泉健太代表は6月28日、国会内で会見を開き(1)円安(2)エネルギー補助金(3)都議会補欠選挙(4)りっけん政治塾(5)検察官の定年延長問題の情報開示(6)政策活動費――等について発言しました。

(1)泉代表は、円安がさらに進んでいる状況に触れ、「岸田政権は円安に対して何もできない状況で、賃上げも、定額減税でも追いつかないほどの物価上昇を招いている」と述べました。

(2)党首討論でエネルギー補助金を復活させるべきと提案したところ、総理が再開を決めたことについて、泉代表は「6月7月は空白になった。自民党内からも、なぜ一度、補助金を切ったのかと批判が出ている」、岸田政権は「後手後手、右往左往。岸田総理が自分自身に振り回されている。国民生活のためにやるべきことをやってほしい」と訴えました。

(3)本日、都議会の9選挙区の補欠選挙が告示されたことについて、立憲民主党が擁立した「3選挙区での必勝を期したい」と述べました。

(4)明日、りっけん政治塾2回目を開催することについて、泉代表は「一緒に政治を学び、一緒に政治を変えよういう方々を一人でも増やしていきたい」と述べました。

(5)地裁で判決が出た検察官の定年延長の問題に関連する情報開示の判決について、泉代表は「検察庁法改正案について国民から大きな反発が出て撤回に至った」と過去の経緯を説明。「当時特定の人物のために政府が法解釈を変えたのではとの問題の関係文書を出せという訴えの一部が認められた」「政府は否定しているが、そういったことが改めて明るみになった」と説明しました。「行政は要求されている文書は存在していないと発言している」が、「行政の中にどんな情報があるのか。国民は分からない状況で、請求をする」「ぴったり合うものはないと、回答を事実上拒否することを行政は繰り返している」「出てきたものは黒塗りだらけのケースが数多くある」と泉代表は問題点を指摘し、「行政の情報は国民のもの」だと訴えていきたいと強調しました。

(6)維新の会の政策活動費をめぐる動向に関連して、泉代表は「国会最終盤の自民党の政治改革案に対して野党が一致して激突していれば、もっと政治改革は進んだ。岸田政権は苦しんだ。最大の助け舟は維新と自民の党首会談。10年後の領収書公開で妥結してしまった。ドタバタ劇を経て、自民党は自民党案ベースで成立させてしまった」と振り返り、「岸田政権の最大の助け舟だった維新の会が、閉会後に政策活動費の廃止と言い出した」ことに対して「領収書10年後公開の置き土産はどうするのか。第二自民党という立場は金輪際やめてほしい。対応が支離滅裂だと与党からも野党からも信用されない。政党としてあり得ない」と厳しく指摘しました。


泉健太代表記者会見

2024年6月28日(金)10時30分~11時04分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/TFnkcw9TixM


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○更なる円安進行と物価高騰について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、今、為替の動きが、また再びというか、活発になってきていて、円安が更に進むという状況です。岸田政権はこの円安に対してほとんど何もできないような状態で、この物価上昇を招いていて、賃上げも追いつかない。今回の定額減税も残念ながら追いつかないというくらいの物価上昇を招いていて、今後もまた物価が上がることが想定をされます。
 きのうも我が党で「骨太の方針」のヒアリングを政府からやったのですね。そこでびっくりしたのは、政府から出てきた資料に、ことし中に賃金が物価上昇を上回るというグラフを持ってきたのです。これは本当に政府の方針はそんなものなのかと、現実をちゃんと見ているのかということが疑われるような資料でした。
 そういうことも含めて、楽観主義なのか、あえてよい情報だけを国民に流そうとしているのか。しかし、実態は厳しいということを岸田総理にはわかってもらわなければいけないと思います。
 なので、党首討論のときにエネルギー補助金は復活させるべきだという話をしました。自民党内で今は相当ばたばたしているようで、総理もある種急転直下でこのエネルギー補助金の再開を決めたということですが、結局、6月、7月が空白になるということで、そもそも何で一度切ったんだということは、自民党内からもおかしいという声が上がっています。
 そういうことを含めて、総理のやろうとしていることは、後手後手というふうに言ってきましたが、右往左往して、総裁選も絡んで自分自身に自分自身が振り回されているという状況ではないかと感じますが、とにかく国民生活のためにできることはやってもらわなければいけないし、それができないのであれば、やはり政権交代をしたいということです。ぜひ総理にはやるべきことはやってもらいたいということを、まず一つお伝えしたいと思います。

○東京都議補選の告示に当たって

【代表】
 都議会の補欠選挙がきょう告示ですね。
 全体で、これは結構多くて、九つの選挙区での都議補選ということで、立憲民主党は現職が既にいる地域もありますので全選挙区に立てるということにはこれなりませんので、3選挙区で立憲民主党としては候補者擁立をするということで戦ってまいります。
 3人の公認候補の必勝を期して頑張っていきます。品川区、足立区、南多摩、この三つの選挙区の立憲民主党の3人の候補者の必勝に向けて頑張っていきたいと。きょう私自身も足立区のほうには少し入りたいと考えています。

○「りっけん政治塾」について

【代表】
 「りっけん政治塾」ですね。今週はまた土曜日に第2回、今度は西村智奈美代表代行が講師となってオンライン講義を行います。
 非常に関心も高く、多くの方に参加していただいていますし、今、レポートも出すように、宿題も出していますので、こういったやり取りを通じて、引き続き、一緒に政治を学び、そして、一緒に成長していこうと。そして、共に政治を変えようと。国政選挙にも一緒にチャレンジをしようと。そういう方々を一人でも多く増やしていきたいと考えているところです。

○検事長定年延長訴訟 文書開示命じる地裁判決について

【代表】
 今回地裁のほうで判決が出ましたが、検察の定年延長の問題ですよね。これは当時、特定の人物のために法解釈を変えたのではないかということが言われて、関係文書を出せという訴えが起こされたわけですが、その訴えが一部認められたという形であります。
 改めて、当時、検察庁法も、一度、政府、安倍政権が(改正案を)出したけれども、国民からものすごく大きな反発を受けて、検察庁法を撤回するということまであったわけです。
 こうした、その特定の人物のために安倍政権が法解釈を変えたということそのものが大変大きな問題であったし、政府は否定をしていますが、そういった(目的の法解釈変更であった)ことが改めて明るみになったということです。
 そして、現在の対応として、法務省も、上脇先生から訴えを起こされて、文書について、要求されている文書は存在しないかのような発言をしているわけですよね。これはよくあることで、情報公開、まず、その行政の中にどんな情報があるか国民からはわからない状況で、きっとこういうものはあるだろう、こういうものを出してくれと、ある意味要求をするわけですね。情報公開の請求をする。そのときに、それにぴったり合うものはございませんという言い方で、回答を事実上拒否するということを行政は繰り返してきているわけです。こういう行政の体質そのものをやはり変えていく必要があると考えます。
 そして、出てきたものは黒塗り黒塗りということも数多くありますから、改めて、自民党の黒塗り政治、そして行政においても黒塗り、この黒塗りの政治や行政を変えていく。情報は国民のためのものだということを立憲民主党としては明確にこれから訴えていきたいと考えております。

○政治改革 政策活動費めぐる維新の対応について

【代表】
 ちょっとこれは私も驚いたのだけれども、維新の会が、国会が終わった後に総括をして、結果として、使途公開がない政策活動費の支出を廃止する方針を決定したと。国会が終わった後にですね。
 何ですかこれはという話でして、あの国会最終盤の自民党の政治改革案に対して、野党が一致して押せ押せで激突をしていれば、これはもっと政治改革が進んだのではないかというふうにも思うし、岸田政権は苦しんだと思いますよ。そこで岸田政権の最大の助け舟になったのが維新と自民の党首会談でした。その結果、国民の皆さんからはあきれられる、この領収書の10年後の公開というところで妥結をしてしまったのですね。
 後からだまされたとかだまされていないとか、そんなものは知った話ではないという話で、我々からすれば言わんこっちゃないという話なのですが、そのどたばた劇を経て、結局、自民党は政治改革案を自民党案ベースで通してしまった。これは岸田政権に対する最大の助け舟になってしまったのが維新の対応だったわけですよ。それを今になって、私たちは政策活動費に反対ですと。では、この10年後公開という置き土産はどうしてくれるんだという話で、恐ろしい、とんでもないものを置き土産として残していってしまった維新と自民の党首会談でした。
 改めてですが、そういうところで、もう第2自民党という立場は金輪際やめにしてもらいたい。これからもそういう立場を時折見せるということであれば、これは与党からも野党からも信用されません。政党として体を成していない。対応は支離滅裂。本当に政党としてあり得ないですよ。それくらいに、この政策活動費という使途不明金の10年後公開の助け舟を出したという罪は大きいですからね。ものすごく大きいですよ。
 維新さんには、今になって私たちは政策活動費を廃止しますでは済まされないということ、そして、これからはもう自民党と何かを一緒にやるという立場を続けてくれるなということは改めて言わねばなりませんが、現時点としてはまさにゆ党であって、それこそ、こういう時々自民党ともたれ合い、ぬるま湯の関係を持つような維新では、国民から信頼をされませんよということは言わねばならないと思います。


■質疑

○次期衆院総選挙に向けて(1)

【東京新聞】
 野田元首相が23日、裏金議員のいる選挙区で立憲が空白のところに対抗馬を立てるべきだとの考えを示された。代表も単独過半数の最終的な擁立目標にも言及されていて、同じ方向を見据えたご発言だと思うが、この裏金議員に必ず対抗馬という戦略に関する代表のお考えと、裏金議員全員との対立構図を御党がつくるには現時点で幾つの選挙区で新たに対抗馬を擁立する必要があるかお聞きしたい。

【代表】
 これは既に私たちも、前の記者会見か、前の前かでしたが、裏金議員のところには対抗馬を立てるということは既に考え方としては言っていますので、同じことを言っていただいたのかなと思います。
 実際には、今、8割くらいは対抗馬を立てている状況ですから、あと最終最後までその対抗馬の擁立に向けて努力をしていくということですね。明確な数字がちょっと幾つというところは選対に聞けばわかる話だと思うのですけれども。

【東京新聞】
 こういうわかりやすい構図を示すということで、今、積極的に政権交代への意欲というのもおっしゃっているが、この政権交代を目指していく上で、こういった対立構図、わかりやすい構図をつくることの大切さというのはどのようにお考えか。

【代表】
 非常に大切ですね。だからこそ「りっけん政治塾」も改めて開催していますし、野田元総理を初めいろいろな党内の所属議員の皆さんにも、ぜひ有為な人材がいたら紹介してくださいという話もしているところですから、皆で一丸となって、一人でも多くの方を擁立したいですね。
 今、国民の皆様の期待が、本当にありがたいことに、とても高い。立憲民主党に政権交代の主軸を担ってほしいという声があります。ただ、空白区では残念ながらその大きなうねりや思いというものを受け止める、我々の、風を受ける帆がないという状態ですから、おそらく、そこで誰かがチャレンジをすると決めれば支持もまたぐっと上がってくるところがあるので、全国の方々に一人でも多く立ち上がっていただきたい。そのための努力をしてまいります。

○党代表選挙について(1)

【共同通信】
 代表選の日程に関して、野田元総理が自民党総裁選と同日にすべきだという考えを述べられた。当然日程については今後代表選管と党内手続を経て決定されるわけだが、世論の関心をできるだけ集めるために代表選と総裁選を同日に実施すべきだという考えについて、代表個人としてはどのように考えるか。

【代表】
 いい一つの考えではないかと思いますね。マスコミの皆さんには、自民党の報道ばかりしないで、立憲民主党の代表選もしっかり扱ってくださいということはお願いしたいですしね。
 あと、本当にこうして国会が終わると途端に自民党の側は、誰と誰が会食をしてというようなことで政局記事をどんどん流して、裏金のことを忘れさせようという節もありますから、ぜひマスコミの皆さんは、そうした自民党の会食政局報道に巻き込まれていいように彼らの流れを後押ししないようにしてもらって、ぜひ、この裏金問題の真相のシリーズを組んでもらいたいくらいに思うし、金のかかる政治というのはどういうものなのかということについても特集を組んでもらいたいし、今の金集め競争政治の実態というものもえぐっていただきたいと思うし、そういう報道を増やしていただきたいなと。
 立憲民主党の代表選の考え方というのは、先ほど言っていただいたように、これは代表選管のほうで決まっていくことですから、そちらのほうでしかるべく対応していくと思います。

【時事通信】
 代表選の質問に関連して。自民党では総裁選に名乗りを上げる方々の名前が出ている状況だが、改めて泉代表ご自身の態度は、今の気持ちはどのようなものか。

【代表】
 ありがとうございます。
 これまでも言ってきたことなのですが、今、とはいえ解散権は岸田さんにありますから、いつ何どき、国会、衆議院解散・総選挙があるかもしれない。それは、もしかしたらですが、自民党総裁選前にだって全くないとは言えないわけですから、我々としては、私としては、とにかく今は総選挙に向けた候補者擁立を増やす。そして、全国の支持率を上げる。その準備をやっています。とにかく今はそこに取りかかっていますので、代表選云々ということについて、まだ考える時期にはないと思っています。
 とにかく今は総選挙に向けて、そして、今は東京都知事選もしていますから、目の前の一つ一つの選挙で結果を出していきたいということを考えています。

○衆院憲法審 幹事懇の職権立てについて(1)

【時事通信】
 別件で、憲法審査会について。昨日、衆議院の憲法審査会の幹事懇について、職権できょう正午から開催されることが決まった。立憲民主党の逢坂誠二筆頭などは出席しない意向を表明されているが、泉代表は党首討論でも議論するのは当たり前だということを繰り返していらっしゃったが、このような憲法審査会自体の姿勢と、立憲民主党が出席されないということの受け止めをお願いしたい。

【代表】
 まず、これは自民党内からも出てきていますが、こんな無茶苦茶な進め方をしたら、変な話ですが、彼らがやろうとしている憲法改正はより遅れるということになっていくのでしょうね。ですから、自滅行為をしているなと。何を考えているのか。大変残念な姿勢ですね。
 そして、今は国会閉会中ですよね。閉会中審査は、それはやればできるというものではあると思いますが、では、拉致問題も、あるいは年金の制度についての議論も、非正規雇用についての議論も、やらなければいけないことがほかにもいっぱいあるのに、ほかの委員会は一つも開こうという話をせずに、何を憲法審査会だけ動かそうとしているんですかと。国民生活をほったらかしで、自分たちの実績をつくりたいためだけの憲法審査会だけ動かすというのであれば、それは全然国民のための仕事とは言えませんねということではないですかね。そのおかしさをぜひ国民の皆さんには知っていただきたい。
 今、国会閉会したんですよね。予算委員会も開かない。厚生労働委員会も開かない。拉致問題の特別委員会も開かない。だけど、なぜ憲法審だけ開け開けと言うのですかと。かなりいびつな考え方ではないかと考えます。

【朝日新聞】
 今の質問の関連で、同じ趣旨の質問だが、泉代表は党首討論では、立憲としてはいろいろな論点を議論するのは当たり前とおっしゃっていた。先ほどいろいろおかしさを説明されたと思うが、議論することと今回の欠席との整合性について改めて伺いたい。

【代表】
 繰り返し言いますが、国会閉会中です。開会中も閉会中も何のけじめもない、あるいは何の考え方も示さずに、特定の委員会、今回は審査会という名前ですが、そこだけ動かそうというのは理屈がおかしいということです。
 何だってそうですよ。重要課題はいつだって我々は真摯に議論していきますという考え方。でも、国会閉会中でも拉致問題の議論をしてくれますか、同じように閉会中でも非正規雇用の議論を政府・自民党は乗ってくれますか、大臣も全員出席してくれますかと、それは我々から聞きたいですね。
 我々の言ったことには審議拒否をして、自分たちのやりたいことだけは進めるという姿勢では、これは閉会中の姿勢としてはやはり問題があると考えます。

○次期衆院総選挙に向けて(2)

【朝日新聞】
 別件で、冒頭のご発言で、維新について、政党の体を成していないと、ゆ党だと、かなり厳しいことを言われていたと思う。ただ、次期衆院選に向けて、ある程度野党が一致結束して自民党の過半数割れに追い込むとか、そういったことを見据えていくと、維新との姿勢というのは、今の立憲は厳しい姿勢、泉代表の姿勢でいいというふうに考えているか。

【代表】
 おかしなことはおかしいと言わないとね。それは維新のためにもなると思いますよ。維新も立憲民主党のことは何だかんだというふうに言いますけれども、いや、ぶらぶらしていては駄目よと、どっちなんだということを、改めて維新自身も問われたわけですよ、今回の件では。
 だって、自民党に助け舟を出してしまったのだから。しかも、ものすごい足跡・傷跡を残して、いなくなってしまったわけだから。その足跡・傷跡の責任はどうするんですかと。あなたたちがこれから政策活動費を使いませんで済まされるものではなくて、10年後公開というものすごい傷跡を残して、いなくなってしまったわけですから。そこはもっと重たく考えてもらわなければいけない。
 これから一緒にやるにしてもですよ、そんなふらふらしているのだったら一緒にやれないよと。もし政権を担っていくといったって、いつ何どきどちらに行くかわからないような勢力であれば、それは無理でしょうという話になりますしね。国民からも信頼は得られない。
 立憲民主党は立憲民主党として自民党と戦っていきますから、そういう路線でちゃんと覚悟を決められるのかどうか。ここが問われますね。

【北海道新聞】
 今の質問に関連して。代表はかねて「ミッション型内閣」ということで、政治改革であったり教育無償化の実現ということで共通の政策を持つ他党との連携ということをおっしゃってきたかと思うが、現時点で日本維新の会と「ミッション型内閣」の射程には入っているかどうか、その点を確認させていただきたい。

【代表】
 これまでも常に、どの政党が入っている入っていないということは個別には言ってきませんでしたが、まず、今質問していただいたのは、やはり政策ですよね。政治改革を必ずやるとか、教育の無償化を必ずやる。その旗の下に一緒にやるつもりがあるのだったら、それは「ミッション型内閣」で一緒にやっていけるでしょうということを言ってきた。あとはその政党の決意ではないですか。覚悟、決意。
 こちら側が一緒にやれるかやれないかというよりも、その相手の政党がふらふらするのか、それとも自民党と戦って、ちゃんと政治改革を実現する、教育の無償化を実現するという決意があるかどうかの問題ですから、もうそれに尽きますね。決意がないのだったら、それは一緒にやれないということではないですか。

○党代表選挙について(2)

【産経新聞】
 話題が戻り、代表選について伺いたい。昨日収録のテレビ番組で辻元代表代行が、代表選のあり方について、候補者は政権構想をひっ提げて競い、選ばれた人の下で衆院選を受けて立つと発言された。また、野田元総理が千葉県内で記者団の取材に対し、いろいろな人が出てもらっても構わないというように、複数候補による代表選が望ましいというような考えも述べられた。どういった代表選、どういった議論が行われることが望ましいとお考えか。

【代表】
 当然皆さん一定の要件を満たせば出る権利がある、出る自由があるのが立憲民主党ですから、それはもうその選挙の仕組みに従って代表選が行われればよいと。これに尽きます。

【産経新聞】
 提示する政策だとか、どういった議論が行われることについては、どういったお考えか。

【代表】
 いや、別にね、僕が望む代表選にしたいわけではないので。党としてちゃんとルールが守られた、そして、複数候補が出ればしっかり政策議論が国民に届く代表選になればいいのではないですかね。

○東京都議補選について

【読売新聞】
 冒頭ご発言あった都議補選の関係で伺いたい。代表は必勝を期したいと力強くおっしゃったと思うが、改めてになるが、9地域というかなり多くの有権者の審判を仰ぐことになる。この都議補選の位置づけ、また、意義というのをどのように御党としてはお考えか。

【代表】
 基本的には、例えば、もし岐阜でやっていたら岐阜県議選だし、京都でやっていれば京都府議会議員選挙なので、この前沖縄でも選挙がありましたが、その県議選というレベルにおいては、これは都道府県連が基本的には行うものなので、党本部としてこういう目標でとかということは今あるわけではありません。あくまで都連の取組として、一人でも多くの仲間たちを当選してもらうということをサポートする協力をしますよということですね。

【読売新聞】
 とはいえ、党の公認候補として候補者を擁立するということでいうと、自民党とぶつかっている選挙区もあり、一定、今の立場というか力を測る指標のようにもなるかと感じるが、この結果というのは国政選挙であったり今後の党運営にどのように影響してくるとお考えか。

【代表】
 それは各都道府県で県議選が行われて、全く影響がないということでもないのでしょうし、多大な影響があるということでもたぶんなくて、その中で、各都道府県連の中で頑張って戦ってもらっているわけですから、党本部から仲間たち、あるいは幹部が応援に行くということも、それはあり得るし、都道府県連から要請があれば、あるいは陣営から要請があれば、それぞれ対応しているということで、全力を尽くしていきたいです。

○衆院憲法審 幹事懇の職権立てについて(2)

【毎日新聞】
 憲法審の話題に戻るが、きのう逢坂誠二筆頭はXで、自分が都内にいない、地方で講演をする日だと知りながら職権立てしたみたいな、そういった投稿をなさっていて、幹事懇の職権立てということが行われたわけだが、こういった一連の与党側の対応についてご所感をお願いしたい。

【代表】
 私も各委員会の、これは理事懇とか筆頭間協議とか言われるのですが、今この立場で一つ一つの筆頭間協議でどんなやり取りをしているかまでは把握はしませんが、でも、今伺った話が真実であれば、これは自民党の側に非がある異常な進め方だというのが国会のこれまでの普通の常識であるということは、会見を聞いていただいている国民の皆さんには知っていただきたいことですよね。
 やはり筆頭間協議というのは、信頼関係なり、仁義というか、常識的な対応に基づいてお互いに運営されているので、片一方の都合が合わないときに無理やり何かをしてくるというのは、それはやはり信頼関係にもとる行為ですから、今回それを自民党側がやってきているとしたら、やはり進行・運営に関しておかしいということでしょうね。

○「党代表選挙(3)」「自民党総裁選」について

【日本経済新聞】
 自民党内の動きについて伺いたい。報道ベースだが、石破元幹事長や河野デジタル担当相が総裁選への出馬の意向を固めた、意向を伝えたというような報道がなされている。先ほど会食政局というような言葉選びをされたが、さきの国会では、政治に金がかかるのか、かからないのかというところで、自民党と野党のほうで認識が整わなかったところがあると思う。そういった議論を踏まえて、自民党の総裁選に臨む各候補者の考え方と、現状どう映っているかというところを教えていただきたい。

【代表】
 自民党というのは本当に複雑怪奇な、国民感覚からすればもう迷路のような意図が非常に複雑に絡み合っている、しかし、それでいて政権維持という目的に全員が向かっているという、特殊な組織ですよね。
 先ほどの憲法の話でも、実は参議院の自民党だとか、あるいは公明党は、むしろ本当に憲法改正の審議が衆議院で進むことに賛成しているのか、あるいは参議院も含めて賛成しているのかといえば、実はそうではないという声はたくさん聞いていて、これは立憲民主党のせいだみたいなふうによく言われがちなのだけれども、実は自民党の中には相当、あんな衆議院での憲法審の議論はおかしいという声は自民党の側にもあるということはあると思います。それくらい複雑怪奇な党だということですよね。
 今回の自民党の中の総裁選が、どういう人が立候補して、どういう主張をしていくのかも、これはわかりません。わからないし、それは自民党の中の話ですからね。なのだけれども、やはり私自身、今回の政治改革というのは何のためにやってきたのかということでいえば、一つは、政治全体の使途不明金を根絶するということですよ。それは裏金も使途不明金だし、政策活動費も使途不明金だから、この使途不明金を根絶する。
 そして、政治家自身の責任を問う。これがなんちゃって連座制では駄目ですからね。しっかり連座制で政治家自身の責任を問えるかどうか。ここが二つ目のあるべき姿の論点だった。
 三つ目が、やはり金集め競争の政治の打破ですよ。この金集め競争政治の打破というところでいえば、自民党の今回の改革案はほとんど金集め構図は温存していますし、今のところ自民党の中で金集め競争ではない新しい政治を打ち出している人というのは私はまだ感じられないですね。
 そもそも、この前の国会終盤で、あの自民党案に、自民党のあらゆる総裁候補も、あらゆる改革派だと自分で言っている人も、あの自民党の法案に賛成をしたわけですから、改革を語る資格はない。金のかかる政治を変えようという志はないと言わざるを得ないですね。

【日本経済新聞】
 同時期に代表選が行われる可能性も高いと思うが、比較されるということを念頭にすれば、やはり代表選では今後の政治改革についての打ち出し方というのも一つ大きな論点になるのか。

【代表】
 そうですね。国民生活、物価対応、そういう議論も当然あると思います。一方では、やはり政治改革は必ず議論にならなければおかしいですよね。
 これがもし自民党の中で、いや、前回政治改革法案を通したから党内で何の違いもありませんよねということであれば、本当にそれこそ自民党の組織としての、もうジ・エンドな宣言、ジ・エンドの宣言ではないですかというふうには思いますね。

【日本経済新聞】
 ごめんなさい、今、立憲民主党の代表選の論点として伺ったつもりだった。

【代表】
 我々もそうですよ。

○刑事裁判中の国会議員への歳費支給について

【時事通信】
 自民党を離れた議員について伺いたい。風力発電の汚職事件で離党して逮捕・起訴された秋本真利議員。それから、安倍派の裏金事件で逮捕・起訴された池田佳隆議員。まだ国会議員でいらっしゃるが、本日付でボーナスが319万円支払われるそうだ。刑の確定前とはいえ、こうやって法律違反で逮捕・起訴された議員が国会議員でい続けることによって、ボーナス、それから歳費も払われているが、こういったことについてどのように受け止めているか。

【代表】
 これはもう本来であれば自発的に辞めていただくということがあるべき姿ですね。
 さまざま国会議員としての、例えばずっと国会に出席できないような状態のときの歳費をどうするかという議論などもありますから、そういうものをできる限り早く超党派で詰めていくべきことだと思います。
 一方でというか、その秋本議員が1年ぶりに保釈をされたということですかね。これはこれで、今、別な課題で、人質司法という言われ方もあるのですが、余りに勾留期間が長い問題とか、そして、検察の思うような自白にたどり着くまで勾留し続けるということそのものの問題もまた別途言われていることがあって、今ちょうど角川さんですかね、そちらのほうでもそういう話が出てきていますが、立憲民主党も政策集の中で、人質司法のあり方については論点を整理して、課題を整理して検討する必要があるということを言っていますので、そういうことはそういうこととしてもう一つ取り上げなければいけない問題ですね。ちょっと話が展開しましたが。

(以上)