泉健太代表記者会見
2023年1月13日(金)10時30分~11時27分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Z-TTrUOUn0A
■冒頭発言
■質疑
- 今井瑠々氏の離党表明について(1)
- 通常国会における野党の連携について(1)
- 薗浦前議員の政治資金事件について
- 今井瑠々氏の離党表明について(2)
- 通常国会における野党の連携について(2)
- 今井瑠々氏の離党表明について(3)
- 通常国会における野党の連携について(3)
- 初詣に関するSNS投稿について
- 政権交代に向けて
- 安全保障政策について
- 災害等における被災者・避難者の住まい確保について
- 通常国会における野党の連携について(4)
■冒頭発言
○新ポスターの製作について
【代表】
改めて本年もどうぞよろしくお願いします。ことし一番(初め)は伊勢神宮での記者会見でしたので、この会場で定例記者会見をするのはことし初めてということになります。どうぞよろしくお願いします。
まず、今、この「生活安全保障」のポスターを張らせてもらっていますが、新しいポスター、これがもうすぐ世に出ていくことになるかなと思います。元々、このポスターの下に党名がありますが、党名の上に「もっと良い未来」というのがありますが、このタグラインというのを活用した形でポスターを作るということで、実は今回は笑顔のポスターになっています。ですので、こういう、ある意味真剣なというか、自分なりに真剣に撮ったつもりですが、真剣なポスターと笑顔のポスター、これを選んでいただければよいかなと。各地においては、「生活安全保障」のポスターを引き続き張るということももちろん可能ですし、そして新しいポスターを張っていただくということも可能だということで、統一地方選挙、そして来たるべき衆議院の補選、また党勢拡大と、そういうことに向けても、この立憲民主党のポスターを作るということで、正式にまたもしかすると皆さんにお披露目のようなことをするかもしれないということかと思います。とりあえずまず報告をさせていただきました。
○通常国会での連携について日本維新の会と基本合意
【代表】
そして、まずは、きのう立憲と維新、国対間で協議を行って、いわゆる合同国対ですね。与党に対峙する作戦本部ということで両党基本合意をしましたので、私としては1月18日の水曜日に馬場代表と何らかの形で署名というか、これをやっていく流れを今想定しています。
安住国対委員長からお話もありましたように、他の政党にも、国民民主党、れいわ、共産、そういったそれぞれの政党にも、無所属の会もそうですが、できる限りのこの説明をして協力を求めていくというふうに思っております。
やはり与党の勢力は大きいですから、臨時国会のときには、岸田政権の相当なばたつきで、国民の声を聞かねばならぬということで野党の政策提案にもある意味一部分応じた岸田政権ですが、いつまた強硬な姿勢、横暴な姿勢になるかもわからないわけですし、臨時国会後のあのエネルギー政策や防衛政策、そういったことを見れば、やはり自民党というのは基本的には数の力で押し切るという体質を持っていますので、それに対抗していく必要があろうと思います。その意味で、野党第1党と第2党の、まずはこの合意ができたということは大変大きいことであるし、そこから力を発揮していくことで国会論戦を活性化させていきたいと思います。
以前、テレビで「プロフェッショナル」という番組がありますが、刀鍛冶の吉原義人さんという人がいて、私もその番組を見たことがありますが、私の地元の神社も刀剣女子が集まる神社なのですが、刀を作るためには、いい刀を作るためには、やはり鍛錬。たたかなければいけないということですね。そして、火も入れなければいけない。焼き入れもしなければいけない。この「鍛錬」「火造り」「焼き入れ」というのは、いい刀を作るには極めて大事な工程であります。それが甘ければやはりよい刀にはならないと考えると、あらゆる法案・予算について厳しく鍛錬することですよね。たたくことというのは、その壊すためのたたくではなく、まさによい法律、国民のための法律をよりよくするための、真っ当であり欠かせない工程・作業であるということ。これを強く意識をして、火も入れるし、たたくし、焼きもしっかり入れるときは入れなければいけない。そういう考え方で、国会、我々として(政府・与党に)対峙していきたいと思います。
今お話ししたように、この防衛増税だとか、この原発政策だとか、また、「異次元の少子化対策」だとか、言葉だけが相当躍っていますから、一つ一つを我々として厳しく鍛錬をしてまいりたいと思います。
○阪神・淡路大震災から28年を迎えるに当たって
【代表】
そして、阪神大震災からもうすぐ28年ということで、1月17日、このときに私も現地でこの慰霊のときを迎えたいと思っております。
私自身も、当時大学生でしたので、震災のときには京都に住んでいましたから、当然大きな揺れも体感しましたし、そして、その後に、なかなか当時はインターネットも携帯もまだこんなに普及していませんでしたから情報が入らない中で、どんどんどんどん信じられないような映像・光景が広がっていくということを覚えております。
そして、私もボランティアに参加しましたが、非常に長期の、復興に長期の期間を要すると。また、決してインフラの復興だけでは、人の心、また、コミュニティは取り戻せない。やはりきずなというものが注目されましたが、こういうことも非常に重要だと思いました。
まだこの阪神大震災の傷はもちろん癒えていないわけですから、私もそこに思いをはせて、現地で黙祷を捧げたいと思っております。
○子ども・子育て政策について
【代表】
東京都の小池都知事だとか、あるいは明石の泉市長だとか、今、所得制限なしで子どもの暮らしを支えようと、そういう動きが出てきていることについては基本的に歓迎をしているし、自治体とすれば当然のことだと思います。
一方で、これはやはりそれぞれの自治体でばらばらに行われるべきではない話であって、国が取り組まなければいけない。何やら公明党も所得制限なしなんていう話を言い始めているようですが、そもそも特例給付を廃止したのが自民党・公明党ですから、所得制限を本格的に導入して完全に線引きをしたのが今の政権であるということはもっと国民の皆様に知っていただかなければいけないし、それを踏まえて、改めて高校3年生まで1万5000円という、我々も参議院選挙の政策で掲げましたが、その実現に向けて、外せるところは所得制限を外していくという、その流れではないかと思いますので、国として取り組む。この姿勢を立憲民主党としては強く訴えていきたいと思います。
■質疑
○今井瑠々氏の離党表明について(1)
【時事通信・木田記者】
2点ほど伺いたい。昨日、岐阜県連が、離党届を提出した今井瑠々氏に関して、除籍処分と活動資金の返還を上申した。改めて今回の事案に対する対応方針をお聞きしたい。
【代表】
今井瑠々氏の今回の離党劇というより離党届を出した経緯は、政治の世界で活動する者としては大きな裏切り、背信。これは地域のこれまで支えてくださった方々に対する背信行為だと思います。多く期待をしてくださった方々がおられて、特にやはり立憲民主党からチャレンジをするということは、政権与党、権力にただすり寄るのではなく、日本の政治にもう一つの選択肢をつくってほしいと、「頑張って」「若い人頑張ってね」と、そういう大きな期待をいただいて、そして、その期待があったからこそ党からも毎月50万の支援を受けて活動してきた人物が、そういったことの整理もないままに、また、どうやら事前からも接触、その総支部長であるときから接触をしてきたということも含めて、裏切り、背信と言われてもこれは致し方のない行動を取ってしまったということです。
我々党本部としては、本当に有権者、地域の支援者の方々にお詫びを申し上げたいと思いますし、そして、この岐阜県連の対応は当然のことですね。当然のことだと思います。岐阜県連としては、この今井瑠々氏については厳しい意見が出されて、次期総選挙における公認取消しを立憲民主党本部に上申する。1月12日付をもって県連役職・副代表を解任する。あわせてということで、党本部に対して、離党届については受理しない、除籍処分が相当であるということ。そして、これまで総支部長として党本部から支援を受けてきた、総額650万ですか、この返還を求める。そういったことについて県連から要望がされましたので、党本部としてはこうしたことを十分踏まえて意思決定をしていきたいと思います。基本的には、県連としては当然の意見が寄せられたと、そう認識しています。
【時事通信・木田記者】
関連して。統一地方選を控える中で今井氏がある意味自民党に寝返ったというような状況ではあるが、今回の影響をどのようにご覧になっているかと、背景として立憲民主党の地方組織がまだまだ弱いということがあったのではないかという指摘もあるが、どのように体制強化を図っていかれるかお聞きしたい。
【代表】
いや、まずは、今井氏が地方組織が弱いから出ていったとなれば、それは余計に政治家としてはだめだということでしかない話で、むしろそれを強くする役割として、ほかの自治体議員は党本部からお金なんかもらっていませんから、まさに党活動の中心となって拠点となって支持を広げるための努力をするのが総支部長ですよね。それが逃げてしまうというのですから、寝返ってしまうというのですから、それはもう政治家としては不適格だということであって、地方組織が弱いからというのは、それは当たらない話で、皆で必死に地方組織を今強くする努力をしている。
それは大変ですよ、与党に比べれば資金力もないし、業界団体とのつながりについてもやはりどうしても野党のほうはまだ弱いというところの中で、それでもなお、この国にはもう一つ、政権(を担える)、代わり得る勢力が必要だと、使命感を持って活動しているのが地域において頑張っている各都道府県連ですから。やはりそういうところで多くの方々はこれからも支えてくださると思いますし、我々としては引き続き、やはりこの国には政権交代が必要だし、もう一つ政治を担える勢力が必要だということを強く訴えて、党勢を上げていきたいと思います。
【フリーランス・宮崎記者】
今の質疑応答に関して伺いたい。岐阜で今井瑠々さんに関しては後ろ盾だった人物は山下八洲夫元参議院議員だったと聞いている。昨年、山下氏の大変恥ずべき犯罪が既に一審有罪になっている。そういった中で、今井さんが山下さんの事件についてどう思ったかわからないが、ああいった恥ずべき犯罪、刑事で何か人を傷つけたら、その人々、家族には大変な痛みを伴うが、山下さんの犯罪は1億人に迷惑をかけた。あれは税金だから、JR東海のお金ではないが、日本の信用秩序を揺るがしかねないといったところに想像が及んでいない、本当に日本を構成する一員として最も許されない犯罪だと私は思う。元社会党の人にはほかにもそういう人がいた。秘書給与の話とか、名古屋刑務所に佐藤観樹元幹事長は実刑だ。そういったことに関して当時何かフォローとかはあったのか。山下さんの事件の後に、山下さんの処分とか、山下さんは党員だったはずだが、何か党本部でフォローはあったのか。
【代表】
山下氏、これは言語道断だというのはもう本当にそのとおりだと思います。そして、県連の役職も、たしか顧問か何かだと思いますが、それは当然解任ということになりました。
それ以降も、もちろん総支部ということで言えば、今井瑠々氏に対してのさまざまな支援をし、相談にも乗ってきておりますので、その山下氏のことは本当に問題外だという基本的なまず認識。それと、今井氏の今回の行動は、私は例えば山下氏のことがあったから正当化されるというものでは全くないと思います。
○通常国会における野党の連携について(1)
【フリーランス・宮崎記者】
立憲と維新の共闘に関して、きのう国対委員長のほうから、立憲の事業仕分けと維新の身を切る改革をそれぞれ持ち寄って若手議員を中心としたチームをつくっていきたいという話があった。この件と、1期生の議員は結構両党ともいるが、あと国対委員長のたまたま発言で一つ思ったことがあり、維新の身を切る改革というのは大阪でだいぶ15年ぐらい実績があって、ハレーションが起きるくらいやっているんでしょうというのを、よい意味合いでおっしゃっていた。ただ、大阪府・市の15年間のハレーションが起きる身を切る改革に関しては、立憲民主党を支持している団体などとも15年戦争みたいになっているかと思う。国対委員長はたぶん東京と石巻よりも西側のことはそんなに普段から興味を持っておられないのは当然かと思うが、この件に関して、党全体として、この維新の身を切る改革の実績というものを、きょうの段階ではどう分析して臨んでいかれるか。
【代表】
党として、この維新の身を切る改革について、つぶさに党内の部会ですとかで大阪の取組ということを焦点を当てたことはこれまであまりなくて、むしろ国政の中でのやりとりが多かったと思います。そういった意味では安住さんもイメージとしておっしゃっているところはあるのだろうなと思いますし、一つ一つ改めて、自治体での歳出改革なるものと国政における歳出改革とでどこまで共通点があるのかというところもあろうと思いますから、そこは改めて国政の、国のほうの歳出改革ということでどう向き合うことができるのかと。これを改めて考えることが大事だと思います。
それで、私は特に、ただ気をつけなければいけないと思っているのは、立憲民主党はベーシックサービスを大切にする政党でありますし、特に今の経済の局面で言えば、例えば介護や保育の従事者に対しては、これは処遇改善を目指しているわけですよね。ここはたぶん維新さんも同じではないかと思うし、例えば人に対する人件費の部分で、例えば高額の天下りがいれば、それは当然改革のある意味ターゲットだと思いますが、一般の働く方々の給与を下げるというのは、この今の物価高の局面の考えるべき政策ではないというふうに思いますから、やはり「事業」と「人」というのをどう分けて考えていくのか。そこは立憲民主党としては注意して取り組んでいく必要があると考えています。
【フリーランス・宮崎記者】
両党の大阪の組織から何か意見があれば、そこはこれから党本部でしっかり受け止めるか。
【代表】
そうですね、はい。
○薗浦前議員の政治資金事件について
【フリーランス・宮崎記者】
もう一つ。薗浦健太郎前議員の件を最後に聞きたい。薗浦前議員、元政策秘書2人も含めた合計3人に、有罪、罰金刑が確定した。4千数百万円のお金はじゃあどこに行って、収支報告書もまだ修正するともわからない。この件に関して、代表は「日曜討論」で、予算委員会であまり時間は取りたくないという趣旨のことをおっしゃった。予算委員会常連の議員も、確かにそうだが、ただ、そこはちょっとうやむやにしたくない、まずは国税当局がどう動くかを新聞社が報道してくれるということに期待をしたいが、予算委員会に向けてちょっと調べは、弾込めはしたいということだった。改めて薗浦前議員に関してお願いしたい。
【代表】
二重に三重にとんでもないことをしでかした人物だなと思います。
まず、政治資金パーティーを随分と頻繁に行っていたわけですが、実はそれが闇パーティーだったと。ちょっとそれも信じがたいわけです。我々も朝食会ですとかパーティーというのはありますが、まさか闇パーティーを前提に、各企業・団体は、あるいは個人は、献金というかパーティー券を買っていないと思うのですね。ですから、本当にこの闇パーティーというのがまず信じられないということ。信じられない行為であるということ。
そして、「何と」というか、私もつぶさには知りませんが、その4千数百万円か4千万円かですか、これを遊興費に、遊ぶ金に使っていたという報道もありますよね。本当、二重に信じがたいですよね。
それぐらい、闇パーティーと遊ぶ金ということであれば、これは自民党としてどう責任を取るのかということは、やはり薗浦氏に対する調査、そして解明、これはやはり責任もあるのではないかと思います。
そういうことの中で、本来は自民党の側が自浄作用としてこういうことを明らかにすべきであって、野党が予算委員会で聞かなければそれまで何も説明しないということそのものがおかしいし、そういうことで野党の時間が取られざるを得ないというのは非常に遺憾だということです。やはりまずは薗浦氏本人の側に説明をする義務・責任もあるし、それをやはり督促をする(責任がある)のが自民党であるし、結局、例えば、今、国会議員を辞めていない吉川議員なんていうのも、そのまま放置されていますよね。岸田派の秘蔵っ子のように言われていたけれども。そういうものがまだ宙ぶらりんになっているということを自民党は重く受け止めていただかなければいかんですね。
○今井瑠々氏の離党表明について(2)
【テレビ朝日・森本記者】
先ほどの今井瑠々氏に関連して。党として月50万というお金を支払っていたということだが、金銭的な面、そして精神的な面のサポートというのは、党としてちゃんと行ってきたという認識なのか。また、離党してしまった原因、離党というか除籍になるかというのはこれからだが、党を出るという原因というのはどういうふうにお考えか。
【代表】
まず一つは、党としてはもう支援をしてきました、本当に。実は前回の総選挙で頑張って戦って、しかしながら、まださまざまな調整がついていないということで、次も国政にチャレンジしたいけれども月50万の活動資金を受け取れていない元衆議院議員ですとか仲間もいるのです。そういう中で、党として、この今井瑠々氏に、その将来に期待をして50万円を毎月毎月送り続けていたわけです。総支部に対してですね。そこで党勢拡大に頑張ってもらいたいと。ですから、議員を目指す立場としては最上位の待遇ですよ。最も手厚い待遇を受け取ってきたのが今井瑠々氏であるということですね。
そして、当然ながら、党にはジェンダー本部もあれば選対もあります。そして、東海ブロック担当の選対職員もおります。県連の職員も実は随分相談にも乗らせてもらっていました。ですから、サポート体制、相談体制というのは、本人が動けばそれは幾らでも体制はあったというふうに認識をしております。これはしかし、本人が動けばというところもとても大事なところで、その本人が党に相談をするのではなく、むしろ他党に相談をしたのか、他党に接近をしてしまったと。
ここはやはり、さきの総選挙で何を訴えたのか。そういうことを踏まえれば、どの党からでもよいという話ではないというのは普通であればわかる話だと思います。
【テレビ朝日・森本記者】
というと、この離党してしまった原因というのはどこにあると。
【代表】
やはり本人が、彼女は総支部長として活動を続けることに我慢ができなくなった、そういうところはあるのではないですかね。それは、ただ、原因ですから、本人に聞いてもらうのがいいのではないですかね。
我々としてはさまざまな、これは誰でもそうですよ、本当に地域で相手に勝つといっても、例えば自治体議員の数が少なかったり、そして後援会をつくるのにも大変だったり、それは別に今井瑠々氏に限ったことではなく、皆それぞれに地域で大変な環境を背負って、さはさりながらということで活動していますので、何々がつらかったからということでもしかしたら述べられるかもしれませんが、それを言われたら、ああそうですかと、それが原因なんですかと、それ以上の信念はなかったんですかということを問わざるを得ないですね。
○通常国会における野党の連携について(2)
【NHK・高橋記者】
国会での野党共闘について伺いたい。改めて18日に馬場代表と内容を合意するということだが、どんな点で連携していくイメージを描いているか教えていただきたいのと、前の臨時国会では国民民主党には初めから声をかけたわけではなかったと記憶しているが、今回一緒に連携を呼びかけた狙いについて教えていただきたい。
【代表】
先ほどもお話ししましたが、野党第1党と第2党が力を合わせることの意味というのは、それぞれの政党はもちろん独自の主張はあるわけですが、国会の中での論戦を緊張感のあるものにする、活性化させる、そういった意味で互いにこの必要性を認識したからこそ、党は違えども合意に至ったということですよね。
この国会に緊張感を持たせて実のある論戦を行う。国民に論点をしっかりと伝えていく。そして、まさに、政府が出したものだから何でも信じればよい、政府の出したものだから何でも賛成すればよいという考え方ではなくて、国会という論戦の場で徹底的にやはり鍛錬をして、一つ一つの法案が本当に国民の信頼に足るものになるのか、これを我々としては検証、鍛錬をしていきたいということで、今回は国民民主党さんにも呼びかけをしようということになりました。
改めてですが、我々としてできる限り他の野党にも連携を呼びかけて、そして、この野党から訴える主張の幹を太くしていきたいと。その努力はしたいと思います。
【NHK・高橋記者】
維新の会と国民民主党、憲法についてなど必ずしも立憲民主党の考え方とは異なる部分もあると思うが。
【代表】
そうですね。
【NHK・高橋記者】
安全保障等についてもそうだと思うが、その辺りの違いをどういうふうに捉えて連携していくのか、お考えをお聞きしたい。
【代表】
今回の、まず立憲と維新の合意ということについては、例えば防衛増税ありきではないということ。そして、歳出改革を徹底して取り組んでいくということ。そして、やはりこの予算委員会で連携して戦っていこうということ。そういったことを主要な内容として今考えていますが、この国会で立憲民主党が維新と取り組んでいくということについては、前国会もそうだったのですが、全部の政策で合意をするということではなく、合意できる政策で合意を結ぶということで考えていますので、もちろん違いがあれば、そこはそれぞれの主張をしていく。これも前提にして、違いがあればそれぞれの主張もしていくけれども、それを前提にして、しかし合意できるところは合意をしていこうと。こういうふうに考えて双方が認識を一致させたということです。
○今井瑠々氏の離党表明について(3)
【NHK・高橋記者】
別件で、今井瑠々さんの件だが、選挙区で前回衆院選で自民党の古屋氏と戦って惜しくも負けてしまったということだと思うが、今回、自民党のほうが、古屋さんとかがちょっと声をかけたらすっとついてきたというような話もしているが、自民党のこういう抱き込むようなやり方に関してはどういうふうに感じているかと、新しい支部長を擁立するお考えはあるかどうかお聞きしたい。
【代表】
まず後段からいくと、当然新しい総支部長を選任していきたいと思いますし、これは岐阜県連からもそういう要望が来ていますので、党としては全力で考えていきたいと思います。
他党、特に与党から甘い言葉で誘われる。それは政治家としては十分認識をしておかなければいけないことで、基礎の基礎ですから、あとはそこに引っかかるかどうかの話だと思います。
○通常国会における野党の連携について(3)
【日本経済新聞・大澤記者】
国会での共闘について伺いたい。国民民主党に呼びかけたというところで、一方で、先ほどれいわや共産党、無所属の会にも言及されたが、国民民主党には安住さんの言葉で言う合同国対に誘うというところで、ほかはそのほかの部分で都度連携を取るというところで、線引きをした、国民には声をかけた理由は何か。
【代表】
我々として、国民民主党が、これは支持母体、一つは連合というところですが、そういったものも共通にしていたりしますし、今回の国会では、例えば全世代型の社会保障とか、そういった意味で政策を一にするところは当然あるだろうと思いますし、国民民主党も歳出改革をせぬまま防衛増税がいいと言っている政党ではないと認識をしています。そういった意味では共通項・共通点を見出せるのではないかと。そういう考え方から呼びかけました。
【日本経済新聞・大澤記者】
それは、れいわや共産党と比べても、より多くの政策で同じ方向を向いているという、そういう認識をされているということか。
【代表】
一つ一つ他党を全て比較はしておりません。
【日本経済新聞・大澤記者】
先ほど安住さんと古川さんの国対委員長会談で、呼びかけについて、チームには入らないが一つ一つ個別政策で協力するところは協力していくということが国民民主党の反応だったようだが、その受け止めを教えていただきたい。
【代表】
国民民主党には、やはり国会をよりよくするために力をかしていただきたいと思います。はなから与党の予算にもし賛成ということになってしまえば、やはり鍛錬する力も落ちるわけですよね。国民民主党としてのその予算のチェック力というのもどうしても下がってしまうと思います。
ここは野党としての力を、野党の役割を発揮していただきたいと思いますから、今のお話、直近の国対委員長同士のやりとりの中で、チームには入らないけれども個々個別の政策でということであれば、スタートはそうかもしれないなというふうに認識をしながら、しかし、一つ一つの政策で、ぜひ国民にわかりやすい立場で、我々と共に論戦・論陣を張ってもらいたいと思いますし、そういう中で政府の予算案に対しても向き合ってもらいたいと、向き合っていただければと、そう思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
合同国対で予算委員会が大変楽しみになった。きのうの遠藤さんの会見で、立憲から実を切る改革というのをやはり評価してもらったと。大阪での実績をやはり評価してもらったと。そういうことを前提に、やはり増税ではない形での、防衛財源とか、そういうことをやっていけるんだと。そういう維新の第一理念をやはり立憲から認めてもらったことを前提の今回の共闘の継続であるというような、きのうの会見を聞いていただけばわかるが。そこで伺いたいのは、参議院選後の総括で立憲は、身を切る改革というのはいわゆる格差拡大を助長したり行政の機能低下を招くというような総括をしていたが、ここはやはり大局的な意味で、大阪の成功というのを認めて、ある意味では一歩連携を深めると、そういう大きな判断をされたと私は思うが、身を切る改革についての再評価をされたのかどうかを伺いたい。
【代表】
ありがとうございます。
一つのキーワードというか、言葉として、身を切る改革というものが大阪で民意を得た、そういう事実はあるでしょうし、これは全国的にも一つの言葉として伝わってきているものはあるのだろうなと。もちろん、その言葉に全ての方が納得をするわけではないでしょうし、その言葉が指す中身について全てを知っている方は私は限られるというふうに思います。印象、イメージとしては、しかしながら、身を切る改革の必要性というのは一定認めるという方々が多いのではないかと思っています。
ですから、立憲民主党も、先ほどお話ししたように、維新の言う身を切る改革、その全てについて賛同という意思表示をしたわけではありません。けれども、しかし、私は特に取り出すとすれば、国会議員だとか議員の身を切る改革と言われるものについては、より多くの国民の共感というものもあるでしょうし、先ほどお話ししたように、人、公務員の例えば給与だとかをただ下げればいいという考え方には立憲民主党は立ちませんが、しかしながら、事業の見直し、こういったことは当然あってしかるべきという考え方を持っていますので、やはり何らかの歳出改革はせねばいけない、水膨れになってはいけないと、こういう視点については私は共有をした上で、そして具体的個別に切り込んでいくことはできるのではないかと、そう思っています。
○初詣に関するSNS投稿について
【読売新聞・大嶽記者】
泉代表がお正月に東京の乃木神社に参拝したとツイッターで投稿したことに対して、軍人を神と崇める行為で、これにより失う支持者は得られる支持者より多いだろうとか、軍国主義に追従すると批判されても仕方がないというような批判が相次いだ。改めて、こうした左派・リベラル派と見られるような方々からの批判について、どのように受け止めているか。また、泉代表はその際に「何だか息苦しいですね」と切り返すような場面もあったが、率直な感想もあわせて教えていただきたい。
【代表】
ありがとうございます。
「まさか」というふうには思いましたね。私にとっては、京都にも乃木神社があって、これはもう地域に古くからある。古くからといっても確かにそれはもちろん乃木将軍が亡くなってからの神社ではありますが、当然ながら戦後78年ぐらいの間もずっと存在し続けている神社でありますし、地域においては普通の存在。むしろ、京都の乃木神社などで戦没者の慰霊祭だとかが行われて、そこで不戦を誓ったり、平和を祈ったりというのも、これまた当たり前な行為でありまして、行った先の神社の祭神なるものを、参拝者の皆さんがみんなそれをイメージして、その方を崇拝するために参拝しているかというと、これはさすがにないでしょうと思うわけです。
私、テレビ番組で言いましたが、京都のその伏見区の隣には山科区というのがあって、大石内蔵助を祭る大石神社があるけれども、例えばそこに参拝したからといって、現代の討ち入りをすべきだとか、そういうことを言う人は普通いないですし、祭神というのは、それぞれ祭神が、いろいろなゆかり、ゆえんであるのだと思いますが、まず一つ、初詣という行為や日常の参拝というのは、何も一つ一つの神社を必要以上に肯定したり必要以上に崇めたりするものではない。一般的な行為の範囲で、私は一番宿舎の近くにあった身近な神社にお参りをしただけということであって、そこで何か乃木さんについてお参りをしたわけではないわけです。
ただ、確かにいろいろと乃木神社の由来だとかについて正確に知るというのは一般の国民の方は難しいところもあるわけですから、乃木希典将軍が軍神というふうにされたのは、これは国民一般が、当時、乃木将軍のことを軍神と呼んだということであって、現代の乃木神社が乃木将軍を軍神と扱っているわけではないということですね。あくまで軍神としての扱いとして今も崇めているというものではないというふうに認識しておりますので、そういったことをより知っていただくと少しやわらぐかなという気もするのですが、一般的に、確かにそういうふうに感じる方がおられてしまうというところもあるのだなと認識はしたというところであります。
【読売新聞・大嶽記者】
率直な感想についてはどうか。その認識をしたということもあったが、息苦しいというふうに最初おっしゃった。
【代表】
そんなに何か、ツイッターで発信したことと今が何かが変わっているわけではないと思います。自然な行為であって、それ以上のものではない。
また、私はそれ以外にもいろいろ新年参拝しました。やはり地元、政治家でもありますし、いろいろな神社にも、またお寺さんにも行っておりますが、一つ一つの神社やお寺さんの、その祭神ですとか、そのお寺を創立された方を、崇めに全部回っているということにはやはりならないわけですよね。
そして、おそらく乃木神社もそうでしょうけれども、多くの参拝者がおられたと思いますが、そういう方々がまさか軍国主義を唱えるために新年参拝されていたとは私は到底思えない。もしかしたら中にはそういう方がおられるのかもしれませんが、普通そういう方はおられないと思います。
ですから、そこは自然に受け止めていただいて、むしろ、私は何も変わらず、立憲主義者ですし、当然民主主義者ですし、軍国主義には反対をしているし、平和主義者ですよということは改めてお伝えしたいと思います。
○政権交代に向けて
【読売新聞・大嶽記者】
少し話題が変わるが、かねてからの泉代表が、党の方向性について、中道リベラル、現実路線という言葉を掲げているが、この安全保障環境が厳しい状況や、エネルギーの価格が高騰したりしている中で、こうした泉代表の掲げる方向性の必要性についてどのように考えるか、改めて教えていただきたい。
【代表】
立憲民主党として、これは政権を目指す政党でありますから、そういう認識に立てば当たり前のことの今繰り返しだと思っておりますので、やはり党所属議員の仲間たち、それは自治体議員もそうですし、そして党員・協力党員・パートナーズの皆さんにおいても、先ほど言ったように国会の中では厳しく政府のなすことについて鍛錬をする。たたくし、そして、火も入れるということをやりつつも、常に自分たちが政権を担ったときにどうなのかと。この考え方に立つ必要はあるし、それは当然だと思います。
そういう認識をこの立憲民主党の一人ひとりがより強く持って政策を訴えていく。ことしはさらにそんな一年にしていきたいと思います。
○安全保障政策について
【フリーランス・西中記者】
大きく2点質問があるが、一点は、防衛省が昨日、環境影響評価の最終的な評価書を公示し、即日、馬毛島の基地建設に本格着手した。これに関しては、鹿児島県連の柳誠子代表が、昨年12月20日だったと思うが、県知事に容認撤回を求める抗議の申入れをした。そのことは昨年も私は質問させていただいた。こういった動きがあり、馬毛島の軍事化に反対し続けている地元住民の方も、10年以上にわたって反対したり、西之表市の反対の意思表示などを行ってきた。しかし、そうやって強行されてしまった。それから、今どんどん、これはもう数年にわたり南西諸島の軍事化も進んでおり、今、岸田首相は欧米をずっと回り、敵基地攻撃能力や防衛予算の問題を、まだ国会の中でほとんど全く具体的な議論がされていない中で、各国の首脳と軍拡に向けての日本の政府の動きについて説明をしていることが続いている。まさに岸田政権がやっていることは異次元の大暴走だと思うが、こういった岸田政権に対して今どういうふうに考えているかと、馬毛島のことに関して、鹿児島県連からも抗議の申入れがあったわけだが、それに対してどのように対応するか。鹿児島県連と何かこの間そういった議論があったなら、その内容を教えていただきたい。
【代表】
ありがとうございます。
鹿児島県連からは、柳代表から党本部として聞き取りをさせていただきました。その中で、今お話があったような点を含めて、その県連代表のお話というのは党本部として認識をさせていただいたということになります。
一方で、確かに今の日本の安全保障環境というのは年を追うごとに変わっているところもあります。かつて、2011年ですね、2プラス2の中で馬毛島というものが出てきておりまして、当時、日本政府は、「新たな自衛隊の施設のため、馬毛島が検討対象となる旨地元に説明することとしている。南西地域における防衛態勢の充実の観点から、同施設は、災害、あるいは通常の訓練にも使用され、併せて米軍の空母艦載機離発着訓練の恒久的な施設として使用されることになる」、例えばこういうものも当時2011年の民主党政権のときにも出てきている。ですから、確かに我が国の防衛力を保持していくということの中でこの作業が進んでいるということは、一定やはり理解しなければいけないことであると思います。
ただ、一方で、常に、特に地元の住民の皆さんに対しての不安の除去ですとか、あるいは丁寧な説明ですとか、やはりこういうものというのは大事だと思います。その意味では、いわゆるこのアセスの評価書を公告した直後に、すぐ即日というか、間髪入れず午後に着工するというのは、やはりさまざまな思いを招く行為ではないかと思いますので、より丁寧さというものを私たちとしては政府には求めていきたいと思います。
【フリーランス・西中記者】
今の点で補足だが、まさに岸田首相が欧米を外遊し各首脳に会い、2プラス2も行われている。全く地元住民への説明もそうだし、防衛予算とか、南西諸島へのミサイル配備の問題、トマホークをアメリカから爆買いして配備するということも検討されている。そのまさに最先端に馬毛島の基地建設もあると思うが、そういった大きな、今の岸田政権が進めている、全く国会審議もなしに、国民に問うこともなく、自民党内からも増税に関しては異論があるわけだが、そういった今の岸田政権の安保・防衛政策の進め方そのものについて、もっと立憲民主党からきちっと問題提起をしなければ、本当にこのまま暴走が続いてしまうと思うが、国会が始まる前にもやはりやるべきだと思うが、それについて代表の考えをお聞きしたい。
【代表】
私たちは既に国会が始まる前にもやっております。それはもう昨年我が党が出した安全保障の方向性(「外交・安全保障戦略の方向性」)についてもそうですし、そして常に、例えばさまざまなテレビですとか取材の場があれば、この今の防衛増税ありきはおかしいと、そして43兆円が前提というのもおかしいと、これも繰り返し述べておりますので、国会(開会)の前からもどんどん言っていきたいと思います。
【フリーランス・西中記者】
岸田首相のこの間の対応についてはどのように見ているか。
【代表】
国会を開いていないわけですからね。対応も何も、何もやっていないということですよ。全然真摯に向き合おうとしていない。勝手に決めたというのが今の段階ですね。
○災害等における被災者・避難者の住まい確保について
【フリーランス・西中記者】
もう一点。冒頭で、阪神・淡路大震災から28年になるとあった。これは災害救助法や、被災者の生活再建支援法とか、特に後者は阪神・淡路大震災をきっかけとしてできたわけだが、今そういった借り上げ住宅から20年経つことで神戸市や西宮市から追い出しの裁判を受けている方もいる。これは阪神・淡路大震災にかかわらず、自然災害や原発事故の避難者の問題もそうだが、災害があった方の住宅、住まいの権利をどういうふうに確保するか、国と自治体の間できちっと再検討すべきときだと思うが、災害救助法は昭和22年にできたすごく古い法律で、借り上げ住宅の問題とかが入っていない。そういったことで今、福島県の原発事故の避難者も裁判を福島県から起こされている。山崎誠議員はこの件を一生懸命やっているが、党として、やはり災害救助法の見直しとか、子ども被災者支援法を実施に移すとか、何かそういった、原発事故の避難者、それから自然災害避難者に対する、住宅、住まいの権利の問題について、何か考えがあればお聞きしたい。
【代表】
さまざまなご指摘のことを検討していきたいと思います。
○通常国会における野党の連携について(4)
【フリーランス・横田記者】
維新と立民の合同国対協議会だが、櫻井よし子さんが基調講演した軍拡拡大集会に参加した維新と連携強化するということは、リベラル路線の否定と映って、立民の支持者を失って、統一地方選や次期総選挙への悪影響も懸念されると思うが、そういうふうにお感じにならなかったのかが一点。あと、決めるに当たって国会議員・地方議員に意見を聞いて決めたのか。安住国対委員長が暴走したのではないかというのが2点目。3点目は、維新との連携強化で支持者が離れて統一地方選で敗北した場合、泉代表は責任を取って辞任するのか。馬場代表は目標をちゃんと設定して辞任すると明言しているが、これだけの立民の大路線変更をして責任を取らないというのはあり得ないと思うが。3点についてお願いしたい。
【代表】
ありがとうございます。
まずは、安住さんの暴走ということではないですね。
そして、維新のことをいろいろと攻撃をされるような発言の一方で、馬場さんのその部分だけは評価をされるというのは面白いなと思いましたが、立憲民主党としては、統一地方選についてはとにかく現有議席を上積みしていく。その目標に向かって頑張りたいと思います。
そして、よく、かつての、例えば前回総選挙のときの共産党とのやりとりということについてもそうなのですが、私は立憲の支持者の皆様にお伝えしたいのは、どこと一緒にやったからそちらに引っ張られるとか、どこと一緒にやったからそちらの影響を受けるとか、そういうことばかりを考えるのではなく、むしろ両方あり得るわけですよね。立憲民主党が他党と何かをするということは、立憲民主党の主張が他の政党にもまた伝わっていくということでもあるということです。そういった意味では、一方的に何か影響を受けて、あちらに引っ張られ、こちらに引っ張られなんていうのは、そもそもおかしな話であって、むしろ立憲民主党の考え方を広く伝えていく。私はそういう取組として受け止めていただきたいと思っています。