岡田克也幹事長は9月10日、国会内で記者会見を開き、(1)参院岩手県選挙区補欠選挙(2)公明・山口代表の退任表明(3)自民党総裁選――などについて発言しました。
■参院岩手県選挙区補欠選挙
自民党にかつて所属していた広瀬めぐみ元参院議員が勤務実態のない公設秘書の給与を国からだましとったとして議員辞職したことを受けて実施される参院岩手県選挙区補欠選挙(10月10日告示、27日投開票)について、木戸口英司氏の公認内定が執行役員会で承認されたと報告。木戸口氏について、「皆さんもご存じの通り元参議院議員で、(前回の補欠選挙で)まさしく広瀬さんと戦った人。非常に優れた政治家だ」と大きな期待を寄せました。
■公明・山口代表の退任表明
公明党代表選に山口那津男代表が不出馬を表明したことについて岡田幹事長は、「山口代表とは、平成2年に初当選した同期。その後、参議院に代わられたけれども、新進党の時代に同じ党にいた。(現在は)党や立場は違う中でも、かなり親しく交流をさせていただいた。15年間、本当にご苦労様でしたと申し上げたい」と述べました。また、「公明党は与党だが、政策的には立憲民主党ともかなり近い部分もあるのではないか」と述べ、「(山口氏とは)どういう立場に立ってもお互い政治家同士、信頼関係を持って交流、話し合いができればと思っている」と述べました。
■自民党総裁選挙
自民党総裁選に出馬を表明している茂木氏や小泉氏が「政策活動費の廃止」を訴えていることについて、「どうして国会審議が行われている時に声を上げなかったのか非常に疑問。自民党の中で議論を喚起する責任があったのではないか」と疑問視しました。
また、前回の衆院解散総選挙時には岸田総理が本会議だけで解散を行ったことをふり返り、「もし予算委員会を開いていれば、そこでさまざまな議論が行われて中身を検証できた。しかしそれがないままに本会議のやり取りだけで解散をして、それから3年経ってみて、当時言っていたこととその後の3年間が全く違う。そういう意味で、予算委員会の開催は不可欠だ」と強調。自民党の総理総裁が「どういう考え方をしているか」、本会議だけではなく、1対1のやり取りである予算委員会で国民に説明責任を果たすべきと述べました。
岡田克也幹事長記者会見
2024年9月10日(火)14時01分〜14時24分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/xvhR9AfKAWY
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言
○執行役員会を開催
【幹事長】
きょうは常任幹事会はございませんが、先ほど執行役員会を開催いたしました。その場で、代表選挙も佳境に入ってまいりましたので、今後の党務に関することについては私に代表からご一任いただくということにいたしました。来週も執行役員会を開く予定でありますが、そのときにはもう代表不在で行わせていただきたいと思っております。
なお、来週は常任幹事会も定例でいうと予定される日ですが、代表選挙も佳境に入ってきているという状況の中で、個々の議員の皆さんに上京していただくのはいかがかということで、常任幹事会は行わないということにいたしました。ただし、来週は衆議院の公認候補(内定)が数名出てくる予定でありますので、それは持ち回りで対応したいと考えております。
それから、きょう持ち回りを行う予定ですが、先ほどの執行役員会で、岩手県の参議院補選、木戸口英司さんを執行役員会のレベルでは承認したところであります。きょう中に持ち回りを行って決定したいと考えております。木戸口さんについては、もう言うまでもなく、皆さんもご存じのとおり、元参議院議員。まさしく広瀬さんと戦った人であります。岩手県連から名前が上がってまいりまして、非常に優れた政治家でありますので、全く異論なく執行役員会では承認をしたところであります。
○公明党・山口代表の退任表明について
【幹事長】
さて、きょうは公明党の山口さんが次の代表選挙には出ないということを記者会見で言われました。
山口さんは、平成2年初当選同期ということもあり、その後、参議院に変わられたわけですが、その前に大学の同期ということもあり、同じ党にいた時期もありました。新進党の時代ですね。そういう意味で、かなり親しく、党は違う、立場は違う中でも交流をさせていただいた方であります。15年間、本当にご苦労様でしたと申し上げたいと思います。
公明党、もちろん与党ということでありますが、政策的には立憲民主党とかなり近い部分もあるのではないかと私は思っております。どういう立場に立っても、お互い政治家同士、信頼関係を持って、交流、話合いができればと思っております。
○自民党総裁選 政策活動費について
【幹事長】
自民党の総裁選挙、これから始まるわけですが、前回も申し上げましたが、どうしても私、納得できないのは、いろいろありますが、やはり政策活動費です。
茂木さんは、国会の中で(廃止に)反対していたではないかと言われて、政策活動費が問題になったのは国会の終盤であったということを言われていますが、これは明らかに事実に反するわけです。もう2月の予算委員会で私は岸田総理に、政策活動費、これはやめましょうということを申し上げました。岸田総理からは、政治活動の自由に反するというような話とか、いろいろ理由を述べられて、頑としてこれを拒否されたわけであります。それは岸田総理が勝手に言っていたのではなく、自民党総裁として言っておられたわけで、茂木幹事長もそのときに反対をしておられたということはもう明白であります。国会の終盤まで議論がなかったというようなことは明らかに事実に反することで、あまりこんなことばかり言っていると総裁候補としての適格性すら疑われかねないと思います。もう少しレベルの高い、正直な議論が行われることを望みたいと思います。
小泉さんも政策活動費については廃止を言われています。そのこと自身は結構ですが、自民党の若手・中堅の有力議員として、では、どうして自民党の中で国会審議が行われているときに声を上げなかったのかということは非常に疑問に思います。今言うならば、もっと、おかしいということであれば自民党の中でそういう議論を喚起する責任があったのではないかと思います。大変影響力のある方ですから、そのときに黙っていて今頃言うのは何なのかなと思います。
いずれにしても、もし総裁・総理ということになれば、直ちにこの前成立した政治改革法案の修正案を出して、政策活動費の部分は廃止するということで、直ちに実行していただきたいと思っているところです。
○解散・総選挙について
【幹事長】
全体の今後の日程のいろいろな憶測、議論がある中で、国会を開かずに、開かずとは解散するには国会を開かなければいけないのですが、議論なしで解散をするという声も聞こえてまいります。
確かに岸田総理は本会議だけで解散をされました。「新しい資本主義」とか「分配重視」とか、そういう岸田さんの総裁選挙における発言について、もし予算委員会を開いていれば、そこで様々な議論が行われて、中身を検証できたと思います。しかし、それがないままに、本会議のやり取りだけで解散をして、それから3年たってみて、当時言っていたこととその後の3年間、全く違うということになりました。
そういう意味で、やはり予算委員会の開催は、もうこれは不可欠だと思います。新しい総理が選ばれたのであれば、どういう考え方をしているかということを国民に対してきちんと説明すると。しかも、本会議だけではなく予算委員会のやり取りも含めて説明責任を果たした上で解散しなければ、国民は結局白紙委任をするしかないということになります。そういうことはあってはならないということは、ここでくぎを刺しておきたいと思います。本会議だけで解散するという場合も、やらないよりはましかもしれませんが、やはり1対1のやり取りがあって予算委員会があって国民に説明責任を果たしたことになるということは申し上げておきたいと思います。
そういったことも総裁選挙の中でメディアの皆さんからもいろいろと質問を出していただいて検証していただきたいと思うところでございます。
■質疑
○自民党総裁選について
【東京新聞】
ちょっと急いで来たので、あまりまとまっていないが、先ほどの政治と金の問題の関係で伺いたい。先ほどは政策活動費の話に言及されていたが、自民党の総裁選の立候補予定者の方、いろいろ政治改革とか政治と金に関する改革案みたいなものを出されているが、その中で、幹事長からご覧になって、出ていない部分、何が足りていないのかというところを項目として挙げるとしたらどういったことが挙げられるか伺いたい。というのも、今こちらの代表選のほうではもう少し、もちろん裏金の調査の話も出ているし、これから先に向けて例えば世襲制限の話も論点として上がってきていると思うが、そこら辺まで視野に入れてお話を伺いたい。
【幹事長】
代表選挙の中では、企業・団体献金やパーティーの禁止の話とか、世襲制限の話が出ていると思います。
それに加えて、私、(政治改革実行本部)本部長としてぜひ強調しておきたいのは、我が党が主張した中で、今は歳出については税理士や公認会計士が収支報告書についてチェックするということになっていますが、歳入は除外されています。裏金の問題というのは歳入の問題ですから、そこにも上がらなかったというもっとひどい話ではありますが、やはり歳入も含めてそういった第三者のチェックが行われるようにすべきだと。
それから、党本部について、我が党は自主的に歳入も含めて、公認会計士、監査法人のチェックを受けていますが、今は(法律で)義務づけられていません。党本部もそういったことをしっかりと第三者によるチェックが行われるようにすべきだと。ここは強調しておきたいと思います。
もう一つは、いわゆる茂木方式。他の政治団体に移してしまえば透明性が一挙になくなるということについて、現行案は1000万円ということになっているのですね。自民党案が成立したわけですが、1000万円までは移せますよと。そうすると、三つ、四つの団体に1000万円ずつ移したら、もうほとんど透明性がなくなってしまいます。私たちは100万円です、基準は。100万円以上を移した場合には政治家の政治団体と同じような厳しい収支報告を要求する、求められるというものであります。そういった部分についても、ちょっと実務的かもしれませんが、実は極めて大事なところなので、強調しておきたいと思います。
【東京新聞】
もう一点だが、同じように総裁選の関係で、候補によって、金融所得課税の強化とか、増税ゼロとか、あるいは選択的夫婦別姓の導入というところがあり、これは本来立憲民主党がどちらかというと力強くおっしゃっていた印象があり、一方でそう言っている党の所属議員の方もいらっしゃるわけだが、これを相手が言い始めた背景とか、どういうふうにご覧になっているか。例えばきのう泉さんはテレビの中で「立憲自民党」ではないかというような皮肉をおっしゃっていたが、どういうふうにご覧になっているか伺いたい。
【幹事長】
誰が考えても、選択的夫婦別姓、国民の多くもそれが必要だというふうに言っていますし、経団連すら言っている中で、自民党もそういう思いの人は元々いるのだろうと思います。小泉さんなんかは前からそうだと言っておられました。ただ、それが許されないような、一部の勢力によるブレーキというものがかかっていたということだと思います。総裁選挙で小泉さんが言われたことは私は評価しますが、言われた以上はきっちりとやってもらいたい。もうこれは30年、40年の話ですから。そういうふうに思っております。
政策活動費などは、本当に、先ほど言いましたように、全く今頃出てくるのは不思議であります。
増税も、茂木さんが言うから特におかしいのですね。執行部だったわけですから。岸田総理が防衛増税ということを打ち出されたとき、党としてもそれを推して、私たちの反対を押し切って法律ができているわけですから、それを今更何を言っているのかなという気はいたします。ただ、間違いに気づいたということであれば、ちゃんと国民に対して謝罪をして、そして引っ込めてもらいたいと考えております。
○党代表選について(1)
【読売新聞】
12日から自民党総裁選が始まり、当初から自民党総裁選とかぶることで埋没ということが懸念されていたわけだが、改めて、12日から同時並行的に総裁選・代表選が行われる中で、どういう議論、また、どういう代表選にすべきか。埋没しないためにどうすべきか。いかがお考えか。
【幹事長】
中身ですね。ですから、しっかりした議論が行われる(ことが重要だ)。
自民党の場合には数も多いので、そうかみ合った議論にならないかもしれません。わかりません。
我々はしっかりと政策論を行って、もう既に始まっていますが、だんだんだんだん違いといいますか論点も絞られてくると思います。そういうものを逃げずにちゃんと議論するということが重要だと思っています。そのことを通じて国民の皆さんに我々の本気度ということを確認していただくということではないかと思います。
ぜひ、自民党の総裁選挙が始まっても、変わらず我々の代表選挙についても報じていただければありがたいと思います。
【毎日新聞】
代表選の関連だが、代表選の推薦人になった方が違う候補者を支援することを表明するということがSNSだったりメディアの取材だったりで続いているが、こうした現状というのはどうお考えか。
【幹事長】
推薦するということは、それだけの責任のある一つの判断を示したわけですから、どういう発言があったのか私は承知しておりませんが、推薦人は推薦人として活動していただきたいと思っています。
【毎日新聞】
ということは、やはり推薦人は、やっている最中で考え方が変わることはあるかもしれないが、推薦した候補者を支援、投票すべきだとお考えか。
【幹事長】
投票までは縛れません。縛る立場にも私はありません。
ただ、常識の範囲で、推薦人になるということは重いことですから、そのことを踏まえて、それぞれの政治家が判断してもらいたいと思っています。
○高木元連合会長の逝去について
【時事通信】
高木元連合会長が亡くなった。民主党政権の成立にも尽力した方として知られているが、ご所感と、幹事長として生前のご交流など何か思い出に残っているものがあれば伺いたい。
【幹事長】
私が初めて高木さんにお会いしたのは、当選する直前ですね。平成2年2月に私は初当選ですが、その前にお会いをして、もちろん党は、私は自民党で、高木さんは民社党を推しておられたので立場は違うわけですが、労働運動の大事さについていろいろとお話をいただき、私は本当に感銘を受けたという記憶がございます。
その後、継続的に交流というかおつき合いをさせていただいておりましたが、最近の思い出で言うと、例の、民進党が分裂して(旧)国民民主党と(旧)立憲民主党。その前、私たちは民進党だったので、選挙は無所属で戦ったのですが、党籍はあったので、その後、民進党の議員だったわけですね。何とかこれ、その後、国民民主党と立憲民主党というふうに分かれるわけですが、そうならないように、連合が中心になって、我々も努力するので、まとめてもらいたいということで、高木さんにお願いをしたこともございます。
ご自宅までお伺いして、だいぶお話もさせていただいたこともございます。そうですね、ご自宅にお伺いしたときに、決して大きな家とは言えない家の食堂で1時間くらいお話しさせていただきましたが、あれだけ労働運動のトップに立ち続けた方にしては随分質素な生活をしておられるなということを改めて感じたりしたこともあります。
本当にリーダーシップのある立派な方だったので、亡くなられたことは残念だし、もっと元気で我々をご指導いただきたかったと思っています。
○裏金問題 二階派元会計責任者への有罪判決について
【共同通信】
先ほど、二階派の元会計責任者の方が、禁錮2年、執行猶予5年という有罪判決を言い渡された。政治と金をめぐる問題は様々あるが、この件を含めて、改めてご所感等をお願いしたい。
【幹事長】
結局、事務方だけが罪に問われているということですね。二階派ですね。ですから、なぜ議員が責任を問われないのかということは極めて不思議です。
私は判決文とかを読んでおりませんので、ちょっとそれ以上はコメントし難いのですが、二階派にしても安倍派にしても、あるいは岸田派にしても、事務局長、事務方の責任者が罪に問われて、そして議員は、そういう意味では、派閥のトップとか、あるいは事務総長的な立場の人が罪に問われることがないというのは、非常にアンバランスだと思います。
○党代表選について(2)
【共同通信】
話戻るが、立憲民主党代表選について。きょう告示から4日目となったが、これまでの議論をどういうふうにご覧になっているか。あるいは、もっとこういう議論をしてほしいとか、何かあればお願いしたい。
【幹事長】
私は、前から申し上げているように、幹事長として全体の代表選挙がうまく国民の皆さんに伝わるように回っていくことに責任を負うものでありますので、個々の中身についてあまり申し上げないほうがいいと思います。
ただ、私が承知している範囲でも、4人がそれぞれの考え方をしっかり述べられて、かみ合った議論になっていると思いますので、更に議論がかみ合っていくことを期待したいと思っています。
【共同通信】
少し個別のことになるが、盛り上がりという観点から、若手や女性の方が出たほうがいいという声が以前からあったように思う。最終的に吉田はるみさんがぎりぎりのところで立候補されたが、この点について、盛り上がりに及ぼす影響というか、単によかったなとか、そういう辺りはいかがお感じか。
【幹事長】
これは図ってそうなったわけではなく、結果として、吉田さんもぎりぎりのタイミングで、 21人ですか、推薦人が集まったということであります。
私もやはり女性の候補者が出たほうがいいというふうには思っておりましたので、今の形で4人でやることになったというのは、いい形ができたなというふうには思っています。
ただ、これは図ってやったわけではないので、結果としてそうなったということですね。
【共同通信】
その一方で、江田憲司先生も出馬には意欲を示されていたと思うが、ここは一本化をすることによってご自身が引かれたという形になったと思う。その心情をどういうふうにお感じになっているか。
【幹事長】
そういう具体的なことまで私がこの場で言うべきではないと思います。
【共同通信】
最後に一点。幹事長の中では、どなたにというのは、もう心の中で決めている方はいらっしゃるか。
【幹事長】
いや、申し上げているように、私はこの代表選挙がしっかりと成功裏に終わるということを目指しておりますので、それ以上のことは申し上げられません。
(以上)