衆院憲法審査会が3月2日開かれ、立憲民主党の吉田はるみ議員が発言しました。審査会での議論が緊急時の国会機能維持に終始していると指摘した吉田議員は、「そもそも、平時における国会は機能しているのか」と追及しました。「憲法53条に基づく臨時会召集要求を内閣が放置するという憲法違反が常態化し、また、時の政権与党が自分たちに都合よく恣意的に衆議院解散権を行使しているのが実情である。これでは、平時においても国会が機能しているとはいえない」と政府・与党の憲法尊重擁護義務の姿勢に疑問を呈しました。

 続いて吉田議員は、憲法と同性婚に関して、2021年2月25日の衆院予算委分科会での尾辻かな子議員の質疑に対して、衆院法制局の齋藤参事が「日本国憲法は、同性婚を法制化することを禁止してはいない」と答弁したことを紹介。いわゆるLGBT理解増進法案に留まらず、「同性婚を可能にしなければ、LGBTの方々への差別は解消しないと考える。LGBTの方々には『理解は示すけれど、結婚はできない』というのか」と訴えました。

 そして現状を放置しては、「憲法14条の、法の下の平等、差別されないとする条項に反する、憲法違反ではないか。また、憲法13条は、だれもが自由に、幸せを追求する権利があると保障している。LGBTの方々の自由を、幸せを追求する権利を、私たち政治家が奪うことはできないはずだ。憲法が権力者を縛るのではなく、政治家が国民を縛っていないか」と深刻な懸念を示し、審査会で同性婚をめぐって多角的に議論していくよう提案しました。

 また、同日の質疑で尾辻議員が「憲法は同性婚の法制度化を禁止しているのか」と、政府の見解をただしたところ、内閣法制局の木村政府参考人は「検討したことはない」と答弁しました。この点に関して「これまでは『検討したことはない』で済んだが、この先も『検討しない』のが岸田総理、そして現政府の姿勢なのか」と追及。「総理に本憲法審査会にお越しいただき、政府の姿勢と見解を明らかにしたい」と、森審査会長に総理の出席を要請しました。