を見ると、立憲は若い人が活躍していないので、地方選についての取組もやや遅れているように見える。ライバル関係で共闘するのはいいが、地方選について、今どういうふうにお考えになっているか。この間の茨城県議選でも立憲は2のままで、維新は0から1だ。非常に危機感があってもいいのではないかと思うが、競争関係の部分では、特に地方選においてはどういうふうにお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 まず、残念ながら今のお話の前提は全く外れていると思います。そうさほど、0が1になったから躍進で2が2.5になったから停滞だという話にはやはりならないですね。
 そもそも、ただ、茨城に関しては、決して立憲民主党、褒められたものではないとは思っています。現有議席2からスタートして、蓋を開けて選挙結果を見たら公認2の当選と推薦1の当選ですから、それはもう半歩前進というには余りに小さい半歩であって、そもそもそれは候補者が擁立できていないというところが問題です。
 ただ、維新も茨城においては候補者は擁立できていないわけで、2人ぐらいのうちの1人が受かったぐらいですから、何か片一方に躍進とか躍動感があるという話ではないと思います。躍動感という言い方で、幹事長が若いからと言いましたが、では、安定感という意味では幹事長がベテランだからとか国対委員長がベテランだからという話で我々が褒めていただけるのかという話になるでしょうし。
 立憲民主党も毎回毎回の執行役員会の中で統一地方選挙の公認候補もどんどん決めていますので、私もきょうも西東京市議会議員選挙の応援に行きますし、各地で中間的に行われている選挙でもそれなりに堅調に戦ってこられていますので、根本的にもっと候補者を増やさなければ到底自民党には追いつけない、かなりそこには離されているという認識を持っていますが、一歩一歩追いかけていく展開という意味では、立憲民主党の今、元気がないということではないと思います。私は元気が出てきていると思います。

○安全保障政策について(3)

【フリーランス・西中記者】
 安保政策関係で伺いたい。今、自民党内では財源の話、増税の話ですごく紛糾しているという話だが、基本的にこの間、自民党が進めてきた、有識者会議にしても自公間での協議にしても今の増税云々の話にしても、結局、軍拡前提、日米同盟の抑止力が大前提の下で話が進んでいると思う。きょう夕方、閣議決定が出たら党としての声明を発表したいという冒頭の話だったが、ここには、先ほど専守防衛などの話は出たが、こういった日本の安保体制の根幹を成すような、実際に今は沖縄南西諸島の軍事要塞化がどんどん日米同盟の間で進められてしまっていることや、長射程のミサイルを開発するとかアメリカから購入するとか、そういった既成事実化が政府情報として流されてきているわけだが、現実に進んできてしまっていることを踏まえた上での何か発表ということなのか。あるいは、今、自民党がやっていることに対してのみの、党としての声明なのか。どういった性質の声明を出されようとしているのか伺いたい。

【代表】
 取り方は、もちろん声明を見ていただいたとき、いろいろかとは思うのですが、今回の政府3文書に対する立憲民主党の考え方です。それを声明として出すということになります。

【フリーランス・西中記者】
 きょうの閣議決定の状況に対してということか。

【代表】
 はい。

【フリーランス・西中記者】
 それと、先ほども立憲民主党としてのスケジュール感がこの議論に対してはあるということで、詳細な党としての政策がまだ発表されていないと、まだこれからだというお話だったと思うが、昨日、NGOや研究者や市民団体で平和構想提言会議というのを開催して提言を発表した。これもそういった日本の憲法や外交の役割を重視した上での平和的な戦略をどうやってつくっていくかという側面が強いとは思うが、こういった提言の内容に呼応するような形で何か立憲民主党としても今後議論を進めてちゃんとした政策提言みたいなことを出されるお考えはあるか。それはスケジュール感的に言うと、次期通常国会で審議をしていく中で何かのタイミングを見計らって、立憲民主党、あるいは野党共通かもしれないが、安保政策の提言みたいなことを出していくという、何かそういったスケジュール感を含めて、どういう形にしていくかという具体的な構想があれば伺いたい。

【代表】
 どこかの団体なり政党の提言というものに呼応してという考え方は基本的にないです。これは立憲民主党として、もう議論を重ねてきている中の、今、それなりの段階にまで来ていると。こういう認識に立っていますので、ほどなくして立憲民主党としての考え方というのは世の中にお伝えしていくということになると思います。別に通常国会とかそういうことが、今、言葉としてあるわけではないです。近々出るのではないですかということですね。

【フリーランス・西中記者】
 それはきょう夕方の閣議決定に合わせた声明とはまた別に、党としての。

【代表】
 それは議論をして我が党の考え方をまとめたものですので、声明とは違います。

【フリーランス・西中記者】
 それをもってして通常国会に臨んでいくといったお考えか。

【代表】
 「もってして」というのは、あらゆる我が党のこれまで積み重ねてきた防衛政策をもってしてですが、当然提言したものも前提になります。

【フリーランス・西中記者】
 もう一点だけ。きょう夕方、田無駅前で街頭演説されると思うが、先ほどお話あったように、選挙のための応援演説ということで、長妻政調会長や菅直人最高顧問、いろいろな方が弁士として立たれるようだが、これはきょうの閣議決定に対して何か街頭で演説するということではなく、あくまで選挙の応援演説ということなのか。どういう性格のことか。

【代表】
 別にそこは分けてはいないです。何か何々だからこの発言をするしませんということではないので、演説であればあらゆることを扱う可能性はあります。

【フリーランス・横田記者】
 立民の国会議員の中からも、今回の防衛3文書、特に敵基地攻撃能力、「反撃能力」については憲法違反ではないかという批判の声が出ている中で、玄葉光一郎元大臣、PTの責任者は、我々が責任政党になるかの試金石だとおっしゃっていて、これはリベラル派や支持者からすれば、立憲主義を掲げた立民の原点から逸脱するものではないかと、その分岐点ではないかというふうに捉える方もいると思うが、こういう党の分かれ道になる重要なことについて、オープンな党内議論、公開した議論とか、あるいは支持者を含めた公開草の根集会みたいなものでもっと議論するお考えはないか。

【代表】
 それぞれ、各議員、草の根の集会等々をやっておられると思います。

【フリーランス・横田記者】
 この問題で、敵基地攻撃能力、「反撃能力」について、玄葉さんが責任政党になるかの試金石だと言っていることについて、もっと支持者や国会議員内で広く意見を聞いてオープンな場で議論するというお考えはないか。

【代表】
 そういうことをされているところもあると思います。

【フリーランス・横田記者】
 先ほどから質問が出ている維新との共闘について、きのう馬場代表は櫻井よしこさんが出席した防衛力強化を求める集会に出て、国債の償還期限を延ばして国債を財源にすべきではないかとか、核シェアリングについても議論しましょうとか、さらに、憲法改正を加速しようという、まさに立憲と逆の主張をしている。こういう維新と共闘を通常国会でも続けるということを言うと、立民のかえって信頼失墜、支持率低下につながるのではないかと思うが、この点については維新ときちんと対峙して批判するという立場でよろしいか。

【代表】
 立憲民主党のやはり応援をいただいている皆さんには、立憲民主党の政策をしっかり訴えていただきたいと思います。そして、国会における政策合意というのは、ほかの政策で合意していないから政策合意があるわけで、全部の政策が一緒になったわけではないということですね。その前提に立って、立憲民主党は立憲民主党としての主義主張を展開していただきたいと、そう思っています。

【フリーランス・横田記者】
 敵基地攻撃能力、「反撃能力」を認めて、維新と足並みをそろえたら、昔、立憲共産党と言われたのと同じように、立憲維新党と呼ばれかねないと思うが、きちんと対峙して維新を批判するお考えはないか。「反撃能力」について。

【代表】
 呼ぶ方は呼ぶのでしょうね。
 とにかく我々としては、政策合意があるもの、それは立憲民主党の訴えている政策において他党の協力を得るということにもなるわけですから、立憲民主党の訴えが国会の中で実っていく可能性がある。そのためにやっているわけですので、立憲民主党の訴えはやはり実っていったほうがいいと思います。ですから、繰り返しですが、包括的合意ではありませんし、全政策合意しているわけではないです。違うものは違います。

○「次の内閣」「税制改正」等について

【フリーランス・小山記者】
 一つ目は、内政的なことについて伺いたい。ネクストキャビネットの存在は、党外、与党に向けて、すごくアピールをする役割を担っているかと思うが、この間、NCで話し合われて来年はまたアンテナを高くしていくというふうに読ませていただいたが、党内においてはネクストキャビネットというのはどういった役割が果たされているか。ほかの党員・議員にとってはどんな存在であるか。どんなふうに具体的に役に立っている、または役に立っていきたいか。そういったところを教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 党内においては政策の最高決定の場であるということですね。
 そして、やはり各ネクスト大臣は、ちょっと今(新型)コロナ禍で難しいところもあるのですが、期待されるのは、その分野分野の政策を全国の皆さんによりわかりやすく発信していくという役割で、できれば地域における集会、ローカルマニフェスト集会とか、かつていろいろな言われ方がありましたが、その分野ごとの訴えている政策を各地で展開してもらったり主張してもらったり、そして、そういった政策、各NC大臣が率先して視察、現場に行ったりとか、こういうことでやはり我々の発信というのを強めていく。その先頭に立つ役割をNC大臣は特に担っていると思います。
 それと、きのうも党内で、まさにきょう閣議決定される3文書についての我が党の声明、こういうことについてはNC(次の内閣)の中で意見を聞いて、最終的な案文の取りまとめ等もさせていただいていると。

【フリーランス・小山記者】
 最高意思決定機関ということと、アピールに関してリーダーを取っていくということであったと思う。なぜこういうことを伺ったかというと、こちらの「反撃能力」の云々で、党内の議員の意見を聞きたいと思うというふうに記事の末尾で締められていたので、党内の議員の意見を収集したり聞いていくというのは。

【代表】
 ごめんなさい、どの、何の末尾。

【フリーランス・小山記者】
 誰の発言とは書いていなかった。立憲民主党の立場としては政府案はのめないという内容だったと思うが、一番最後に、党内の議員の意見を聞きたいと書いてあった。そういった議員一人ひとりの意見を聞いているというのは実際あるのか伺いたい。

【代表】
 ありますね。ちょっと私、正確に同じものをイメージしているかわかりませんが、今、我が党の安保政策のプロジェクトチームの中で、党内の議員がたくさん集まって、もちろん参加できない人はいないわけですが――

【フリーランス・小山記者】
 プロジェクトチーム以外の方も集まっているということでよろしいか。

【代表】
 プロジェクトチームの議論というのは全党の議員が参加できます。そこで議論はされていると思います。

【フリーランス・小山記者】
 もう一点。今、お話を聞いた中で、自民党で税調の言い争いというのは、見せられている茶番、いかにも議論している茶番であるというふうに見ていらっしゃるというところで、私もふっと腑に落ちたが、復興所得税の云々とか所得税1%とか、そういった話が飛んでいる中で、代表の見方としては、結局どんなところに帰結すると予想されていらっしゃるか。

【代表】
 ごめんなさい、よくわかりません。すみません。

【フリーランス・小山記者】
 結局は、議論自体が茶番であるのであれば、一体どういうところに、岸田総理と税調のその結論というのはどういったところに落ちていくと予測されていらっしゃるか。

【司会(事務局)】
 小山さん、きょうの会見で申し上げた「茶番」の部分は、税の関係で申し上げたことではないと思うのですが。高市大臣の関係で質問された際に茶番だという表現を事実関係としてはしていますが、税について茶番だというふうなお答えをしたことはきょうの会見ではないと思いますが。

【代表】
 まさに自民党のほうの、政府・与党の帰結というのは、43兆であり、そして増税ですよね。ですから全然、紛糾したように見えますが、3税目了承していますから、結局大騒ぎしただけで、よく言われるように大山鳴動ネズミ一匹みたいな話で、何も、岸田総理がやろうとしていたことというか、何も自民党内では覆すことができていないということではないですかね。

【フリーランス・小山記者】
 そのような中で、徳永エリ常任幹事会議長が質疑で申されたような酪農の問題や、金子大臣からも談話が出ていたが、農業問題。2023年には9割の農家が農業を辞めるのではないかと。そういった危機に際して全く支出がなされない様子を本当に国民は怒りを持って見つめているわけだが、小川調査会長が財務省のほうに税制の提案をお持ちになったかと思うが、これは財務省に持っていくだけでいいのか。また代表のほうから首相に申入れとか。ちょっと見るに堪えないなという気持ちを国民は持っているが、いかがか。もしくは、また新しく立憲のほうで、うちだったら税制はこうするという、大きなイベントをつくっていただいてマスコミを引きつけるとか。ちょっと今、テレビを見ていて見るに堪えない気持ちだ。いかがか。

【代表】
 いろいろなアドバイスというかご意見というか、アイデアをありがとうございます。我が党として、税調で税制改正要望をまとめて財務大臣に渡すだけではなく、記者会見等々も開いて中身の説明もしてきています。さらに動画とかの発信も行っていますので、そういったものをもっと見ていただけるように努力したいと思います。

○原発・エネルギー政策について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 12月13日に、田嶋要さんのほうから談話という形で、岸田政権による原発回帰の撤回を求める談話というのが出てきているが、この談話は立憲民主党の公式見解というか、どういう性格のものなのか。ここに書いてあるのはまさに原発ゼロ政策とほぼ変わらない話だと思うが、今後やはり通常国会で原発をどうするかというのが大きな議論になると思うが、この談話が要するに今後の立憲の機関意思決定というか、ある程度羈束するものになるのか。しかも、こういう大事なものを党三役ではなくて田嶋さんのところから出されたり大臣に会いに行ったりされているが、どういうふうにこの内容を我々は受け取ったらいいのか。

【代表】
 立憲民主党も、議席は自民党よりは少ないですが、かなりさまざまな部会が存在していて、同時多発的にというか、いろいろな、毎朝毎朝勉強会を開き、法案の手続をし、ヒアリングもしていますので、私がそれを全て把握しているわけではありません。
 部会(環境エネルギーPT)の田嶋要さんの名前での談話ということであれば、それは部会の中での談話ということだと思います。ただ、常に立憲民主党としては党の綱領があり、基本政策があり、選挙政策を訴えて、その中にさまざまな政策が書いていますので、基本的にはその政策が前提になっているものではないかと思います。
 それに加えて、我が党は常に綱領や基本政策で訴えていることがありつつ、そこにどう現実的につなげていくか、現実的なアプローチをしていくかという観点も大事だと思いますので、私もちょっと談話は全部見てはいませんが、綱領に掲げる理想というところにいかにして一歩一歩、安定供給を前提にしながら現実的な判断をしていくことになるかと。そこは常に考えていかなければいけないことだと思います。

○安全保障政策について(4)

【フリーランス・西中記者】
 先ほどの私の質問の確認だが、この間やはり目立っているのが、既成事実化をどんどんされているのが、沖縄南西諸島の軍事要塞化がどんどん進んでしまっていることや、長射程ミサイルのトマホークを購入するとか国内でも開発するといった話がどんどん先に進んでしまって、それを追いかけるようにして防衛予算の話などもついてきているような感じがする。こういう状況を見ていると、日米の軍事同盟のあり方をやはり根本的に見直す、抑止力というものが本当に有効なのかどうかということもきちんと政党として表明していかないといけない時期なのではないかと思うが、そういった日米同盟のあり方についてきちっと言及するようなことは近いうちに党として考えていらっしゃるのかどうか確認させていただきたい。あと、現在進行形で軍事力強化がどんどん進んでしまっているわけだが、それに対してどのように考えていらっしゃるか、どのように対応するかということについて質問させていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 「きちっと」というのが、もちろん取る方によって、我が党が今進めている議論を、また成果物について、満足いくいかないというのはあると思いますが、我々は当然、我が国の防衛、安全保障戦略を考えるという中で、今、議論を党内で重ねて、それを発表していくということですので、さまざまな日米安全保障条約等々の経過・経緯を含めて、それをどう表現するかということの文書になると思います。
 現時点で、今、何を、どの部分を書くとか書かないとか、この言葉が入るとか入らないのかというのは、あくまで党内で議論をしている最中ですので、その議論の結果どうなるかということであると思います。
 ただ、当然ながらというか、どの国民の皆様も、我が国の国土にたとえどんな国であろうとも侵攻は許したくないというふうに思っていると思います。我が国の領土が占領されることもあってはならないというふうに思っていると思います。そういう中で、日本の防衛、どのようにしていくのか。これは立憲民主党としても考えなければいけない。その中で、軍拡一辺倒だけではいけない。これもやはり我々の考え方です。そのバランスの中で、自衛隊の配置ですとか、日米安全保障条約に基づいた日米の役割のあり方、これを立憲民主党なりに訴えていきたいと思います。