泉健太代表は11月17日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)候補者公募強化月間(2)外交問題(3)旧統一教会問題(4)大阪万博――等について発言しました。

■候補者公募強化月間

 「年内いっぱいを強化期間に充てている。党のウェブサイトに候補者公募特設ページも作ってある」と述べた上で、「『政治を変えなければいけない』『ジェンダー平等を進めたい』『クリーンな政治にしたい』『日本を伸ばしたい』など、そういう思いを持つ方々にぜひ応募してほしい。立憲民主党は、『経済』『外交・安保』『環境・エネルギー』『産業』など、現実を踏まえ、社会の改善となる政策、対案をいくつも出している。一緒になって世の中を変えてほしい」と呼びかけました。

■外交問題

 「米中首脳会談が行われた。関係改善に向け両国には努力してもらいたい。日中関係については、日本政府が求めているように、この機会に、日本からの海産物の禁輸撤回を実現してもらいたい。また中国側には、台湾周辺の緊張緩和と尖閣諸島に対する行動の自制を求めたい」と述べました。

■旧統一教会問題

 被害者救済に向けた旧統一教会の財産保全について、「与党側から考え方が示されているが、これは当事者、被害者が納得のいくものではない。与野党協議はやぶさかではないので、財産保全に関する立憲民主党案を飲んでもらいたい」と指摘しました。

■大阪万博

 「今回の予算の増額は認められない。リングが完成しなければ万博会場の魅力がなくなるという話ではない。協会、大阪府・市には、予算縮減案を早く示してもらいたい。立憲民主党は、国民の税金を大切にする政治を進めていく」と述べました。

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泉健太代表記者会見

2023年11月17日(金)10時30分~11時14分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/x2NNnPm-yOU


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○候補者公募強化月間「今こそ政治を変えるとき」開始

【代表】
 おはようございます。
 まず、きょうは、候補者の公募、いわゆる衆議院総選挙に向けた国政候補者の公募、この強化をしたいということで、年内いっぱい、年末大みそかまでを候補者公募の強化期間とします。
 もちろん、いろいろな志があって地方議会に出たいとか参議院選挙に出たいとか、そういう方々もどんどん応募してもらっていいわけですが、来るべき総選挙に向けて、まだまだ立憲民主党、ここの選挙区は取れるはずだという選挙区もあります。そういった選挙区を中心に、全国各地で、やはり今の政治を変えなければいけないと。そして、女性の皆さんにも特に、ジェンダー平等を進めなければいけないとか、更には、国民の声を聞く政治にしたい、クリーンな政治にしたい、この日本を伸ばしたいと、そういう思いを持つ方々にぜひともこの公募に応募してもらいたいということで、この「今こそ政治を変えるとき 候補者募集」という特設ページも改めてつくって発信をしていきたいと思っています。
 今、立憲民主党は、経済政策、外交・安全保障政策、環境政策、エネルギー政策、そして産業政策など、現実的な、現実を踏まえた、この社会の改善になる政策を、対案を幾つも出してきています。そういうものをもっと皆さんに我々も伝えていって、そして、一緒になって世の中を変えていただきたい。そのプランがもう既にあるということなので、ぜひ皆さんには一緒に立ち上がっていただきたいと思います。
 また、他の野党の中で言っても、明確に政権を交代すると、要は野党第1党を目指すとかではなく、政権を交代させていくんだと、新しい政権をつくるんだと言っているのはこの立憲民主党のみという状況の中で、我々にぜひさまざまな思いを持った人材が集まってほしいと思っています。
 今、苦しい生活をされて、厳しい環境に置かれている方々もたくさんいると思うのですね。政治といえばエリートだとか二世だとかお金持ちがやるものだと、余裕がある人がやるものだということではなく、例えば非正規(雇用)の方であったり、個人事業主の方であったり、さまざまな課題に直面した方であったり、難病を抱えた方であったり、そういう方にもこの機会に声を上げていただきたいと、そんな思いを強く持っています。
 当事者の方々が議会に入るということはとても大きな意味があって、私も、そうですね、まだ自分がこの政治の世界に入る前に例えばかつてアイヌ人の萱野さんという方が国会議員になったり、目の見えない堀さんという方が国会議員になったりということを見てきて、こういう方々の声が国会に届くというのは本当に大事だなと感じたこともありました。
 やはりさまざまな属性、さまざまな背景を持った当事者の方々に、ぜひ声を上げていただきたい。その声をまた後押しするのが立憲民主党であると思っていますので、ぜひ、「人へ 未来へ まっとうな政治へ」、環境問題に取り組んでいたり、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいる方、そういう方もそうでしょうし、もうとにかくさまざまな分野で課題に直面している方に公募に応じていただきたい。そして、一緒に岸田政権のこの体たらくな状況を変えていこうではないかということで、この年内公募をしたいと思います。
 党にウェブサイト、元々女性候補募集、そして一般公募という形で、二つのページはもう既にありますが、そこにこの大きなページの写真もつけて皆様に宣伝をしていきたい。また、党からもさまざまな仲間たちと共に発信をしていきたいと思っています。

○「米中首脳会談」「日中首脳会談」について

【代表】
 今、APEC、米中首脳会談ですとか日中首脳会談というものも行われるということで、米中のほうでは、やはり両者が対決してそれが決定的な分断を招くということがないようにしなければいけないということで、互いに競争の中でも世界を平和に導いていかなければならないということではあると思いますので、改めて、この米中間の関係の改善、そこにはぜひ両国努力をしてもらいたいと思いますし、その対立が余りに激しければ日本の経済にも影響を与える、日本の対中貿易にも影響を与えますので、米中間の関係というのはより緊密にやり取りをしていただきたいと思います。
 翻って、日中の関係ですが、今、政府が求めているように、この機会に何とか日本からの農作物・海産物の禁輸ということは撤回してもらうということはやはり実現をしていただきたいと思います。また、台湾周辺の環境、そこをいかに現状を変えないということで沈静化させていくことができるかということが大事でしょうし、尖閣に対しての行動ですとかも中国側にはぜひ自制を我々としては求めていきたいと思っております。

○旧統一教会財産保全法案について

【代表】
 そして、さまざま課題、たくさんありますね。この後、質問もあると思いますが、旧統一教会の財産保全のことについては、与党側から考え方ですとか法案のようなものが示されてはきていますが、これは全く当事者・被害者の方々が納得いくものではないということでして、我々は政府に対してしっかりと、財産保全の立憲民主党案をのんでもらいたいと。与野党協議をすることはやぶさかではありませんので、ぜひ、この立憲民主党案をのんでもらいたいということがまず一つであります。

○大阪・関西万博 建設費上振れ問題について

【代表】
 そのほか、万博のことも繰り返し言っていますが、我が党として今回の予算の増額はやはり認められないということは明確に訴えていますし、リングの縮減も含めて、万博会場というのはリングが完全に完成しなければ魅力がないものなのかといえば、そんな話ではないはずですし、ぜひ、どんな予算の縮減ができるのかということは早く、万博協会、大阪府・市にはやはり示してもらいたいと改めて思います。
 ぜひ、そういったことについても、これからも我々は、国民の税金を大切にする政治、これをやっていかなければいけないと思っていますので、今後もそれをただしていきたいと思っております。


■質疑

○武器輸出緩和に関する自公協議について(1)

【東京新聞】
 武器輸出ルールの緩和に向けた自民・公明両党の実務者協議について伺いたい。先日、米国の特許で生産できるライセンス品の完成品、これには戦闘機や迎撃ミサイルも含まれるとされているが、これらを米国に輸出するのを容認する方向で自公が事実上一致したと各紙が報じている。自公の議論は非公開で、議事録もなく、事後ブリーフィングも政府からの説明内容さえ大半が秘匿されている状況だ。自公両党は制度案が正式に固まった段階で公表するとしているが、法案審議と違うため、結論が覆ることはない。この議論の公開度の低さについて、代表は率直にどのようにお考えか。

【代表】
 全く低いですね。では、自公で決めた後に、国民なり野党から、ここについてはどうなんだと指摘があったり、あるいは、これは問題ではないかということで声が上がったときに、修正するつもりがあるのかといえば、それも感じられないわけでして、そこが与党の議論の限界であり危険性ですね。
 ですから、我々野党の役割というのは、与党の中での政策議論というのは全く表に出てこないまま結論だけが出てくるので、問題点がどこかも国民にはわからないわけです。だからこそ、野党としては国会で議事録に残る形で、また、国民に公開されて中継される形で我々は議論をするわけですが、その議論においても、改めて先ほど冒頭に税金は国民のものだという話をしましたが、行政情報も国民のものですからね。それを殊更に秘匿して、非公開で議論を続けて、結論だけ国民に出して、そして採決を迫るという、その強引な手法。これはやはり改めていただかなければいけないと思います。
 ですから、与党内の議論を公開しないというのであれば、それは当然、その中で何を公開できるのかというのは民主主義のためにも与党側には考えてもらわなければいけないと思いますが、国会の中で更に情報を隠し続けるということはあってはならないと思いますから、野党の質問に対しては誠実に答える義務があると思いますし、なし崩し的に(うやむやのまま)、国民的議論なしで、なし崩しで、公開もせず、こうした結論だけを国民に言うことを聞かせるというか伝えるというのは、政治のあるべき姿ではない。民主的ではない。そう考えています。

○候補者公募強化月間「今こそ政治を変えるとき」について

【産経新聞】
 候補者の強化月間についてお尋ねしたい。勉強不足で恐縮だが、これは毎年この時期にやっているのか。

【代表】
 やっていないです。

【産経新聞】
 この時期にこういった活動をされる何か狙いみたいなものがあれば教えていただきたい。

【代表】
 本当に岸田政権に対する国民の失望感は非常に高まっていますよね。そういう中で、今、我々は、それは政権交代を一日も早く目指したいと思っているのです。ただ、立憲民主党、最大野党の立憲民主党であっても、今、候補者擁立が160人台なのです。ですから、政権を獲得するだけの候補者を、まだ残念ながらそろえられていないわけですね。これを何とか、何としても早く候補者をそろえたいと。国民の皆さんにもっと声を上げていただきたいと。そんな思いがあって今回の公募を、改めて強化月間というか強化期間を設けたということです。

【産経新聞】
 年内の解散が見送られるような方向だが、そういったところも。

【代表】
 これはわかりません。解散が見送られる方向といっても、断言されたわけでもないし、いつ解散があるかはわかりません。なので、解散時期がいつだからということでの公募ではないです。
 とにかく一日も早く政権交代をしようと思ったときに、まず立憲民主党の候補者をもっと増やしたい。それが狙いです。

【産経新聞】
 あわせて、200の擁立を目指されていたと思うが、その数字に変化はないか。

【代表】
 ないです。

○経済政策「人からはじまる経済再生」について

【産経新聞】
 別件で恐縮だが、経済対策について伺いたい。今回発表した経済対策で消費税減税を盛り込まなかったことに対して、党内の一部から疑問視する声が上がっている。この事態を代表はどう見られているかということと、こういった疑問の声に対してどう理解を求めていくお考えかお聞きしたい。

【代表】
 さまざま常に政策に対して考え方が示されるというのは全然悪いことではないので、どんどんいろいろな、例えば関係する部会だとかでそういう意見は言ってもらうということで、そもそも民主的な党の中の議論というのがありますから、それはもう続けてもらってよいと思います。
 今回は、この経済政策ということで出したものは、また今後選挙のときにどういう経済状態であるかということも踏まえねばならないと思っていますから、前回の経済政策の発表のときにも言いましたが、今回の経済政策の中には前回の参議院選挙で訴えた消費税の時限的5%への税率引下げというのは入れておりませんと言っています。
 それは、我々が、前回はコロナ禍において消費が急減していたので、こういった状況の中で消費を回復させる一つの手段は一時的な税率の引下げではないかと言ってきましたので、そういった説明をしてきましたが、今、消費がやはりそのコロナから随分と回復してきた状況にはあった。もちろん直近で例えばGDPがプラスになるマイナスになるというのはありますが、それでも基調としては我々としてコロナ禍で消費が急減したという状況ではやはりなくなっているということですので、今回は留保しますということを言っています。
 ですから、政策そのものが、例えば前回の参議院選挙の政策を撤回したのですかと聞かれれば、いや、別に撤回はしていませんよと。参議院選挙の政策はそのままですという説明をしていますし、今回の経済政策と言われる我が党の政策の中には、今の経済状況を見る上では、それは入れていないということです。

○武器輸出緩和に関する自公協議について(2)

【朝日新聞】
 冒頭の質問にあった装備移転に関連して伺いたい。先ほどの質問でもあったとおり、自公の密室内で、国内でライセンス生産をした完成品の移転の緩和が自公で一致したということだが、装備移転に関して、そもそも立憲は基本政策で規制強化の方向で見直すというふうに掲げていると思うが、今回の一致事項というのはそれと相入れるものなのかどうかというのをまず教えていただきたい。

【代表】
 その一致事項も、我々は正式に聞いたわけでもありませんから、現時点で、どういうことを考えているのかということは、まだ我々としてはそこまで状況として認識しているところではないです。
 立憲民主党の基本政策は基本政策として、そういう与党の流れにある中で、当然ながら我々として線引きをきちんと持たなければいけないと。武器移転に関してですね。そういう考え方で書かせてもらっています。

【朝日新聞】
 今おっしゃった線引きというところだが、前回8月の段階で、共同開発品の第三国移転、これは他国もある話だからというふうにおっしゃったと思うが、具体的にどの辺りに線引きを引くべきなのか、具体的にどこで考えているのか教えていただきたい。

【代表】
 今、その線引きというのは、与党の側が線引きを変えていこうとしていますので、我々は基本、現状からスタートしています。それを与党が変えていこうとするときに、それがどこまで許容されるのかというのは、その与党が何を変えようとしているかによりますので、我々はまず現状という状況ですね。それにおいて、例えば新たな事案である共同開発というものが出てきたら、それは党内で慎重に検討はしなければいけないと思っています。

【朝日新聞】
 最後に。改めて、この規制強化の方向、具体的にどういうところを規制強化すべきだと現時点でお考えなのかお聞きしたい。

【代表】
 ここはまた改めて政調のほうから回答させていただきたいと思います。

○税制改正に向けた議論について

【NHK】
 税の話題で伺いたい。自民党・公明党はきょうそれぞれ税制調査会の総会を開き、来年度の税制改正に向けて本格的な議論に入る。所得税などの1人当たり4万円の定額減税の制度設計や、防衛費の財源確保に向けた増税の開始時期などが焦点となるが、これについてどのように見ていらっしゃるか教えていただきたい。

【代表】
 まず、岸田総理が思いつきで言った所得減税が、今も与党内を漂っている。浮遊しているというか、着地点が見つかっていない状況だと思います。
 これは果たして1回切りのものなのか、それとも複数回に及ぶのか。また、やめるタイミングというのはどういう要件があるのか。あるいは、所得制限をどこで引くつもりなのか。そのほかにも、例えば、本来であればこれは住民税にも及ぶので地方ときちんと協議をしなければいけないと思うのですが、そういった国と地方の協議はどうなっていたのかとか、これは地方自治体の業務負担、要は事務負担がものすごく膨大になる経済対策を与党がやろうとしているのではないかということで、まず、所得減税であればシステムの改修をしなければいけないし、そのシステムは今回切りしか使えないものであれば、何百万もかけて、あるいは大きい自治体ではもっとかかるでしょう、そのシステムはまた廃棄をしなければいけない。そのほかにも、一度切りで全ての減税額を減税し切れない住民もかなり出てきますので、そういった方々に対する越年の対応をどうするかとか、本当、決まっていないことが多過ぎる減税ですね。そういう中で増税を隠すために額だけが独り歩きをしているということで、我々はやはりこれはおかしい減税であると思っています。
 そして、防衛増税についても、また、子ども予算の財源についても、これまたやはり国民の批判を恐れて本質的な中身について国民に提示していないと思いますので、そういったことも早く明らかにして、国民に提示して国民の判断・審判を仰ぐべきだと、そう思います。

【NHK】
 この所得税減税に関しては内閣支持率の低下にもつながっているとも指摘されているが、国民はどういうふうにこの減税や増税の言葉が繰り返される姿を見ていると思うか。

【代表】
 評価していないですね。手元に入るお金が増えるということそのものは、それは国民にとってありがたいことではあるけれども、しかし、いい加減に考え、いい加減に行われようとしている減税については、やはり多くの国民の皆様が、しかも今回赤字国債を発行して、最初は増収分を還元しますというふうに言っていたものが、実はその還元する増収分は元々なくて、今回借金をして国民に減税をするということになっていると。そもそも前提も違うし、財政に対してどう考えているのか。これはどのような減税なのか。その後の増税はどの規模なのか。プラスマイナス、生活にとってプラスなのかマイナスなのか。そういったことがやはり明らかになっていないので、国民には不安を抱えたままの減税策というふうに受け取られていると感じます。

○悪質ホストクラブ対策について

【NHK】
 話題変わり、悪質ホストクラブの対策だが、立憲民主党としてヒアリングや国会での質問もしているかと思うが、きょう改めて要請もするということで、党としてどのように対策に取り組んでいかれるか教えていただきたい。

【代表】
 まず、被害者がなかなか声を上げにくかったこの悪質ホストクラブ問題を塩村あやか議員が取り上げたということは、勇気の要ることだったと思いますし、そういったことに敢然と立ち向かって国会で質問をしたということは私はすばらしいことだと思います。
 その上で、被害の実態がわかってきて、これはかつて、例えば高額の絵画を恋愛感情を利用して売りつけるデート商法というのは、もう私が大学生になる前からそういう商法が浮かんでは消え浮かんでは消えというか、時々わーっと出てきて、そして、多くの学生だとか若者が被害に遭うなんていうことが昔からあったわけですが、そういうものも消費者契約法の改正だとかでやはり規制をしてきた歴史があるわけですよね。ですから、今回も、サービス業で、特にその書面を交わさないけれども、高額の商品がどんどん契約されていくとか消費をされていって後に大きな負債を抱えるという今の現状で、その結果、女性の方が、その借金を抱えた、その返済のために風俗で働くというようなサイクルに陥ってしまっているのではないかということは、これは社会問題として、政治の側でできることをやはりすべきだと。
 きのうちょうどその塩村議員の質疑を受けて立憲民主党の内閣部会でヒアリングを行いました。負債を大きく抱えた女性のお母さんが出席されて、いつの間にか娘が大きな借金を抱えて、そして、風俗で働かされる、働くようになってしまったということを、泣きながら語っておられました。
 立憲民主党は当然ながら、経済政策も安全保障政策も、もうあらゆる政策を同時進行で扱っていますが、こうした一つ一つの当事者がおられる課題に対しても目を向けて、その解決に向けて取り組んでいると。今そういう状況です。

○旧統一教会財産保全法案について(1)

【NHK】
 最後に一点。旧統一教会の財産保全に関して、冒頭、与党側の改正案は当事者が納得いくものではない、与野党協議もやぶさかではないということだったが、具体的にどのような点が問題というか改善できると考えていらっしゃるか。また、今国会での成立を目指してきた中で、今後どういうステップが必要か教えていただきたい。

【代表】
 与党案というのは、まず一つ、財産保全に関しては、これはあくまで旧統一教会側が保有不動産を処分するときに管轄行政機関へ事前通知を義務づけると。通知をするということだけでとどまっていますので、これでは財産流出というのは妨げることができないのではないかと我々は考えております。
 改めて、私たちとしては財産をしっかり保全するという形の法律(案)を出していますし、また、与党側は立憲民主党の案が憲法違反になるのではないかという言い方もしていますが、これは当然裁判所も絡んで判断をされていくことなので、立憲民主党の案が憲法違反になるということは、これはあり得ないことであります。
 やはり旧統一教会側の意向も踏まえた自公案ということでは到底納得のいくものではないと思っていますので、我々としては、旧統一教会側の意向を踏まえたものではなく、被害者側の意向を踏まえた、実効性のある、そして、被害者側に過度の負担を負わせない、そうした財産保全法、特措法でなければいけないと思っています。

【NHK】
 今国会での成立を目指していたかと思うが、今後求められる協議とかは。

【代表】
 それはもう与党側がとにかくテーブルに着くことですね。審議拒否という言葉は私は与党にも常にあると言ってきましたが、協議拒否という言葉だってあるのでしょうから、これは与党の側がきちんと協議のテーブルに着くということではないですか。

○政労使会議について

【共同通信】
 先日開かれた政労使会見の受け止めを伺いたい。政府のほうは、賃上げを実施した企業に対する法人税の減免、あるいは労務費の上昇分や原材料価格高騰の価格転嫁を支援していくという方針を示したが、こういった政府の打ち出しに対する評価をどのように考えていらっしゃるか教えていただきたい。

【代表】
 まず、代表質問でも言いましたが、価格転嫁を進めたいのであれば、我々は下請Gメン、中小企業庁の下にある、各業界の状況を聞いて改善を促していく、その役割をしているのが下請Gメンですから、この増員を提案しています。ぜひ政府には応えてもらいたいと思っています。
 そして、何で小出しなのかなと思いますよね。そもそも去年の段階でも賃上げ税制と岸田総理は言っていて、我々からすれば、それは果たして本当にどれだけの企業がこの賃上げ税制を利用するんですかと。今までもあったけれども、あまり利用されてこなかったよと言ってきたわけです。それをちょっと変えましたといって去年やったわけですが、やはりまた今回も賃上げ税制だと言うわけですよね。ですから、実効性のあるものをなぜ最初からつくろうとしないのか。なぜ小出しにするのか。なぜ逐次投入をして、消耗させて、時期を遅らせるような話にするのか。もっときちんと、一気に制度改正をやるのであれば、取り組んでもらいたい。
 これはちょっと話がずれますが、児童手当の3人目問題もそうではないですか。児童手当の3人目問題も、全面的に変えればいいものを、今回また出してきたものは、上のきょうだいが大学生であればという、また中途半端なものを出してきたわけですよね。もう指摘があって、3人目は3人目として最後まで扱ってほしいというのが当事者の声であり、それが1人目も2人目も3人目も同じ額を最後まで、児童が終わるのは18歳ですが、そこ(18歳到達の年度末)まで受け取るようにすればいいのに、政策を小出しにするので、その都度、失望感が世の中には伝わっていくわけですよね。こういう小出しはやめていただきたいということ。
 最後に、政労使会議で、私はもうあらゆる手段が賃上げのために考えられるというのはとてもよいことだと思いますから、これはもうどんどんやっていけるのであればやっていくべきだし、言われるような政労の会議ということについても、賃上げのためであれば、連合側も求めるということであれば、それはぜひ、やはり実現をしてもらいたいと思っています。

○予算委員会審議の重要テーマについて

【時事通信】
 改めてになって恐縮だが、来週21日から予算委員会が始まるが、どのようなテーマを取り上げたいか、どのように追及したいか、お考えをお願いしたい。

【代表】
 やはり、まずは経済対策です。今回の経済対策をとにかく総理に問わなければいけない。特に所得税減税ですね。
 そのほか、マイナ保険証のことも、今、利用率が下がって4.49%ですからね。使って便利ですという人も、それはいるとは思います。でも、多くの国民は、大多数の国民は不安を感じ、また、利便性といっても、むしろずっと持ち歩かなければいけないような状況を、嫌だ、怖い、不安だという方々もたくさんいますから、当面は選択制で、そして、丁寧な理解に努めていくということが大事だと思いますから、そういったことも取り上げたいと思います。
 万博の予算についても、大阪と国で何かこう責任を押しつけ合っているようなところがありますが、国のほうも、これは予算を縮減させる、見直しをするということが、どんな努力をしているのか、これも問わなければいけないし、本当に無駄がないのか、そういったことも問わなければいけない。そんなふうに思っています。
 そのほか、当然ながら、ここまで適材適所と総理が胸を張った副大臣・政務官人事が、ずたずた、ぼろぼろな状況ですよね。ですから、これは政府に問われることとしての身体検査だとか適材適所というものは何なのかと。これはやはり総理には聞かねばならないと思っています。

○安定的な皇位継承に関する議論について

【時事通信】
 もう一件、別件だが、皇位継承に関する立憲民主党の考えを改めて伺いたい。本日、自民党が新設した懇談会の初会合も開かれるが、改めて、旧宮家の男系男子の皇籍復帰案や女性宮家創設についてのお考えをお願いしたい。

【代表】
 これは今、立憲民主党の中で議論をしているさなかであって、現在、結論は皆さんに公表はしていないという段階です。
 党内に、私の下に検討委員会がありまして、その中で、前回の退位の特例法案のときに附帯決議があって、その附帯決議で(立法府の総意を取りまとめるように)要請されている皇位の安定的継承、そして女性宮家の創設ということについて、党内で今、議論をしているさなかにあるということで、結論は今、出しておりません。

【時事通信】
 2021年3月に策定した基本政策があると思うが、それをベースに議論を進めていくということになるか。

【代表】
 とにかく今は党内で議論をしているという状況です。

【時事通信】
 最後に、議論の進め方、スピード感についてのお考えはいかがか。

【代表】
 当然、与党の中でも議論されていることですし、各党が考え方を示す時期というのは出てきますから、そういった時期に合わせて我々も議論をまとめていきたいと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について

【朝日新聞】
 最初のほうの質問で、政権交代について一日でも早く実現したいとおっしゃった。先般、法政大学での講演で、次の次の総選挙を念頭に5年後という数字を挙げられていたわけだが、受け取る側としては、これはすぐに実現したいのか、あるいは5年後なのか、行ったり来たりという印象も少し受けてしまうが、改めてこの本心を伺いたい。

【代表】
 もう普段から来られている記者さんには記者会見で説明しているので、2度目になるかもしれませんが、全然行ったり来たりはしていないですね。というのは、政権交代を一日も早く目指すというのは当たり前のこと過ぎて、それは何も変わっていないことですよね。
 法政大学で質問を受けたときというのは、立憲民主党の代表である僕だけが参加をしているところですから、立憲民主党が単独過半数で政権を取るというのを現状から考えたらどこが予想されますかと、それは何年かかるというふうに考えますかというニュアンスの質問でしたので、今、我々が候補者擁立しているのは160名台ですから、「次、政権交代します」と宣言だけしても、それは学生からの質問に答えられることにはならないので、精神論とか理想論ではなく、今の現状からいけば、まず、党として言っている150、これを確保する。そして、おそらく、その次には参議院選挙が来る。そして、またその次に衆議院選挙が来る。そのときには、我々が、150議席を達成した立憲民主党が更に候補者を増やして、そして、(その)次の総選挙で立憲民主党として単独過半数の候補者を擁立できる状況になるということが今は想定されるよねと。そんな返答をしたというのがあのときのやり取りであって、目指さないという発言はしていないわけです。これがおさらいです。
 なので、改めてですが、立憲民主党としては一日も早い政権交代を目指しているし、特に、これまで言ってきた中でも、我々が次回の総選挙で150議席、大幅な議席増ですから、150議席に到達したら、そのときには自公政権の過半数は割られているかもしれませんね、他の野党も議席が伸びれば。そういう意味では、次の総選挙でも十分政権交代は、現状の立憲民主党の候補者擁立の数でもあり得る話ではある。けれども、やはりそれは一日も早く我々として進めていきたいと言っていることなので、今の岸田政権の低支持率、支持率の下落ということを考えれば、より加速させなければいけない。そう思っているので、それはやはり一日も早く目指す立場とすれば、今は150と200という目標が候補者擁立数と議席獲得数でありますが、まずそこに到達するだけの候補者を擁立しなければいけないし、200を擁立したからそれでいいなんていう話では絶対ないですよね。もし200を擁立したら擁立したで、ここで打ち止めなんていう話には絶対ならないので、我々は一人でも多く候補者を擁立して、過半数の候補者擁立を目指して努力は続けていくと。そんなふうになります。

○旧統一教会財産保全法案について(2)

【毎日新聞】
 財産保全の件に関連して伺いたい。先ほど、今国会の成立のためには与党がテーブルに着くことが必要だとおっしゃった。与党をテーブルに着かせるためには野党が連携することが有効だと思うが、法案を提出している日本維新の会との連携の必要性を改めてどのようにお考えか教えていただきたい。

【代表】
 そこは特段難しい状況ではないと思いますよ。野党はみんな求めているし、たぶん、与党がテーブルをつくると言えば、野党は基本的にはそれはプラスの評価をするのではないですか。野党間で何かそのテーブルは要らないとかという話は、僕はないと認識していますけれども。

【毎日新聞】
 日本維新の会に立憲民主党から積極的に働きかけていくお考えはあるか。

【代表】
 働きかけるのは自民党に対してなので、別に各野党が働きかけをしてもしなくても、そんなにテーブルに乗る乗らないで各野党の判断が分かれているのですか。

【毎日新聞】
 野党で先に協議をするということはお考えにならないか。

【代表】
 与党と協議をしないと意味がないです。

○「労働組合」「両院総会」等について

【フリーランス】
 立憲民主党は普段から、地方とかでも、労組への加入を促進するような活動というのはしていらっしゃるか。

【代表】
 いや、基本的には直接そういう運動というのはしていないです。個別に、皆さん組合に入ったらいろいろと助けてもらえますよという呼びかけはあるかもしれませんが、加入用紙があったりするかというと、たぶんそういうのはないのではないかと思います。

【フリーランス】
 加入用紙という意味ではなく、賃金を上げるためにはやはり労働組合の力が必要だというお話を村田議員が街頭でされたというふうに記事には書かれていたが、私も地元のほうで派遣社員も組合は入れるんだよと声をかけていただいたことがある。そういった非正規の方々に何かしら方法があるというようなお勧めというのを、労組の支持母体を持つ政党としてはしていらっしゃるのかと思い伺った。

【代表】
 先ほど言ったように、そういうのは党から号令をかけてやっているわけではないのですが、一般論としてというか、いろいろなところの演説の場所で言ってはいると思います。

【フリーランス】
 今回の立憲の議員の質疑でも、国政の予算のほうでもかなり無駄のある支出が目立っている。長く官製ワーキングプアが解決できないのは、やはり立憲民主党から与党への外圧が足りないのではないかと思うが、これは法案を出してそれ切りになっているということではなく、どのように頑張っていらっしゃるのかというか、どの部分が足りないと思うのかとか、その辺を。なぜ実現しないのか、コメントをお願いしたい。

【代表】
 議席が足りないからです。与党に提案したり対案を出しても、その法案が成立しないからですよね。そして、我々が与党であれば実現できることも、我々は与党ではないので現在の時点では実現できない。それが正直なところです。
 では、要請をしていないかというと、いろいろなところで要請はしています。

【フリーランス】
 普段から立憲の影響で与党が政策を変えていくということはあると思うので、もっともっと、急務だと思うので、国民は外圧として立憲の活動を期待していると思う。
 最後に、この間、私も消費税の質問をしているかと思うが、驚くことに時事通信の世論調査で消費税減税に賛成が57.7%、立憲支持層で71%と出ている。先日の代議士会で福田議員が挙手され、両院議員総会を開いてこのことについて話し合いたいというふうに発言されたそうだが、こちらは実際開かれるのか。

【代表】
 いや、現時点で予定はないです。政策というのは、そもそも政調の各部門で議論されるということであるし、それは自由に当然議論ができるというのも先ほど申し上げましたので、一つ一つの政策を両院議員総会で議論していたら、それこそ毎週毎週というか毎日両院総会を開かなければいけなくなってしまいますから、あくまでやはり政策は、基本はそれぞれの政策部門会議なりで議論してもらうということになります。

【フリーランス】
 そうすると、両院議員総会は基本的にそういった話合いをするところではないということか。

【代表】
 そうですね。場としてはそうですね。