泉健太代表は4月19日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)子ども・子育て支援金、(2)食料・農業・農村基本法改正、(3)政治改革、(4)衆院補欠選挙――等について発言しました。

(1)子ども・子育て支援金
 泉代表は、「新たな負担を生じさせる支援金について、国民の皆さまから疑問、反発の声があがっている。集めたお金で岸田総理が展開しようとしている少子化対策についても極めて不十分であるとの声があがっている」と問題視しました。政府が国民の皆さんに求めようとしている1兆円の負担金についても国民の皆さんに求める必要はないとの認識に立ち、立憲民主党は政府案への修正案を提出しているとして「日銀が保有している上場投資信託(ETF)の分配金1兆円超を子育て支援に充てることで、国民に新たな負担を生じさせる必要はない」と主張し、国民に訴える姿勢を示しました。

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(2)食料・農業・農村基本法改正
 日本の農業がさまざまな困難に直面する中で、「地域の農業者を守るという政策を展開してきたのが立憲民主党だ」として、これまでの取り組みを強調しました。食料・農業・農村基本法改正は党派を超えて国にとって最適な基本法をつくるべきとして政府側に働きかけてきたと経緯を説明しました。
 立憲民主党が求めた修正については「ほぼゼロ回答だった」として、「食料安全保障という定義を修正するべきだ」と指摘したが、政府の修正は食料の安全性、十分な食料の安定供給の確保、自然環境の保全等の項目等が明記されていないと指摘しました。
 そのうえで、多様な農業者を重視すべき観点や、農業所得の確保による農業経営の安定化が図られるべきだといった観点の明記が盛り込まれなかったことや、政府の取り組み状況の国会への報告やフードバンクへの支援、フェアトレードの確保、アニマルウェルフェア、地方公共団体が種子を確保する体制の整備を国が行うこと等の項目も盛り込まれていない現状にも言及し、「わが党の有益な案をのまなかったのは農業者に対する背信行為だと言わざるを得ない」と強く非難しました。

(3)政治改革
 泉代表は、現行法ではカバーができていない「オンラインパーティーを含む政治資金パーティー禁止について立法を進めたい」と述べました。さらに、「維新、国民民主と共同で、文通費の透明性の確保について既に法案を提出しているが、自民党はゼロ回答である」と指摘。また、「政治資金収支報告にまつわる規制強化」にも取り組み、「新たな自民党の抜け道手法を防がなければならない」と強調しました。

(4)衆院補欠選挙
 「3選挙区について、勢いを受けて山が動き始めていることを実感している」と衆院補選の手応えを明らかにした上で、「(有権者の方々について)政権与党に対して表では意思表示をしにくいが自民党の裏金対応への思いを持っている人々が動き始めている。皆さんの思いをくみ取って勝利する」と述べました。

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泉健太代表記者会見

2024年4月19日(金)10時30分~11時12分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/bWZcYRO2LmA


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「子ども・子育て支援金」 立憲の修正案について

【代表】
 おはようございます。
 非常に、今、国会では重要な法案が幾つも審議をされております。
 きのうも、子ども・子育ての法案、そしてまた、農業の基本法などが議論されたというような状況ですが、改めて、今、立憲民主党は一つ一つの政府の法案に対して立憲民主党としての国民の皆様への考え方を示すということに特に取組をさせてもらっています。
 その意味では、今、「支援金」が一つ大きな課題となっています。国民の皆さん、現役世代を含めて、子育て当事者の皆さんを含めて、広く新たな負担を生じさせるということについては、国民の皆様からも随分疑問の声、また反発の声が上がっています。そしてまた、その集めたお金で岸田総理が展開しようとしている少子化対策についても、極めて不十分という声が上がっています。
 私も今、三つの補欠選挙の地域を中心に全国で話をしていますが、子どもも3人目以上がいないと優遇が受けられないような支援策が幾つかあります。児童手当しかり、大学の無償化しかりですね。これは(子育て世帯のうち)3人目以上の子どもがいるご家庭というのは12.7%ですから、8割以上のご家庭にとってはこれは恩恵がそもそもない話であったりするわけですね。そういう中で負担金がそれぞれ勤労者世帯も含めて取られていくことになるということで、こういうことで本当に日本の子育て環境の充実や、そしてまた、子どもを産もう、産みたいという機運が高まるのかというと、残念ながらそれは望めないということであります。
 この1兆円ほどの「支援金」については、私たち立憲民主党は、それは国民の皆様からいただく必要はないんだと、日本には財源があるんだということを今回提示させていただいています。それが、今、日銀が持っている、簿価でいう37兆円のETF、上場投資信託でありまして、そこから毎年生み出される分配金というのは1兆円を超えています。これが国庫納付金として、そもそも政府の予算案段階ではこのお金はそもそも収入としては規定されておりませんが、決算の段階でこれが入ってくるということが繰り返されているわけです。そういった意味では、予算の中で日本政府としては当然財政再建のことも考えなければいけない、そういう中で、決算でこの1兆円が入ってくるということであれば、この1兆円をまさに子育て支援に充てようではないかと。そうすることによって、この広く国民の皆様に新たな負担を生じさせる必要はないと考えております。
 こういう我々わかりやすい資料(「閣法『子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案』修正案について(概要)」)もつくっておりますので、ぜひ皆様にはご覧をいただきたい。3.6兆円のこのプランのうち、(財源として)既定予算の最大限の活用だとか歳出改革による公費の節減というのがありますが、そしてもう一つが、約1兆円、このETFの収入で我々は見ていくことができて、そうすれば「支援金」なる新たな負担は要らないということです。ここをぜひ国民に私たちは広く訴えていきたいと考えております。
 ちなみに、この我々が考えているETFのスキームで行くと、株価によっていわゆる日銀からの分配金というものは多少変動はするものの、仮に株価が3万円台を割ったとしても、この分配金の収入というのは1兆1000億円を超える収入が予想されますので、十二分に子育て策にこれを充てることができるし、しかも、ある意味、このETFはすぐ売却できるものではありませんから、毎年毎年1兆円規模の収入が必ず入ってくるわけですね。岸田総理はこれ、恒久的な財源ではないというような言い方をしますが、売却しない限りは基本的にこの収入がずっと出てくるということになりますので、ぜひそういったことも我々訴えていきたいと。国民のために頑張っていきたいと思います。

○食料・農業・農村基本法改正 立憲の修正案について

【代表】
 続いては、食料・農業・農村基本法です。
 これも、おととい島根1区に行ったときもJAの前で私も少し演説をいたしましたが、予算委員会、ことし2月、3月の予算委員会でも、主に農業政策を取り上げたのは自民党ではなく我々立憲民主党でありました。
 これは、この間、30年間、自民党の農政で、これまで農業・農家に寄り添ってくれるのは自民党だと思い込まされてきた我々でしたが、しかし、そうではなくて、農業人口はどんどん減っていき、自給率は上がらない、こういう状態がずっと続いてきて、もう本当に農家、離農される方々が続出していた。そして、新規就農者も少ないという中で、改めて地域の農業者を守る、こういった政策を展開してきたのが立憲民主党であります。
 今回も私たちは、この食料・農業・農村基本法、これは本来であれば党派を超えて我が国の最適な農業政策をつくる、基本法をつくるということで、我々も前向きに実は去年の段階で政府側にボールを投げて、立憲民主党の考え方はこうですよということを投げて、そして、修正なりを求めてきたわけですが、残念ながら法律の修正ということでいうとほぼゼロ回答という、大変がっかりな、有益な修正協議すら自民党が拒否をするという残念な姿勢でありました。
 例えばどういうところだったかというと、食料安全保障の定義、これをちゃんと我々修正すべきだと言ってきたのですね。食料安全保障は大事なのですが、例えば自民党の側、政府の側が出してきたものは、供給される食料が安全であるべきだとか、あるいは、十分な量であるべきという文言が入っていないものでした。やはりこの食料の安全性だとか十分な量を確保するということをちゃんと、せっかくこの基本法なんだから明記しようということを訴えてきたのですが、それは成らずということでありました。
 そして、同じように、食料の安定供給の確保が重要だということについても明記がなされなかったということ。
 そして、例えば農業生産活動には自然環境の保全という大きな重要な側面もあるんだということも言ってきたのですが、この点についても明記はされてこなかったということ。
 そして、やはり農業者といっても、皆が大規模の効率農業ばかりやるわけではなくて、中山間地域を含めて小規模・家族でやっている農業、こういったものもありますから、そういった多様な農業者の重視ということについても我々訴えてきたわけですが、そういったことが残念ながら盛り込まれていないということであります。農業所得の確保による農業経営の安定が図られるべきだということについて我々は明記を求めましたが、残念ながらこれが入らなかったということ。
 そのほかに、政府の取組状況を国会に報告することだとかも我々としては要求した。
 更に、新しい問題としては、カタカナが続きますが、一つはフードバンクに対する支援ですね。これも入っていない。
 あるいは、フェアトレードの確保。これも入っていない。
 そして、アニマルウェルフェア。これも残念ながら政府としてちゃんと盛り込んでいないということも、大変我々としては残念な今回の政府の姿勢であります。
 また、地方公共団体が種子を生産し供給する体制の整備を国が行うということについても我々要求したわけですが、そういったことについても残念ながら色よい回答がないということであります。
 せっかく我が国のこの農業を育てようと立憲民主党が言っているわけですが、政治的意図が絡んで、今、自民党政権も窮地に立たされていますから、そういう中で、彼らが我々の有益な案を残念ながらのまなかったというのは、これは本当に農業者に対する背信行為だということを言わざるを得ないと考えています。

○「本気の政治改革実現に向けて」法制化作業の状況について

【代表】
 そして、きのう我が党、「次の内閣」を開きました。そこで政治改革実行本部の落合事務局長から報告を受けまして、政治改革の実現に向けての、法制化、法制上の措置の立法イメージの説明を受けました。
 これまで既に我々は法案を提出しているものがあります。
 例えば企業・団体献金の禁止法案ですね。これはおととしの6月に提出済みです。企業・団体献金の禁止法案。
 そして、政治資金パーティーの禁止ということについても言ってきたわけですが、今回、改めて新規立法として、この予算委員会を通じて明らかになったオンラインパーティーということの存在ですね。そういうことも含めて、現行法上、オンラインパーティーがカバーできていないということも明らかになってまいりました。その意味では、このオンラインパーティーを含む政治資金パーティーの開催の禁止ということをちゃんと言わなければならないということで、こういったことについても我々立法を進めていきたいと考えております。
 そして、もう一つ、既に提出している法案としては、維新そして国民民主党と共同で提出していますが、文通費、この透明性の確保ということは、これは既に提出をしています。この部分、自民党は現時点でもうゼロ回答。先送りという表現もしたことはあったのですが、先送りどころか、おそらく何もやらないつもりですから、頬っかむりというか、もうこれは先送りとは言えないくらいの今の自民党の後ろ向きな姿勢だと思っています。
 そして、もう一つ、新規立法で考えていきたいのは、やはりこの政治資金収支報告にまつわるさまざまな規制強化ですね。我々ここはしっかりやっていきたいと思います。当然ながら連座制も含めた処罰の強化ですとか、あるいは、この収支報告書の提出にまつわるさまざまな法制化。そして、政策活動費の、我々としてはこれはもうなくしていくということについて、この点もやっていきたい。
 当然ながら、岸田方式ですとか茂木方式も、今国会で明らかになった新たな自民党の抜け道手法、彼らはそれを繰り返していたと思うのですが、我々からすればそんな抜け道もやっていたのかという話ですので、これはやはり防がなければいかんでしょうということで、ここをしっかり押さえていきたいと考えています。

○衆院3補選の勝利に向けて

【代表】
 そして、いよいよ三つの補欠選挙。今、いろいろな出口調査も始まったりしているところかと思いますが、我々、3選挙区、勢いを今受けていると考えています。山が動き始めていると、これを実感しています。
 大きなうねり、大きなマグマが、そんなに有権者の方々、これまでの政権与党の強大な権力に対して表では意思表示はしにくいというような方々がたくさんおられるんだなというのを実感します。表ではなかなか物は言えないけれども、やはりあの岸田総理の裏金対応、今の自民党の姿勢はけしからんと、そういう思いを持っている方々が、今、動き始めている。このことを本当に実感しています。
 何とかその皆様の思いを一層酌み取って、この三つの補欠選挙を勝利していきたいと。大変そういった意味で、我々として心強いです。更に勢いをつけていく、そういうような序盤戦になってきているのではないかと考えています。
 来週、衆議院予算委員会、参議院予算委員会もありますが、これは岸田総理、もしかすると大きな失敗、勇み足をしたのではないかと思っていて、総理、こんなことを言いましたよね。あの自民党の処分のときに、私自身の処分については国民・党員に判断をいただきたいという、あの開き直り発言ですよね。あの開き直り発言、これは今になって考えると、彼は総選挙で判断してもらいたいということを頭に描いていたと思うのですが、この三つの補欠選挙で明確に判断が下せるのではないかと、私はそう思っています。
 特にこの島根(1区)で与野党激突、与野党対決というふうに言われる中で、岸田総理とすればここでの必勝をもぎ取りたいと、何としてもという思いで、21日も島根に入ると思うのだが、しかし、私は今、島根1区の皆様に、大きな、その意味で判断をする投票用紙が手元にあるというふうに考えていて、ここで結果を出せば、自民党に処分を下せば、岸田総理に処分を下せば、政治は変わる。大きく政治は変わるということを、まさに岸田総理自身が言った、あの発言だったと思っています。
 総選挙まで待つ必要はない。岸田総理をここで退陣を迫っていくということを、改めて我々立憲民主党として取り組んでいきたいと、このようにも考えています。


■質疑

○政治改革の議論について(1)

【関西テレビ】
 政治改革特別委、今、理事懇をやっているが、連休前にもしかすると与党案が出てこないのではなかろうかという雰囲気になっている。その与党案というのも、自民党が独自案を出すのでなく、公明党と協議の上。その協議も、何かあれは駄目、これは駄目という話になっている。その状況についてどういうふうにお考えか教えていただきたい。

【代表】
 本当にですね、解明も遅い、処分も遅い、案も遅い。遅い遅いで、結局、審議時間をものすごく短くして数の力で強行突破してくるのではないかということすら考えますね。末恐ろしい自民党の後始末のつけ方、これが終盤国会は予想されるわけですよ。
 我々は、とにかく早く案を出せ、早く案を出せと、早く議論をスタートしようと言っていますし、もう早くから立憲民主党も本気の政治改革案を出していますからね。これ、自民党の遅延行為、この遅延プレーというのは、政治改革に大きく、今、水を差している行為です。早く公明党との協議なりをして、ゴールデンウィーク前にも出してもらいたいという思いです。
 そして、ゴールデンウィークの後に出してくるとしても、それは結局自民党の議員たちが納得する案だとすれば到底政治改革とは言えないものではないかと私は思いますから、やはり今回は自民党の裏金議員たちが苦虫を潰すような案でなければいけない。自民党の議員たちがほっとするような案では駄目だということですよ。
 だから、その意味では、もしゴールデンウィーク後に自民党・与党側が出してくるということであれば、それこそ4月28日の結果いかんで与党・自民党の姿勢は大きく変わっていくでしょうから、ここでしっかり立憲民主党が勝って、厳しい案を出さざるを得ないような環境をつくる。ですから、ある意味、この4月28日の勝利というのは自公協議における公明党をサポートすることにもなるかもしれない。それくらいに自民党に厳しい案を出させなければいけないと、こんなふうには思っています。

【関西テレビ】
 ちょっと私、不思議なのが、国会を取材して半年ちょっとだが、我々の普通の民間的な感覚でいうと、悪いことをした人たちは次のルールづくりには加われなかったりするものだが。

【代表】
 そうです。そうです。

【関西テレビ】
 でも、国会で加わらせてもらって、しかも最大の会派だから、こんなふうに全体的に影響する。とても不思議なのだが、その辺はどういうふうに。

【代表】
 いや、本当ですよ。第三者委員会がつくられるわけでもなく、全部、経営陣、この国の運営ということでいえば経営陣が不祥事を起こし、その経営陣が自分たちの中だけで調査委員会なるものをつくったり聞き取りをやったりして、自分たちで報告書を出して、勝手に物事を終わらせようとしているわけですよ。周りからすれば何も変わっていないわけですよね。
 この間、民間企業の各社の責任の取り方を見ても、その皆さんが責任を負うのは当たり前ですよね。
 岸田総理自身が全く処分を受けていないわけですから。そして、その処分は国民と党員に判断していただくという開き直りをしたわけですから。もう本当に今の自民党の執行部には何もそういった自らを処分するという考え方がないとなれば、やはり国民の側からやっていくしかないというのが、大変残念な今の我が国の経営陣になっているということですね。大変残念です。

【共同通信】
 冒頭言及された政治改革の改正案について、この補選は政治改革が最大のテーマだとかねて代表はおっしゃったかと思うが、このタイミングで新たな改正案の内容について明らかにされた意義、あるいは位置づけについて、改めて教えていただきたい。

【代表】
 これは立憲民主党としては、政治改革は絶対に必要だと、そして裏金を一掃しなければいけないということを、これまでも言い続けてきているわけですね。でも、自民党からはとにかく案が遅い。その中で、国民の皆様に対する説明や機運の醸成ということも、もっともっとやっていかなければ、本当に自民党の側の逃げ切りを許してしまうと思っていますので、我々としてこの考え方を国民の皆さんに伝えたいという思いを持って今回まとめさせていただいています。
 これは来週また幹事長のほうからもより詳しく皆様にご説明をさせていただきたいと思っておりますので、我々としてはぜひこの政治改革の具体的な法案も成立させたいと思っているし、野党各党を初め国会全体の理解を得られるように我々としても説明を続けていきたいと考えています。

【共同通信】
 茂木方式や岸田方式についても規制を強化されるということだが、現時点で言える範囲で、どのような手法を考えていらっしゃるかお願いしたい。

【代表】
 一つは、まず政党支部なりでお金を、収入を受けて、それを別な団体に移して、その別な団体で支出する場合にはその公開基準(金額)が高いので細かな支出は公表しなくていいというふうに、まあ、やはり自民党ってそういう抜け道をずっと前からつくってきたということなのですね。それでも別に、そこはほかの政党はそんなことはやらないわけでして、その意味では、彼らが彼ら用につくってきた抜け道をやはり使い続けているということですから、ここを規制するということがまず一つです。
 そして、この岸田方式というのは、もう岸田総理の名前がついていること自体、総理も恥ずかしいと思ってもらいたいのですが、本来、政治資金パーティーというか、お金がたくさん集まるパーティーは、政治団体、自分たちが主催するというのが当たり前の行為ですよね。自分たちが主催すれば入りも出も全部それは公開されるということの中で我々は政治活動をずっと行ってきているわけですよ。なのに、肝心要の我が国のトップの岸田総理は、自らの総理大臣就任パーティーを、うちはやっていません、発起人たちがやってくれているんですと言って、募集活動から経理から全部自分たちの事務所で肩代わりしているのに、というか実際自分たちの事務所でやっているのに、それをほかの人の主催だからということで、収入も載せない、支出も載せない。こういうふうに政治資金隠しをしてきたわけですよね。
 これが許されたのだったら、皆、ほかの団体を使ってパーティーやってしまいますよと。全然その収入も支出もわからないパーティーだらけになりますよというのが岸田方式ですから、これをやはりやめさせるということです。

○衆院3補選について(1)

【朝日新聞】
 冒頭発言があった補選の島根1区について伺いたい。昨日のNCでは、相手の底力は計り知れないというふうにもおっしゃっていた。今、手応えを感じているご発言があったが、一方で、この島根1区を戦う難しさというのを改めて教えていただきたい。

【代表】
 もう隅々まで張られたネットワークですね。それは自治体議員を通じたもの、もちろん国会議員の後援会を通じたもの、そして、これまで業界団体をがちがちに固めて、また、企業などを固めて、上から下ろす。投票に行けと、誰々に投票せよという、上から下ろす、その縦横のネットワークは本当に強固なものがあります。
 しかし、そういう中で、それぞれの選挙区、島根1区もそうですが、間違いなく動きは始まっていると確信をしています。そこは、やはりもう今の時代、上から言われて投票する時代ではないということだし、一人ひとりに考える権利も決定権もあるということだし、皆、本音では裏金がおかしい、自民党は緩み過ぎだ、好き勝手し過ぎだ、ほったらかしにしておくとろくなことがない、任せっ切りにしていては駄目だと、そういうことを有権者の皆さんもやはり本音では思っているんだということが私たちも感じるところがあります。
 そういったものに私たち自身もしっかり依拠しながら、確信を持って訴え続けて、やはりその強い強い、上から押さえつける、上から指示をして票を獲得していく政治と、最後は勝ち抜いていきたいと。戦い抜いて勝ち抜いていきたいと、このように考えています。

【朝日新聞】
 島根1区の場合は、ずっと自民党を支持してきたり細田さんの名前をずっと書いてきたりという人がいて、今代表がおっしゃったような自民党はおかしいという人であっても、例えば投票に行かないとか白票を投じてしまうとか、そういう可能性もあると思う。その有権者に対しては、残り期間、どういうふうに訴えていくお考えか。

【代表】
 そうですね。実は私も島根の選対や応援に入った党の幹部から、その白票の話は既に聞いていて、これまでずっと自民党に入れてきて、もう自民党は嫌なんだけれども、さりとてほかのところにまで入れる勇気はないということで、白票をと考えている人もいるというふうに聞きました。実際にそれを我々の仲間に言ってくださった有権者の方もあるということなのですね。
 ただ、やはりお話ししたいのは、変えなければ変わらないということです。ですから、白票を投じただけでは、実は政治は変わらないかもしれない、自民党のこれまでの政治を許すことにつながってしまうかもしれないということを、私たちはやはり島根の皆さんにお伝えしなければいけない。
 ですから、投票に行かないことは、これは自民党の延命につながる。白票を投じることは、裏金政治の延命につながる。政治改革を遅らせてしまう。このことをもう何度も何度も言っていきたいです。

【時事通信】
 今の補選の関連だが、今度は東京15区補選について特出しで伺いたい。代表は第一声でも15区に入られたが、15区は立憲は公認候補を出して、共産党などの支援も受ける態勢を整えて臨み、一方で、自民党は公認候補を出しておらず、9人が出馬して乱立の構図となっている。衆院選の本選も見据えて、この15区で勝つことの意義についてどういうふうに考えているかということと、そのためにどう戦っていくかについてお願いしたい。

【代表】
 とにかく今の自民党にとってみたら、野党第1党の立憲民主党の存在が一番目の上のたんこぶなのですね。
 それは旧統一教会(問題)のときにも全党調査を求め続けてきたし、そして、自民党のほうも相当プレッシャーを感じて、何とかやり過ごそうとやってきた。
 同じように、裏金の問題でも立憲民主党から次々と追及をして、自民党に今のままではおかしいのではないかということを言い続けてきた。
 更には予算委員会でも、国民の目線に立てば、この「支援金」の問題で、実質負担なしとかといううそをついていたのが、立憲民主党の委員会での質疑の中で、徐々に「支援金」とはどのようなものなのか、どんな額なのか、この負担の実態がわかってきたということを含めて、与党か野党かはっきりしないという政党ではなく、ちゃんと自民党、政府・与党のやろうとしている国民にとっての不利益なことについて、私たちは次々とそれを国会の中で解明してきたという、その存在ですから、自民党にとっては最も嫌がっているのが立憲民主党という状況ですね。
 ですから、ある自民党の筋からの言葉として、今回の最悪の事態というのは立憲民主党が3勝することだということを言っています。その意味では、自民党が候補者を出さなかった東京15区においても、自民党からすれば立憲民主党が勝たなければいいという思いは必ず持っているのだと思います。だからこそ、負けてはいけない、勝たなければいけないということですよ。
 そういった自民党の裏の動きというのは、さまざまに東京15区・江東区でも作用してくる可能性があります。これは東京15区でも私は第一声でも言いましたね。やはり国政選挙において与党か野党かよくわからない立ち位置で、もしかしたら自民党をサポートするかもしれないとかいうような立場で訴えているところがあるとしたら、勢力があるとしたら、そこにやはり投票してしまうということになれば、これは自民党を利することになるということですから、今回ははっきり、しっかり、この三つの選挙区で答えを出すと。
 では、その答えを出す出し方というのは、立憲民主党の候補者に投票していただいて、立憲民主党が3勝することで、たぶん自民党が一番国民の声としてプレッシャーを感じるのはこのまさに補欠選挙での立憲民主党の3勝だと思っていますから、その意味でも東京15区では必ず勝たねばならぬと考えています。

○維新幹部の発言について(1)

【時事通信】
 もう一点、補選の関連でもあるが、維新の幹部の発言についてお尋ねしたい。維新とは補選の東京15区と長崎3区で議席を争っている形だが、維新の馬場代表が告示日の街頭演説で立憲民主党には投票しないでくださいと言ったり、きのうも会見で立憲をたたき潰さないといけないという趣旨の発言をされている。これまでも立憲共産党などと、批判というか、そういう発言をしてきた経緯もあるが、維新のそうした発言・対応についてどのように思われるか、受け止めをお願いしたい。

【代表】
 相当焦りがあるのではないかなと思いますね。焦りがあるから、発言がどうしても乱暴になってしまう。
 政治の本質が何かといえば、やはり有権者の皆様に政策を訴える、有権者の皆様のためになる方向に政治を進めるということであって、そういったさまざまな発言が政治の本質だと思っている。としたら、やはりそれは違うと思うし、しっかり国民の皆様に、あるいは有権者の皆様に向けて、政策を訴えて戦いたいと思っています。

○比例名簿の繰上げ当選について(1)

【デイリースポーツ】
 東京15区の関連で、須藤元気さんが出馬されたことで自動失職された。繰上げで市井紗耶香さんが一応繰上げ当選の権利を持つが、ツイッターとかでは辞退をされるということを表明されている。記憶では、泉代表がたしか去年、45歳以下の議員を増やしたいと会見でおっしゃったときに、市井さんとまだやり取りがあるということをおっしゃっていたと思うが、その市井さんが繰上げ当選を辞退されるということの受け止めを教えていただきたい。

【代表】
 市井さんは早くから実はその意向を持ち続けているというのは私も伺っておりました。
 その意味で、今回、党内でも今声が出ていて、おそらく他党でも声は出るのではないかと思うのですが、制度的な問題ですよね。当然、選挙のタイミングで名簿に登載されて戦った時点から、お一方お一方、生活環境が変わったり、考え方として、例えば選挙で一度結果が出た時点で、自分自身名簿に登載され続けるのか、それとも名簿から自分自身削除を申し出たいのかということもある中なのですが、実は今の制度だと、存続政党がもしない場合に、その名簿からの取消しそのものが幾ら本人の意思であってもできないということになってしまっていることが問題ではないかと考えています。
 これは政党がつくった名簿ではあるけれども、それは基本的にというか、当たり前ですが、本人の了承を得てつくっている名簿のはずですから、少なくとも本人自身に決定権があり続けなければいけないのではないかと思います。
 その意味では、市井さんとすれば、おそらく本来もっと早くから意思表明はしたかったし、今回も一度当選資格を得てしまうということについては、いろいろな思いがあるのではないかと思っておりまして、こういったことは、今後の仕組みのあり方を変えるということについて、ぜひ党派を超えて考えていただくことではないかと考えています。
 市井さんは今回、そういった意味で、子育てもありますしお仕事もあるということでご自身の判断をされているわけですが、今、その次に名簿に登載されている奥村さんについては、これまた非常に子育て支援などにも一生懸命自らの仕事としても取り組んできた、保育関係のお仕事もしてきた方でありますので、若手として私も期待をしているところであります。

○政治改革の議論について(2)

【共同通信】
 ちょっと質問が重なってしまう部分があるが、政治改革に関して、26日の衆院の政治改革特別委員会の初開催が与野党で合意された。各党で意見表明する場になるということだが、改めてどのように臨まれたいかお願いしたい。

【代表】
 本当に何度も繰り返すことそのものが残念なのですが、裏金を起こしたのは自民党。そして、その真相究明を遅らせているのは自民党。そして、処分も不十分であったのも自民党。そういう中で、大いに反省をしていただきたいということ。そして、岸田総理自身が自らの処分から逃げているということ。そして、この特別委員会が設置されたということで、必ず国民の皆様の期待に応えるという意味で、成案を得なければならないし、その成案とは政治家が喜ぶ改革案では駄目だということです。
 皆が身を切って、そして、襟を正して、政治には金がかかるということを当たり前にしないという姿勢を持つ。それを法案で表現していくということになってまいりますので、我々が今回まとめている案についての紹介も含めて、こういったことを伝えていきたいと、発信していきたいと考えています。

○維新幹部の発言について(2)

【関西テレビ】
 先ほども質問あったが、きのうの馬場代表の発言について伺いたい。馬場代表のきのうの言い方でいうと、立憲民主党はたたき潰す。それは彼はよく野球に例えて、クライマックスシリーズで野党同士で立憲民主党と戦う。その後、日本シリーズで自民党と戦うという言い方らしいが、では日本シリーズで自民党をたたき潰すのかというと、たたき潰さないらしい。切磋琢磨するのだそうだ。自民党がこの先、将来何があるかわからないので、議席がどーんと減るなり何なりして、二大政党の相手が維新と立憲になったときは切磋琢磨するのかと聞いたら、やはりたたき潰すのだそうだ。この辺りのたたき潰す理論について、泉代表はどういうふうにお感じになるか。

【代表】
 もうそういうことも含めて、頭の中で成り立っているのかどうかわかりませんね。多少混乱があるのかなという気もしますし、維新さんが仮にクライマックスで立憲と戦いたいと思っていても、申し訳ありません、我々は既に自民党と戦っていますので、日本シリーズ中にクライマックスの話をされてもちょっと乗りかねますということであって、いや、むしろ、よかったら、かつてかな、今もかな、あれですが、社会人野球なんかでは、ある意味、試合が終わったチームのメンバー何人かが補強選手として一緒になってまた次の試合を戦うみたいなのがかつてあったような気がしましたが、そういうことも含めて、連携して、大きな、まさに今の大きな強大な不正・腐敗を起こしている勢力と戦うという姿勢がまず大事ではないですかということですね。
 今やられていることが自民党を利することになっていませんかということではないですかね。自民党を利する動きをしていては、確かに自民党とは戦わない政党になってしまうということかもしれませんね。

【関西テレビ】
 たたき潰すという発言、たぶん2回目になろうかと思うが、一方で、泉代表は「ミッション型内閣」というのをずっと呼びかけ続けていると思う。たたき潰すと言ってくる相手にそういうものが今後も呼びかけられるのかどうかはいかがか。

【代表】
 教育無償化の前原代表は何か維新と立憲うまくやってほしいというような発言を会見でされたと聞きましたが、では、その当の維新さんのトップがそこまでの発言をしているということであれば、まず、その会派内で一致させてくださいよと。言っていることがばらばらではないですか。
 維新さんの側で、ぜひ立憲民主党とどう対応したいと考えているのかは、それぞれが好き勝手なことを言うのではなく、ちゃんとその姿勢として一致すべきだと、させるべきだと思うし、その「たたき潰す」と「ミッション型内閣」を並べて見ていただいたときに、どちらが前向きな話で、どちらが国民のための話をしているのかというのは、これは一目瞭然ではないかと私は思いますから、そういった拳を振り上げた姿勢ではなく、やはり政治の本質を向いて、国民の側を向いて発言をしていくということを野党全体がやっていくことで、自民党を上回る信頼を得る、期待を得ることができると思っていますので、そういうふうにそれぞれ各党の代表者たちは振舞っていく必要があるのではないかと考えています。

○比例名簿の繰上げ当選について(2)

【毎日新聞】
 市井さんの件だが、制度的な問題は問題としてあるのだろうけれども、もう一つ、代表もおっしゃったように、子育てやお仕事のこともあって辞退されるということだが、子育てがあって辞退するという状況について、子育てがあるから政治活動ができないとまではおっしゃっていないかもしれないが、その状況についてどうお考えか。

【代表】
 いや、やはりその状況についてと断定はすべきではないのではないですかね。さまざまな要因があると思いますし、最終的に決定をするのはやはり個人の意思だということですよ。それは数年たてば変わることは確かに当たり前だし、一度選挙結果が出るということについても、その意味では、その後に考え方を新たに持つということの自由だってあるわけですから、それはやはり本人に委ねられることだと思います。
 もちろんいろいろな環境で、何々によってといっても、その持っておられる環境というか、それは一人ひとり違うし、それでもやるという方も中にはおられるかもしれませんが、そこも含めて、やはり個々人の考え方が尊重されるべきことだと思います。

【毎日新聞】
 その辺の話というのは聞かれていたり伝えてきていたりはするのか。代表は先ほど、子育てやお仕事もあってというふうなことをおっしゃったので、その辺の話は。

【代表】
 いや、特段、この理由、この理由という、例えば箇条書きのもの、あるいはその項目別にしたものがあるわけではありませんから。当然生活全体で総合的に判断されているわけですから、その中には、それは子育てもあれば仕事もあるというものだとは思います。

(以上)