参院本会議で6月12日、「令和4年度決算、内閣に対する警告案」「令和4年度決算審査措置要求決議案」「令和4年度国有財産増減及び現在額総計算書」「令和4年度国有財産無償貸付状況総計算書」に対する討論が行われ、古賀千景議員が登壇しました。
古賀議員は、令和4年度決算に対する反対の理由を述べました。
令和4年度一般会計のプライマリー・バランスは、決算ベースで23.6兆円の赤字。当初予算と比べても2度にわたる補正予算の編成によって10.6兆円も赤字幅が拡大。公債依存度も38.1%と依然として高い水準にあると指摘し、「より真剣な歳出改革が求められる」と述べました。
令和4年度決算で発生した2.6兆円の決算剰余金について、「税収などの上振れ分3.3兆円、いわゆる予算の使い残しである不用額11.3兆円の合計額14.6兆円から、発行を取りやめた国債12兆円を差し引いた金額」と説明し、「不用額は過去最大となっており、そのうち3割は予備費の不用額が占め、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費1兆円に至ってはまったく使われていない」と指摘しました。
また「可能な限り国債発行を取りやめることで一層の財政健全化を進められるにもかかわらず、決算剰余金を膨らませ、まるで余り金のように見せかけて巨額の5年度補正予算や防衛力整備計画対象経費の財源に充てた」として、政府の姿勢を「不誠実」と批判しました。
最後に古賀議員は、この国の将来に不可欠な教育の充実に対する取組みが不十分な点として、学校現場での教職員不足をあげました。教職員不足により、教職員が疲弊していくような働き方が、教職員の心の余裕を失わせ、命と健康を奪っています。教職員が足りない、それを他の教職員でカバーしあい、次はその別の教職員が倒れていく負のスパイラルの要因は、「今まで財政縮小のために学校の教職員を臨時採用や会計年度任用職員として大量に採用してきたこと」などの「政策の失敗」と指摘しました。子どもにも大きな影響が出ているとして「子どもたちのいじめ・暴行・不登校の件数は過去最高、自殺件数は過去2番目と高止まりしている。これから国を担っていく子どもたちも苦しんでい」ると指摘し、「合理性や効率性を中心に考えては学校教育は成り立たない」と訴えました。
OECDの発表によれば、日本の2019年における国内総生産に占める教育機関への公的支出の割合は2.8%と、データのある加盟37か国中36位と指摘し、「低すぎる」「この国の将来のために、教育予算をつけるべき。教育にお金をかけない国は滅びる」と強調しました。
古賀議員は「決算重視の参議院において、立憲民主・社民は、これからも行政に対して厳しく意見し、改善を求めていく」と述べて討論を終わりました。