立憲民主党は8月12、13日の両日、つながる本部主催の「立憲つながる夏祭り」を開催。のべ約500人が参加して、パートナーズと議員、パートナーズ同士の交流を深めました。
◆8月12日 1日目
初日は、つながる本部長でもある泉健太代表の地元・京都からスタート。泉代表と、同本部長代理の辻元清美参院議員、同本部事務局長の渡辺創衆院議員が参加し、「立憲民主党のこれから―みんなの力を集めるために」をテーマにトークを展開しました。辻元議員が「立憲民主党をどんな党にしたいですか」と問いかけると、泉代表は「まっとうな政治、ボトムアップの政治、今のままの立憲民主党をもっと売り出したい。いいものはあるが政策一つひとつの発信が十分できずにいると感じている」とコメント。辻元議員は、「全国には地域で活動している自治体議員がたくさんいる。国会議員だけでなく一緒にいろいろな取り組みを進めていきたい」と述べました。
質問コーナーでは、事前に集約したものの中から「睡眠時間は何時間くらいほしいタイプ?」「野党がまとまる秘策は」「党首だからできること、できないこととは」「一押し経済産業政策を教えてください」「総支部長のいない地域での活動・取り組みを考えてください」など、時間の限り回答しました。
「政治をあきらめてしまっている人に、どんなアプローチで何を伝えますか」との問いに泉代表は、中学校で講演した際のエピソードを紹介し、「政治家は金持ちで成功者といったイメージを持たれているようだが必ずしもそうではない。立憲民主党の議員は庶民、市民から立ち上がって政治の世界に飛び込んでいる人たちで、国民によって政治は変えられると信じている。政治家にも上から国民を従えたい、言うことを聞かせたいと思う人と、そうではない、民主的な政治をしたい人がいる。私たちは後者であって、そういう人たちが過半数を取った時に政治は変わる。私たちは権力者ばかりが強くなる政治はだめだと思っているので一緒に立ち上がろう」と呼びかけました。
経済政策について泉代表は、「人と地域を大事にする。産業としては、例えば新しい分野の再生可能エネルギー、エネルギーシフトをもっと盛り上げていくことが経済政策になると思っている。地域の住宅や中小企業の断熱改修、再生可能エネルギー、蓄電池の設置は地元の工務店の仕事になっていくので地域の経済を膨らませる。私たちは賃上げを主張していますが、育児や介護の現場の給料を上げることも地方経済を回していくことにつながる。人への投資と地域の活性化を大きな市場としてとらえ、ボトムアップの経済再生をやっていきたい」と述べました。
大串博志選挙対策委員長と長妻昭政務調査会長による対談「総選挙に向けて必要なこと」では、大串選対委員長と長妻政調会長が、来る総選挙に向け、今考えていることを熱く語りました。また参加者からの意見や質問にも答えました。
大串選対委員長は、今度の衆院選挙に向けては、「野党が1議席でも多く取るため、各党との連携は強化していきたい」と述べた上で、「野党の受け皿となる勢力を少しでも大きくしたいと、思いを同じくする皆さんとはできるだけ候補者調整を行って、自公と1対1で戦う形を作っていきたい」との考えを示しました。
長妻政調会長は、「目指す社会像を一言で言えば、『すべての人に居場所と出番のある社会』。こういう社会こそが、経済も社会も発展すると考えている」と指摘。さらに、格差に無頓着な政治、多様性を認めない政治を大きく大転換すると述べ、「政治を変えたい方、今の世の中がおかしいと思っている方にご支持をいただきたい」と話しました。
そして長妻政調会長は、「政策を明確に打ち出し、なんといってもやるという気迫を示し、有権者のハートを動かす選挙にしていくと力を込めました。
衆院議員初当選が2003年同期だったという西村智奈美代表代行と、小林千代美北海道道議との対談「女性が議員になるって? ~智奈美と千代美のストーリーズ~」では、名前も似ていることからユニットも組んでいたという親友ならではのテンポの良いトークを展開。2人のこれまでの歩みを振り返りながら、「女性議員がなるために」「女性議員になり続けるために」をテーマに話をしました。
2012年衆院選挙で落選以後政治の世界から離れていた時期もある小林議員は、「女性候補への支援金や公認料などはすごくありがたい。ずっと支援を続けるのは無理な話なので、精神的な支援や、研修会や会合を通じて支えてもらっている、つながっている、仲間がいるんだと思えるのが一番うれしい」と精神的な支援の重要性を強調。西村代表代行も「横のつながりが大事だと思っている」と述べ、候補者研修会等を通じてさらに横のつながりをつくっていく考えを示しました。
1日目最後のパートとなる「りっけんユース」メンバー5人による座談会では、「なぜりっけんユースに入ったのか」から始まり、関心のある政治課題についてのトークセッションでは労働問題や教育の無償化、JR九州が進める駅の無人化問題、人権問題、原発等が挙がりました。「周りで選挙に行っていない人で行っていない理由で何が多いのか」とのチャットでの質問に対しては、りっけんユースの活動でスウェーデンの方々と交流した際、スゥエーデンで投票率が高い理由について「選挙制度が分かりやすくて単純だから」と話していたというエピソードにも触れ、複数のメンバーが不在者投票制度等、日本の選挙制度の複雑さを指摘しました。そのほかスマートホンでの投票や、被選挙権年齢の引き下げ、今後取り組みたい活動、めざす社会像等についてそれぞれ意見を交わしました。
◆8月13日 2日目
2日目は、岡田克也幹事長メッセージからスタート。おおつき紅葉(北海道4区)、山岸一生(東京9区)、鈴木庸介(東京10区)、渡辺創(宮崎1区)各衆院議員が参加した「メディア出身1年生国会議員のトークショー」、ジャーナリストの浜田敬子さんと岡本あき子衆院議員との対談「少子化対策において本当に必要なものは?」と続き、最後は「若手議員から見える立憲民主党in宇都宮」。松井正一栃木県議の司会進行のもと、春の統一地方自治体議員選挙で初当選した、黒田奈々宮崎市議、茂木邦夫高松市議、横須賀咲紀都宮市議が、お盆で実家に帰省中の枝野幸男前代表を交えてボトムアップの政治等について語り合いました。
ジャーナリストの浜田敬子さんと、党子ども・若者応援本部事務局長の岡本あき子衆議院議員との対談では、浜田さんが「日本の少子化対策はなぜ効果を上げてこなかったのか。永田町に女性が少ないので、長い間、子どもの問題を真剣に扱ってこなかったことが、問題の本質だと思う」と指摘。先進国で少子化が急速に進んでいる国に共通する特徴を挙げ、「少子化対策の基本は、不安や負担を減らし、子どもを育てたいという希望を持てるようにすることに尽きる」と述べ、進むべき方向性を提起しました。岡本議員は、党の政策「もっと良い子ども・子育てビジョン」を紹介し、特に結婚をする前の世代を支援する重要性を強調。「出産の壁、経済的な壁、住宅の壁、伝統的な家族観の壁などを指摘しており、これらの壁をしっかり壊していくのが政治の役割だと思う」と述べました。
「若手議員から見える立憲民主党in宇都宮」では、「政治家を目指したきっかけ」や、「議員になって分かった自分の常識と違う議会の常識」「ボトムアップの政治とは」などをテーマにトークを展開。4月の統一地方自治体議員選挙で最年少の25歳で初当選した横須賀さんは、「若い子たちを政治の距離が近づけるような活動を意識しながらやっていく。これから先の日本を作り上げるのは若者で、関心をもってもらえるように、政治家の努力義務として発信を続けていく」と決意を表明。2022年の参院選挙に出馬した黒田さん、茂木さんは、当時深めた地域の人々とのつながりも活かし、選挙に一緒に挑戦する仲間を増やしたり、議会の傍聴を呼びかけたりしていると話し、当事者の声を大切にしながら政治を身近に感じてもらえる努力を続けると力を込めました。
枝野前代表は、「政治に声を上げられない人の声を受け止めるのがボトムアップだと思っている。政治を必要している人というのは、自分の抱えている課題が政治の課題、自分が困っていることは政治の力でその困っている度合いを小さくしたり、解決できると気付いていない、あるいは気づいていても生活が忙しくて、大変で声を上げられない人。そういう人たちの声を受け止めて政治につないでいく」と発言。すでに3人が地域で実践していることを称え、「全国の自治体議員、党員、パートナーズの皆さんをはじめ、ボトムアップをやってくれる仲間が広がっていると期待している」と述べました。