衆院憲法審査会が3月2日開かれ、立憲民主党の階猛議員が発言しました。階議員は冒頭、予算案の衆議院通過後に審査会を開催する運びとしたことについて、「国家の1年間の活動を決める重要な予算案の審査に集中すべきとの理由で、予算案の審議中は予算関連法案を審査する委員会以外は開催しないという衆議院の慣例がある。その趣旨は、当審査会にも当てはまる」と指摘。両筆頭幹事の協議結果による今般の審査会運営のあり方を評価しました。

 議員任期延長について、一部の党から改正条文を起草すべしとの意見が出ていることに対して、「3つの理由により時期尚早」との見解を示しました。第1の理由として「参議院に配慮した慎重な議論を行う必要があること」、第2に「衆議院議員の任期満了の場合でも参議院の緊急集会を開催できるかにつき解釈を確定する必要があること」、第3に「緊急時には選挙の先送りだけでなく選挙を急ぐべき場合があること」と説明し、拙速な議論の進め方に苦言を呈しました。

 次に審査会として早急に検討すべき課題は、国民投票法の改正であると主張しました。昨年の審査会で慶応大学の山本参考人が国民投票法の改正を主張したことを踏まえ、立憲民主党が提案してきた国民投票法改正案に、情報に関わる二つの権利を保障する規定を盛り込み、時代に即して改正していくべきと訴えました。

 第1に「情報アクセス権」を保障する規定の必要性を説きました。国民投票広報協議会が憲法改正案に関する国民の関心と理解を高めると共に、改正案に関する賛否両論を公正中立な立場で国民に伝えるべきと指摘。「全国各地でオンラインも併用した憲法改正案に関する説明会を開催したり、専用のホームページで動画や図表なども交えた各会派の見解を発信したりすることを可能とする規定」だと説明しました。

 第2に、個々人が多様な情報にバランスよく触れられる環境を求める権利、いわば「情報環境権」を保障する規定の必要性を強調しました。これは、フェイクニュースにより、憲法改正案に関する世論が誤った方向に導かれてしまうことを防ぐため、「民間のファクトチェック機関から国民投票広報協議会に対して『フェイクニュース』の疑いがある情報について照会があった場合、国民投票広報協議会が現に保持している情報を提供するなど、両者が連携することを可能とする規定」だと説きました。

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