泉健太代表記者会見
2023年3月3日(金)10時30分~11時17分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/8oy1uPRwoBI
■冒頭発言
■質疑
- 野党連携について
- 安定的な皇位継承について
- 首相のウクライナ訪問検討について(1)
- 「国際女性デー」 女性議員を増やす取組について
- 放送法の解釈をめぐる小西議員公表の資料について(1)
- 諫早湾干拓「開門命令無効」判決確定について
- 衆院補選について(1)
- 労働界との連携について
- 放送法の解釈をめぐる小西議員公表の資料について(2)
- 衆院補選について(2)
- 「首相のウクライナ訪問検討(2)」「林外相のG20欠席」
- 「国会審議」「豊島区長選」等について
■冒頭発言
○林外相のG20欠席について
【代表】
おはようございます。
まずは、何かと各メディアでも報道されている林外務大臣のG20出席というものですが、改めてですが、立憲民主党側に政府・与党からのアプローチはありませんでした。ですので、何やらよくある構図、よくあるポジション的な扱いから、あたかも立憲民主党が反対をしたように報道される社があるとすれば、それは大きな間違い、誤報であるというふうに言わざるを得ませんので、皆様そこのところは、野党番・代表番の皆さんはご案内、ご承知だと思いますが、まあ、なるほど、こうやって野党をいつの間にか、外相が勝手に行かなかったことについて野党をディスろうという。立憲民主党が外務大臣に質問しなかったことが何か関係あるのですかね。
それは政府の側が勝手に判断をしたことであって、そもそも、改めてですが、G20は昨年から既に日程が決まっていたものであり、その日程を当然踏まえた上で国会運営を行うのは与党の責任であり、衆議院でいつ予算を可決するかの主導権は与党にあり、野党が例えば1日遅らせてくれと言ったら1日遅らせてくれるわけでもなく、野党がもちろん1日早めろと言っても早められるわけもなく、2月の下旬に衆議院で採決をした、その日程をつくったのはもう与党以外にないわけです。政府・与党が日程をつくっているわけです。3月1日に参議院予算委員会の初日を持ってくるのも与党ではないですか。これ、野党にそんな力があるのですか。ないのではないですか。全て与党主導で国会運営というのはやっているわけですよ。
しかも、では、外務大臣についてG20に出張させたいと、何とかお願いをしたいと、自民党が、政府が、頭を野党に下げてきたのか。そんな事実もないわけです。反対も何もありませんね。
ですから、改めてですが、私たちは本当深刻に考えています。政府・与党、大丈夫かと。昨年の国会、臨時国会でもこんなことがありましたね。国会中に財務大臣が出張せざるを得なくなって衆議院が空転をするということがあった。それと同じことが起きているのに、これを野党のせいにするというのは本当におかしな話でありまして、改めてですが、これは政府・与党の側がG20に出席をする必要なしと判断をしたことにほかならないわけでありまして、このことは重々皆さんも上の方にお伝えをいただきたいというふうに思っております。
○被害者救済法の処分基準等について消費者庁に申入れ
【代表】
きょう午前中に、我が党の、立憲民主党旧統一教会被害対策本部・西村智奈美本部長が消費者庁に申入れを行いました。
これは、法律ができて、そして今、実際にさまざまこの運用の詰めをしているわけでありますが、いわゆる処分基準案というものについて、それを作成しているわけですが、余りに厳しくなってしまって実際の救済に役に立たないのではないかという懸念が持たれるような、今、展開になっていますので、このパブリックコメントにかけられた処分基準案について修正を求めていきたいということでの我が党からの申入れです。
改めて、実効性のあるもの、被害者が救済されるものにならなければならないと思っておりますので、この立憲民主党の申入れを、政府の側は副大臣が対応したということで、検討しますという返答であったと伺っていますので、改めて、しっかりと政府にはこの我々の考える修正案に応じた基準案となるよう求めていきたい。これは国会での審議、議論というものも踏まえたものにやはりしていただきたいと思っております。
○「国際女性デー」 女性議員を増やす取組について
【代表】
そして、3月の、きょうは3日ですね、来週8日に「国際女性デー」があります。
きょうも報道されていましたが、ジェンダーギャップ指数ですとか賃金格差ですとかで日本が100位以下になってしまっているということを大変深刻に受け止めています。
立憲民主党は、当然、経済界もそうですが、政治の世界における女性の進出、これを積極的に強力に応援していくという立場で運営をしています。そして、前回の参議院選挙においては全候補者の半数を女性ということを達成し、また、当選者についても半数が女性ということになりました。その結果、今、参議院の立憲民主党の会派では女性比率が43.59%にまで上がっています。女性比率が43.59%。やはりこうした取組をすることによって随分と女性比率が引き上がったなというふうに思っています。
これを何とか定着させていきたいと思いますし、一方で、衆議院の比率はまだ10%台なのですね。これでは低過ぎると、深刻に受け止めていますので、立憲民主党として、次の総選挙、この女性比率の向上ということを目指して、これから候補者発掘と候補者擁立についても、女性を獲得していきたいと、女性候補者を増やしていきたいと考えております。積極的にこの女性候補の擁立に向けて党内の取組を加速させたいと、先ほど西村ジェンダー本部長とも話をしましたが、その思いで一致をいたしましたので、改めて皆様にご紹介をしたいと思います。
ちなみに、小選挙区の現在の我が党の候補者(総支部長)、42名いるのですが、ここでは女性比率20%台には今到達をしているという状況です。
確かに女性の方が立候補するところまでは一定の数をそろえることはできても、本当にこの小選挙区で勝つということで言うと、その選挙の仕組みそのものというか、政治家として、総支部長として活動するそのものが男性優位な活動スタイルになっているのではないかということについても、我々としてそういったことの中で女性の皆さんがどのようにして受かりやすい環境をつくるのかと。これも考えてまいりたいと思っております。
■質疑
○野党連携について
【時事通信・木田記者】
何点かお尋ねしたい。まず、つい先ほどの話だが、維新の音喜多政調会長が記者団の取材に応じ、立憲民主党と開いてきたエネルギー問題の勉強会を凍結するという考えを示した。電気料金高騰対策で維新の主張が受け入れられなかったことなどを理由に挙げているが、維新がこのような対応を表明したことに関しての受け止めと、今後の維新との連携への影響をどう見ているかお聞きしたい。
【代表】
今聞いたくらいの話なので、事実関係も、例えばどういうところで何か意見の相違があったのかということも、まだ私のほうには何も来ていませんので、私のほうから今、何かコメントすることはありません。今後の影響という話にしても、今の時点では何も情報をまだ得ていない状況であるということです。
【時事通信・木田記者】
代表ご自身としては、このエネルギー問題の勉強会は再開したほうがいいというお考えか。
【代表】
したほうがいいも何も、なぜ例えばこういうふうに音喜多さんが発言をしているのかというのも私のところには何も来ていないので、したほうがいいとか、よくないとか、そういうこともまだ言えませんよね。まだ事情を聞いていませんので。
【時事通信・木田記者】
別件で、国民民主党に関して伺いたい。先月28日の衆議院本会議で国民民主党は来年度予算案に反対をした。予算の賛否で国民民主党と足並みをそろえることができたことに関する受け止めをお聞きしたい。
【代表】
これはもう以前からお話ししていますが、まずは、やはりこの予算にそれは賛成はできないのは当然のことで、賃上げに関する具体的な予算措置も少ない。子育て予算も全然伸びていない。防衛予算だけが膨らみ、しかも増税まで求めるということで、この予算には賛成できないのは当然のことだと思いますから、政党として当然の判断をされたと、そう認識をしています。当然の判断ではないかと思います。
そういうところでお互いに賛否が同じになったということで、その後どういった政策を訴えていくかだとか、さまざま連携をする可能性というのは出てきているのかなと思いますから、一つ一つ政策についての話合いを丁寧に行って、連携できるところは連携をするということですね。
【時事通信・木田記者】
関連して。国民民主党の連携に関して、今後、具体的に国会対応や選挙などでどのようにして協力を進めていくというお考えか。また、国民民主党と協力することの意義について、改めてお聞きしたい。
【代表】
今は自然体です。何か、国民民主党が予算で例えば反対をしたから何か物事が急に加速をするとか、お互いに協議の場が幾つもできるとか、そういう話ではないと思うので、あくまでそれぞれが国会の、国対の中で日々の法案対応ですとか当然ながら協議はしていますので、そういうものの中で一緒にやれることはやっていくということが当面続いていくことになると思います。
【朝日新聞・笹川記者】
先ほど質問のあった維新との関係について。代表はまだお聞きになっていないということだが、音喜多政調会長は、立憲とつくろうとしていた共同の文書の中に原発の文言を入れるということについて立憲側から拒まれたことが理由だったというふうに説明している。この点について、代表としては、この文書に原発という文言を入れるか入れないかというところ、ここはどうお考えか。
【代表】
今、一方の側が言っている段階だと思うので、何か事実として確定しているかどうかもわかりませんから、まずは我が党の担当者なりから話を聞くというのが順番ではないかと思います。
【朝日新聞・笹川記者】
協議の内容に加えて、音喜多政調会長は、立憲の側から選挙協力を求めるような声がかなりあるということについても違和感を示すような形で、この議論は一旦打ち切るというような説明をしている。これは何度も代表にお聞きしていることではあるが、立憲と維新の政策的な連携というのが選挙協力に発展するということを期待はそもそもされているのか。
【代表】
何だか、やはりよくわからないですね。その音喜多さんの今おっしゃっていることを、しかも伝聞で聞いているくらいな今の状況なので。政調同士の政策の議論の場で選挙協力の話を立憲からしているとは、ちょっと思えないのですけれどもね。今はそんな受け止めです。
○安定的な皇位継承について
【産経新聞・大橋記者】
安定的な皇位継承について、岸田総理が党大会で今後検討していくという旨の発言をし、立憲民主党はたしか私の記憶では、一回、野田元総理が委員長でやられたかと思うが、今の現状と今後の見通し等についてお聞きしたい。
【代表】
ここまで先送りをしてきた問題だということですね、自民党の側が。今、先送りは許されないと岸田総理がおっしゃったということですが、既に先に送って今になっているという認識ですから、それは自民党としては当然議論をちゃんとする環境をつくるべきだと思います。
自民党がこの皇位継承についての議論をする環境をつくれば、他党は基本的に応じると思いますよ。一昨年の12月ですよね、(政府の)有識者会議が報告書を出しましたが、それについてもやはり十分なものではないという認識をしておりますので、ですから、やはり早く自民党の側にその環境をつくるように我々としても求めていきたいと思いますし、我が党としてはいつでも議論ができる状況にはあります。
【産経新聞・大橋記者】
立憲としての見解なり考え方をまとめるスケジュール感とか、そういったものはあるか。
【代表】
これは従来からお話ししてきたのですが、この皇位継承の問題というのは、努めて冷静に、また、落ち着いて、党派対立ということを前提とするのではなく、ということで進めるべきものだと思っておりますので、もちろん党としての考え方を示すということはできなくはないことではありますが、やはり他党との話合いということを重視すべきだと思っておりますので、それは独自に今先に走って立憲民主党がアピールをするということを考えているわけではありません。
【産経新聞・大橋記者】
何かつくってそういう自民党との協議の場ができるというようなイメージではないと。
【代表】
仮につくったとしても、どこまでアピールするかということも含めて、その辺の順序は慎重にやらなければいけないと考えています。
○首相のウクライナ訪問検討について(1)
【毎日新聞・安部記者】
岸田総理のウクライナ訪問についてお尋ねしたい。これまでに安住国対委員長や岡田幹事長からは、止めるものではないと、行った後に報告を求めたいというお話があった。泉代表は、それ以前にだが、ツイッターなどで、まるっと3月中に行くであったりという形の報告は可能なのではないかといったこともつぶやかれていたかと思うが、改めてお考えを教えていただきたい。
【代表】
これはまず一致しているところというか、我が党、立憲民主党の皆が共通しているのは、当然ながら止めるものではないということですね。そして、いろいろなその訪問に向けた環境づくりという方法は考えられるので、それを幾つか我々としてそれぞれが述べたということになります。
例えば、私があのツイートをした当時などは、国対からは国会での事前承認ということがある程度前提であるというような情報をもらっていたので、それが前提であるならば、しかし、日時を特定するのは少しやり過ぎではないのかという観点から、幅を持って事前承認を得ることによって行きやすさを確保するということはできるのではないかという考え方ですね。
その後、どうやら国対のほうでも、さらに与野党共に調べたりする中で、必ずしもその事前承認がマストではないんだという話になってきたということを踏まえて、それであれば事後でもよいという発言がなされたというふうに思っております。
当然ながら、安全を確保したり、さまざまなことをしなければいけない。例えば、アメリカが代表例ですが、事前にロシア側には通告をしていた。もちろん世間一般に通告をするわけではなくて、あるルートを通じて、不測の事故、不測の攻撃が起きないようにという、ある種外交的な配慮を求めるというかですね。これは他国もそういうことをしているケースというのは内々にはあるわけですから、日本の側も全く例えばロシア側に何の情報も伝えずに電撃訪問だというふうに張り切ってしまえば、もしですが、そのときにたまたまロシア側がそんなことを知らずに攻撃を行ってしまったら、これは大問題なわけですから、やはり何らかおそらく、世の中一般には伝えなくても、外交ルートの中でロシア側には伝えていくということは、むしろ安全確保のために必要であろうとは考えます。
あとは、どういう行き方があるのかということの、さまざまな考え方があるのではないのかと思います。
○「国際女性デー」 女性議員を増やす取組について
【毎日新聞・安部記者】
話題変わって、先ほど「国際女性デー」について言及もされていたと思うが、立憲として女性候補を増やす必要があると考えていらっしゃると。そもそもだが、現状、特に参議院に比べると衆議院で男女比率が偏っているという状況で、何のために男女比率を半々に近づける必要があると、近づけることで国民にどんな今と違う新しい国会を届けられるというふうにお考えか。
【代表】
まず一つは、やはり多様性というか、多面性ですね。国会で論争をする人たちのほとんどが40代から70代までの男性ということであれば、これはどうしても視点や世代観、価値観というものが一方的なものになってしまいかねないと思います。ですから、やはり若い世代も大事だし、女性の視点・観点というのも大事であるし、特に数十年前から比べても社会保障関係費というのは増大しているわけですよね。そういうときに、男性の社会保障に対する関わり方あるいは制度、また、女性の社会保障に対する関わり方や制度というのもこれまた異なっていると思いますので、そういった意味で、この日本の議会が壮年男性中心の議会ということでは私はいけないのではないかと考えます。
もう一つは、選挙そのものもそうですし、政治の世界全体もそうなのですが、そういう壮年男性を中心とした議会になっているということは、選ばれる過程においてもさまざまな障壁が、目に見えない障壁があるのではないかというふうに考えると、やはり社会、例えばジェンダーギャップ指数のランキングの中で言うと教育については日本は上位ですよね。実は男女共に質の高い教育を受けられている国ではあるにもかかわらず、その女性の能力が適切に生かされていない環境がある。それはもう議会に当選している議員の比率を見たらまさに一目瞭然ということですし、会社の役員の比率も少ない。同じ教育を受け、ともすれば女性の方のほうが能力が高いケースはあまたあるのに、それが社会の中で生かされていない。こういうことについて問題意識を持っています。
○放送法の解釈をめぐる小西議員公表の資料について(1)
【毎日新聞・安部記者】
また話題が変わって恐縮だが、昨日、参議院の小西議員のほうから、安倍政権時の政治的公平性についての内部文書があるということで会見がされた。この後、参議院の予算委員会でも関連質疑がされるということだ。この資料を泉代表もご覧になったかと思われるが、ご覧になった受け止めと、立憲としてこの資料を基にどんな追及をしていきたいかということを教えていただきたい。
【代表】
まずは、現段階では、この資料は小西議員が取得をしたものと認識していますので、党としてということの段階にはまだなっていないという状況であります。そして、きょうこれから質疑が始まるということを考えると、私もその資料そのものはコピーとして受け取りはしていますが、どのような質問の仕方をするのか、そういったこともまだ定かではありませんので、現在の時点ではあまり確定的に言えることはないかなというふうに思っています。
ただ、この文書、いわゆる内部文書なるものがもし真性なものであるのであれば、総務省が例えばこの文書の真贋を認めるか認めないかというところもおそらく出てくると思いますので、これはもう確定的に言える話ではないということは前提になりますが、いわゆる官邸の中で補佐官が総務省の官僚とやりとりをしている、その中身がかなり具体的に、個人名や番組名も挙がって、それについての誰々は気に入らないとか、どの番組には問題意識を持っているとか、そういうかなりリアルな発言がいっぱい出ておりますので、こうしたことをこれから我々としても精査をしていきたいと思います。
○諫早湾干拓「開門命令無効」判決確定について
【NHK・高橋記者】
きのう諫早湾の堤防の排水門を開けるかどうかについて、最高裁が国に開門を命じた確定判決の効力を無効とする判断を出し、これが確定した。受け止めをお聞きしたい。
【代表】
先日、立憲民主党佐賀県連の大会にお邪魔したのですね。そのときに、少なくともノリ業者というかノリ生産者の皆様からの声、悲鳴として、かなりやはり色づけが悪くなっている、不作になっているというお話があって、そのことについては、このノリの特措法があるので、これをぜひ機能させてもらいたいというSOSをかなりいただいて、私も戻ってまいりました。それはそれとして、このノリの不作対策を政府はまず十分に行うべきだというふうに考えます。
それ以外のところは、確かに両県の立場によってそれぞれの主張があるということだと思いますから、司法のその判断というものをまずは受け止めるというところになると思います。
○衆院補選について(1)
【NHK・高橋記者】
別件だが、衆議院の山口4区の補欠選挙に立憲民主党が有田芳生さんを起用するという報道があったが、擁立状況を教えていただきたい。
【代表】
私もそういったことについて、今、確定的に何かを聞いている状況ではありません。
党としてはもちろん候補者擁立をしたいというふうに思っていますし、それは単に立憲民主党の存在感ということではなく、有権者の皆様に選択肢を届ける形としてあらゆることを考えていますので、これは立憲民主党だけで取り組むことなのか、それとも他の政党ともさまざまやりとりをしていくことなのかということも含めて、今、検討中です。ですから、今おっしゃった具体名について検討中ということではなく、党として候補者擁立について検討中だということですね。
○労働界との連携について
【日本経済新聞・大澤記者】
自民党に関連して伺いたい。先日の日曜日に自民党が党大会を開き、まとめた運動方針の中で、連合など労組との連携強化を盛り込み、前年度の運動方針よりも距離が近くなるような書きぶりになった。今度、政労使会議も今月中に開かれる見通しで、労組としては、春闘としては歓迎すべき動きだとは思うが、与党の連合との距離が近くなることへの問題意識みたいなものがあれば教えていただきたい。
【代表】
何か我々が動揺したり右往左往するものではないし、日本の政党、各政党は、党である以上はさまざまな団体と関係を持とうとしたり接近を図ろうとするというのは、それはどの政党もあり得ることだと思いますから、それについてどうこう言うということではないですね。
一方で、今、まさに春闘で、経営者側に対して賃上げを要求し、そして、この労使という立場性からスタートしている労働組合ですが、やはり一人ひとりの経営者よりも力の小さいかもしれないけれども団結をすることによって物事を実現していくことができるんだという労働組合が、さまざま社会の改善や、他の政策分野に対しても、働く者の声としてこれまでまとめてそれを訴えてきた経緯がありますから、やはりそういった意味では立憲民主党と共に歩む親和性というのは高い団体ではないかと。労働組合がですね。そう思っておりますので、私たちはその関係性ということをしっかり大切にして、労働組合の皆様と共に歩む政党としての立憲民主党の歩みをさらに強化したいと思います。
【日本経済新聞・大澤記者】
かねて、立憲民主党と国民民主党に分かれてから、支援産別ごとに連合の中でも分かれてしまって選挙などでも活動がしづらいという声が連合側からもずっと続いていると思うが、一方で自民党がこういった接近を図っている中で、統一地方選や次期国政選挙に向けて、野党第1党としてどういう動き方をしていきたいか教えていただきたい。
【代表】
まさに今、かなり各都道府県では、立憲民主党の候補者であっても、あるいは無所属であったり、場合によっては国民民主党の候補者であっても、連合に集う我々はこの人を応援しようということで、かなりいろいろな連携をしていただいています。ですから、そういった意味では、地域での取組は、むしろ中央のこの構造以上に、一緒になってこれから統一地方選挙を迎える候補者たちを応援しようと、そういう機運は全国各地に広く私は広がっていると思っていますので、その地域の取組というのをやはり大事にしたいと思います。
立憲民主党も、党の活動方針で、党の公認・推薦はもちろんのこと、会派を同じくする無所属の方々についても応援をしていこうということも書いておりますので、そういう広い視野でやっていきたいと思います。
○放送法の解釈をめぐる小西議員公表の資料について(2)
【「FACTA」・宮嶋記者】
私は小西さんの会見は出ていないが、資料をちょっと見せていただいたら、七十何ページで、実は私自身が一応総務省の出身だから、この資料の意味というのは、原課から総務審議官に対して、その印鑑というのは「取扱厳重注意」と。これはトップ級のもので、完全に役所が倒れているというのか、東電の「吉田調書」ではないが、これはもう超弩級の資料だ。その感覚が今のメディアにあるのかどうかわからないが。やはり私はきょうの11時半からの会見が、ある意味で、これまでこういうものについてはほとんど共産党の独壇場だったが、立憲もやはりこれだけの力があるのかと。この真贋についてはあれだが、やはり今のメディア状況が余りに感度が鈍いというのか、そういう思いがある。これから、この漏えいした側とかいろいろなことが起こると思うが、この問題について合同ヒアリングを開いたり、そういうお考えはないか伺いたい。
【代表】
ありがとうございます。
党としては、まず、小西議員が入手をしたある種資料ですので、それできょうのこの質問がまたどうなるのか。そういうことを踏まえて、当然ながらあらゆる可能性というものは持ちながら、まずはこの審議を私も見させていただきたいと思っております。現時点では、やはりそういったいろいろな可能性があるという認識です。
○衆院補選について(2)
【中国新聞・山本記者】
先ほどの質問にもあったが、衆院補欠選挙への対応について伺いたい。山口4区で立憲民主党の元参院議員の方の名前が挙がっているのかと思うが、以前、泉代表はこの会見の場で、いわゆる保守の強い山口地域で野党候補者が立つ難しさというのをお話しされていたが、代表として、選挙区、山口2区もあるが、補欠選挙に向けてのお考え。また、立てるとすればどういった争点で挑みたいのか、あればお願いしたい。
【代表】
まず、本当に自治体議員の数も圧倒的に自民党のほうが多い。また、選出されている国会議員も、もう総理や大臣や、あまた自民党の議員ばかりという県ですから、そういう中で、確かに異議を申し立てるということそのものが非常に勇気のある行動でありますし、その勇気ある行動を取っていただいている方は、それは有権者の中にはやはり数多くおられるわけですよね。不満は持っていても、なかなか言えない、あるいはしがらみがあるというふうに考える方々も含めて、幅広く「今の政治はやり過ぎだ」「おかしい」ということを共感していただけるように我々としては候補者擁立について考えていきたいということで、最後の最後まで努力をしていきたいと思います。
争点としては、まず、やはりこの来年度の予算。今、審議が行われていますが、これだけ財政も厳しい中で、歳出を削減したものは全て防衛費に回し、子ども国会と言われながら子育て予算はほとんど伸びず、そして、食料安全保障と言われながら農水省の予算も減り、これは予算に対する自民党政府の向き合い方がかなり防衛偏重になってしまっている、やり過ぎだということについては、安全保障を大事にする野党各党においてもこれはやはりやり過ぎだという声で我々反対をしたわけですので、そういったことには共感をいただけるはずだと思って論戦を挑んでいきたいと思います。
また、来るべき統一地方選挙に向けても、今、たしか、これまで旧統一教会から支援を受けた議員の数というのは300人を超えているはずなのですが、そのうちのもう8割以上が自民党の議員だと言われているわけですから、そういうことも含めて、この関係を、政治との関係、特殊な関係を正していくということも、国民の皆様の大きな関心事ではないかと思います。
先ほどの防衛の話に戻りますが、イージス・アショアも、山口県からもある意味撤回をされるという経過をたどったわけですが、これが今もなお政府の防衛政策の中でさまよっているような状態、右往左往しているような状態もありますから、そういったことも含めて訴えていきたいと思います。
【共同通信・久納記者】
山口補選の関係で確認だが、今、旧統一教会についても言及があった。山口は安倍総理のお膝元だったわけだが、この旧統一教会との関係、政策がゆがめられたのではないかという問題についても争点化を図っていくというお考えでよろしいか。
【代表】
そうですね。それはやはり争点です。関係性ということで、旧統一教会からのかなり強い支援を受けてきたと思われる自治体議員・国会議員は大勢いるわけですし、そして政策においても、ジェンダー平等の政策だとか選択的夫婦別姓の政策だとかについても関与がやはり疑われているという状態だと思いますので、そういった、我が国が、これはもう旧統一教会というのをはるかに超えて、多様な価値観を認め、誰しもが生きやすい、また、活躍できる社会をつくろうと思うと、やはりこの特殊な政治との関係を正す必要はあると。そこは多くの県民の皆さんも同じ思いを持っておられるのではないかと思います。
○「首相のウクライナ訪問検討(2)」「林外相のG20欠席」について
【共同通信・久納記者】
岸田総理のウクライナ訪問について伺いたい。きのう維新の馬場代表も必要性について問うような発言もあったが、そもそも行く必要性について代表はどう考えていらっしゃるのかと、また、山梨でも伺ったが、もう少し早いタイミングで行くとすれば行くタイミングがあったのではないかという指摘もあったが、改めてその辺も含めてお考えをお願いしたい。
【代表】
そうですね、私もそれはもう以前からということで言っていますが、昨年の臨時国会の終了後、そして通常国会が始まるまで、1月ですね、その間に行けたのではないかと、やはり思いますよ。これも別に野党が止めていたわけでは全くなくて、政府の中の情報統制がうまくいかなくて、事前に報道に漏れてしまったがゆえに、それを取りやめたという経過もあったと思うのです。ですから、全然このウクライナ訪問について野党がネガティブだという話ではなくて、そもそも行くべきときに行っておけたはずだし、それを頓挫させたのは官邸のミスによるものでしかありません。
ですから、今まで何をやっていたんだというところは残念ながらあるわけですが、先ほど冒頭お話ししたように、それでも、それはG7の議長国であって、世界の主要国ですから、単にG7ということではなく、主要国の一つであり、また、カイロや発電機、そして衣服を含めて、相当我が国からも、募金も含めて、ウクライナに対して非常に積極的に支援をしている国の一つであることは間違いありませんから、そういう国としてゼレンスキー大統領に会いに行くというのは当然あるべきことだと思います。
【共同通信・久納記者】
最後に一点。林外務大臣のG20訪問だが、今のお話とも関連するが、外務省・官邸の対応のまずさや、これを通じて国際社会での国益を損ねているのではないかという指摘もあるが、この一連の欠席という判断についての評価をお願いしたい。
【代表】
政府・与党の国対戦略ミス、判断ミスが、国内問題だけでは済まされなくなっているということを深刻に受け止めるべきです。まさに国際問題にまで発展している。この政府と与党の連携のミスがですね。そこを深刻に受け止めていただきたいと思います。
○「国会審議」「豊島区長選」等について
【フリーランス・小山記者】
今回は泉代表も国会で、総理の答弁の態度が説明であって議論ではないではないかという追及をなさり、長妻政調会長も今回、具体的な提案に対して具体的な答弁を頼みたいということで、政府・与党の議論の態度を是正しようとしているという熱意を感じる。あわせて、岡田幹事長のほうで、マスコミへのお願いということで、どちらかというとガーシー議員の件とかよりも真剣な追及をしている我が党の議員の言論にスポットを当ててほしいとおっしゃった。何か小西さんのきのうの会見はその流れもちょっとあるのかなというふうに私としては解釈したが、こちらにいらっしゃる記者さんどうこうというよりも、会社自体にそういう放送権ということでプレッシャーがかかっているのではないだろうかというようなお話ではないかと思ったが、この辺について、執行部やNCのほうで変えていこうというような意気を結集したりしていらっしゃるのか。
【代表】
執行部だとかNC(次の内閣)で何か統一的にそういったことを言おうとか表明しようというのは特段しておりません。
ただ、本当に、メディアもこれまでずっと国会の構図として報道の仕方が画一的になっていたのではないかというのはやはり感じるところはあって、野党だから対立するものだ、野党だから批判をするものだ、で、批判をしたところだけを特に取り上げるということがやはりよく見受けられます。提案をしたことはあまり取り上げられなくても、強い姿勢で追及をするとなぜかメディアが喜ぶという、それも、しかし、国会のさまざまな多様な面を見ていないのではないかという気がします。
例えば野党が、立憲民主党が、それこそ国会の一つの質問よりもかなりの時間をかけてヒアリングを行い、党内で議論して、そして政策文書をつくる。つくって、例えば国会に提出をしても、そして記者会見をしても、そうそうその中身について報道されることはないですよね。
本来はやはり政策の中身というのをもっと報道していただいてもよいのではないかというふうに思いますが、誰がどんな目立った発言をしたかで、その発言のほうにどうしても注目が集まってしまう。そういうことも含めて、視点を、さまざまな視点を持っていただきたいとは思います。
【フリーランス・小山記者】
二つ目だが、神沢和敬さん、こちらにもいらしていた朝日新聞の記者だった方が、今般、豊島区長選挙に挑戦されるということで、私はちょっと記者会見には行きそびれてしまったが、この方が2月の頭の武蔵野市環境エネルギータウンミーティングにお見えになっていたので、推薦という可能性があって動かれているのかどうか伺いたい。
【代表】
まだ私は何かそのことについての情報は聞いてはいないです。すみません。
【フリーランス・小山記者】
3問目だが、憲法審査会がいよいよ再開されたということで、先ほどちょっと音喜多さんが対立姿勢を見せているようなお話も出たが、きのう「news23」、TBSの番組で映像を取り上げられた志葉玲さんがウクライナから2度目の帰国をされ報告会というのがあって行ってきたが、そちらで安田純平さんという、今はちょっと中東に行けないが救済されたジャーナリストの方がいるが、この方の以前「報道特集」に流された画像などを見せてくださったが、シリアの内戦の年表で、最初に1963年に緊急事態法というのがまずあって、そこから全てが始まっていると。その後にアサド政権になって監視社会が徐々に強まり、民衆が民主化要求デモをして、内戦になり、アサド政権が結局は国民に無差別空爆をするに至った。今、日本の状態というのがちょっと途中まで来ているような気がしてぞっとしたが、こういった流れについては代表はどう思われるか。
【代表】
シリアと日本をあまり、何か同じ過程を踏んでいるというふうには考えていません。
【フリーランス・小山記者】
緊急事態法ができた後というのが、ロシアがその政権のバックについたということだったので、ちょっと日本もそういう気があるのではないかと。やはり安倍さんがあれだけプーチンと対談していると、ちょっとそういうのが心配だったが、そういう危惧はお持ちになったことはないか。
【代表】
今お話を伺ったのは初めて伺ったお話ですので。過去も持ったことがあるかというと、ないです。