泉健太代表記者会見

2023年8月4日(金)10時32分~11時21分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/oQ8DvQ37Mz0


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「原爆の日」を迎えるに当たって

【代表】
 おはようございます。
 まず、きょうが8月4日ですから、8月6日に広島の平和記念式典に参列いたします。8月6日の広島の「原爆の日」には、式典に参列をした後に、研究機関である放射能の研究所が広島にあるのですが、そこを訪問することと、原爆の養護ホームというのがあって、そちらのほうで原爆被害に遭われてご高齢になられた方々の慰問をするということを今計画しています。
 そして、9日は長崎の式典に参列をさせていただくというふうに思っております。
 そういった、かつての戦争で亡くなられた方々を弔う、そして、平和を祈念するという取組。これは決して色あせてはならないし、きょうも、朝、NHKのニュースで出ていましたが、私も戦没者の遺骨収集をずっと続けてきておりますが、改めて、全国のご遺族の方々にも、この遺骨収集を進めて一人でも多くの方のご遺骨をご家族の元にお返ししていく取組は、立憲民主党としても法案にも賛成をしましたし、引き続き力を入れていきたいと思っております。

○マイナカード問題について

【代表】
 そして、まず、(現行の)保険証の廃止のことです。
 こちらのほうは、岸田総理が国民の声を聞くかなと思っていたのですが、どうも今漏れ聞こえてきている話は、きょうの夕方に会見をするという話。そして、その中では、結局のところ、資格確認書を交付すると。マイナ保険証を所持していない全員に資格確認書を交付するということで、その確認書の有効期限を5年を上限にしていくというような方針だと聞いています。結局のところ、紙の保険証をなくすということについての原則を変えないということですから、メンツを優先させている。メンツ優先で、余計に手間と経費がかかる政策を選択してしまっているということだと思います。
 この資格確認書の交付についても、相当のお金が新たにかかっていく。わざわざ現在の健康保険証をなくすということと、さらに資格確認書を交付するということで、この手間と経費が余計にかかるやり方ではないかと思っています。そういった意味で、一層の混乱を招かないかということをむしろ危惧しているという状況です。こういったところも今の政府の混乱ぶりを表しているのではないかと、そう感じます。
 改めて、今の保険証を廃止する意味は、これはもう全くないということだと思います。

○大阪・関西万博について

【代表】
 そして、今度は大阪・関西万博ですが、これはパビリオンの建設が遅れているということで、あとは、さまざまその建設費の高騰だとか、今後、残業規制を適用外にするとか、どんどんどんどんしわ寄せが、国民ですとか、あるいは働く人たちに来ているのではないかということを懸念しています。
 そもそも「大阪万博」ではなく「大阪・関西万博」ですから、私も京都にいる一人としては、ほとんど実は盛り上がりを聞かないです。大阪からの発信というのも、実はあまりなされていないのではないかと。近隣の各県にどういうような盛り上がりをつくろうとしているのかというところが見えないところも不安に感じています。
 そういった面も、もっと大阪には頑張って、大阪自身が頑張らなければならないことなのだろうなと思いますが、ともかく、今、負担を全国のほうに増やしていってしまう、全国の国民の皆さんに負担が増えていくということへの懸念も相当ありますので、そういったところを踏まえて取組をしてもらわなければいけないのかなと思っています。

○自民・秋本議員の収賄疑惑について

【代表】
 そして、直近で、自民党の秋本議員ですか。洋上風力発電をめぐり(事業者から)資金提供という報道がなされています。
 21年頃からことしにかけて約3000万円の資金を提供したというようなことだそうでして、その事実関係で何が違法か違法でないかというのは今後さまざまな形で(捜査が)進んでいくのだと思いますが、カジノだと秋元司議員というのがあって、鶏卵とか鶏の飼育の関係で言うとアキタフーズで吉川元大臣の問題があって、薗浦健太郎議員もまた(政治資金規正法に違反する形で)パーティーを開いて何千万も集めていたという話もあって、そして、せっかくクリーンなエネルギーなのにダーティーな話が出てくるという意味で、何なんだろうと。何でこんなに自民党に金が集まる仕組みになっているのかということを、本当につくづくおかしい構図ができているということを我々は考えねばならないと思います。
 改めて、全党共通のルールとして、企業・団体献金の禁止と。これは全党共通のルールにしていくべきではないかと。でないと、もうとにかく一つの政党が政府と結びついて利権になるようなことが繰り返されてきているのではないかと。こういう構造そのものを変えるのであれば、やはり全ての政治家、どの党に関係なく、共通のルールとして、この企業・団体献金の禁止ということは、私は、やっていくこと。これも改革だし、こういうことにきちんとチャレンジをしていかなければ、政治はやはり腐っていくし、疑念の目を向けられるのではないかというふうにも思っているところです。


■質疑

○マイナカード問題について(1)

【NHK・高橋記者】
 冒頭に関連して2点伺いたい。まず、保険証廃止の方針の維持についてだが、岸田総理はこの間、現場を回って現場の声を聞いた上で対応を判断するということだったが、その上で、廃止を維持して資格確認書の有効期限を延ばすということで、改めて、その現場の声をきちんと聞いたのかどうかという観点で、いかがか。

【代表】
 疑わしいですね。現場から「資格確認書を出してください」と言われたとは思えないですよ。ですから、現場の声を聞いたというのが、ただ単に方針を変えない理由、言い訳になっているのではないですかというふうに思いますね。

○自民・秋本議員の収賄疑惑について(1)

【NHK・高橋記者】
 続いて、秋本議員に関連して。これまでも週刊誌の報道等もあったり去年国会でいろいろ疑惑も出てきていたと思うが、これから立憲民主党としてこの問題をどのように追及を進めていくか教えていただきたい。

【代表】
 追及というのは立憲民主党だけの役割ではないし、各政党がおかしいと思えば、やはりそれは扱うことでもあるだろうし、事実関係が明らかになっていない段階で常に何か「立憲民主党はどうするんですか」「どうするんですか」みたいな話がよくあるのですが、それはさまざまな形で事実関係が明らかになってからでないと党としても扱えない問題もあるし、その前に党として求めていくことというのは、例えばきちんと説明責任を果たすべきだとか、そういうことは求めていくことになろうと思います。
 いずれにせよ、とにかく事実関係が明らかにならねばならない。その白か黒かという意味ではですね。
 ただ、先ほど冒頭で話をしたのは、白であろうが黒であろうが、やはり一部の政党だけが多額の企業献金をもらい続けている状況というのは、政治的にもやはりいびつな構造であると思うし、改めてですが、疑念を抱かせないという意味で、政党交付金も出ていますから、企業献金の廃止、企業献金の禁止、こういうものは根本的な解決方法の一つだと思います。

【NHK・高橋記者】
 そうすると、現時点でも秋本議員には説明責任があるとお考えか。

【代表】
 それはどの議員にも、これはもう自民党の中からも、閣僚からも、たぶん聞かれれば説明責任があるというふうに声が上がってくると思います。我々もその立場です。

○マイナカード問題について(2)

【読売新聞・傍田記者】
 健康保険証廃止の関係で、先ほど代表は政府としてメンツを優先させているというご発言があったが、こうした政府の対応が国民の理解を得られるかどうか、どのようにお考えか。

【代表】
 国民の理解は得られないと思いますよ。ややこしいし、資格確認書なんていうものを見たことのある国民は少ないわけです。それが送付されてくるとなると、また「これは何なのか」「これは今の保険証と何が違うのか」という話にもなってくるでしょうし、例えば高額医療費の制度の利用についても、では、マイナ保険証を持っているのと資格確認書を持っているのでは一緒なのか違うのかとか、一つ一つのことに心配をしなければいけなくなりますよね。そういった意味でのわかりにくさ、これはやはりむしろ増すと思います。

【読売新聞・傍田記者】
 今後、立憲民主党としてはどういったことを政府に求めていくか、改めて教えていただきたい。

【代表】
 私たちが言ってきた今の健康保険証を選択できるようにすべきだというのが最もシンプルだし、今後、マイナ保険証に移行していく方々が増えていくのはいいんですよ。やはり今の制度と選択できるというのが一番わかりやすい話ですから、私たちはやはりそれが最も適切な政策だと思います。
 ただ、その我々が言っている政策も、政府が取り入れないとなればなるほど、要はタイミングが遅れるほど、本当に今の政府の進めているものとずれが大きくなってしまいますから、本当に早い段階で政府は、別に本当にメンツにこだわることなく、きちんと国民の声を聞いて、また、立憲民主党もそれを具体化して提案していますから、その提案に従っていただくのが最も国民にとっての幸福だと我々は言いたいですね。

○不妊治療に対する党の支援体制について(1)

【東京新聞・大野記者】
 塩村あやか参院議員が、党内の無理解で不妊治療を断念せざるを得なかった旨を発信している。まず、泉代表が把握していらっしゃる事実関係とご認識をお願いしたい。

【代表】
 塩村議員がいろいろとSNSなどで発信をされているというふうには認識をしています。
 ただ、当然ながら不妊治療というのは、治療の仕方ですとか、時期ですとか、タイミングとかも、実に多様なものですから、そういう個別のことを詳細に伺っているというものではないです。

【東京新聞・大野記者】
 その上でだが、一般に不妊治療の当事者の多くは職場と治療の両立をする中で多様な悩みを抱えがちで、御党もその辺りの発信には力を入れておられると思うが、国会議員もまさに同様であるという問題提起にはなっているかなと受け止めている。今後、具体的にどのように対応していくと、こういったような不幸な事態を改善できるという認識か。

【代表】
 やはり党として不妊治療に対しての理解や協力というのを、これは党組織としてもできるだけ取り組んでいきたいと思っています。
 一般の企業の中でも、いろいろと不妊治療の場合の支援制度ということができてきているところもありますし、立憲民主党も、例えば職員の方という意味では、これは労働者になりますので、そういう制度に、できるだけ同じようなものを、体制を整えていくということも大事であると思いますし、この党内でもできるだけの、たぶん、おそらく相当個別に先ほどお話ししたように環境ですとか事情が異なるところもあると思うので、相談の体制ということも大事ではないかと考えています。

【フリーランス・宮崎記者】
 塩村あやか参議院議員に関してだが、参議院会派のほうでの話というのはわからないが、一つだけ、私がどう思うかは別として、改選まで1年11カ月といった形で、もう2年、塩村さんは改選まで来ており、東京選挙区は共倒れの懸念が出るような選挙が2回連続してあるが、あくまでも一般論として、ちょっと私は違和感は感じているが、この過去4年間のコミュニケーションがよくなかったのかもしれないが、組織としていかがお考えか。

【代表】
 もう少し具体的にお話を。

【フリーランス・宮崎記者】
 塩村さんの次の選挙はもう2年切っていると思うが、東京選挙区は厳しい戦いが続いているが、その辺に関して、もうちょっとコミュニケーションを取れなかったのか。

【代表】
 選挙が2年後に近づいているのはわかりました。それと、何のコミュニケーションをということでしょうか。

【フリーランス・宮崎記者】
 議会活動とのことだが、仮に不妊治療といったものが効を奏して出産・育児といった形になるかもしれないが、東京選挙区はものすごく広いですし、そういったことで手取り足取りコミュニケーションを、例えば年齢が近い女性議員が取るとか、そういったことは今までなされていないか。

【代表】
 今まで、私も、やはり個別具体にどんな治療をいつされているというのを代表に報告されるようになっているわけではないので、それはもうプライベートのことも含めてですから当然聞いていないこともあるわけですが、国会議員それぞれは、例えば介護や育児や、この不妊治療ということに関して、それぞれさまざま個々人での努力も、今からということではなく、おそらく平時からずっと続けてきているし、そういう中で、できる限り相談に乗ってくるということをそのときそのときでやってきていた面はあるんだなと思います。あとは、その中で、さらに個別にこういうことをしてほしいとか、ああいうことをしてほしいということは、出てきているのかなと思います。
 今までなかったわけではないと思います。

○自民・秋本議員の収賄疑惑について(2)

【フリーランス・宮崎記者】
 企業・団体献金禁止に言及されたが、平成12年の法律改正後、政党支部に関しては企業・団体献金ができるという、そういう抜け穴ができて、もう抜け穴どころか、そこを通せば何でもいいといった形になっているのが現状かと思う。代表が言及されたのは、その政党支部に関しても企業・団体献金ができないという、この20年以上の抜け穴を塞ぐ法案を提出される、そういった考えか。

【代表】
 具体的にどういう制度設計ができるかというのは、もちろん党の中で議論をして最終的にということですが、大枠としては、容易な抜け道があってはならないとは思います。具体的なことはやはり議論の中で最終的に確定させていきます。

○細川政権発足から30年に当たって

【共同通信・鈴木記者】
 来週9日に政権誕生から30年がたつ細川政権について伺いたい。細川政権は、誕生当時、それまで一党支配だった自民党の時代を終わらせ、55年体制を終わらせたわけだが、それと同時に、小選挙区・比例代表並立制を導入し、今の制度につながる形をつくったわけだが、細川政権が今の政治に残した影響についての評価を伺いたい。

【代表】
 やはり長年続いた自民党の政治を一度終わらせねばならないという大きな国民の声が細川政権に結びついたと思います。
 その前にもいろいろな、リクルート事件とかがあって、政治不信、特に自民党の金権政治に対する不信というのがあったと思うのですね。その意味では、今も、先ほど話をしたように、カジノの問題とか、農林水産省の絡みとか、今回の風力発電の問題も含めて、この自民党の政治と金という問題については、国民の皆さんに改めてその体質が今も残っているということを我々もよく伝えて、そういった意味での政治を変えねばならないという思いを多くの国民の皆さんと共有していかなければいかんなと思います。

【共同通信・鈴木記者】
 関連で。細川政権は穏当な多党制を標榜されたわけだが、選挙制度改革で政権交代が比較的やりやすい状況にはなってきているが、ただ、現状を見渡すと野党が乱立というか多くある状況で、なかなか結集して政権交代という機運が今のところないが、そこについての今後の戦略というかお考えを伺いたい。

【代表】
 それでもやはり、我々は自民党ではない政権をつくる。これがある種、自民党との競い合いであったとしても、その競い合いによって国民の声を聞く政治に変えていくことができると立憲民主党は思っていますし、もっと人を大事にする政権をつくらないと、この日本の活力はどんどん失われていってしまう。多様性も失われていってしまう。
 そういう中で国が衰退していくのを黙って見ていられませんので、今の自民党の古い価値観、変えられない構造ではなく、立憲民主党自身が人を元気にして、この国を変えていく。この国を再興させていくということは、やはり政権交代でしか果たせないと思っていますので、立憲民主党としてはその旗をさらに掲げて国民の皆さんに訴えていきたいと考えます。

○国民民主党代表選について(1)

【時事通信・大塚記者】
 他党の話になってしまうが、国民民主党が代表選を来月行う。きのう届出が行われ、代表選の構図が確定した。玉木代表と前原誠司さんが一騎打ちで戦うという構図になったわけだが、同じ党なので政策とかは結構似ているなという部分も多いが、一つ立憲民主党にも関係する両者の大きな違いとして、野党共闘についての考え方に違いが見られた。玉木さんはやはり現時点での選挙協力や合流にはどちらかというと否定的な一方で、前原さんは非自民・非共産勢力で野党結集して政権交代を目指すということを強く打ち出された。立憲民主党も他の野党との候補者調整について積極的に行いましょうという方針で、泉代表自身も令和臨調の講演などでは国民民主党との共闘には前向きな姿勢を示されていたと思う。質問だが、前原さんが仮に代表になった場合、立憲民主党と国民民主党の共闘というのはより進んでいくとお考えか。

【代表】
 仮定の質問ですね。答えようがありません。

【時事通信・大塚記者】
 もう一つ両者の違いとして見られたのが、前原さんは、これは前原さんの持論みたいだが、「All for All」を掲げられ、これは国民皆の負担で社会保障などのサービスを充実、ベーシックサービスを充実させるという政策で、これは慶応の井手英策先生が主張されたもので、民進党時代にもかなり勉強会とかを開いて公約にも柱として掲げた政策ということだが、立憲民主党も低所得高齢者への支援や医療・介護・障がい者福祉の充実などを掲げていて親和性があるかと思うが、もし前原さんから「All for All」の実現に向けた意見交換や「All for All」実現に向けた野党結集を目指しましょうというような呼びかけがあった場合には、積極的に応じるお考えはあるか。

【代表】
 これも仮定の話ですね。「あった場合」と言われても、今あるわけではないです。ですから、今の段階で何か答えられることはないなと思いながら伺っていました。
 基本的に立憲民主党は、先ほども話をしたように、政府提出法案に賛成・反対、これは法案が大丈夫であれば賛成をするし、おかしいと思えば反対をするので、これは連携とは言わないんですよね。ですが、その意味で、与野党と政策ごとでそのどちらかと連携をするという話がある種定まらないということになると、自民党とも連携する(ということになる)。例えばですが、今、ウクライナとロシアが戦争していますが、あるときはウクライナと連携して、あるときはロシアと連携するということにはたぶんやはりならなくて、その意味では、自民党をサポートするのか、それとも、もう一つの政権づくりに取り組むのかということを、これを同時に両立するというのはやはりなかなか難しいのではないかと思うのですね。ですから、そこはそれぞれの党が決断をせねばならないところではないのかなと、そんなふうには思います。

○不妊治療に対する党の支援体制について(2)

【東京新聞・大野記者】
 先ほど伺った塩村さんの件で一点だけ確認させていただきたい。先ほど代表から、相談体制をしっかりやっていくことが大事だというお話をいただいたが、両立支援に関する相談体制は既に御党はしっかりしたものをつくっていて、塩村さんもそれを活用しておられた。にもかかわらず、なおもこうした残念なことがあり、こうした結果に至ったというのが今回の件だと認識している。個別具体の事情は代表はご存じではないと思うし、慎重に事を運ばれているのは当然かと思うが、こうした支援体制が実際に有効に機能しているかどうか。今後も参院のしかるべき幹部の方に、この制度でしっかり頼むよと任せていくのか。それとも、今回のケースが耳目を集めているので、どのようなそごがあったのかということだけでも確認なさるのか。お立場としてはどちらに近いのかなと思ったので質問させていただきたい。

【代表】
 ですから、先ほどおっしゃっていただいたように、相談窓口があるから万全だと、やはりそうではないと思うのですね。相談窓口で相談に対応した、もしかしたら人によって変わってしまうかもしれないところもあるし、できるだけこの相談というものがプラスに働くようなものにならなければいけないという思いは持っていますので、その意味で、やはり今、相談窓口があるから万全とは僕はむしろ思っていないです。
 そこをどういうふうに、例えば、これまでのやりとりの中でそごがあったのか、あるいは今後満足できる形になれるのかというのは、やはり引き続き求めていかなければいけないことだと思っています。

○マイナカード問題について(3)

【朝日新聞・木佐貫記者】
 保険証の件で伺いたい。先ほど代表も今後の追及の件とかで方針を述べられたと思うが、今度の9月の臨時国会で、保険証廃止延期を、止める議員立法を提出されるという立憲民主党の方針だと伺っているが、こういう方向性の中で、首相であったり、あるいは担当の河野大臣であったりが、こうして資格確認書の期限を延ばすという、国民の声をある種聞かないような対策をすると思うが、首相や河野大臣のこうした対応について、代表はどのように。責任が重いと思われるのか。どういったことを考えていらっしゃるか。

【代表】
 マスコミさん各社はいつも、常に「責任はどう考えますか」とか「辞任は求めないんですか」という話に、やはりどうしてもそういう質問が多いなという気がするんですよね。ただ、これはやはり国民の皆さんがまたどういうふうに今の政府の対応に対して考えていくのかとか、当然皆さんがされている世論調査の動向とかも、政権も気にするでしょうし、それは我々としてもそういうものも当然見させていただくと。世論が今どう感じているかということがありますから。
 何か我々が辞任を求めるために辞任を求めるとか、すぐ責任論に持っていって政争の具にしたいからという考え方ではなく、やはり第一は「今の健康保険証を守ります」という選択制を政府に採用してもらいたい。立憲民主党としてはその提案をしているということが第一なので、その提案をまず実現をしてもらいたい。そのために最大限、我々としては努力をしていきたいと思っています。
 それが、もしずっと政府が本当にやらないやらないの連続で国民の声を聞かないということであれば、当然国民の皆さんの中から「何だ、この総理は」「何だ、この大臣は」という声はより高まってくると思います。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 では、臨時国会で出される法案に政府としても乗ってほしいと。

【代表】
 当然そう思いますね。
 野党の議員立法って本当になかなか議論してもらえないのですが、それはやはりおかしくて、これだけ国民の関心事にもなっていますので、きちんと立憲民主党の出すこの法案については国会の中で議論をしてもらいたい。政府、総理にも大臣にも答弁をしてもらいたいと思っています。

○自民党女性局の海外視察について(1)

【朝日新聞・木佐貫記者】
 もう一点、別の観点から。自民党の松川るい議員たち女性局がパリに行って、エッフェル塔で写真を撮影してSNSに上げたという件で、少し議論を呼んでいるが、議員がそうした視察で旅行のような写真をSNSに上げることというか、こうした件について代表はどのようにお考えか。

【代表】
 それは国民の皆さんがきちんと判断されていることではないかなと思います。おかしければ、やはりおかしいという声が上がると思います。以上です。

○国民民主党代表選について(2)

【日本経済新聞・関本記者】
 きのう国民民主党の代表選挙の立候補届出の受付があり、国民民主党の前原誠司代表代行がぶら下がりをされる中で、私も立憲の皆様方や維新の皆様方とは緊密に話をしている、今の執行部にこういったところがしっかり調整できているとは思えないという発言があった。前原誠司代表代行と候補者調整などをめぐって意見交換などされているのか。また、今の玉木代表の下の執行部とは意見交換等されていないのか。国民民主党との候補者調整の現在の状況とあわせて伺いたい。

【代表】
 各党とどんなやりとりをしているかということは、相手のあることですから、我々から今お話しすることはないです。
 各、前原さんですとか玉木さんですとか、さまざま、他の議員の方々も含めて、それは当然日常的に国会内とかで他党の人たちと意見交換をされることは、いろいろあるのではないかなとは思いますが。

【北海道新聞・今井記者】
 今の国民民主党の代表選の関連だが、対自民関係というのも焦点になっており、代表は先週の会見で、連合についても二大政党政治を望んでいて自民党との連携を望んでいないというふうにおっしゃったと思うが、改めて構図が決まり、今後、対自民という観点で国民民主党としてどのような立場を持つのかというのも注目されていると思うが、代表はこの観点をどう見ているか教えていただきたい。

【代表】
 自民党のサポートではなく、自民党に代わる政権勢力をつくろうということです、立憲民主党の立場は。
 自民党のサポートではなく、自民党に代わる、自民党と対抗できる政権勢力をつくろうではないか、この国に。これが立憲民主党の立場です。

【北海道新聞・今井記者】
 国民の代表もそのようなお考えの方がなられるほうが望ましいということか。

【代表】
 いや、それは別に我々がどうこう言うことではなく、国民民主党の投票される方々の判断ですから、望ましいとか望ましくないではないです。
 立憲民主党としては、やはり自民党しか政権を担えない国ではよくないし、政治の腐敗も起こるし、「権力は腐敗する」という言葉もあるわけですし、そして、先ほども話をしましたが、やはり本当に自民党政権では人が大事にされていない、一人ひとりの生活が大事にされていないというのを我々は本当に深刻に受け止めています。このままだと日本はどんどん衰退をする。人が大事にされていないから、子どももどんどん少なくなっていっているわけで、ですから、予算の使い方、物事の優先順位、価値観。そういうものが、今の自民党に任せていけば確かに政権を担っている経験みたいな安心感は国民の皆さんは感じていられるかもしれないのですが、そのままずるずるとこの日本が変われないまま衰退をしてきているというのが今の状況なので、だからこそ自民党に代わる政権勢力をつくらなければならない。人を大事にする政権勢力をつくる。
 その意味では、公共。我々はよく自助・共助・公助でいうと、菅さんなんかは自助を強調していましたが、立憲民主党はやはり共助や公助を強調する政党ですし、責任ある公共というものをつくっていくということも、自民党に代わる政権勢力をつくっていく一つの旗印というか、柱だと思っていますので、そういう我々の思いにできる限り多くの政党なりが賛同していただければ、それはありがたいなとは思います。

○マイナカード問題について(4)

【北海道新聞・今井記者】
 マイナの関係だが、マイナの関連法が6月に成立したばかりで、わずか2カ月でこういう再検討を迫られたことについて、こういう見通しの甘さというのも指摘されているが、代表はこの点に関してどのように感じているか。

【代表】
 もう政府の見通しが甘かったというか、強引でしたよね。やはり去年の「骨太」の段階では選択制ということであって、去年の6月ですよね。それが10月にがらっと急展開で、その選択制が国民からすれば奪われてしまったわけですから。
 改めて、国民にとっては選択できるというのがとてもユーザーフレンドリーな話なので、そこに戻してほしいと言っているだけで、余計ややこしいことにもしてほしくないし、過ちはやはり正していくということははばかる必要はありませんので、政府にはとにかく、立憲民主党に言われて悔しいとか、この前変えたばかりだから変えられないというメンツではなくて、国民の望む政策を選択してもらいたい。もう繰り返しですが、そう思います。

○国民民主党代表選について(3)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 民主党をぶっ壊して、そこからはい上がってきたのが逆に立憲なので、前原さんに対しては非常に複雑な、やはり戦犯だと思う人も多いと思うが、旧民主党の中でやはり京都グループで前原さんがトップを走っていて、4人おられましたか、そういう関係だと思うが、今、代表にとって前原さんとはどのような関係で、前原さんは要するに非自民・非共産で立憲も一緒にということを言っているが、それは今どのような関係なのか。前原さんとはそれなりに接触があったり親しくしているとは私は思えないが、その辺はどうなのか。

【代表】
 同じ京都ですから、会合とかでもやはりよく会いますし、その意味で、人間的に、人間関係としてよくなったり悪くなったりというのは特段ないので、やりとりは普通に、プライベートなことも含めて続いています。
 それこそ私が学生の頃に頑張っていたのが前原さんや福山さんや山井さんでしたから、その先輩方が力を合わせるものを見てきた私としては、やはり力を合わせて、先ほど言ったように自民党に代わる政権勢力をつくるということでは、仲たがいをしていても仕方がない。そういう思いはあります。
 ただ、当然、今は私は党の代表ですし、前原さんは立候補されている立場であり国民民主党の役員ということであれば、それはその立場を曖昧にして何か事を進めるということはありません。

○中古車販売大手による保険金不正請求について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 もう一点。月曜日に政調がビッグモーター問題で、ある種のタスクフォースではないが、動くわけだが、これはやはり国民が注目すると思うが、代表はどういうふうにお考えになっていて、立憲ではこの問題に詳しいというか、金融とか道路交通とか、そういうのはどんな形でこれを。単なる政調なのか。やはりある程度、この問題これからいろいろと大きくなると思うが、どんなふうにお考えになっているか。代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 これは党の政調の中で、今、ヒアリングについて取組を進めているところですので、国土交通の部門ですとか、金融の部門ですとか、そのメンバーがリーダーとなってというふうに思っています。
 今ちょうど損保の関係もさまざま解明されてきているので、こういったビッグモーター本体の問題と、そして、損保も巻き込んだ構図としての問題というところを、我々としては事実の解明・確認をしていくということ。これは国会が開いていれば国会の中でも議論できるのですが、国会が開いていなくて、今はこの立憲民主党によるヒアリングというのがとても大切な役割を持っていますので、皆さん方にきちんと事実の解明につながるように、立憲民主党としても努力をしていきたいと思います。
 繰り返しになりますが、何もヒアリングというのは立憲民主党だけしかできないものではなく、他の政党も、世の中で起こっている問題で、おかしいと、これは国民が解明を求めているというものであれば、それを開いていただくこともできるわけですよね。立憲民主党はやはり野党第1党でもあるし、その責任を果たしたいと普段から思っていますので、可能な限り事実の解明に取り組んでいくということをしておりますが、そういったことは他の政党もやっていただいてもいいのではないかなと、こんなふうにも思っています。

○マイナカード問題について(5)

【フリーランス・小山記者】
 マイナ保険証の件で3点ご質問したい。市民団体で、省庁のほうに手が入る方々のほうでは、運転免許証が次にひもづけされる予定になっているらしいという情報が入っているようだ。運転免許証での身分証明もできなくなり、健康保険証での身分証明もできなくなるそうだ。そうするとマイナカードを持ち歩き必須となってしまう。また話が振出しに戻ったなというふうに思うが、住基ネットのときはカードにナンバーを書いていなかった。こういったまともな安全対策さえできていない。今回のマイナ保険証には番号が書いてある。こういったずさんな、理論破綻した設計についてどう思われるか。

【代表】
 これは以前からお話ししていますが、マイナンバーカードは本当に紛失をしては大変なことになるというカードで、重要なデータも、機能も果たしているということですから、前々から話している、利便性と言う場合に人によってやはりその考え方はさまざまで、あえて分けて保管をするなり管理をすることで安全だというふうに考える方もいますから、全部一つのカードにまとめたら便利かというと、そうとも限らない。むしろ不安が高まる可能性もありますので、そういったことで、どのデータを重ね合わせていくのかというのは、やはりより国民の声をきちんと聞いた上で判断していくべきことだと思います。

【フリーランス・小山記者】
 2013年のマイナンバー法の審議のときには、たしか徴税に関することで、くまなくしっかり税金を取りたいからというような理由としてお話も出ていたかと思う。そうすると、やはり財産情報もひもづいてくることになる。6月に法改正したばかりなので混乱が起きるのではないかといって、このままで行こうという意見の自民党幹部と、そうではなく、ちょっと立ち止まって国民の声を聞くべきだという自民党幹部と、分かれているというふうに、きのうテレビ朝日の報道番組でしたか、しっかり顔が出て報道されていた。私たちとしてもデジタルかアナログかというところでの選択の余地は将来にわたって残してほしいと望むところだが、ニュース番組によっては、もう少し首相も結論を実質延ばすのではないかというような、これで決まってしまったというわけではなくまだ揺れているというような報道があったが、それに関してはどのような感触をお持ちか。

【代表】
 立憲民主党としては、今の健康保険証が選択できる制度が最もシンプルで、国民の皆様に役に立つと思っていますので、政府のメンツだとかでその法改正を渋るということではなく、国民の声を聞いてほしい。そう提案しています。

【フリーランス・小山記者】
 次に、首相のヒアリング先だが、なぜ介護施設に行かれたのかなと思った。ちょっとやらせをすれば、そこで励まされて帰ってくるのではないかという気もしていた。本気であれば保団連にヒアリングに行くだろうと思った。誰一人取り残さないためと言いながら、この制度を強行すると田舎のお医者さんは廃業する。そして、田舎の一人暮らしのお年寄りというのは非常にフォローがしにくくなる。こういった現状と、キャンペーンのスローガンと、矛盾したままいつも強行していく自民党のその性質についてどう思われるか。

【代表】
 国民の皆様に、そういう自民党の姿、今の自民党政権の姿というのを、より知っていただきたいなとは思います。

○自民党女性局の海外視察について(2)

【デイリースポーツ・杉田記者】
 先ほど代表は、松川るいさんとか自民党女性局のパリ視察について、国民からおかしいと思ったらおかしいという声が上がるというお話があったが、代表としての何か今回の騒動の受け止めというのはいかがか。

【代表】
 コロナは確かに明けました。だけれども、今この日本はやはりさまざまな難しい問題を抱えていて、政治家が、これは自治体議会もそうですが、海外に行くのが、それはプライベートの旅行であれば別に何がどうこうという話ではないわけですから、プライベートまで縛ったりということではないとして、その公私の区別をきちんとつけねばならないというところは、一人ひとりの議員がきちんと身を律することではないかと考えています。

【デイリースポーツ・杉田記者】
 SNSなどで、ああいう写真を撮るという行為についてはどうお考えか。

【代表】
 SNSで、写真を撮るというのは、上げるという意味ですか。それとも、写真を撮るということですか。

【デイリースポーツ・杉田記者】
 エッフェル塔の前でポーズを取るとか、ああいう行為がちょっと国民というか有権者の心を逆なでしているような感じがあるが。

【代表】
 私も、それはそう思いますね。

○「仙台市議選の結果」「岩手県知事選」について

【フリーランス・堀田記者】
 まず、仙台市議選、1減ということだが、この原因と受け止め方をお願いしたい。

【代表】
 原因ということについては、まだ宮城県連なりからお話を我々も聞いていませんので、県連のほうでまず今回の戦い方の分析というのが行われると思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 それから、もうちょっとたつと岩手県知事選が行われるが、立憲民主党はどういう態度を取るか。

【代表】
 基本的には県連の中の所属議員たちの対応ということで、達増知事に対しては県政与党という立場で仲間たちが取り組んできたというふうに理解していますので、その県連所属の仲間たちが中心となって勝利に向かっていると認識をしています。

【フリーランス・堀田記者】
 これは立憲民主党が公認とか推薦とか支持とかいうことは、県連から上がってこないとやらないわけですよね。

【代表】
 そうですね。

【フリーランス・堀田記者】
 今まで上がってきていますか。

【代表】
 たぶん、ないのではないかなと思います。ちょっと確認はもう一回してみたいなと思いますが、たしかなかったと思います。