泉健太代表は11月10日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)立憲民主党 経済政策を発表(2)特別職の国家公務員給与引き上げ法案(3)副大臣・政務官の不祥事(4)大阪万博350億円の木造建築物――等について発言しました。

■立憲民主党経済政策を発表
 泉代表は、立憲民主党の経済政策として、(1)人を伸ばす(稼ぐ力アップ)(2)「産業」を伸ばす(供給力アップ)(3)「消費」を伸ばす(需要アップ)――の3本柱を軸とした政策「人からはじまる経済再生」を発表しました。泉代表は、「日本が本来持っている可能性をしっかりと発揮される世の中にしなければならない。しかし、この失われた30年において、少子化の進行、日本の国際競争力の低下、多様性の制度化が認められないといった状況のなか、生きづらさを抱え日本社会に希望を見出せず日本を離れた人、賃金が上がらず円安が続いており、日本の労働市場から離れる人も大勢いる」と問題点をあげました。このような課題の解決策として「わが国の国内サプライチェーンの回復」「労働者を大切にする」「多様性を認める社会への転換」「若い世代により良い待遇環境の構築」等を立憲民主党の経済政策にしていると述べました。泉代表は改めて党として日本を伸ばすために掲げる目標を、「物価を上回る年収」と強調し、「当面の目標として3%の名目賃金上昇率の実現。これは決して楽な目標ではないが、政治が真剣に取り組めば実現できる」と力を込めました。

■特別職の国家公務員給与引き上げ法案
 国会で審議中の「特別職の国家公務員給与引き上げ法案」について泉代表は、一般職や自衛隊、若い方の初任給増は立憲民主党としては当然であり、進めていくべきとの党の考えを述べました。一方で介護職員等も含め賃上げが果たされていない現状のなかで、総理や大臣の給料を上げる必要性を疑問視しました。そのうえで立憲民主党は修正案を提出し、特別職の中でも総理・大臣等の給与引き上げには賛同・賛成できない姿勢を示し、岸田総理らに「自主返納ではなく、撤回をするべきだ」と批判しました。

■副大臣・政務官の不祥事
 税金を滞納し、何度も督促を受けているにもかかわらず滞納を続けていたとされる神田財務副大臣に対し、「本人は当然認識していたと思うが、それでよく財務副大臣を受けたのなら二重にも三重にもけしからん問題だ」と批判しました。また、度重なる政務三役の不祥事に対し、当時は副大臣・政務官への女性の起用がなかったことに焦点が当たっていたが、さらに「適材適所」の起用であったのかが焦点となっているとし、泉代表は「本当に適材適所であったのかを国民に問うため世論調査を報道各社にしていただきたい」と述べたうえで、改めて神田財務副大臣に対し、税金を納めて財務副大臣を辞任するべきだと強調しました。

■大阪万博350億円の木造建築物
 2025年大阪万博に建設する木造建築物のリング(大屋根)について、当初は計画になかったリングが後に350億円の費用で組み込まれていることに対し、維新側から提案があり、採用されているものなのか、経緯を知りたいと語りました。また、万博担当大臣がリングについて「日よけの熱中症対策として大きな役割を果たす」と述べたことについて、泉代表は「国民が納得するとは思えない」「予算が増えることを当たり前にせず、どうやれば削ることができるのかを真剣に検討していくべき」と指摘しました。

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泉健太代表記者会見

2023年11月10日(金)10時00分~11時00分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Z-aDI6TZYdw


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○経済政策「人からはじまる経済再生」発表

【代表】
 おはようございます。
 まず、きょうは、立憲民主党の経済政策をまとめましたので発表したいと思います。今この画面にあるように、立憲民主党の経済政策「人からはじまる経済再生」ということで掲げております。
 私たち、以前、成長と分配の議論というのがあったわけですが、それは当然、日本の産業・経済を興し、働く者の待遇をより改善させて、経済を活性化させたいという思いがありますので、我々としては、立憲民主党として日本を伸ばすと、そういう考え方に立っています。その日本を伸ばすということで、この①②③ですね。
 「『人』を伸ばす」。これは稼ぐ力をアップさせるということ。
 「『産業』を伸ばす」。これは供給力を高めていくということ。
 「『消費』を伸ばす」。需要をアップさせること。
 このように、立憲民主党としては、まず、この日本の本来持っている可能性というものがきちんと発揮される世の中にしなければいけないと思っていますが、残念ながら自民党政権においては、この失われた30年の9割の政権を担ってきている自民党の下では、少子化は進行し、日本の国際競争力は落ち、そして、多様性がいまだなかなか社会の中で制度化されない、認められてこないということで、本来能力を持っておられる方々も生きづらさを抱えて、日本社会に希望を持てず、中には日本を離れていくという方もあるわけです。例えば、この円安が続き、そして賃金が低い状態であるということであれば、日本で働くよりも海外で働いたほうが、より高い待遇を得られると。そういうふうに、日本から、日本の労働市場から離れている方も大勢おられる。
 改めて、我が国の国内のサプライチェーンを回復させていくこと。労働者を大切にすること。多様性をやはり認める社会に転換していくこと。そして、特に焦点を当ててもらえなかった若い世代に対して、よりよい待遇・環境を構築していくということ。そういうことが、この立憲民主党の経済政策の中に書かせていただいております。
 先頃、経済対策(物価高を克服するための緊急経済対策)というのを打ち出しております。これはまさにこの秋の経済対策として、今後6カ月、今の物価高に対応したものとして我々は打ち出しをしています。ですから、まさにその6割の世帯に対する給付ですとか、トリガー条項の凍結解除ですとか、今まさに起きている物価高に対する対応というのが経済対策ということですね。
 きょう発表しているのは経済政策ということで、これは総選挙に向けても、我が党の特に経済産業政策分野の大きな姿を打ち出すものとなっています。
 改めてですが、この三つの項目で、もう少し具体的にいきますと、我々、目標としては、「日本を伸ばすために掲げる目標」として、「物価を上回る年収アップ」。これは政府が物価については2%ということを目指しているわけでありますから、我々としてもこの2%の物価上昇があってもなお当然ながら可処分所得が増える家計にしなければならないと、そういう考え方でいますので、我々は当面の目標として3%の名目賃金上昇率の実現と。これは決して楽な目標ではありませんが、政治が真剣に取り組めば実現できるし、それを取り組んでいかなければならないと、このように考えております。
 ぜひ、これは党のホームページにも掲載させていただきますし、記者の皆様には既にブリーフィングもさせていただいているところもありますので、またもしご質問があればと思いますが、我々としては、特にこの2番目の「『産業』を伸ばす」というところにおいては、「グリーン」「ライフ」「ローカル」「デジタル」、こういった政策分野で大きく市場を拡大させて、投資も増やし、人材も育成し、市場を拡大させて10年後の日本の飯のタネをつくると。これはもちろん10年後まで待つということではなく、10年間努力をし続けて、10年後にはもう世界の中で冠たる世界の中のトップランナーである日本をつくるということの意味合いであります。
 きのうも、東京の「42 Tokyo」というところに行ってまいりました。これはフランス発祥のシステムなのですが、デジタル人材を学費無料で育成するという団体なのですね。これは、では、誰がお金を出しているのという話になると、デジタル人材を求めている企業が出資というか寄附というか、これをして、今、日本では400人の学生が無料で高度なデジタルプログラムを学んでいるということであって、こういうすばらしい取組をぜひ政府として後押しをしていく。今は、これはどうも、その教育というか、ある種カリキュラムが整っていて、基本的にそれを自学自習してレベルアップを図っていくというものなのですが、コロナ期にオンラインの教育もやってみたのだけれども、データとして、オンラインよりも対面、オンラインよりも教室をしっかり持って教育したほうが間違いなく効果が出るということで、今はその学生たちは一つの教室に集まって、そこで先生から教えてもらうのではなく集まりながらカリキュラムを自分で解いていって、そして、周りの生徒と一緒に教え合いながら高めていくという仕組みなのですが、こういうものを、今、東京だけに所在しているわけですが、やはり地方都市などにも展開していけるようにすれば、日本は今、デジタル人材が相当足りないと言われていますので、そういった無料で学べるということも含めて、さまざまな仕組みがあると。こういうことにも我々力を入れていきたいと感じているところであります。
 そして、「『消費』を伸ばす」というところについては、例えば介護の分野で働く方々の待遇改善。そういうもので所得が増えれば消費も増えていくということになりますし、そして、児童手当ですとか家賃補助。政府の取組というのはまだまだ、残念ですが、特に若い世代が「これだったら安心だ」「これだったら大丈夫だ」と思えているかといえば、決してそんな状態にはないと私は思いますので、改めて、生活をしている方々が消費を伸ばせるように、税についても、今、やはり増税ではなく、増税をむしろやめるという考え方を世に伝えていくことによって、我々は安心感も醸成できると思っています。もちろん所得の再配分機能ということでは我々が考える税制というのはありますが、「『消費』を伸ばす」という観点からも、この経済政策をつくらせていただいております。
 またこの後、皆様からご質問があれば、お答えさせていただきたいと思います。

○給与法改正案 修正案の提出方針について

【代表】
 続いて、その他の課題というか話についても会見を少ししたいと思います。
 まず、総理の給与の引上げの問題です。
 これはきのうも連合との意見交換、定期協議も行いましたが、その場でも我々も、一般職の方々の賃上げは当然だし、若い方の初任給を増やしていく。これは自衛隊員も含めてですね。これはもう、立憲民主党、当たり前ですと。ぜひ進めていくべきだと考えています。
 ただ、ただですね、今、先ほど言った介護職員も含めて、まだまだ賃上げが果たされていないところがある中で、何も総理や大臣の給料を上げる必要はないでしょうと。「総理や大臣だって消費をするのだから、そこからお金が回る」なんて言っている人もいますが、いやいや、それはちょっと、別に総理が使わなくたってほかの人に使ってもらえばいいのではないですかという話ですからね。これは何となく今、自主返納ということで済ませようとしているようですが、なぜ額面を上げなければいけないのかということではないでしょうか。
 改めて、立憲民主党としては修正案を出して、そして、特別職の中でも総理や大臣の給与引上げには我々は賛同はできない、賛成はできないということで、今、国会の中でさまざまやり取りをしています。
 これは世論の反発も相当あると私は思っていますから、総理の側がもう一段しっかりとメッセージを出すという意味でも、引上げは撤回すべきだと。自主返納ではなく、きちんと撤回すべきだということは、まず冒頭伝えたいと思います。

○神田財務副大臣の税金滞納問題について

【代表】
 そして、適材適所と(首相が)言い続けている副大臣と政務官の問題ですが、国民の皆様には「本当に適材適所だと思いますか」という世論調査をぜひ各社もしていただきたいなと思います。まあ、およそ適材適所とは言えないですよね。
 当初は女性が一人もいなかったというところに焦点が集まりましたが、今は更にこの適材適所かどうかというところにも当然焦点が当たっていて、財務副大臣ですから。納税を担い国民に適正な納税をお願いする立場の財務省のナンバーツーですから。その人物が税金を滞納し、しかも督促を受け、そして何度も督促を受けているのに、滞納を続けていた。これは本当に資格がありますかね、財務副大臣の。忘れていましたとかいう次元ではないですよね。おそらく献金の申出だったらすぐ対応しているのではないですか、この人は。だけれども、税金を払いなさいということについて、なぜこうも無視をし続けることができるのか。しかも、それをご本人、認識は当然していたと私は思いますが、それでよく財務副大臣を受けたなということも、二重に三重にこれはけしからん問題だと思います。
 ですので、当然、財務副大臣としては即刻辞任すべきだと。それは当然のことですよね。改めて、きちんと税金を納めるということ、そして財務副大臣を辞めるということに尽きると思います。

○大阪・関西万博 建設費上振れ問題について

【代表】
 そして、引き続き万博なのですが、あのリングですよね。350億を上乗せして、当初の計画になかったリングというものが造られているということで、これは元々今回の万博は、シンボル、モニュメントという考え方は採用しないというところからスタートしたのに、どこでどう変わったのか。
 何か維新の馬場さんもシンボルが必要だみたいなことを言い始めたわけですが、それは馬場さんが言ったからこれリングができたんですかね。ちょっとその辺の経緯も知りたいわけなのです。今まで必要ないと言っていたものが急に必要だというふうに言い始めるわけですから、どんな経緯で、これは維新の側からの提案でこういうものが決まったのか。賛同があったのか。その辺もぜひ知りたいし、終わった後は解体して木材を売却するというふうにも話を聞いていたら、今度はそれを残すというようなことも出てきているのですが、それもどうも維新の側で決めているのか、どこで決めているのか、よくわからない状態であります。
 そして、万博担当大臣が、この350億円の木造リングが夏の日よけで大きな役割を果たすということに至っては、もう何か皆さん苦笑しているのではないですかね、国民は。日よけで350億、大きな日傘に350億円をかけると。世界一高い日傘ということに、国民は納得しますかね。
 今からでもできる予算の削減ということの中で、リングでその削減が可能であれば、それは検討をして早急に結論を出すべきだというふうにも思いますし、多くの国民は、夏の日よけのために350億円は使わないでくれと。では、パビリオンだって日よけでしょうということを考えても、中には、例えば前回万博をやった場所でもう一回やってもいいのではないかという声もありますよね。確かに今の万博公園には緑もたくさんあって、街路樹で日よけになるところもたくさんありますよ。新たな日よけをどこまで本当に造る必要があるのかということも、これは言われるのではないのかと思っております。
 とにかく、予算が増えることを当たり前とせずに、では、どうやってそれを削ることができるのかということは、もっと真剣に検討していくべきではないかと、このように思っております。


■質疑

○経済政策「人からはじまる経済再生」について(1)

【NHK】
 まず、経済政策について伺いたい。ブリーフィング等々、これまでの中でも、立憲民主党は経済政策が弱いのではないかと、そういう指摘もあったかと思うが、こういった指摘について代表はどのように考えているか教えていただきたい。あわせて、今回のこの経済政策でどういうふうにそのイメージの克服をしていきたいか。この発信する狙いや支持拡大に向けた取組を教えていただきたい。

【代表】
 本当、「あるんだから、もっと出せよ」というのが党代表としての党に向けての思いでして、これまでも経済政策・産業政策というのは個別にもいろいろと言ってきているわけなのですが、党全体としても、では、それをどこまで有権者に説明してきたのかと。個別の選挙区でもそうですが、もっとそれを説明すべきだと思っています。
 僕もいろいろなところで、東京でも、地方に行っても、講演をしますが、例えばやはり立憲民主党が強みとしてずっと言ってきているのは、他党に比べても一生懸命言っているのは、環境政策の中での環境産業・環境市場をもっと拡大できるんだということです。日本が化石燃料をどんどん輸入して国富を流出させていることも、これはもったいないことでありますから、自前のエネルギーをつくる。そのためにどんどん投資をして市場を増やしていくというのは、これは大いなる日本の成長の種になると思っています。
 それは国富の流出を防ぐことにもなるし、エネルギーの国産化にもなるし、その国産化でも、一点集中型で大きな発電所を造るよりも、むしろ再生可能エネルギーと省エネというのは地域分散型ですから、住宅ですとか事業所の再エネ改修・省エネ改修、再エネの設置だとか省エネ改修だとか、ガスヒートポンプだとかソーラーパネルだとか蓄電池だとか、いろいろなものがありますが、こういうものというのは全て地方の工務店や電器店の大きな仕事になっていくわけですよね。だからこそ雇用も生まれるし、地方経済も活性化していくし、そして、住宅や事業所の電力料金は下がるし消費量も下がっていく、効率が高まっていくわけですよね。
 これは我々、他党よりも随分大きい声で言っているのだから、もっともっとやっていこうではないかという話だし、やはり世界的には脱炭素が求められていますから、あらゆる産業、鉄鋼産業、自動車産業、化学産業、全てにおいて脱炭素は求められています。でないと、世界の中で取引阻害を受けるかもしれない。だからこそ、日本政府として脱炭素にもっと企業支援をすべきだと。これはやはり産業への支援にもつながりますよね。立憲民主党も、ぜひそういうことを積極的に訴えている政党だということを、党全体で皆で声を上げていきたいと思っています。

【NHK】
 もう一点。消費税に関してだが、この政策は次の衆議院選挙の公約の基礎にもなるということだが、これまで総選挙や参議院選挙で訴えてきた消費税の時限的な5%への減税というのは盛り込まれなかったが、この理由について教えていただきたい。

【代表】
 これは当時も時限的なというふうに言っていたのは、常に経済の判断をしながら政策を我々として提示・提案してきたということなのですね。その政策に忠実であるというか、きちんと一貫性を持つという観点からも、今、日本経済、我々は今回の経済対策でも需給ギャップは随分と改善・解消されてきている中にあると思っていますので、それでいうと、参議院選挙のときに消費税時限的に5%引下げ、なぜですかというときには、この需給ギャップが大きいということですとかコロナで消費が傷んでいるということを我々理由として挙げていたので、今その環境にない中で、そのまま同じ政策を出すというような局面ではないなと。現時点で、その考えで一旦留保しております。
 これはやはり、経済は生き物ですから、状況はよく見なければいけないと思っていて、現時点で、例えば前回の政策を撤回したとかということではないのですが、経済状況において今それを訴えるという状況にはないと考えておりますので、その政策の選択肢というのは持ちながら、状況、経済の推移をよく見ていると。そんな状況です。

○経済対策等の国会論戦について(1)

【NHK】
 経済政策以外も一点質問したい。岸田首相が衆議院解散見送りの意向を固めた。当面は経済対策などの課題に取り組む考えを強調しているが、先ほど代表もご指摘されたように、適材適所の人事ができているのかといった観点や、厳しい政権運営が続いていくかと思うが、こうした状況についてどう思うか、改めての受け止めと、補正予算の審議等も始まるが、立憲民主党としてどのように論戦を戦っていかれるか教えていただきたい。

【代表】
 通常国会が終わって、別に夏休みだったわけではないはずなのです。通常国会が終わったときも物価は相当やはり上がっていましたし、7月、8月、9月、10月も、値上げ品目は相当数あったわけで、ですから、立憲民主党としてはもう夏の間に経済対策をつくって、早い時期に国会を開いて、そして、もう年内には給付が届くような環境をつくるのは当然ではないのかと。いつ財務省に総理から指示があるのかということをもう何カ月も確認をしてきましたが、とにかく遅い。内閣改造だとか、外遊だとか、そんなことしかやってこなかったわけですよね。改造した内閣は全然適材適所ではないし、そして、経済対策は遅れに遅れ、年内給付もできる状況になっていないということでいえば、本当に人災ですよ。
 これは総理の対策の遅れ、総理の行動の遅れによる人災的な状況にあって、しかも、日銀だとかの物価の予測でいうと、来年の真ん中くらいには物価高は落ち着いているというような話を今しているわけですよね。そのときから減税が始まるというのもこれはいかがなものかという話で、それはタイミングがずれていますよね。
 では、解散をやめて経済対策に本腰を入れるとか、国民の生活を最優先と、今になって言うということは、本当に今までは何だったんですかと。今まで国民生活最優先ではなかったのですねというのが、つい総理の口から出てしまったのだなと。結局、政局優先。補欠選挙の動向が気になって減税を言ってしまったというような、全て場当たり的な印象ですね。

【NHK】
 国会論戦をどのように戦うか。

【代表】
 ですので、我々立憲民主党としては、もう既に給付策も打ち出していますし、ガソリン減税策も打ち出していますし、そして、児童手当や奨学金の負担軽減の前倒し、こういうことも我々立憲民主党は政策をつくっていますので、こういった政策のほうが間違いなく今の物価高に対応して国民生活を救うことができるということを強く訴えて、総理・政府に政策の転換を促したいと考えています。

【朝日新聞】
 今の質問に関連して。総理がここまで解散権を伝家の宝刀のように振りかざしてきたというところから一転して見送らざるを得なくなったということが岸田政権に与えるダメージをどのように捉えていらっしゃるか。岸田政権の現状というものをどのようにご覧になっているか教えていただきたい。

【代表】
 正直、岸田政権の今後なんかどうでもいいですよ。それよりも国民生活のほうが大事なので、本当にどうでもいいですね。もう総理の保身なんてどうでもいいです。
 とにかく国民のために早く正しい政策を届ける。だって、年内に給付があるのとないのでは、やはり即効性が全然違いますからね。せめて総理は、それこそ何かマイナ保険証の何々を急ぐとかではなく、デジタル化云々というよりも、とにかく給付を急いで、政府を挙げて対応していただきたい。
 また、所得税減税をやるという方向になっていて、今、各自治体も住民からどんどん問い合わせが来て、相当困っていますよ。私もけさ幾つかの自治体のホームページを見たら、「所得税減税について」という項目が新たにページとしてつくられていて、これにだってお金がかかっていますからね。書かれているのだけれども、「詳細はまだ不明ですので、しばらくお待ちください」と。そうやってホームページに載るということは、相当住民から問い合わせが来ているということですよね。やはり地方自治にも相当な混乱を与えているのではないかと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【朝日新聞】
 続けて、この政権が沈みかけている局面において、次の選挙まで少し間ができたのではないかというような見方も広がっているが、代表として党全体を、党員をどのようにリードしていきたいとお考えかお聞きしたい。

【代表】
 そうですね、6月に通常国会が終わった後も、いつ選挙があるかわからないということで、仲間たちは真剣に真摯に訴えを続けて支持を拡大してくれていたと思いますし、政策の浸透も徐々にではありますが進んできていると思います。そういうものが10月22日の補欠選挙の結果にもつながったと私は思っています。
 来るべき総選挙が仮に先送りになっても、しかし、一方では総理、やけくそ解散の可能性もいつあるかわかりませんから、我々としては決して手綱を緩めることなく、そして、立憲民主党として今、金融政策も、安全保障政策も、エネルギー政策も、経済政策も、全て政権と明確に対峙する、違う政策というのはもう世に出していますので、やはりそこに注目を持ってもらうようにしたいと思いますし、党全体としても、特にこういう主要な経済安全保障や金融や環境政策ということをやはりきちんと有権者の皆さんに届ける。その運動はむしろ解散が延びたとしても力を入れてやっていけるように、党内でも指示をしていきたいです。

○経済対策等の国会論戦について(2)

【時事通信】
 鈴木財務大臣が国会で、岸田総理が国民に還元したいとしている税収増について、もう使っているというような答弁をした。宮沢税調会長も似たような趣旨の発言をしていて、これに対して泉代表はきのう、いいかげんな減税論だと、何かおかしなことになっているとXでも発信されていたが、この辺りについてもう少し詳しくお考えをお聞きしたい。

【代表】
 我が立憲民主党のネクスト大臣である階猛さんが、国会、財務委員会で質問してくれました。ですから、立憲民主党のネクストキャビネット、「次の内閣」というのは、そういった意味で、別に「大臣」「大臣」なんて言われるわけではなく、別にネクスト大臣だからといって車もつくわけではありませんが、秘書もつくわけではありませんが、でも、こうやって日々委員会の中で自民党の大臣と対抗して論戦をしているということがまず一つです。
 そして、その論戦の中で、総理は増収分の還元と言っているのだから、では、その財源というのは本当にあるのかと聞いたら、財務大臣は、もうそれは既にございません、これまでの政策経費と国債の償還で使ってしまっていますという話になって、え、では、所得税減税をどうやってやるのかと聞いたら、新たに国債を発行せねばなりませんと。借金をするということですよね。
 ですから、還元と借金では、これは随分違うのではないですかと。国民にごまかしているのか、国民を欺こうとしているのか。総理には改めて、これは還元なのか借金なのか、やはり明確にしてもらわなければいけない。その思いですね。我々としては、やはり正しい情報を国民に伝えてもらなければいけない。そう思っています。

○経済政策「人からはじまる経済再生」について(2)

【共同通信】
 今回の経済政策の中では名目賃金の上昇率3%を目指すということを明記されている。一方で、政府は最低賃金1500円に引上げを2030年代半ばとしているが、政府との違い、党としてどのように賃上げに取り組んでいかれるのか、お考えを伺いたい。

【代表】
 冒頭もお話ししましたが、おそらく2030年代半ば、今よりも10年かかるかもしれない、1500円になるまでに。時給1500円になるまでに今から10年かかるとなれば、やはり日本で働くよりも海外でもっと時給の高いところで働いたほうがいいという、特に若い世代は相当増えていくのではないですかね。それはやはり日本の成長力を下げることにもつながると私は思います。
 働く者を大切にして、まさに好循環をつくっていかなければいけないわけですから、最低賃金をもっとスピードアップして上げていくということを立憲民主党としてはやはり求めていくし、そういう取組を政府として強化すべきだと、これからも訴えていきたいです。
 これはよく我々も言いますが、中小企業に対する支援を両輪で回しながら、この最低賃金の引上げというのはやっていきたいです。

【日本経済新聞】
 先ほど賃金の話もあったが、少しかぶるところもあるが、今回策定された経済政策の中で、与党の経済政策や姿勢との違いを、どこで最も表されたのか伺いたい。また、今回の政策は次期衆院選で大きな争点として経済政策が争点になると考えられてつくられたのかも伺いたい。

【代表】
 私の代表質問の一番最後の締めの言葉でこれはお話ししましたが、コストカット経済とか冷温経済、つくってきたのは誰なんですかと。それは間違いなく自民党政権でしょう。それを何か今回脱却するチャンスだとかと言って、他人事のように言ってきているのは本当におかしな話でして、私たちはやはりその意味では、働く人を粗末にして、格差を広げ、そして成長を阻害してきた今の自民党のやり方、政権の経済政策・労働政策ということをやはり大きく転換しなければいけないと思って今回の政策をつくらせていただいているし、本来もっと伸びるべき市場が伸びてこなかった、国産化されるべきものが国産化できなくなってきた、やはりそこも人材を粗末に扱ってきたからですよね。
 よく、日本企業の半導体技術がなぜ韓国や中国に追いつき追い越されていったのかという過程の中では、残念ながら日本の労働者が他国のほうでもっと報酬がもらえるからということで他国に技術者が流出し、そして、その技術がある種まねをされ、更に発展をしていった結果、我が国の競争力が落ちたと。技術流出ということもあったと思います。そういったことに対して政府が、自民党政権がきちんと手立てをしてこなかった。我々はそこにしっかり手立てをしていきたいという考え方を持っています。

【日本経済新聞】
 次期衆院選で争点になると想定されているか。

【代表】
 それはね、やはり次期衆議院選挙の争点なんて予想できないですよ。
 我々としては、やはり「人を大切にする」ということと、「未来への投資」、これはもう間違いなく言っていきますが、それがどれだけ国民の皆様にきちんと我々として伝えられるかによって、やはり一大争点化していくことになるのだと思いますので、引き続き努力はしていきたいと思います。

○神田財務副大臣の税金滞納問題について(1)

【フリーランス】
 まず、神田財務副大臣が辞任しなければ、20日からの補正予算案審議入りには応じられないということになるか。

【代表】
 そこは、すみません、国対で聞いていただきたいと思います。私のほうとしてはまだその情報までは認識はしていません。

○つながる本部の取組等について

【フリーランス】
 組織に関して2点伺いたい。「全国一斉ポスティング大作戦」というものが11月13日・月曜日から12月3日・日曜日までやるということで、きのうZoomで長妻政調会長や辻元参議院議員から説明があったかと思う。これに関しては、どちらかというと2017年のオリジナルの立憲ブルーの枝野さんのときに立ち上がった人などが、立憲パートナーズが比較的興味を持っているやり方なのかなと。そういったところに寄せているのかと思うのが一点と、まとめて質問させていただくが、常任幹事会で岡田幹事長から、来年5月に党本部主催の政治資金パーティーをやりたいということがあったかと思う。この党本部主催の政治資金パーティーというのは岡田さんの20年くらいの持論で、ただ、岡田さんが所属する政党だと2008年の秋に、岡田さんが執行部を外れた後に、一回ホテル・ニューオータニで5000人くらいが来た、あのときだけだと思う。旧国民と新国民民主党は党本部主催をやっているが。こちらのほうは、そのパーティー券をお願いするときに、どちらかというと自民党側を応援しているような会社などにも訪問するいいきっかけになるなんていうことを、以前のときにやっていた国会議員などからはそういった話がある。月曜日からのポスティング大作戦集中ウィークと、政治資金パーティーと、やや対照的な党としての取組かなと思うが、あわせて伺いたい。

【代表】
 結局のところ、感想を言えばよろしいですか。
 実は、きのうちょっと辻元さんが予定の関係で来られなくなって、私がまさに本部長として挨拶をさせていただきました。
 私の地元でも、それこそ新立憲になってからという方も含めて、「党でせっかくチラシを作っているのだったら、その政策を多くの人たちに届けたいので、私たちも協力しますよ」と言ってくださる方があって、そういう方々にどんどん今、党本部のシステムに申し込んでいただいて、全国で本当に何万枚というビラを配っていただくという取組です。
 これはやはり決して議会で仕事をしている議員だけで政党が成り立っているわけではなく、一人ひとり一緒に活動する支援者があって、この党が成り立っている。パートナーズ、サポーターズ、党員、そういう皆様を大事にするという意味でも、我々はこういった企画を、一緒に盛り上げていく企画ということをやっています。これからも徐々に更に広げたい。
 パーティーのほうは、今、歴史をそうやって振り返っていただくと、やはりなかなか野党で政治資金の差というのは与党と圧倒的なものがあるわけですが、一つパーティーをするだけでもやはり相当大変なのだということを再認識もします。野党議員は本当に政策づくりに特に一生懸命取り組んでいて、確かに自民党に比べれば業界回りをそういった意味で足しげくできていないところもあるかもしれませんし、また、業界としても政権与党を中心に考えるということがやはりある。しかしながら、党としての自主財源をしっかり確保する努力、これをやはりやっていかなければいけないので、その努力の一つとして、また、これは来年またその時期に解散・総選挙なんかがあったらまた結局できませんねという話になるかもしれません、先送りになるかもしれませんが、今、5月に予定をして、そこに向かっていこうと。党の中の仲間たちは皆、自分のノルマを心配している状況です。

【フリーランス】
 一点だけ確認で。ポスティング、この時期の政党機関紙号外ビラのポスティングに関しては、インターホンを鳴らしてお届けに上がりましたみたいなことを、やりたい人はやってもいいと思うが、そういったこともやりたい人はやってほしいというふうな。やりたい人はそれはできますよね。

【代表】
 ちょっとそこまで私は聞いてはいないです。基本、今使っているポスティングというのは、ポストに政策をお届けするということで、実際に一軒一軒ピンポンを押してということを考えているわけではないです。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【北海道新聞】
 政権交代について、考え方を伺いたい。先日の講演の中でビジョンを問われた際に、5年で政権交代を考えているとおっしゃり、翌日の旧ツイッター、Xで、一日も早くというふうにお答えであったり、きのうの芳野会長との懇談の中でもそういった発言があったと思う。改めて、政権交代に臨む立憲民主党としての考え方をご教示いただければと思う。

【代表】
 よくぞ聞いてくれました。ありがとうございます。別にお願いした質問ではないですが、記者さんに、確かに、意図というか、あのときの状況も含めてお話しするというのはそうそうなかったかもしれないので、改めてお話ししますと、法政大学での講演というのは、私が受け取った文脈でいえば、本当に何年で政権交代するのかという話でした。ですから、それはウィッシュではなく分析だとか状況の判断ということで説明するという質問だったと思っているし、私がそこで描いたのは、何か連立政権を想定しての話ではなく、私が一人で講演に来ているわけですから、立憲民主党として政権交代となれば単独過半数ということをやはり頭に置きながら、そして、私は常に現状も党代表として認識しながら活動していますから、現在の状況に照らして、そして立憲民主党で単独過半数を目指すということになれば、では、どうなるのかということを現状に照らして説明するという質問に対する答えだったと考えています。
 その意味で、これはそもそも解散・総選挙がいつなんていうのは野党の側は選べないわけですから、何年でと言われても、そのタイミングでどうこうということは本来質問としては成り立たないわけなのですが、ただ、それを成り立ちませんよと言ってお答えできませんということは、せっかくの質問ですから学生に対してあまり誠実ではないなと思ったので、私としては、サイクル、一つ衆議院選挙があり、その後に参議院選挙があり、そして、もう一度総選挙が来る、これを一つの考え方として、5年と考えれば5年だねと、そういう意味で発言をしているということです。基本的な考えは、それはもしこういうプロセスでということであれば、立憲民主党で単独過半数ということでいえば、私はそういう一つの考え方です。
 一方で、日々政権交代を目指しているか。当たり前です。極めて当たり前。
 そして、次期総選挙で政権交代を望んでいるか。当たり前です。極めて当たり前。
 これは今、私は、しかし、もう既に6月の段階で党内に対して150議席ということは明確に言っております。党内の仲間たちは皆それを知っていて、中には、その目標だって高過ぎるのではないのか、本当にできるのかなんていう人までいる中です。ただ、立憲民主党が150議席をしっかり獲得すれば、私はその時点で、次期選挙で自民党の、要は自公の過半数割れというのは十分あり得ると思いますよ。となれば、そこで、連立政権なのか、さまざまな次の政権づくりということの動きはあるし、そのときに立憲民主党が当初の想定よりも早く政権に辿り着くということは十分今の段階でもあり得るということです。
 一方で、最後に言えば、当然、今、164の候補者擁立まで行っていますが、これはもちろん解散時期にもよるわけですが、我々として更に努力をしていきます。更に人を増やしていきたいと思っていますから。それがある段階でもしかしたら、今期の衆議院の任期の中で、それは我々努力の結果として単独過半数の擁立にまで至れば、当然目標は前倒しになると考えています。

【北海道新聞】
 一点確認だが、今のお話を総合した上で、いずれの発言についてもそごはないというか、整合性は取れているという認識か。

【代表】
 そうですね。

○京都市長選について

【時事通信】
 話題変わって、京都市長選について伺いたい。昨日、京都市長選について、自民・公明と共に立憲民主党で元官房副長官の松井孝治さんの推薦を決めた。昨日党本部で面談もされたようだが、改めて松井さんへの評価と、代表のお膝元と言える京都での市長選への意気込みというか位置づけについて教えていただきたい。

【代表】
 今、他党のことの話があったけれども、他党はまだ推薦していないのではないですかね。立憲民主党が今、推薦を決めたという段階だと思います。
 これは各政党が独自に判断していることなので、他党がどうなるかわかりませんが、立憲民主党としては、京都が生んだ、非常に京都文化も深く理解されている、そして中央で活躍をしてきた方であると思っておりますので、この歴史都市・京都にふさわしい候補者、松井孝治さん。歴史都市でありながら、文化を理解しながら、かつ、先進的な政策に通じている、長じているのが松井さんだと思っております。
 きのう私が特に松井さんにお話ししたのは、松井さんはいわゆる京都の中京で長く過ごしてきた方ですから、一方で、京都には新たに合併をした京北の地域、右京区の嵐山よりももう少し山合いになりますが、京北の地域もあり、我々伏見は、洛中とは言われないけれども、やはり京都の行政区では一番大きいし、そして、滋賀県の県境には山科や左京もあるし、やはり幅広くこの京都のことを、全体を見詰めて政策を打っていただきたいということもお話ししました。
 ぜひ、すばらしい人物だと思いますし、今回は市民の会の各層の方々が松井さんにぜひということでお願いもあったということですから、私からすれば、政党の主導、政党の論理・理屈ということだけではなく、立憲民主党も全力で応援をしますが、やはり市民と共にある市長候補であってほしいと、そんなふうに思っています。

【時事通信】
 重ねてだが、正式には決まっていないということだが、京都、地元では、自民・公明・立憲で松井さんを推そうというような動きがあると聞いている。これについて、国政では戦っている自民・公明と京都では共闘するということについて、どうなのかというような批判もあるわけだが、これについてどのようにお考えか。

【代表】
 首長選って、たぶん全国どこでもいろいろなケースがあって、特段何か珍しいことではないと思います。各党が応援するときも、あるいは、その地域において、各党が応援する地域もあれば、そうではない地域もあるということに尽きます。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(3)

【「FACTA」】
 きのう連合の芳野さんに、連合の方針は十分に理解をして党内で共有すると、こう明言されたそうだが、伺いたいことは、あれが泉さんは要するに挨拶回りだと言っているが、これは岡田さんや安住さんともきちんと共有されていて、はっきりそう言えるものなのか。そして、もしそうだとするならば、やはり共産党に対してあれは挨拶回りだったということを明言するなり抗議しないと、党内で共有するスタート地点に立てないのではないか。そういう曖昧作戦みたいなものがやはり国民に信頼を受けられない一つの原因だと思う。要するに、共産党と本当にどういう形でやろうとしているのか。どういう形で、きのうの方針を含めて、泉さんは立憲民主党の中でその方針を共有しようとしているのか。そこを伺いたい。

【代表】
 連合の方針というのはきのう我々に示されましたので、どうやってという形でいうと、やはりこの連合のつくった文書というのは所属国会議員ですとか総支部長や県連に、それは今はファクスではなくメールでしょうけれども、きちんと共有したいです。それは情報としてはそういう形で共有されて、あとはそれぞれ、さまざまな、全国幹事長会議だとか、そういう手段で共有はしていけるかなと考えています。

【「FACTA」】
 例えば安住さんは、過去、共産党大会に2回出ている。たぶん、ああいうのをやると必ず推薦は取り消される。あそこに書いてあるように。逆に、そういうことを考えると、いわゆる議員の皆さんの中には、やはりいろいろな地域の事情があり、大きな固まりをつくっているところもあるわけだが、そういう人たちにきちんとガイドラインをつくるなり何らかきちんとした方針を示さないと、では、そういう会合に出た人は何か党紀に違反するのか。いや、自由にやって勝てる人はどんどん出て推薦を取り消されたらいいということになるのか。要するに、最大の支持母体との関係が定まらないとすると、結局、国民民主党は御党と共産党との関係をはっきりしてくれないとできないというふうに言っているわけだが、その曖昧なところというのは、執行部の中では、例えば岡田さんと泉さんの間ではぴったんこ合っているものなのか。その辺の曖昧なところがやはり問われていると思うが、そこはぴったんこ合っているのか。

【代表】
 ええ、全然(そごはなく)合っていますよ。安住さんも含めて合っていますね。ですから、ご心配には及びませんということまで言っていいと思いますし、皆、国会を目指す総支部長も含めて、現職国会議員も皆、議員であったり政治家だったりするわけですから、ガイドライン云々というよりも、それはコミュニケーションをきちんと取っていれば党の考え方というのは当然理解できるし、党に、一つ一つ何か自分が迷うことがあれば、やはり普段からコミュニケーションを取ると。そのことのほうが大事ではないかと思います。

○神田財務副大臣の税金滞納問題について(2)

【NHK】
 神田財務副大臣の件だが、税金を滞納している財務省の副大臣がいて、この経済対策を論戦していくということに関しては妥当とお考えか。

【代表】
 それは不可能でしょうというか、あり得ないでしょうと。それは国民に顔向けできる政権の姿ではないですよね。ですが、まさかそんなままで予算委員会に入るとは到底考えられないですね。本当に醜態をさらし続けることになると思いますよ。国民からの批判も更に高まるでしょう。

【NHK】
 そうすると、先ほど当然辞任すべきだということだったが、それは予算委員会の前にと。

【代表】
 国会の戦い方ですからね。我々は別に何かを予測して先にその答えをお話しするということにはならないわけですが、政府として当然のけじめをつけるかつけないかを、まさに国民の皆様が見ているわけですから、岸田さんのそこの「聞く力」や「決断力」がまた問われているということですよね。

○経済政策「人からはじまる経済再生」について(3)

【フリーランス】
 私はブリーフィングを受けていないので重なってしまったら申し訳ないが、きょう経済政策を開けてみて独自だなと思うのが、独立財政機関「経済財政等将来推計委員会」を国会の下に設置というのは、以前からあったのかもしれないが、独自だなと思う。そちらと、「公益資本主義」という言葉を掲げている、この2点について代表からご説明をお願いしたい。

【代表】
 まず一つ、この「経済財政等将来推計委員会」ですが、政府に財政政策だとか将来の財政の考え方というのをただ任せておくだけでは、今ここまで確かに日本政府の財政赤字というのは膨らんでしまっているわけですし、もう少し中長期的に方向づけというのを、しかも立法府で行うということが重要ではないかという考え方から、この委員会を我々としてはつくらせていただいております。国会の下に設置して、その国会で推計をすることで、政府に対しても政策の修正というか方向性の検討を促していくということを一つ考えているということです。
 「公益資本主義」というのは、この間、人を大切にしてこなかったことの修正をするためにも必要だと。ですから、株主至上主義という言われ方もしますが、労働によって得られた企業の果実が株主ばかりにもたらされてしまうということだとか、その株価の乱高下によって働く者の雇用が危うくなるだとか、こういうことをやはり改めていかねばならないと思っておりますので、そういった意味で、この「公益資本主義」という考え方をもっと明確に導入して、働く者や、そして消費者にとっても利益になるような企業経営になっていくように、我々としては利益の公正な分配というものを実現していきたいということを出させてもらっています。
 これは以前から一応我々として出してきてはいます。

【フリーランス】
 二つ目だが、法政大学での講演を私も後から聞かせていただいたが、印象としては、マスコミのイメージづけみたいなものを払拭するような形で、立憲民主党のいい部分を押し出してお話しされていたなと思ったが、逆に学生のほうは、今後の日本について何を不安に思っているとか、学生のほうから来るものを泉代表が何を特に感じられたのか教えていただきたい。

【代表】
 法政大学の前に、また別な大学で講義というか授業に参加させていただいて、結構ゼミくらいの人数で意見交換もしたのですが、双方であったのは、やはり奨学金の不安は大きかったですね。学費の不安。これは実は、その人生において、10年、15年、20年かかるかもしれないという負債なので、これによってやはり新たな人生の一歩を踏み出せない環境があるんですということ。それが一つですね。ですから、奨学金の負担軽減はやはりやっていかなければいけない。
 もう一つは、大学で研究をしていて、つくづく、施設整備だとか大学運営の交付金がどんどん少なくなっていて、環境が悪化して人が離れていると。また、研究者の待遇も低いと。そんな話もありました。このままだと本当に日本の研究機関はどんどんどんどん質が下がっていきますよ、それはもっと長い目で見たら日本の成長力に影響していきますよという指摘が、現場ですよね。
 ですから、そういうことは重く受け止めて、政府に改善をやはり求めていかなければいかんなと、そう思いました。

【フリーランス】
 もう一問お願いしたい。賃上げ、非正規を減らすこと、最低賃金を上げること。総理の言葉で、7割が小企業だ。こういった日本の現状の中で、非正規というのは派遣社員というふうに分類されると思うが、消費税の仕組みというのは、課税の対象、非課税の対象ということで、この辺りが非正規化を進めてしまうという質問が財政金融とかでも出ていたと思う。例えば私が長く取材しているれいわさんとかだと国債を刷ってそれで手当てしてというイメージで言っているが、立憲はそれは考えないということは、税制が改革されていくまで、これが改善されるまで、どのくらい時間を待てばいいのかというイメージもあるが、そちらはいかがか。

【代表】
 まず、これは我々政権を取らねばできませんので、そういった意味では、今の時点から何年というのは、これは言いようがないわけですが、一つは、税制の改革の前に、まず行財政改革です。これだけ基金に使っていないお金が積み上がっている、基金そのものが膨らんでいるということにも当然メスを入れなければいけないということがあります。
 そして、税制ですが、我々がよく言っているのは、平成の30年間で法人税・所得税は下がって消費税が上がってきた。結局、消費税は社会保障財源だということで、それは必要だという話で上がっていったのだけれども、だからといって国家財政が豊かになったわけではなく、むしろ所得税や法人税についてはずっと下がり続けてきたという、税制全体のバランスがもう一度考え直すときが来ていると思っていますので、そういう視点からここに政策を書かせてもらっています。
 何年かかるかというのは現時点でそういう意味では今言えるものではないですが、税制改正の中で我々としては、この所得税は累進性を上げていくだとか、そういうことをやっていくということになります。