泉健太代表記者会見

2023年6月9日(金)10時30分~11時26分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/OV8bgRw2ZiY


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○LGBT理解増進法案について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、国会最終盤ということで、特に参議院で重要な法案がさまざま審議をされています。その法案について幾つかお話ししたいと思いますが、一つはLGBT法案です。
 これは繰り返しになりますが、まず、実際にLGBTの当事者の皆様が生活をする中で、さまざまに理解をしてもらえない、あるいは行政上で本来受けたいサービスを受けられない、そういうことで、各自治体でパートナーシップ条例ができたり、パートナーをそれなりに公的に扱うという流れが出てきてはいるわけですが、まだまだ全国的には環境は整っていないし、一緒に暮らしていても、家を借りる、あるいは病院に付き添いに行く、一つ一つが障壁・障害になっているということで、このLGBTの法案を進めていくべきだと、そういう話もありました。
 これは同性婚の法案についてもそうなのですが、立憲民主党は、その意味で、もう世界的には当たり前となっている古い価値観を崩すと、古い価値観をやはりこの日本の中で変えていって世界でも通用する日本にしていきたいと、そういうふうに思って活動してまいりました。
 しかし、今、このLGBT法が、当事者の皆さんと共につくり上げた超党派議連の法案、これも差別解消の前の理解増進という意味で第一歩の法案と言われてきたわけですが、この超党派で合意をしたはずの理解増進法すら、さらに自民・公明によって修正案が出され、また、維新・国民によって修正案が出され、そして、自民・公明・維新・国民で超党派案よりも後退した案がきょう可決をされるのではないかという状況、今、国会の情報が入ってきております。
 私たちとしては本当に残念ですし、まさか野党の側から、自民・公明、与党側に乗るという、崩れるということは想定をしていなかったわけですが、立憲民主党としては最後まで、当事者の皆さんと共に、この本来あるべき理解増進法、超党派でまとめたものが成立するように最大限理解を求めていきたいと、取組をしていきたいと思います。
 本当に、このように古い価値観を崩す戦いというのは本当に大変なのだなと。当事者の皆さんが、つらい思い、悲しい思いをしているということに、もっと寄り添える国会でなければいけない。その意味でも、国会自身が変わっていかなければいけない。立憲民主党が変えていかなければいけない。古い価値観と戦っていかなければいけない。このことを改めて感じています。
 誰もが住みやすい、生きやすい世の中をつくっていくのが立憲民主党であって、生きにくい世の中を続けていてしまっては日本の活力そのものも衰退していくというふうにも感じます。私もことしのレインボープライドに参加をさせてもらいましたが、本当にたくさんの当事者の方々とアライの方々が参加をしておられて、その活力、パワー、こういった皆さんの力もこの日本の社会の中でいかんなく発揮される、そして普通に生活ができる環境をつくりたい。この思いをやはり持っておりますが、まだまだ自民党を初め各政党、古い価値観が残っているということを感じます。

○入管法改正案について

【代表】
 続いて、入管法(改正案)です。
 これも連日国会の外でも集会が開かれ、廃案にすべきだと。2年前に廃案になったのと同じ法案ですから、これではいけないということで、この入管行政を抜本的に人権をしっかり守る入管行政に変えなければいけない。そして、難民認定が世界に比べて、これもまた余りに低過ぎる。
 一つ例を挙げれば、ドイツですよね。世界各国、同じ先進国が、自国の国民、元々日本で生まれた日本国民だけで、あるいはドイツで生まれたドイツ国民だけでその国の活力を生み出しているかといえば、そうではないということなのです。
 やはり、その国に世界の活力を取り入れて、その国の活力を保っていたり、あるいは伸ばしていったりしているという状況があるときに、この日本も、いろいろな理由で、確かに難民になる方はおります。技能実習生として来て、その後に、例えば労働環境が余りに過酷で、あるいは賃金が余りに安くて、逃亡に至ったケースというのもあるでしょう。もちろん中には悪意を持っているというケースもあるのかもしれません。いろいろなケースがある。しかし、日本に多くの方々が希望を持って、日本であれば生活をしていけるかもしれないと、そんな希望を持って、日本であれば人権を守ってくれるかもしれないと、そういう思いを持って世界から日本に来ているときに、我々日本がそういった外国から来た方々を敵にしてしまうのか、それとも味方につけていくのか。こういう考え方もとても大事ではないかと思います。
 ですから、技能実習生についても、その待遇が余りにひどいということでは日本は世界から選ばれない国になるし、同性婚やLGBTを認めない、理解が進まない国であればあるほど、やはり世界から選ばれなくなるし、そして、この入管法についても、国際標準から随分後退している今の日本の入管行政を変えられないということであれば、やはり世界からはいずれ選ばれない国になると思います。
 繰り返しになりますが、国内で違法行為や触法行為、こういうものがあるとすれば、それは例外なくしっかり取り締まるべきです。これはもう日本人とか外国人とか関係ないです、当たり前のことです。取締りはしっかりすべき、治安は守るべき、これは当たり前です。しかしながら、やはり難民に対してどう向き合うかということについて、ただ海外に送り返せばいいと、ただ取り締まればよいということになってしまえば、これは本当に日本自身がどんどん国際的な評価も下げるし、また、日本自身の活力をそいでいってしまうということを感じます。
 今、大阪入管の医師の問題ですとか、さまざまな不祥事が出てきているということもわかってきた。そして、この難民認定の3要因について、どうもその取扱いについて、公平性に欠けている取扱いがあったのではないかというふうにも言われている。だからこそ我々は、国民の皆さんに少しでも関心を持ってもらうべく、最大限の戦いをしてきたというところです。
 こういったことも含めて、本当にこの古い価値観と戦うということの難しさ、大変さを日々国会で感じていますが、私たちとしてはそれに負けずに、立憲民主党が人を守り、人を育て、そして、日本の活力を生み出していくということに取り組んでいきたいと思います。

○地位利用第三者児童虐待防止法案について

【代表】
 続いて、児童虐待防止法(改正案)です。
 こちらも、今週の月曜日に元ジャニーズの皆さんが各政党を回って、要望書、署名を各党に提出したということです。本当に国民の一人が、一般の方々が国会に申入れをしに行くというのは、本当に勇気のある行動だと思うし、そして、ある意味カミングアウトをするということも大変勇気のあることです。
 国会としてこの勇気に応える必要があるわけで、自民党や公明党も途中までは(前向きであった)、この児童虐待防止法。特に、刑法もあるのですが、やはり児童虐待防止法がなぜあるのか、なぜ存在しているのかといえば、ほかの罪よりも非常に表に出にくい犯罪だからですね。児童と大人の関係性ということでいっても、児童の声というのは社会に明らかにされにくいということもあります。そして、これまでの児童虐待法でいえば、(虐待が)密室内で行われる、家庭内で行われるということで、やはり特別に通報義務を課さなければこういったものが明らかにならないということで児童虐待防止法があるということを考えても、同じ地位利用ということでいうと、密室の中で他者を入れずに行われるケースがやはりあるわけです。これが今回のジャニーズの問題だったとも言えるわけです。だからこそ我々は、この児童虐待防止法を改正することによって、密室で行われる非常に顕在化しにくい犯罪ケースにおいて、これは家庭だけにとどまらず地位利用の場合も含むべきだということを言っているし、これは当事者の皆さんも言っていることであるということです。
 ぜひこれも、私たちは、古い、変えられない国会を改革していかなければいけない。当事者に寄り添う国会でなければいけないと思っています。今国会で何とか成立させていきたいと思います。

○「健康保険証の存続を求める要請」を厚労相に申し入れ

【代表】
 そして、きょう、先ほどから、10時から行われていると思いますが、厚生労働大臣に対して立憲民主党として健康保険証の存続を求める申入れを行ったところです。
 マイナンバーカードですね。これはかなり拙速な、マイナポイントを無理やりつけて、役所に行列が起きるくらいにマイナンバーカードの取得をさせて、そして、保険証をくっつけるという統合もかなり急いで、システム上に問題が出てしまっているという状況があります。河野大臣は、全くそういったことは、デメリットは起こらないと言ったけれども、数千件にわたってトラブルが起こり、13万件にわたって(本人以外の口座が登録されるなど)、さまざまな障害が起きているということもわかってまいりました。
 改めて、考えてみたら、マイナ保険証で資格確認ができずに10割負担を求められたとか、まさかですが、自分のカードを渡して、診察室の中でお医者さんや看護師さんがそのカードを見てみたら、全然その人と違う医療情報が書かれていて、病歴が書かれていて、これは医療過誤につながる可能性もあるということですよね。だから、本当にこの情報が統合されることが拙速に行われたりすることの危険性。これは命に関わることだと我々は考えています。
 また、介護施設、特に特養などを皆さん想像していただくと、なかなか意思確認が難しい高齢者の方々がおられるわけです。そういう方々の保険証を(施設側が)預かっているという現状がありますが、では、マイナ保険証になってマイナンバーカードに統合されたときに、高齢者の方々がマイナンバーカードを施設に預けるのですかと。これはどうしますかねという話も出てくるのではないでしょうか。マイナンバーカードには今後もさまざまな情報が統合されていく可能性もあって、医療情報だけではないものまで、暗証番号も教えて福祉施設の方に預けるということが、果たして本当に安全なのかと。これも考えなければいけないことです。
 そういったことも含めて、余りに拙速に急ぎ過ぎているのが今の政府。防衛費もやり過ぎ、このマイナンバーカードもやり過ぎと、いろいろなやり過ぎがあるのではないかと思っています。
 改めて、私たちとして、この健康保険証の存続というのは、高齢者の方々が使いやすい、安心して使える。やはり高齢者の方にとって、マイナンバーカードに医療情報が入っていると言われて、はいはいといろいろなところに渡したり普段から持ち歩くということになれば、それもそれでさまざまな紛失やトラブルのケースというのも想定しなければいけないと思っております。

○旧文通費改革について

【代表】
 あとは、終盤国会ということで、先ほど児童虐待防止法は何とか成立させたいということを言ってきましたが、(旧)文書通信費の問題です。
 これも結局自民党は何もやっていないということで、今国会終了までに答えを出すというのが自民党の約束です。他の野党はみんな待っています。そういうことからも、自民党は約束を守っていただきたいということを私たちから改めて要求せねばならないと思っています。

○国会最終盤の対応について

【代表】
 今、内閣不信任案のこともあります。
 こちらについては、立憲民主党はこの国会最終盤の動きを最後の最後まで見極めて対応していくつもりですが、どうやら維新の会は出す気はないし、立憲民主党が出したとしても一緒にやるつもりは全くないというような発言をしていると聞いています。大変がっかりな姿勢ですね。戦うことを忘れた野党、御用野党の本領がまた発揮をされているなという気がします。
 そもそも、防衛増税反対というのは本気なのか本気ではないのか、維新も問われるのではないでしょうか。むしろ立憲が出すか出さないかわからなくても維新としては出すつもりだと言うのかなと思ったら、そうではなく、早々に出さない宣言をしてしまうというところあたりが御用野党だと言われてしまうことではないかと思います。防衛増税に本気で反対であるならば、その手段というのは私はあり得ることだと思いますし、また、まさに維新自身も文通費のことは言っていたのではないかと思いますが、答えを出さない自民党や岸田政権・岸田総理に対しても物を言わないのかというふうにも思います。
 何か国会の最終盤の恒例行事みたいだからやりたくないなんていう非常に子どもっぽい理屈で言っていますが、では、通常国会は恒例行事ですが通常国会は要らないという話なのですかといえば決してそんなことはないし、不信任案というのも恒例行事ということではなく、出される国会もあれば出されない国会もあるし、そして、国会の中で規定に基づいているこの不信任案ですから、それが出されたときにはきちんと国会の中で扱われる正当な手段であって、その正当な手段について当然やるかやらないかということはその政党ごとの姿勢が問われるということです。
 ですから、今の岸田政権の、子ども予算の獲得の仕方、防衛増税の進め方、それを是とするのか否とするのかというところ。もちろん不信任案を出すということだけが意思表示ではないかもしれませんが、まさにその維新の姿勢そのものも問われるのではないかと思います。


■質疑

○LGBT理解増進法案について(1)

【時事通信・木田記者】
 LGBT理解増進法案に関して伺いたい。議員立法というのは全会一致が慣例で、理解増進法案に関しては超党派で2年前に合意もしていたが、今回、各党の対応が一致しない状態で与党などが法案を通そうとしている状況についてはどのようにご覧になっているか。

【代表】
 確かに議員立法全てが全会一致ということではないのですが、今おっしゃっていただいたように、慣例としては基本的には全会一致ですよね。
 やはり各党がそれぞれ寄り集まって皆で考えた法律というのが、今、立憲民主党が出しているものですから、それは本来、各党が合意をしていただけるもの、同意をしていただけるものなのですよね。それがまた二転三転をして後退するということは大変遺憾です。
 だからこそ、私たちは、元々超党派案であるということに鑑みて、自民党内でもそういう意見があるみたいですが、党議拘束を外すということも場合によってはあり得るのではないかと思いますけれども、本当は各党がきちんと党内手続をして賛成してもらうべきものだと思います。

○防衛財源確保法案について

【時事通信・木田記者】
 別件で、財確法について伺いたい。先週の記者会見で、入管法については国会の中のルールに基づいて最大限の手段を取っていきたいとおっしゃっていて、法務委員長の解任決議案や法務大臣の問責決議案などの提出にも踏み切った。財確法の審議に関してはどのような姿勢で臨まれるお考えか。

【代表】
 そうですね、今言っていただいたとおりで、国会内のルールに基づいて、我々でできることをやっていきます。

○LGBT理解増進法案について(2)

【日本テレビ・呉本記者】
 ただいま衆議院の内閣委員会で審議されている理解増進法案についてだが、「ジェンダーアイデンティティ」という言葉が入る見込みだと言われている。立憲民主党としては「性自認」という言葉をずっと盛り込んできたと思うが、この点についての受け止めを教えていただきたい。

【代表】
 我々が出している法案は「性自認」ですし、これはもう議論を重ねてまとめてきたものですし、「性同一性」という言葉を使おうとしている人たちもいる中で、我々はそうではないということで訴えてきた経緯もありますので、やはりベースは我が党案というふうに考えています。

○れいわ・山本議員の行動について(1)

【日本テレビ・呉本記者】
 もう一点、話題が変わってしまうが、昨日の法務委員会でのれいわ新選組の山本太郎代表の行動に対して、立憲民主党としても懲罰動議の提出が検討されていると思う。今回の山本代表の行動の受け止めと、党としての対応を改めて教えていただきたい。

【代表】
 基本ですね、立憲民主党として検討しているというのは、党本部として検討をするようなものではなく、院、衆議院であれば衆議院、参議院であれば参議院の国対や執行部を中心にさまざまな検討をしているのかもしれないという状況だと思います。私は今の時点では何か聞いていることはありません。

○国会最終盤の対応について(1)

【フリーランス・西中記者】
 冒頭のご発言でもあったと思うが、防衛財源法案のこと、それから入管法改正の問題で、きのうのネクストキャビネットの冒頭でご発言されていたが、要するに命と人権を守るような法律ということで、それに対して非常に不誠実な国会運営ということもあり、内閣不信任案のことも、きのうのご発言でもそういったことを示唆するような話があった。きょうこれから参議院本会議で採決される見通しなわけだが、どのタイミングで内閣不信任案を出すのか。もちろん一つの法案だけというわけにはいかないとは思うが、終盤国会を見極めてというお話だったが、どのタイミングで出すのか。やはりこの法案の行方を見極めた上でどこかのタイミングで出すということなのか。何か見通しみたいなことがあればお聞きしたい。

【代表】
 先ほどの会見のとおりです。こういった内閣不信任案というのは党の中でよく見極めて対応していきます。

【フリーランス・西中記者】
 先ほど、維新の会の対応として、防衛財源確保法のことで批判されていたが、入管法案についても、人権より国益だというような発言があったり、梅村みずほ議員のデマ発言があったりと、いろいろな問題があったと思うが、このような姿勢であっても維新との関係をやはり重視していきたいと考えていらっしゃるのか、根本的に価値観が違うというふうに考えていらっしゃるのか、お聞きしたい。

【代表】
 「重視していきたい」というのは、何の話なのかということですよね。今、私たちは全く違うと思っていますので。

○「中川議員の引退表明」「入管法改正案」について

【フリーランス・小山記者】
 報道のほうで、中川正春氏が次の選挙に出ないということで、きょう会見が行われるということなのでご本人の会見が済んでからのほうがいいのかもしれないが、トークセッションという水曜日のニコニコさんの番組で中川さんを招かれたのはそういったこともあったのか。代表はご存じだったか。

【代表】
 引退をされるからお招きしたということはないです。

○国会最終盤の対応について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 終盤国会の動きと泉代表の冒頭の話を伺うと、やはり内閣不信任を出すか出さないか、それは最終判断だとは思うが、その中身に、要するに戦う野党と御用野党、本物の野党と御用野党というのか、それをより分けるような意味での内閣不信任。そういう意味も今回はあり得るのだというふうに私は受け止めたが、たたき潰すと言われたわけだから、そういうことなのか。そこをまず伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 受け止めはさまざまかなと思いますが、私たちとして、立憲民主党としては、常に今の自民党がやってきている、特にことしの国会で行ってきている政治というのは、国民生活を最優先に底上げ回復させていかなければいけないのに、実質賃金が13カ月連続で下がっていて、賃上げで沸き立っている場合ではないということだと思うのです。だから、防衛増税に維新も国民も反対をしてきたのではなかったのですかと。では、その防衛増税を進めようとしている岸田政権には、不信任案が格好悪いから出さない、これは政党としてどうなのですかと。本気で訴えてきているということで言ったときに、その本気度というのはやはり問われるのではないかと。
 私たちとしては、本来はそういうどうしていくかということも含めて、防衛増税反対などでいえば、同じ主張をしていたのであれば、きちんと立憲民主党とも話合いをして、どう対応していくべきかということをやはり考えていくということもあっていいと思うのですね。野党第1党としては常にその姿勢で、他党に対してはできる限り理解を求め、また、連携できるところは連携しようと言ってきたけれども、どうも最近見ていると、野党の側から自民党の政治を変えていこうというよりも、自民党との近さをアピールしているということが目立っていますから、そこは姿勢としては大きく違うのだなと私は感じています。

○国家公務員総合職の合格者発表について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 全然違う明るい話だが、国家公務員のいわゆるキャリアで、泉さんの母校が5位に食い込むと。これは快挙というのか、メディアに東大や早慶の人が多いからあまり書かないが、大阪の私大の立命館、あるいは近畿大学を含めて、やはり大変な躍進だと思うし、東大が減ることもいいことだし、170校の人が国家公務員の試験に合格することもいいことだし、何かメディアのバイアスがかかっているからあまり書かないと思うが、母校のこの躍進をどのように受け止めているか。3K職場にあえてそれだけ行くというのはいいことだと思うが、どんな感じでしょうか。

【代表】
 きのう、ちょうど立憲民主党のネクストキャビネット(次の内閣)の中で了承された、公務員の働き方の改善をしていく、その我が党の提言もできました。改めてですが、3K職場と言われないような職場に変えていく努力をしなければ、新卒の方や若者の方から選ばれない国家公務員になってしまうということはやはり変えていかなければいけないというのが一つです。
 そして、やはり多様な大学から役人になっていくというのは一つのあるべき姿だと思いますし、これからの時代は、入試の段階でのいわゆるランクということを含めて、偏差値ということを含めて、大学時代の成績だけで判断をずっとされて退職まで何となくその序列が続くような国よりも、職場にいながらにして、働きながらにして、どんどん新しい能力を身につけて、そして、能力のある者がさらに昇進をしていく、責任ある立場に就いていく。そんな霞が関になっていくことは大変望ましいことではないかと思いますし、場合によっては回転ドアで民間企業から霞が関に入ってくるというケースも私はあっていいと思うので、母校の躍進ということももちろんですし、さまざまな全国各地からやはり地方の実情を知る若者が入ってくることも大事だということを考えれば、東京の学生ばかりが霞が関に入るよりもいいのではないかなと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 岸田さんは終盤国会に母校の講堂で何か講演するということだが、野党の代表で立命ご出身はまさに泉さんだけだと思うが、泉さんがこうやって政界で活躍されていることが、やはり後輩たちが、政官界というのか、特に官界に進出することのある種の応援になっているのではないか。たぶんそうなのだろうと、15人も増えるというのは。逆に言うと、立命館に結構呼ばれたり、どんな関係になっておられるのか伺いたい。

【代表】
 そうですね、代表になってから立命館大学の学生の前でお話ししたことはまだ実はちょっとないのですが。もちろん自分のイベントに立命館大の学生が来ているというケースはありますけれども。ただ、先日は中央大学で講演をさせてもらったりだとか、全国でさせてもらうことはあります。今週はまた、大学の同窓会には参加をする、学部のですね、にはなっています。
 今言っていただいたので、その意味では確かに、北海道で生まれて、さして裕福な家庭ではないところで育って、学費を自分で何とかバイトをしながらやってきて、奨学金ももらって、もちろん貸与型の奨学金でしたが、奨学金も受けながらバイトをしながら学生時代を過ごして、立命館大学であって、僕も最初やはり初当選してこの永田町に来たときに、閉鎖性という言い方もできるし、違和感みたいなものも感じという言い方もできますが、本当に周りが有名国公立大学、私立大学もそうですが、本当に名だたる大学ばかりの中で、もう東大・東大・東大・東大・京大・京大みたいな中で役人と話をするという場面も何度もあったので、それは最初は気押されたし、面食らったところもあったし、この人たちとどういう共通言語でしゃべるのかと思ったところもありました。
 でも、やはり人それぞれに背景がある以上は、その背景をむしろプラスに考えて、生かして、その境遇から出てくる意見を大事にして、そういう中でディスカッションしていくことで、むしろ多くの気づきも与えることができたし、そして、やっていけるということもわかったし、この国にはチャンスがあるということも僕は示してこられたと思うので、これからももっともっと、今やはりアベノミクス以降で格差が広がった、新自由主義の中で格差が広がって、この大都会東京で住んでいても三食満足に食べられない子どもたちがいる、そして全国にこども食堂があるという状態の中で、そういう中で社会の助けを受けながら育っていく若者たちがきちんとこの国の中心で仕事ができる、そういう国にしなければいけないと思っているし、そういう国になりつつあることを僕自身も証明していきたいと思います。

○マイナカードめぐる一連のトラブルについて

【朝日新聞・木佐貫記者】
 マイナカードの件で伺いたい。どんどん問題が出てきて、家庭のほかの人の口座にくっついているという先ほど代表おっしゃったような問題が出てきたが、河野大臣の進め方というか、要は自分で旗を振って、デジタル庁との情報も共有できないという状態でこういう問題が起きたということもあるが、代表としては河野大臣自身の責任というか、どういった点が問題だったと思うか。

【代表】
 拙速。すごいパワーで進めてこようとはしたし、河野流ということではあると思いますが、やはり常に立憲民主党が、そして私が、デジタルのことを考える場合に、取り残される方や、そこで被害に遭う方がやはりあってはならない。そして、その方々にどう向き合うか。それは制度設計の時点から問われることだと思います。
 少し、やはり急スピードに過ぎたのではないか。少しではないですね、急スピードに過ぎたと思いますから、これは私は、まず、この政府の進め方には問題があったと、そんなふうには思います。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 何か河野大臣に対して、もう既に成立はしているが、例えば問責であったりとか、そういった話がほかの党からも出ているが、その点についてはどのように考えているか。

【代表】
 問責というのは参議院で行うことです。不信任であれば衆議院で行うことになるでしょうし、その辺は国対といろいろと議論をして決めていきたいと思います。

○故・横路元衆議院議長について

【北海道新聞・今井記者】
 昨日、横路元衆議院議長をしのぶ会が開かれたと思うが、代表はかねてから政治家を志すきっかけになった方だと公言されていると思う。きのうも親交のあった政治家の方などがたくさんいらっしゃったと思うが、参加された印象を教えていただきたいのと、代表は弔辞の中で、横路さんに教わったことを胸に刻みながら日本の政治をリードしていく、引っ張っていきたいというふうにおっしゃったと思うが、改めて立憲の同志としてどういう思いで日本の政治をリードしていきたいのか、その辺の思いを教えていただきたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 本当に、私が小学校の頃に選挙カーを追いかけた方ですので、ものすごく大きな輝きを持った、その一方で大変苦労された政治家ではなかったかと思います。古い保革の対決を乗り越えて、イギリスでいうとブレアのように、「第3の極」という本を書いたこともありましたが、やはりこの日本に民主リベラルの政治をつくりたいと、その思いで走り続けてきた方です。
 私も、横路さんがかねてから、若い頃から人権意識を持って、困っている方に寄り添い、地域全体を盛り立てていくという姿勢に共感をしましたし、そういう中で、この横路さんから学んだことは、平和の問題であったり、経済の問題であったり、人権の問題、こういったことを学んできました。ですから、改めてですが、この平和や生活や人権という問題に対して私も政治家として取り組んでいきたいと思いますし、横路さんはやはり古い自民党と社会党のような対決では政権は取れないという思いを持っていた方ですし、当時から、野党の側も変わらなければならないと、そういう改革の志も持った方でしたので、私はその部分もしっかり受け止めて、現実路線の立憲民主党というものをより打ち出していきたいと思いますし、そして、政策が国民にしっかり浸透する立憲民主党でなければいけないと思っていますし、国会内での対決だけではなく、やはり国民に寄り添う。こういう姿勢を忘れずに、この横路さんの、大きな大きな存在ですが、それ以上の存在になれるようにまた頑張っていきたいなと思います。
 ただ、きのう北海道知事時代の映像だとかも流れていて、本当に大きいなと思いましたし、あのときに北海道知事として政権に臆することなく政策提言を次々行ってきたという姿勢は、今の知事、全国各地の知事も受け継がれていると思いますし、ぜひ第2、第3のそういった知事が、野党の側と共に歩む立場で出てきていただけたらいいなと、そんなふうにも思います。

○れいわ・山本議員の行動について(2)

【日本テレビ・呉本記者】
 このすてきなお話の流れで本当に恐縮なのだが、昨日の山本太郎代表の行動について先ほど伺ったが、泉代表としての受け止めも伺いたい。

【代表】
 例えばどこで、そういうふうに何がどういう経緯で起こっているかというのを、私も見ていたわけではありませんので、現時点で私の受け止めというのは、それを私が言うよりも、やはりまず現場で担当していた参議院の執行部の中で検討されているさなかですから、それをまず優先させなければいけないと思っています。

○LGBT理解増進法案について(3)

【共同通信・久納記者】
 LGBT法案の審議について伺いたい。一晩で法案の根幹部分が変わり、けさになって出てきた法案がきょう委員会採決まで行くという、この拙速な審議というか、その辺りの評価と、もう一点が、冒頭でも少し触れられたが、当事者抜きの政争の具というか政局に使われてしまっていることへの評価、受け止めをお願いしたい。

【代表】
 本当に、困っている当事者のために、この法案をつくろうと。もちろん当事者ではない方々との共存、これはもう当たり前ですし、相互理解も当たり前だし、これまでこの国内において、よほどの何か例外というのはそれは全くないということではないにしても、普通に共存してきている中で、しかし、まだまだ、先ほど冒頭でもお話ししましたが、パートナーと生活するに当たって行政の側の対応が不十分であったり、病院側の対応が、あるいは民間業者側の、不動産会社側の対応が不十分であったりと、そういうものもさまざまある中で、教育も進めていかなければいけない、調査研究も進めていかなければいけない、理解増進も進めていかなければいけないということで考えられてきた超党派の案ですから、これが一晩で通る分には私は歓迎はする話なのです。
 ただ、そのこつこつ長く慎重に丁寧に協議をして各党が合意をしてきたものが崩されて通ってしまうというのは、本当に悔しいし、遺憾です。やはりそれはあるべき姿ではないということです。

【共同通信・久納記者】
 確認だが、今回の4党による修正案については、立憲民主党としては反対ということでよろしいか。

【代表】
 はい、そうですね。

【共同通信・久納記者】
 提出している立民案に賛成して、修正案は反対と。

【代表】
 具体的にその採決の順番だとか、その辺は現場のほうで行われているのでわかりませんが。

○国会最終盤の対応について(3)

【共同通信・久納記者】
 もう一点。内閣不信任案だが、政府・与党内からは解散の大義になり得るというような指摘も出ているが、そのことについてどうお考えになるか。

【代表】
 面白いですよね。政府、岸田総理が解散権を持っていて、解散をするということは何かを政権として信を問うということだと思うのです。そのときに、もし野党の不信任案を契機にして、野党が不信任を出したからということで解散をするということであれば、我々はそれでも構わないと思いますし、岸田さんとしてはそれはぜひ国民に、野党が出したから解散だと、自分には何も問うべきことはないということを言ってもらいたいですね。

【共同通信・久納記者】
 他の野党と、提出する場合というか、内閣不信任案も含めた終盤国会の対応について、国民民主党や他の野党に対して立民から呼びかけるということはお考えになるか。

【代表】
 今はまだ提出するかどうかというのは最後まで見極めますと言っていますので、そういった対応も含めて最後まで見極めたいと思います。

○れいわ・山本議員の行動について(3)

【フリーランス・堀田記者】
 櫛渕さんの行動において、立憲民主党も茶番の野党とされたわけですよね。

【代表】
 誰からですか。どなたからされたということですか。

【フリーランス・堀田記者】
 櫛淵さん。要するにれいわからされたわけですよね。違いますか。

【代表】
 わかりません。

【フリーランス・堀田記者】
 そういうことがあったにもかかわらず、きのうの山本さんの態度だが、全然反省していないが、これについてはどう思うか。

【代表】
 これは繰り返しになりますが、我が党としては、参議院の中で起きていることについて、参議院執行部があるので、まさにその担当している現場のほうで、今、判断をしているさなかにあります。

【フリーランス・堀田記者】
 今現在において、共闘という言葉が立憲とれいわの間にあるかどうかわからないが、そういったことに対する影響といったものはあるか。

【代表】
 まず、我が党の中でどう判断されるかもわからない状況ですから、何か影響ということを決めていくような段階ではないです。

【フリーランス・堀田記者】
 一つだけ、最後に伺いたいが、山本さんのきのうの行動については、泉さんはどのように思われるか。感想として。

【代表】
 例えばですね、何かどこかで起きたことについて全部トップが発言をしてしまえば、しかも現場を飛び越してですよ、現場で担当している人物なり担当者がいるときにトップが飛び越して、情報も得ていないだとかつぶさなこともわからないという前提でしゃべってしまえば、それは判断を誤ることはあり得ますから、私はまだその段階ではないと思っています。

○「参政党」「国会審議」等について

【フリーランス・小山記者】
 自民がだめだと考えた保守の方々の票の流れ先として維新ばかりがマスコミでは強調されるが、参政党も統一地方選ではかなり、100議席以上取得したということで伸びているが、参政党の存在をどう思っていらっしゃるか伺いたい。

【代表】
 参政党の存在は、存在をされているし、そして、全国でやはり支持者の方がおられるということで、活動もそれなりに活発にされているのではないかと、そんな印象を持っています。

【フリーランス・小山記者】
 代表は龍馬の会には入っていらっしゃらなかったか。

【代表】
 そうですね、入ってはいなかったですね。

【フリーランス・小山記者】
 参政党がLGBT法案に反対をしているが、番組で発信されたり、きのうも討議の場でおっしゃっていたが、この内容についてはどう思われたか。

【代表】
 よく皆さん聞かれるのですが、委員会は同時多発に行われているので、私がお釈迦様でもない限りは同時にいろいろなものを入手することはできませんので。

【フリーランス・小山記者】
 最後だが、入管法、きのうも久しぶりに元気な国会を見たなという感じで、委員会は結構一般の方の注目も集まるし、テレビにもたくさん出たなという感じがした。マイナンバー保険証の件もLGBT法案の件もそうだ。要素を立憲が強く表現できれば与党の人気も下がって解散というのは遅らせることができるのではないかと思うが、その辺の意気込みはいかがか。

【代表】
 何か解散を遅らせるとか遅らせないということで僕らも国会活動をしているわけではないので、とにかく、やはり国民にとっていい法案は通さねばならないし、おかしな法案はやはり通させてはならないし、もうその点で全力を尽くしているということに尽きます。
 国会も、通年国会であるべきだというのは一つの考え方だと思うのですが、1月から6月までの通常国会ということの中で、国民の皆さんの全国の声を国会の中で議論するという大事な期間でありますので、私たちはやはりその中で、一つ一つの、政府から出てきた法案や与党から出てきた法案、また、私たちが出した法案について、国会の中で真摯に議論をして、その賛否を判断していく。これをきちんと続けていくのが立憲民主党だということだけですね。

【フリーランス・小山記者】
 首相はまだ解散しないと言っていて、マスコミの報道はかなり解散を推し進めるという感じで、選挙が立て続くと野党は疲弊するのではないかと思うが、その辺はいかがか。

【代表】
 制度がそうなっている以上は、これはもうその制度の中で我々は最大限を尽くすということです。

○所属議員による記者会見について

記者
 もう一点。ほか、記者さんからはないですか。
 きょう、午後かな、松原仁議員が会見をするということの話は、私も紙は見ています。どんな会見かというのはそこには書いてあって、選挙区を決めますということの決意会見というふうにその紙からは読めるというものでして、それは当然あり得ることなのかなと思っています。
 というのは、基本的に今回、「10増10減」で我が党の中でもさまざまな選挙区が動くケース、あるいは選択を強いられるケースというのがあります。そのときに、立憲民主党、当然ながら現職や既に総支部長になっている人物がいる場合には、基本的にはやはりそれが優先されるということであると私は認識しています。基本的にはそれが優先されるということですね。
 どこかでよほど何か特殊な事情があるのかということの場合に、あるいはバッティングをしているのかとか、そういうことの場合には何かしらの裁定みたいなものは行っていかねばならぬのかなというふうには思いますが、基本はこの現職のそれぞれに、まず自分自身がどこで戦うかということは決めるということではないかと認識をしています。
 ただ、現在それ以上のものが上がってきているということではありませんし、何か示されているということではありませんので、私たちとしては、まずその会見で選挙区を決めるということについて話がされるのかなというふうに思っているところです。
 やはり立憲民主党は新自由主義や格差社会と戦うということでやってきた政党ですし、人に優しく、この包摂の政治というものを進めていくんだということで集っているわけですから、その思いを持って皆が戦ってくれていると、そういうふうに考えておりますので、今後ちょっとそこについての展開は私も注視をしていかねばならぬなというふうに思っております。

【フリーランス・堀田記者】
 ということは、何か自分の選挙とかで、例えば現職を辞めてどこかの知事選に出るとかいうときは、党本部に相談しなくてはいけないということがあるのか。

【代表】
 例えば知事に出るというときに、それが離党をもし伴う無所属で出たいということであれば、どちらが先かということもあるし、あるいは、知事選挙で応援をしてもらいたい構図をつくりたいのか、それともあえて応援してもらわない構図をつくるのかによって、その人が党に相談を事前にするかどうか、そこは変わってくるのではないかと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 ということは、今までやっていたことで、要するに松原さんから泉さんに相談とかそういったことはなかったという理解でよろしいか。きょうやるということは。

【代表】
 普通は代表にすぐ相談するということはないと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 では、これは違反では別にないわけか。

【代表】
 違反というのは。

【フリーランス・堀田記者】
 要するに会見を開くということは、別に立憲民主党の何かの規則に触れるとか、そういうことはないと。

【代表】
 ではないですね。

【司会(事務局)】
 党本部として各国会議員が個別に記者会見することについて何らか規制しているものはありません。