党令和6年能登半島地震対策本部と会派内閣部門会議(災害対策)は国会内で1月15日、合同会議を開催し、オンラインで参加した(1)石川県連代表の近藤和也衆院議員より被災現場の報告、(2)災害法制に詳しく「一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会」共同代表の津久井進弁護士より「令和6年能登半島地震に関する緊急提言」――などについてヒアリングを行いました。司会は党災害・緊急事態局長の森山浩行衆院議員がつとめました。
冒頭のあいさつで党対策本部本部長の泉健太代表は、能登半島地震について「報道では決して寒さや匂いや過酷な環境というのは全部伝わってきているわけではない」と指摘。「一刻も早く、避難されている方々の環境改善、生業や生活、街の再建、その制度的な支援」について「強力にバックアップしてまいりたい」と強調しました。その上で、「気を引き締めて、災害に遭われた方々を救うために全力を尽くしてまいりましょう」と呼びかけました。
長野県の社会福祉協議会・支援チームと被災地を視察した内閣部門長の杉尾秀哉ネクスト内閣府担当大臣は、今般の能登半島地震はこの間の災害と比べ、「地理的な条件が全く違います」と指摘。また、避難所においては「高齢者向け、障がい者向けなどニーズが細かくある」として、被災地で活動する近藤衆院議員と連携し「最大限バックアップしていきたい」と強調しました。
■近藤和也衆院議員より被災現場の報告
被災地からオンラインで参加した近藤議員は、「被災地の方の気持ちを考え、力を合わせている」ことを示すため政府や県の対応への批判を抑えていると前置きした上で、現時点における要望として、(1)仮設住宅の着工スピードの加速、(2)空き家の活用による仮設住宅の建設、(3)「一部損壊」の住宅への支援、(4)公営住宅の上部の階に住む高齢者への支援、(5)「2次避難」に向けた被災者の不安の解消、(6)被災者生活再建支援金の増額と要件の緩和――などを報告しました。
また、能登半島以外のかほく市や内灘町などにおける液状化現象についても支援策が必要だと強調しました。
■津久井進弁護士より「緊急提言」
発災当初から「緊急提言」を行っている津久井弁護士は、当面は「広域避難の実行」が課題になると指摘。被災者の「心理的障がいを除去し、いかに安心してもらえるか」が重要だとして、そのためには自治体の枠を超えた国や県による「協力のオペレーションが必要だ」と述べました。さらに、現物給付にこだわるのではなく、金銭を給付することによって救助を進めることも必要だと指摘しました。
その上で、「被災者を誰一人取り残さない」ためには、(1)地元の行政など「支援する側の疲弊」を取り除くこと、(2)自治体と自治体によるカウンターパート方式の支援だけでなく官民連携による対口支援(たいこうしえん)の活性化、(3)今後の被災者の不安を解消するため被災者の生活再建、被災地の復興・再生に向けた明瞭な見通し(ロードマップ)の提示、(3)罹災証明の有無に左右されない被災者への支援、(4)被災者一人ひとりの状況やニーズを把握し、必要な支援をもれなく提供し、寄り添って支援していく災害ケースマネジメントの実施――などが必要だと提案しました。