泉健太代表は2月4日、都内で開催された2024年度定期大会後に、同会場で記者会見を行いました。

 記者団から党大会の受け止めを問われた泉代表は、「われわれの政権交代への機運を高め、党内の結束を固める機会になった」と応じました。その上で、「自民党を上回る第1党になることは国民の皆さまの期待に応えること」だと強調しました。

 泉代表が提唱する「ミッション型内閣」について、他の野党から「特定のテーマでは長続きしないでのはないかといった慎重な意見も聞かれる」と記者団から問われた泉代表は、「何十もの政策を掲げても実行しない自民党」ではなく、「やるべき政策をやるという政権」のことだと応じました。また、「ミッション型内閣」で実現していく政策は、自民党にはできない「大玉の政策」だと強調。他の野党からさまざまな反応が出てくること自体が「前進だ」との見解を示し、政党が違う以上、歴史も踏まえれば綱領や基本政策が一致している必要はないとの認識を示しました。

 また、立憲民主党が自民党に代わる「受け皿」になっていないのではないかと問われた泉代表は、「その受け皿を大きくし、自民党には投票したくないという人たちの期待に応える」として、「空白区をなくすため候補者を増やしていきたい」と熱い決意を語りました。

 さらに、党大会で来賓としてあいさつした本間正人京都芸術大学前副学長が泉代表について、クリーンな政治を実現し、持続可能な社会をつくるためには「味わいが薄くても飽きのこない塩むすび」のようなリーダーが必要だと評したことへの受け止めを問われた泉代表は、「天下一品の塩むすびを作ります」と力強く応じました。


泉健太代表記者会見

2024年2月4日(日)15時37分~16時18分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/oTtumw0Y6lw


■質疑


■質疑

○2024年度定期大会を終えて

【NHK】
 まず、きょうの党大会でもあった「ミッション型内閣」について伺いたい。これまでも国会等で提唱されてきたが、ほかの野党からは特定のテーマでは長続きしないのではないかといった慎重な意見も聞かれる。野党第1党として、どういったテーマで、今後どのような働きかけをしていくか、改めてお聞きしたい。

【代表】
 「特定のテーマ」というのも「長続き」というのも、何を指しているのかがまだよくわからないので、きょうお話ししたように、「ミッション型内閣」といってもかなりの数の政策はつくれるのではないですかということと、では、一内閣で、10個、20個、政策を上げて本当にできるんですかという話もあるわけで、何十も政策を掲げて全然実行してこなかった自民党、またそういうものをまねするような政治になってもいけないし、明確に「やることをやります」「やるべきことをやります」という政権のほうが私は国民の信頼を得られると思います。
 これはもう一期だけでできるかなというくらいの、一つ一つ、大玉の政策ではないですか。そこはよく見てもらうと、むしろわかるのではないかなと思います。

【読売新聞】
 同じく「ミッション型内閣」について伺いたい。代表が「ミッション型内閣」を提唱されてから1カ月以上が経過した。日本維新の会や国民民主党からは否定的な声も聞かれるが、これまでの手応えをどのように感じておられるか教えていただきたいのと、維新や国民からは基本政策での一致が必要だという認識を示されているが、この点、代表はどのようにお考えか教えていただきたい。

【代表】
 いいですね、打てば響くということが始まってきているのではないかなという印象を受けています。こちらが言って、それに対する反応が出てくるというのは、一つの前進ですし、基本政策の一致といったら、政党の合流か何かをしたいという意味なのですかね。そういうことであれば、そういうふうにまた言っていただければいいかなと思いますが。
 政権を担うときに、政策の一致は必要だと思いますが、綱領や基本政策をなぜ一致させなければいけないのか。そういうことが、例えば他の政党の何か政権をつくる上での必須条件なのかどうか。これはぜひ歴史なども見ながら、いろいろなケースを考えていただくといいのではないかと思います。

【日本テレビ】
 本日の党大会を終えての所感であったり受け止めがあれば伺いたい。特に、本間正人先生からすごくユニークなエールもあったと思うが、本間正人先生のエールを受けて代表自身が思うことがあれば教えていただきたい。

【代表】
 党大会は非常に盛り上がって、短時間ではありましたが、次の総選挙に向けた我々の政権交代の機運、これを高める機会になったと考えています。また、党内の結束、これも固まったのではないかと思います。
 その意味で、ぜひ、まさにここから、党大会から政権交代に向けて我々取り組んでいくわけですが、私も最後お話ししたように、自分自身がもちろんリーダーであり党を引っ張っていく立場でありますが、私一人の力では政権交代を果たすことはできない。まさに皆さん一人ひとりに力を発揮していただきたいというふうに私も申し上げましたし、いい形容をしてくださったなというか、私もよくおにぎりは作りますが、「塩むすび」という表現があって、それはある意味、自分としてもそういう役割であってよいのかなというふうにも思いました。

【共同通信】
 次の衆院選で自民党を超える第1党を目指すと宣言された。これまでは自民党を過半数に追い込むということを述べられてきたかと思うが、表現を強めた形かと思う。どのような思いを込められたのか。あるいは、その経緯を教えていただきたい。

【代表】
 私はあまり、自民党を過半数割れに追い込むという発言は、むしろしてこなかったと思います。今までは150(議席)ということだし、我々として200の総支部長、候補者をそろえるということを言ってきたので、そこから今回の、自民党を上回る第1党という表現に私自身はしていったということですね。
 これはやはり国民の皆様の期待の表れそのものであります。なので、私たちとして、もちろん立憲民主党の目標というのは、まず、大きな橋頭堡たる150議席を達成しようではないかということで、これまでも党内を鼓舞してきましたが、それ以上の期待や責任が、今、我々の肩にかかってきているのではないかと。そんな思いから、候補者を増やし、また、自民党を上回る議席を獲得したいというところに至ったということです。

【朝日新聞】
 党大会の中で代表は、いつ解散・総選挙があってもいいように態勢を整えていくという趣旨のご発言をされていた。今、仮に解散・総選挙があった場合に、この自民党の政治と金の問題がある中で、立憲が国民の受け皿になり得ると考えるか。

【代表】
 当然です。なります。

【朝日新聞】
 そのために、今、より必要なことは具体的に何か、教えていただきたい。

【代表】
 現時点、もう既に受け皿になっていますから、まさにその受け皿を大きくしていくということですね。
 そのためには、全国各地、まだ「自民党は嫌だけれども投票する立憲民主党の候補者がいない」というのでは、これは期待に応えられませんから、やはり立憲民主党の候補者を空白区に一人でも多く増やしていく。これですね。

【時事通信】
 次期衆院選での目標、やはり150議席を獲得したいということだが、150に届かなかったら代表を辞するという思い、これは今も変わりがないのか。

【代表】
 はい。

【時事通信】
 その思いをもう一度聞かせていただきたい。

【代表】
 変わりありません。

【時事通信】
 ことし9月で代表任期を迎えるわけだが、再選への意欲というか、立候補する意向があるかないか、お考えを教えていただきたい。

【代表】
 やはり、この党代表に就任して以来、次の総選挙を勝利するということのみでやってきていますので、それは今も変わっていないです。ですから、次の党代表選挙というのは、今、私の中の考えにはなくて、もうとにかく次の総選挙の勝利、そこに向かって頑張ります。

【フリーランス】
 「ミッション型内閣」について、これは政治改革救国内閣という呼び名もあるようだが、これは同じと考えていいのかということと、救国内閣と1文字違う救民内閣構想を泉房穂前(明石)市長が提唱されているが、以前、立民のヒアリングでラブコール、実質的な出馬要請もされたことから連携されているのではないかと思うが、連携するかどうかと、泉さんの救民内閣構想とほとんど同じなのかどうかについて伺いたい。

【代表】
 向こうがどう思うかというのも当然あるので。ただ、似ていることを言っているのではないかと、そのようには思っています。
 自民党の政治がよくない、よくない、駄目だ、駄目だと言って、しかし、それぞれの野党がばらばらにただ駄目だと言っていて果たして自民党を倒せるんですかと。結局、自民党の延命に手を貸しているのではないですかと。今後、10年後に政権を取りますということで、本当にそれは国民の期待に応えることになるのですかということを考えると、各党それぞれ理想はあるとは思うのですよ、それは立憲民主党だって単独過半数を目指したい。ほかの政党もそうかもしれない。だけれども、そればっかり言って、全く何の政策の協議もせず、ただ自分たちの言いたいことだけを言って自民党政権を延命させるということでは、それは国民の期待に応えることにはならないと思っています。
 やはり、この自民党政権を、今まさにこの裏金政治を一掃する救国・救民内閣をつくるために各政党が何をなすべきかということに真剣に向き合わないと、むしろ国民から失望を受けてしまうのではないかと思いますので、我々立憲民主党もやはりその覚悟・決意というものを高めていきたいし、それをきょうまさに述べましたし、他の政党にもそういう、どうしたら次の総選挙で自民党を政権から外すことができるのかということで、それぞれできることを考えていただくと。その行き着く先というのが、救国内閣、救民内閣、政治改革内閣になるのではないかと思っています。

【フリーランス】
 ほとんど同じことを訴えている泉房穂さんと連携していくということでよろしいか。

【代表】
 「連携」というのがどういうものを指すかにもよりますが、同じことを訴えているというのは心強いし、そういう声が世の中で高まっていくのも心強いと思いますから、今、泉房穂さんは在野で頑張っておられる方ですが、我々も共感をするところは多々あります。

【北海道新聞】
 率直に考えて、泉代表は現在、政権交代の機運が高まっていると考えられているか。

【代表】
 政権交代の機運というのは、まず、政治家の側の機運と、また、国民の機運というのがあると思うのですね。私は、国民の皆様の望みが高まっていると思います。機運というのは、その後、実際に選挙をする者たちのまた機運というのもあるのでしょうが、やはり国民の皆様の政権交代への望みが今まさに高まってきていると。それはふつふつとで、もしかするとまだ地表には現れていないかもしれないけれども、確実に「今の自民党ではだめだ」という思いは私は高まっていると感じます。

【北海道新聞】
 もう一点、あわせて伺いたい。現在、立憲民主党の支持率も1桁台で低い水準が続いていると思うが、これを高めていくためにどういった取組が必要と考えているか教えていただきたい。

【代表】
 これはもう日々の立憲民主党の仲間たちの地道な活動もそうだし、そして、国会で、どうしてもイメージだけで捉えられてしまうところがありますが、立憲民主党が実は、「次の内閣」もつくり、次々と新しい政策を発表し、自由民主党ではなくても政権を担えるその政策の蓄積を持っているということをもっともっと国民の皆様に発信していくことで、ある意味、安心感を持っていただきたいなと思うのですね。
 外交・防衛なども、何か自民党しかできないと思われている国民もそれなりに多いのではないかなと思いますが、決してそんなことはないし、いや、むしろ立憲民主党のほうが落ち着いて安定的な外交・安全保障政策を展開できるし、むしろ世界の活力を日本の中に引き込むこともできるし、国民の生活を豊かにする中で更に日本の経済を自民党以上に活気を持たせることができる、そういう政党だと思っているので、こういうよさをいかに発信していくかというところが我が党の支持率拡大につながっていくのではないかと思っています。

【フリーランス】
 主に国民民主党との関係に関して伺いたい。まず、1年前の大会では幹事長から「働く人の政党は一つでいいのではないですか、皆さん」という発言があり、多少賛否両論があったようだ。今回、それから1年たって、国民民主党は別の動きがあって衆議院で僅か7議席の政党になってしまった。トリガー条項では自公国協議が動いているが、今回、裏金に関しては、連絡協議会ですか、共産党も含めた4党国対委員長ということで現在一致団結しているかと思う。その件と、それから、きょうの大会、村田享子参議院議員が議長団ということだった。民間の労働組合だけの支持を受けて参議院議員をやっている方は、こちらの党では現在村田議員だけだ。「ご安全に」という呼びかけもあったが、もちろん村田議員は女性キャラバンの副隊長のような、組合の枠を超えた活動もされている。今回の村田議員の「ご安全に」という呼びかけと、それから、国民民主党を現在応援している労働組合の人たちについて、どういった形で今後向き合っていかれるか。

【代表】
 まず、国民民主党は、その意味で、今はだいぶ立憲民主党と思いを一にする部分はさらに増えているのではないかなと思います。玉木代表も本当に決断を重ねて、トリガーで踏み込んだ対応をしたけれども、相手方の自民党が余りにやる気がない。はぐらかす。しかも、もう党の執行体制まで変わってしまうわけですから、話合いをしていた窓口の政調会長から何から替わってしまって、ほぼトリガーについても残念ながら何の前進も自民党側からはもたらされないという中で、徐々に怒りも高まってきていると思いますよ。よかれと思ってやったけれども、全く誠実さがないと。だからこそ、我々立憲民主党は、自民党にある種期待をしてもやはり無駄なんだということは、よりまた共有できるのではないかなと、そう考えています。
 その意味で、これから向こうと、自民党・公明党とやったってトリガーが実現できないのであれば、まさに「ミッション型内閣」でトリガーを掲げて、勝利をすれば必ずやるということのほうが早いのではないかということも含めて、我々としては言っていきたいし、おそらく、さすがに国民民主党を応援する多くの各労働組合も、これだけ努力をし、また、誠意を尽くし与党と向き合っても、与党というのはああいう対応をする政党なんだと、自民党はそういう政党なんだとなれば、「もういいんじゃないの」という声はあるのではないかと思います。与野党協議、いわゆる国民民主党と自公の協議というのは、「もういいんじゃないの。彼らに期待してもだめだよね」と、そういう声というのは強まってくるのではないかと思います。
 村田享子さん、本当に山田勝彦さんと一緒にすばらしい司会をしてくれましたが、実は、立憲民主党、民間産別は村田享子さんのところだけではありません。NTTさんもKDDIさんもソフトバンクさんもある情報労連、これも、よく彼らは「私たちは元々は電電公社だったけれども、今は民間ですよ」なんていう話をしますので、立憲民主党を応援する、立憲民主党に期待する労働組合というのは、公共、民間、双方の働く幅広い方々の声というのは届いています。
 やはり立憲民主党自身、私は、産業に厚い政党であるべきだ、経済の成長にも挑む政党であるべきだと。だから、きょう配布させていただいた「―経済政策― 人からはじまる経済再生」のパンフレットがありますが、私、ここに「日本を伸ばす!」という言葉もつけているわけですね。しっかりと、そういった基幹産業ですとか金属関係の産業も、むしろ世界からはカーボンニュートラルですとかさまざまな課題を突きつけられている中で、政府がそういった事業者を支援し、会社の脱炭素化を図っていく、そういうことには立憲民主党がむしろ先頭に立って取り組める分野だと思っていますので、ぜひ、これからも各産業分野の組合の皆さんともよく意見交換をして、今、国民民主党を応援されている組合の皆さんからも私たちはやはり真摯に話を聞いて、UAゼンセンのカスタマーハラスメント(対策)なんかもそうですし、ぜひ、より幅広くそういった働く方々の悩みや政策要望というのを我々も実現していきたいなと、このように考えています。

【ニッポン放送】
 今の関連にもなるかもしれないが、連合の芳野会長が先ほどご挨拶の中で、二大政党的体制を目指す、政権交代を成し遂げて国民の手にというような期待のコメントを寄せられた。これはもちろん選挙結果にもよるかと思うが、代表が掲げるビジョンとして、政権交代をするとしたら、やはり二大政党制のような形になるのか、各党との連携あるいは合流になっていくのか。その辺りの何か将来的なビジョンみたいなものがあったらお聞かせいただきたい。

【代表】
 これは、我々は立憲民主党であり、また、私も立憲民主党を預かる者として言えば、当然、我が党で単独過半数の議席を獲得して政権を担いたい。こういう理想を、また、長期的な目標というのは持っています。
 ただ、現時点でそれだけの候補者をそろえてはまだいない状況でもあって、そういう中でも政権交代の国民の願いというのは私は強く感じていますので、解散というのはすぐあるかもわからない、そういうときには今すぐにでも自民党に代わる政権の姿を示さなければいけないと思っていますので、それがきょうお話しした「ミッション型内閣」というふうに考えています。
 ですので、改めて繰り返して言えば、立憲民主党としてはやはり自分たちで単独政権を担えるようにしていきたいと思いますし、ただ、「ミッション型内閣」をつくって、そこで立派に政策を実現する、できるということを示すことができれば、「ああ、自民党よりもいいじゃないの」「自民党・公明党の政権よりもちゃんとやることをやるじゃないの」という機運がまた高まってくれば、そういった意味ではさまざまな収れんというのは今後あり得るのではないかと思います。

【フリーランス】
 「ミッション型内閣」ということで、大変ユニークな響きもあり、ゆるゆるとお誘いなさっているという様子がいいなと思うが、他党と仲よくしていかれる過程で、選挙区調整という問題。そのときに、泉代表というのはあまり、なるべくトップダウンはしないという方向性の方だと思うが、地元での他党同士の話合いを優先させていくという、そういうお考えなのか。

【代表】
 現時点でいうと、まだそんなに選挙区調整を各党が話し合うというところには行っていないのではないかというふうに実感をしています。というのは、これは選挙制度のこともあり、各政党、それは当然比例の票も高めていかなければいけない、そういう制度になっていますから、まず、今、各政党、野党の状況というのは、一人でも多く候補者を立てるという方針を持って各党が取り組んでいると思います。なので、現時点で各地のそんな選挙区調整ということで地方においても枠組みができているだとかというのは、あまり私も聞かない状況ですね。
 これが今後、私は繰り返し言いますが、自民党を権力から離さなければいけないわけです。彼らは権力と結びつくことによって、また企業から団体から法外な額の献金を集め、そして更に体制を強化させているという体質があるわけですから、彼らを権力から離すということそのものも私は社会的使命がある大きな取組だと思っていますので、そういう社会的使命を達成するためには各党協力しなければいかんよということをぜひ各政党が受け止めて、政策的な国会での連携を深め、そして、では、今後の政権どうするということについても真摯に話合いをし、そういう中で、これは前も言いましたが、別に立憲民主党の言うことを聞いてほしいとか立憲民主党に力を貸してほしいということを私は一言も言ったことがないのですね。各政党で話し合って、自民党に勝る、いい政権をつくろうではないかということを私は言っていますので、そういったことで各それぞれの政党に、政権を担うという、それは今までやったことないかもしれないけれども、政権を担うという決意、覚悟、また、政策。そういったものを持って、繰り返し自問自答もしていただきながら、また、我が党とも意見交換を深めていただきながら、この「ミッション型内閣」というものをより考えていただくというところからのスタートかなと思っています。

【フリーランス】
 もう一点お願いしたい。岡田幹事長は地方組織の強化というのを課題として述べられたが、泉代表ご自身はどのような部分を課題と感じていらっしゃるか。党内の。

【代表】
 そうですね、これは岡田代表にもよく言っていますし、私が全国を回ったときにも言っていますが、党の組織を強くするというときに、できる限り、若者、女性、あるいはNPO活動などをしている方や介護の現場で働いている方、当事者の方々に入っていただいて、議員だけで構成する党運営ではなく、幅広い市民が参加をする、そんな党運営にしてもらいたいというふうに言っています。
 私自身も、民主党が発足して間もない頃に、まだ大学生でしたが、当時の民主党の京都府連の常任幹事に、「なぜか」と当時は思いましたが、ならせてもらって、政治家の方々と話をすることによって、それはお互いにいい刺激の与え合いになったのではないかと思います。その意味で、今、政治をやっている方だけではない政治をつくっていくというのは立憲民主党の姿勢として持っておきたいなと思います。

【「FACTA」】
 議案を見せていただいたときはあんこが入っていないまんじゅうかと思ったが、きょうの本間先生のスピーチと山田さんの熱と力で大いに盛り上がったと。ある人の感想を聞いたら、かつて井手英策先生が出てきて大いに盛り上がった党大会があったが、そんな感じがしたと。別の人は、今回は前2回に比べたら120点と。そういう評価をする人もいるが、そこをどう受け止めているか。また、このビジョン(ビジョン22)自体は泉先生があれしてつくったもので、今回本間先生はこれをもう少し広めてほしいとおっしゃっていたが、井手さんを含めた、いろいろよろしい先生もおられると思うが、その辺を、この党大会を概してどうお考えになっているか伺いたい。

【代表】
 いろいろな苗を植えて、それがどこで実を結ぶかというのは、中には時間もかかるものもあるんだなというのは、この「ビジョン22」については私はそんな思いを持っていまして、これはかつて、まだ民主党のときなども、党の綱領をつくるというときがあって、つくるときは皆、一生懸命、あの文字を入れる、この語句を入れるべきだと、がーっと議論をやるのですが、つくった後にほとんど取り上げられなくなるというのがあったのです。そういうのというのは政党はやはり常に気をつけなければいけなくて、今の立憲民主党の綱領も基本政策も、そして「ビジョン22」も、ちゃんとあるわけなのです。ちゃんとあるのに、私たちが何を訴えているのかわからないということを、ときどき党内からも言ってくる人がいるわけですね。そういうところはやはり本当によく注意をして、自分たちの目の前、足元には、常に基盤となる考え方、政策ビジョンが示されているんだということを党内に改めて浸透するという意味では、きょうの本間先生のお話は非常にいい機会になったと思います。
 これからも、この「ビジョン22」は、新しく党員になっていただく方も含めて、本当に皆さんに浸透させていきたい。我々の社会像を、しかも立憲民主党のメンバーだけでつくったのではなく、民間の有識者、中には高校生も入って一緒になってつくり上げたものなので、まさにこれこそ立憲民主党であるというふうに、この立憲民主党の中の仲間たちにも思ってもらいたいなと、改めてきょうそういうことを感じた党大会でありました。

【「FACTA」】
 ちょっとしぼんだ風船に見えたところに、本間さんがまさに熱伝導というか、そういう感じがしたが、これはやはり本間さんに泉さんから今回お願いしたのか。

【代表】
 はい。

【「FACTA」】
 それは大当たりだったということですね。

【代表】
 ありがとうございます。

【「FACTA」】
 もう一つ伺いたいのは、やはり気になったのは岡田監督だ。これは本間さんが言っていたわけだが。岡田さんが言っていた、いわゆる比例ではなく小選挙区が、立憲が今57。それを、岡田さんの計算がどういう数字なのかは聞いただけではわからないが、124とおっしゃったから、67ひっくり返せば要するに政権交代できると。これは、先ほどの150議席という目標もあるが、より具体的でわかりやすい。67議席自体は、実は立憲だけでやらなくても小選挙区で引っくり返れば自民党をひっくり返せるということだと思うが、岡田さん、岡田監督の言った数字というのは、塩むすび代表としては、これは今後どういう形で党内でオーソライズしてその組立てをしていくお考えなのか。今までの150議席より、よりわかりやすい数字ではないかという面もちょっと私は思ったが、どれくらいすり合わせがあって、どういうメッセージなのか、代表の言葉で伺いたい。

【代表】
 大枠は元々ずっとすり合わせてきたものであるわけですが、きょうまさに大会が始まる前の会合で、岡田さん、隣に座ったのですが、いっぱい書き込んだメモの中で、その124という数字を見せてくれて、124なんだよというふうに言ってくれて、その話、理屈を聞いて、それはそうだよねという話で。
 例えば150とか候補者を200というのは、党全体の目標としてはいいのですが、一方では、それぞれの仲間たちが自ら事として、自分が事としてどれだけ「自分がどう勝てばいいのか」とか「自分が勝てばこう変わるのか」ということを感じることができるのだろうと思ったときに、岡田さんが言ったのは、「57小選挙区勝っているよね。あと67小選挙区、今まで負けていた人が小選挙区で勝てば、自民党よりも多く小選挙区議席を取り、その状態をつくれれば、それは自民党を上回る議席獲得を総体としてできるんだ」というふうに、明確に、おそらく小選挙区でまだ議席を取れていない総支部長も含めた仲間たちに、そこは直接のメッセージを突きつけたと。厳しい言い方をすれば、突きつけたということだと思います。
 だからこそ、先ほどここに来る前、今、支部長研修会をやっていますが、皆ある意味目の色を変えて、「自分がやらなければいけない」という思いを強くして臨むというふうになってきているのではないかなと、そんなふうには思いました。

【毎日新聞】
 次期衆院選で第1党を目指すということに関連して、これまで野党議席の最大化ということもおっしゃってきたかと思うが、その点との関連を教えていただきたい。両方を目指すということでよろしいか。

【代表】
 はい。まず、立憲民主党としては今お話しした自民党を上回る議席を獲得する。これは、その場合、現時点ではまだ単独過半数という数字には届いていない状況なので、やはり野党全体の議席を最大化するというのも我々としては考えていきたいです。
 ただ、これは各野党、立憲民主党ではない政党のことでもあるので、そこは我々としては各野党の皆様に立憲民主党としてのその考え方をお伝えして、また、それぞれ「ああ、立憲民主党、野党第1党がそのような考え方を持っているのか」というふうに各政党の中で分析というかさまざまな検討をしていただくことで、より次の総選挙に向けての与野党対決という枠組みや機運を高めることができるのではないかと、このように考えています。

【毎日新聞】
 「ミッション型内閣」にも関連するが、候補者の調整など、今後選挙での協力を得ていくに当たって、その第1党を目指すということは支障を来す懸念は特にはないか。

【代表】
 それはどの政党も自分たちの政党の議席を増やしたいというのは当たり前のことなので、あまり支障はないと思います。

【フリーランス】
 自民党に対しての不満というのは、この度の裏金問題でもかなり出てきているが、一方で、地方選でそれがあまり結果に結びついていないところがある。東京ではいろいろな評価があるが、例えば八王子などは自民党の推薦候補が勝っている。きょうの京都市長選、結果はまだわからないが、投票率がかなり低い、前よりも数字が悪い。例えば自民党に対する不満があるのだったらもう少し有権者が投票所に足を運ぶと思うが、やはり争点がいまいちわからないというか、特に野党第1党たる立憲民主党の立ち位置がやはりわからないというような状況になっている。4月の補選で勝負をかけることはいいことだとは思うが、それでいきなりばーんと弾けるような勢いが御党にあるとはちょっと思えないわけで、この地方選挙に対してどういうふうに受け止めていらっしゃるか。もちろん地方においてはいろいろな事情があるので、与党に乗っかるということはあるが、有権者にとっては、その党の事情と、有権者側の受け止め、それから地方の政治と国の政治というのは必ずしも分離して考えるような有権者はそんなにいないと思うが、この有権者に対してより国政でアピールするために地方の選挙というのをどういうふうに考えていらっしゃるか。

【代表】
 ありがとうございます。
 地方の選挙がよく国政と結びつくかどうかというのは、まさに国政が大きく盛り上がったり争点が明確化してきたときに、むしろ、そのときにある地方選挙が結びつけられるという傾向があるのではないかと思います。いつもいつも結びついているわけでもなく、また、基本的に各政党というのはそれぞれの判断で地方選挙の応援する候補者を決めているのであって、他の政党が推薦をしたからとかしないからとか、そういうことで判断をしているわけではないわけですよね。ですから、どこに乗っかるという考え方は、例えば立憲民主党でいえばそういう考え方は持っていないわけです。立憲民主党として誰を推薦するかということに、明確にそこに限られるということです。
 一方でというか、こういう状況になれば当然地方選挙が与える影響というものもあるので、我々もそこは十分気をつけておかなければいけないところであります。その意味では、立憲民主党も、できる限り地方議員を増やしていくということ。そして、地方選挙で、これも先ほどの国政で単独過半数と一緒ですが、単独で戦える環境というのをもしつくれるのであれば、それはそこまでやはり考えていきたいと、このようには思っていますが、今はなかなかそれは簡単な話ではない。立憲民主党として、各地方において自分たちの政策を実現するために最もよい選択肢を取ろうではないかということで、各地ではそれぞれ独自の判断をしている。これはもう各地の政治事情によってもさまざま変わるので、一つのスタイル、一つのスタンスで全て全国一律で対応しているわけではないということになります。

【文化放送】
 政権交代を目指して、まさに立憲民主党の代表としてリーダーシップとか存在感をもっともっと発揮していかなければいけないのかなと思うが、前回の党大会のときでも同じような質問も出ていたかと思うが、泉代表の存在感というのがもう少し高まるというか、国民へのアピールをもう少し強くなったほうがいいのではないかというような声もあるのは事実だ。きょうも、自身で塩おにぎり、塩むすびでいいのかどうかというところが、ちょっと私は疑問に感じた。もし塩おにぎりではなく中に具を入れるとしたら、どんな具を入れて、どんな代表になっていきたいのか。そういったことを教えていただきたい。

【代表】
 要りません。私は私、塩むすびは塩むすびです。このまま行きます。一品の、天下一品の塩むすびをつくりたいと思います。

【「FACTA」】
 5月のときは150というのはよくわかったが、今の状況から見たら、とにかく自民党がひどいので自民党にお灸を据えたいと。やはりその究極には与党を過半数割れにすればいいわけで、別に次の政権がどこになっているかというよりも、国民の気持ちというのは、やはり今の自民党にとにかくお灸を据えたいというのが基本だと思う。すると、先ほどあまり自分は言ってこなかったというが、今の野党が取るべき姿勢というのは、やはり与党にお灸を据えるというか、過半数割れに持っていく、力を合わせるということなのではないかと思うが、そこをどうお考えになっているのか。野党の第一目標は、与党を過半数割れに持っていくというのが一番国民にすなおな、政権交代よりも、そういうふうに思うが、そこはどうお考えになっているのか。あまりそういうふうに、なぜ今までおっしゃらなかったのかを含めて、お考えを伺いたい。

【代表】
 今は、まさにおっしゃるように、自民党の政治がけしからん、だから自民党をとにかく政権から外す、与党過半数割れに持っていくという機運が高まっているという状況だと思います。ただ、やはり自分たちが何を目指すかというところが普段は立憲民主党として必要なので、単に与党を過半数割れにしますということを、この例えば裏金問題の前からひたすら言っているということでは、自分たちの主体性を語ったことにはやはりならないですね。それはやはり立憲民主党として今回自民党を上回る第1党を目指すという姿をきちんと明らかにしなければいけないし、立憲民主党として、自民党を政権から降ろすとともに、加えて「ミッション型内閣」をつくるということをやはり責任を持って世の中に示さなければいけないと思っています。
 自民党にお灸を据えたいという気持ちの方々がおられますし、それはそれで間違いではないけれども、お灸が据わったくらいでそのまま政権に居座っていたのでは、また、我々がそれを認めていたのではいけないと思いますから、お灸を据えつつ、そもそも一度政権からやはり降りていただこうと。我々が政権を担いますというのを私はセットでやはりこれからも訴えていきたいですね。

(以上)