泉健太代表は12月8日、国会内で会見を開き(1)自民党派閥裏金問題(2)市民連合からの要望――等について発言しました。

(1)泉代表は、衆院で行われている予算委員会で後藤祐一議員が松野官房長官の証人喚問を要求したについて、「当然のこと」と述べました。同委員会審議で、鈴木総務大臣が「キックバックを受けたことはない」と答弁したことをあげ、同じ質問に対して松野官房長官が「政府の立場、捜査中のためコメントを控える」と全く答えなかったことについて、「他の業務にも支障がでている。辞任を要求する」と述べました。

 派閥の裏金問題について、泉代表は、「単なるケアレスミスではなく、裏金システムが常態化していたのではないか」「裏金のシステムは民主主義の敵。公正公平な民主主義の敵」と指摘し、「悪徳議員は全員退場させなければならない。裏金システムの根絶を求めていく。国民からも求めてほしい」と訴えました。

(2)泉代表は昨日、市民連合から要望を受け取ったことに触れ、「政策を尊重して進めていきたい」と発言しました。


泉健太代表記者会見

2023年12月8日(金)11時10分~11時30分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtube.com/live/_BK7WwOdWcs


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○収入不記載問題 松野長官の裏金疑惑について

【代表】
 おはようございます。
 今まさに予算委員会が行われていまして、状況が緊迫していますので、その予算委員会を見ながら少し時間を、開会を遅らせました。
 我が党、枝野議員、西村智奈美議員、後藤祐一議員という形で質疑が進んでいますが、今ほど後藤祐一議員からは、松野官房長官の証人喚問、これを要求させてもらいました。当然のことですね。ちょうど今、私が最後出てくるときには、鈴木総務大臣について、安倍派の一議員としてキックバックを受けたことはありますかという問いに対して、大臣はありませんと明確に答えました。一方で、松野官房長官は、その同じ質問、政府の立場ではなく安倍派の一議員としてあなたはキックバックを受けたことがありますかという問いに対して、「繰り返しになりますが」ということで、「政府の立場としては」ということで、あるいは「今、捜査を受けていますので」ということで、全く答えていない。こういう、答弁もできない、そして、他の業務にも相当支障が出ている、こういう官房長官はもう任にあたわずと思っておりますので、辞任を要求し、そして、この官房長官の証人喚問を求めているという状況であります。
 改めて、よく、この派閥の裏金問題で、ルールを見直すべきではないかなどという話はありますが、現在まだその状況ではないと思います。なぜか。ルールが何であったって、そもそも根本的に違反をしているわけですから、そもそも根本的に裏金にしていくということであれば、これはどんなルールをつくったって、裏金にし続けるその体質がある限りは、あらゆるルールが無視される可能性があるわけですよね。
 ですから、この裏金の今の実態、状況、キックバックの状況というもの。これは枝野議員が冒頭に質問しましたが、いわゆるキックバックといっても、それがきちんと収支報告書に記載される(必要がある)。そして、我々も、自民党の中でも、あるいは他の政党も含めて、例えば100万円のうちにたまたま1枚記載漏れがあったとか、そういうケアレスミスみたいなものと、何年も多額のものを繰り返していたということとは、当然誰が見たって明確に違いがあるということはわかるわけですから。こういった(意図的な不記載が疑われる)ことについて、常態化していたということが徐々に判明しているわけですので、これを根絶させなければいけないと思っています。
 この際、この悪徳議員の根絶、退場させなければならないと思っております。そして、この裏金について、こういったものがある種、裏金システムということになっているのではないかと我々は考えていますので、この裏金システムを根絶させるということも大事。ですから、裏金システムの根絶と悪徳幹部の全員退場ということは明確に我々として求めていきたい。
 そして、それは国民の皆様にも求めていただきたいと思っています。今、報道機関でも、国民から情報を集めていますということで窓口をつくっておられる報道機関もあります。ぜひ各社もそういったことはしていただいて、この際、献金、パーティー券を購入した側ですとかの実態を調べるということについても、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 今、岸田総理の発言で気になるというか、おかしいなと、本当につくづくおかしいなと思うのは、これはきょうも出ていましたが、自らが派閥の会長を辞めると。この時期に何なんだという話ですよね。それをもって責任逃れをしようとしているのであれば、これはもう大間違い、不届きな行為であると思います。そして、辞めれば済むという問題では全くないということ。
 そして、もう一つは、一致結束してというのを繰り返し言っているのですね。何を恐れているのか。そして、何を一致結束してやろうとしているのか。隠蔽、ごまかしを一致結束してやろうとしているのか。それとも、事実の解明に一致結束取り組むのか。やたらとこの一致結束というのを強調しているわけで、非常におかしな発言だなと思います。
 改めてですが、こうした裏金のシステムというのは民主主義の敵です。明確に民主主義の敵です。公正公平な政治の敵です。こういったことをぜひ踏まえて、我々も重大な思いを持ってこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。

○「市民連合」から政策要望書を受領

【代表】
 そして、きのう「市民連合」と、立憲民主党も参加をさせてもらいまして、「市民連合」からの要望を受け取るという会合が持たれました。それはもう既に幹事長が会見をしておりますので、もし何かまたご質問があればと思っております。私たちとしては、この政策を尊重してまた進めてまいりたいと思っています。


■質疑

○収入不記載問題 松野長官の裏金疑惑について(1)

【NHK】
 松野官房長官について、5年間で1000万円を超えるキックバックを受けて収支報告書に記載していない疑いがあることがわかっている。この事実そのものへの受け止めをお願いしたい。

【代表】
 疑いがあるとわかっていますということは、我々も疑いという状況であるということは認識しなければいけないと思います。
 だからこそ、官房長官が真実を語れということですよ。あなたがやってきたことでしょうと。それが、「捜査中だから」「派閥の云々だから」ではなく、政治家として、よく岸田総理は自ら疑念を払拭すべきだということを言うわけですから、大きな疑念が官房長官には今かかっている状況です。
 それは、これまでも言ってきましたが、自身で記者会見を開いてでも、事実ではないならば事実ではないと明確に言うべきですよね。しかも、それは今の国会答弁でも、他の大臣で事実ではないとおっしゃっている方は何人もいるわけですから、官房長官の答弁ラインは既に崩れていると思っています。

【NHK】
 先ほど辞任すべきだという代表の発言もあったが、先ほど後藤議員も質問され、それに対して松野官房長官は、引き続き職務を果たしていきたいとして辞任を否定した。こうした姿勢についてはいかがか。

【代表】
 であれば答えてくださいよという話だし、罪の意識がないのか、それとも、もう罪から逃げ切れると思っているのか。本当、一般常識では考えられないですね、開き直り、頬かむりというのは。

【NHK】
 改めて、やはり辞任すべきだと。

【代表】
 はい、そうです。辞任を要求します。

【NHK】
 冒頭で、悪徳幹部の全員退場を明確に求めたいということだが、これは議員辞職とかなのか、役職とかなのか。どのようにして求めていくか。

【代表】
 現に薗浦健太郎議員は(虚偽記載で)議員の職を失ったわけですから、今後、事実が解明して、同じような状況であれば、やはりそれは辞任をしてもらう、辞職ということも当然だと思います。
 この際、本当に思うのですが、別にどの政党にどんなダメージとかではなく、それは違法なことをした者を放置できますかという話ですよ。

【NHK】
 最後に。岸田総理大臣の任命責任というところで、松野官房長官はこうした大変な疑惑が持たれているが、岸田総理はどのように対応すべきだと思うか。

【代表】
 もう総理の任命責任は当たり前で、もはや内閣が正当性を持たない、そういう状況です。

【時事通信】
 冒頭も代表は厳しい言葉を岸田政権に向けておっしゃったわけだが、これを受けて今国会で改めて内閣不信任案の提出とか、あるいは会期延長を求める、もしくは閉会中審査を開いて追及を深めるなど、そのようなお考えはあるか。

【代表】
 これは今、我々で考えて、さまざま今後決断していくことです。

○旧統一教会系団体トップと首相の面会について

【共同通信】
 首相と旧統一教会関係者との面会があったかどうかという問題について、先ほどの予算委員会でも首相は、旧統一教会関係者が同席していたかどうかわからないというような答弁を繰り返していた。事実関係、旧統一教会との関係があれば自ら明らかにしていくべきだということをおっしゃっていた首相だが、自らこういうふうに、わからないという答弁を繰り返しているが、その点について受け止めをお願いしたい。

【代表】
 あの政権の権力の中枢である自民党本部で、政調会長が、誰とでも会えるわけではないその政調会長が、どんな人かもわからない人と本当に会えるのかということであって、総理のごまかし、しらの切り通しというのが、もう国民には通用していないということは明白です。
 総理も、何をそのようにごまかさねばならないのか。ごまかせばごまかすほど、もう総理自身の信頼が地に落ちていく。それを国民は見抜いていると思います。

○ライドシェアめぐる議論について

【フリーランス】
 維新共同代表の吉村知事は、万博を契機にライドシェア導入を河野大臣なりに要請している。1年間限定だが、ライドシェア解禁の法律もなしで、国交省の権限内で導入しようと検討しているが、これに対してどうお考えか。

【代表】
 これですね、国会質問の中でも明確に、万博においてそういった規制緩和は国土交通省は考えていないということは、我が党の辻元議員の国会質疑の中で明確に答弁されています。ですから、我々はそれが守られるものだと考えています。
 これはなぜなのかというと、新しいものというのは常に世の中の関心を引くもので、魅力的に見えるものはあるかもしれない。しかし、一方で、世界で導入した中でいうと、性犯罪がもう何千件にもわたっているという問題も明らかになって、各国では既に撤退というか、規制がむしろかかってきている国もたくさんあります。そういったこともきちんと踏まえて、落ち着いた議論をしなければいけない。
 きょうちょうど報道で一部されていたのは、自家用車による運行であったとしても、自家用車を利用する形であったとしても、タクシー会社をしっかり通じて利用がされるということで車両の安全性ですとか運転手の安全性というものを担保していく、例えばそういうことを今考えているというような報道もありました。
 いずれにせよ、いわゆる全く何もルールや規制がないような、そういったライドシェアというのはあり得ないと考えています。

【フリーランス】
 関連して。小泉進次郎氏と吉村知事が会い、万博に空飛ぶ車があるのにライドシェアがないのはおかしいとおっしゃっているが、まさに泉代表がおっしゃったように、むしろ世界のOECDではライドシェアを認めている国は少数派だ。にもかかわらずライドシェア当たり前みたいな発言を吉村知事がしていることについて、どうお考えか。

【代表】
 吉村知事は、空飛ぶ車も(万博会場の)そこら中ばんばん飛んでいるという、これもほぼうそに近い状況ですから、あまり言うことはもう信用しなくてよいのではないかと思います。

○「市民連合」からの政策要望について

【フリーランス】
 最後に、先ほど出た「市民連合」との事実上の政策合意についてだが、産経新聞の記事だと、対国民で溝が拡大必至という見出しの記事があるが、むしろ国民民主党の溝は玉木代表が自民党にすり寄っているのが原因であって、別にこの「市民連合」の政策、事実上の政策合意で状況が変わるとは思えないが、むしろトリガー条項が実現されないということで玉木代表が辞めたほうが野党連携にはプラスになるような気がするが、泉代表のご見解をお願いしたい。国民民主党の溝について。

【代表】
 これは、立憲民主党が「市民連合」から要望を受けて、それを受け取らせていただいたということが立憲民主党側からした今回の事実ですので、それ以上私たちとして、さまざまな方がさまざまな主観で受け止めというのはあるとは思いますが、立憲民主党としては行ったことは「市民連合」から要望書を受け取らせていただいたと。
 そして、その中の政策についても、「市民連合」の政策、中身を一つ一つぜひご覧いただければと、私たちからすればそう思います。

○旧文通費改革について

【読売新聞】
 ちょっと話題が変わり、旧文通費の関係で質問したい。先日、維新の遠藤さんが、今国会での議論の進展を求めるということで、議運で発言をされたということだ。国民民主党も同調するような考えを示しているが、立憲民主党としては、今、冒頭代表から発言があったように政治と金の問題が注目される中で、この旧文通費の問題というのはどのように対応していくようなお考えか。

【代表】
 ちょっと私もそこまで、その議運の中の一言一句までは確認していませんが、基本的に文通費については既に我々も改革の方向性を出して、共にやってきていますので、その路線は何も変わっていません。

【読売新聞】
 例えば、未使用分を国庫返納するであったり、使途公開をより進めるというところについては、同意できる部分と。

【代表】
 いや、同意も何も、我が党でつくったものがありますので、それをご覧いただければ我が党の考え方というのはわかると思います。

○収入不記載問題 松野長官の裏金疑惑について(2)

【読売新聞】
 先ほど質問のあった内閣不信任案の関係だが、先日ラジオに出演された際に、仮に解散となってしまった場合にうやむやになってしまうのではないかという、慎重とも取れるようなご発言があったが、改めて内閣不信任案についてもう一度お考えをお聞きしたい。

【代表】
 とにかく私たちはさまざまなことを総合して最終的に判断していく。これに尽きます。

【読売新聞】
 現時点では、出す出さないも含めて、ご判断は。

【代表】
 常に、そうですね。

○党主催の政治資金パーティーについて

【朝日新聞】
 ちょっと話題が変わり、来年5月にパーティーを党として予定していると思うが、まず、その位置づけ。これまで立憲民主党はやってこなかったと思うが。

【代表】
 今、それは決まっているわけではないです。やらない可能性もあると思います。

【朝日新聞】
 もしちょっと事実と異なっていたら申し訳ないが、その方針を、2月の党大会、あるいは10月の常任幹事会で決めたという、そういうふうに聞いてはいるが、それは事実と異なるということでよろしいか。

【代表】
 まだ最終的に決定をしたという状況ではないです。

【朝日新聞】
 改めて、この資金パーティーをめぐって、自民党のほうでいろいろこういう状況になっているわけだが、そのやるやらないを検討するに当たって今どのような影響があるのかお聞きしたい。

【代表】
 さまざまなことは考えなければいけないなと思います。

※終了後、泉代表は改めて記者団に「大規模なパーティーについて、国民から疑念も寄せられている中でもあり、(本年2月党大会にて実施を決定した)党の開催のパーティーについて見直しをして、開催の取りやめも検討している。」旨発言した。