泉健太代表は2月28日、一般会計の歳出総額が過去最大の114兆円を超える2023年度予算案が衆院を通過したことを受け、国会内で記者団の取材に応じました。予算案は同日の衆院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で可決され、参院に送られました。

 泉代表は、衆院での予算審議を振り返り、「倍増という言葉は踊ったが、むしろ国民の不安が倍増するような質疑だった。防衛予算はかなり上積みされたが内訳は不明、子ども予算についても実際には中身は何も決まっていない。賃上げについても具体的な対策、取り組みは不十分。何も明らかになっておらず、不安が倍増するような予算案だったと考えている」と発言。その上で、参院での審議に向けては、「防衛予算の内訳は、引き続き精査していく必要がある。日本にとって道を誤るような反撃能力になってはいけないことについても、政府により明確な答弁を求めていく。国家の危機は食料安全保障や、経済の安全保障、少子化対策など複合的なものであるにもかかわらず、決算剰余金や歳出削減に力を入れたものをすべて防衛費に回すバランスの悪さについてもあらためて主張していく。春闘はまだ終わっておらず、賃上げの具体的な対策についてもさらに政府に決断を迫っていきたい。少子化対策、子育て予算についても、すでに各党合意しているものもあり、児童手当の所得制限の撤廃などは6月を待たずに総理が決断すべきこと。さらなる子ども・子育て予算の整備、予算の確保、上積みについても主張していきたい」などと述べました。

 岸田総理の答弁姿勢について問われると、「不明な点が非常に多かったと感じた。われわれは『失われた10年』と言ってきたが、この10年で子どもの生まれる数は減り、日本の国際競争力は下がり、国民1人当たりのGDPも世界にどんどん抜かれる中で、自民党政権のもとで経済も成長力を失い、国力も落ちてきた。そうしたことを指摘すると色を成して(岸田総理が)怒るのが今回の予算委員会だったのではないか」と指摘。「われわれは、『倍増』という中身を精査するのが予算委員会だと思っているので、その本分を尽くしていきたい。まだまだ質疑は続くので気を引き締めて対応していきたい」と力を込めました。