野田佳彦代表は10月4日、代表就任後、初となる定例会見を国会内で開き、(1)立憲民主党の公約、(2)自民党裏金議員の公認(3)首相の経済対策指示――などについて発言しました。
(1)立憲民主党の公約
野田代表は、次期衆院選に向けた公約の内容に言及し、「政権交代であなたのくらしを豊かに」すると述べ、「7つの約束」を掲げると表明。来週7日に、詳細を発表すると明らかにしました。
(2)自民党裏金議員の公認
石破総理総裁が、裏金議員を次期衆院選で原則公認(比例代表との重複立候補も容認)する方針と報じられたことについては、公認しない可能性を示唆していた自民党総裁選中の発言とは「全然違う」と強調。また、所信表明演説においても「ルールを守るとか、地域を守るとか、何とかを守る」を羅列しているが、「まずは約束を守れというところから申し上げたい」と厳しく指摘しました。
(3)首相の経済対策指示
石破総理が同4日の閣議で、経済対策の策定を指示したことについては、「選挙前のバラマキになる可能性がある」と指摘。総理の発言のブレによりマーケットが混乱しないよう、政府と日銀で「方向感を確認」し、「ブレない発信をしなければいけない」と述べました。その上で、立憲民主党が提案しているように、政府と日銀の共同声明(アコード)を見直しし、「みんなが確認」できるようにすべきとの認識を示しました。
野田佳彦代表記者会見
2024年10月4日(金)10時33分〜11時08分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/LOiIDov4N34
■冒頭発言
■質疑
- 政権公約の概要について(1)
- 衆院総選挙に向けた取組について(1)
- 臨時国会 「予算委開催の必要性」「党首討論」について
- 裏金問題(1) 旧石破派の不記載報道について
- 党人事について
- 外交・安全保障政策について(1)
- 裏金問題(2) 裏金議員の公認・比例重複について
- 政権公約の概要について(2)
- 衆院総選挙に向けた取組について(3)
- 外交・安全保障政策について(2)
■冒頭発言
○政権公約の概要について
【代表】
おはようございます。初めての定例記者会見をさせていただきたいと思います。
私のほうからは、もう既に一部報道で出ておりますが、立憲民主党の公約です。正式には月曜日につぶさに発表する予定でありますが、きょう私のほうからは大きな柱について概略的にご説明させていただきたいと思います。
「政権交代であなたのくらしを豊かに 立憲民主党の7つの約束」ということで、まず第1に、政治の信頼回復。項目としては、政治資金を徹底的に透明化し、裏金・脱税を許しません。二つ目に、金権政治の温床となる企業・団体献金の禁止。国会議員の世襲、政治資金の非課税での引継ぎ、これを制限するということであります。税金の使い方を徹底的に透明化・効率化することです。
次に、分厚い中間層の復活。家計・賃上げ支援ということで、物価・経済対策でありますが、柱としては、人への投資と最低賃金1500円以上で賃金を底上げすること。中小企業が賃上げしやすい環境を整備すること。自然エネルギー、デジタル産業に重点投資することを柱にしています。
次に、外交政策。3番目でありますが、安定した外交・安全保障戦略として、日米同盟を基軸とし、アジア太平洋地域との連携強化であります。これは石破さんも日米同盟を基軸と言っていますが、アジア版NATOなどと言っているので、むしろ基軸に揺らぎが出てきているのではないか。こちらは屹屹(きつきつ)として軸として位置づけた対応をしていきたいと思います。気候変動対策や人権を重視した外交も展開するということであります。
四つ目、社会保障ですが、超高齢社会に対応した確かな年金・医療・介護・福祉ということで、まず、これは紙の健康保険証を残すということをあえて明記させていただきました。今、総裁選挙では、石破さんも、そして加藤さんも言ったかな、官房長官も言ったと思いますが、検討するはずだったのですが、デジタル大臣も厚生労働大臣もこの話は従来どおりという方針なので、ここは明確に紙の健康保険証を残すということを特出ししていきたいと思います。さらに、保育・介護・福祉で働く人の賃金を上げるという項目も入れさせていただきました。
5番目が、子育て・教育で、未来を育む子育て・教育。給食費、高校・専門学校・大学(の授業料)を無償化。これは従来から強く主張してきたことでありますし、加えて、奨学金の返済支援も加えさせていただきたいと思います。
六つ目が、地域再生で、地方と農林水産業の再興を中身としています。新たな直接支払い制度で食料自給率を向上させること。地方回帰の加速と、災害に強いまちづくり。これは能登などの問題も、対策も入れております。
7番目、共生社会。多様性を認め合える、当たり前の社会をつくるということです。選択的夫婦別姓制度を実現。ジェンダー平等を着実に推進。
こういう7本の柱立てで、具体的には月曜日にパッケージでお示ししたいと思います。
○「裏金議員を公認・比例重複」自民方針について
【代表】
なお、報道によりますと、自民党は裏金議員原則公認、そして衆院選で比例重複も容認をする方針であるということでありまして、これは大変驚いているといいますか、総裁選中の発言とこれは全然違うと思いますし、少なくとも新しい執行部ができたらこれは慎重に検討するはずだったと思うのですが、随分早い段階で今まで言ってきたことを大きく変えることになったなと思います。
様々な世論調査でも、裏金議員を公認することについては、7割、75%の人たちが反対をしているという中で、こういう方針で臨んでくるということには驚きを禁じ得ません。
徹底的にこうした選挙区では厳しく戦っていかなければいけないなと改めて思ったところでありますし、今回の所信表明も、ルールを守るとか、地域を守るとか、何とかを守ると、いっぱい羅列していますが、まずは約束を守れというところから申し上げたいと思います。
○経済対策の閣議決定について
【代表】
次に、きょうは閣議決定で経済対策の指示もされたようでありますが、選挙前のばらまきになる可能性があるのかどうか、よく中身を検討させていただきたいと思いますし、むしろ、具体的な経済対策を指示する前に、為替や株等のマーケットの乱高下をどう見るか。これはどう見ても総理の一貫性のない発言によって市場が大きな混乱を起こしているとしか思えませんし、ぶれを感じます。
マーケットを意識してぶれているのか、よくわかりませんが、軽率な発言でぶれているのかわかりませんが、いずれにしても、私は早くこういうことの起こらないように政府と日銀がよく話し合って方向感を確認してお互い軸のぶれない発信をしなければいけないと思いますので、これは年来からの主張でありますが、日銀と政府によるアコードを改めて締結し直して、その中で賃上げの上昇などの目標も入れることによって、どういう社会を、どういうことで政府と日銀が連携し合っていくかがぶれることなく方向性が皆が確認できるようにすることのほうが、まず、今は大事ではないかと思います。
■質疑
○政権公約の概要について(1)
【NHK】
冒頭のことで何点か伺いたい。公約の部分、細かいことを聞くつもりはないが、この 七つの柱に込めた思いなど、大きな部分で代表の思いを伺いたい。
【代表】
プロセスとしては、今まで泉体制の下で積み上げてきた議論で政権公約に入れようと思っていたことと、私が代表選挙で申し上げたことを組合せしながら、今回、短い時間でありましたが、「次の内閣」の皆さん、あるいは平場でご議論をいただいて、集約をさせていただいた内容でありまして、そこには私の主張した、例えば令和版の農業公社のようなものであるとか、あるいはインパクト投資であるとか、私の主張したこともなるべく入れ込んでいますし、特に政治改革に係る部分などということは、そこは石破さんとかと決定的に違うと思います。総裁選で言ったことが、たぶんきょうの所信表明でも出てこないし、選挙公約にも出てこないだろうと思いますので、そこはかなり意識しながら作業をさせていただきました。
○衆院総選挙に向けた取組について(1)
【NHK】
自民党の原則公認の報道について発言があった。徹底的に厳しく戦っていかなければいけないと述べられたが、きのうも党首会談があったが、いわゆる裏金議員のところでの候補者調整についてはどのように考えているか、改めてお願いしたい。
【代表】
きのうは、まずスタートを切ったということで、これからも誠意ある対話をしながら、なるべく調整できるようにしていきたいと思いますが、調整以前に、まだまだ完全に手つかずになっているところもありますので、そういうところは我々主導的に擁立をしていく。そして、また、動きがあることについては各党にもちゃんとお知らせをしていくということをやっていきたいと思います。
○臨時国会 「予算委開催の必要性」「党首討論」について
【NHK】
あと一件。冒頭とは関係ないが、これまでの国会対策の動きで、求めていた予算委員会ではなく党首討論という姿勢を自民党は示しているが、これについての代表の受け止めをお願いしたい。
【代表】
きのう各党の党首の皆さんとの会談の中でも、これは全ての党と共通認識を持てたのは、予算委員会開催を要求するということであります。被災地支援の問題もあるし、政治と金の問題については信頼を取り戻すための臨時国会にしなければいけないのに、何でその議論をしないのか。あるいは、各閣僚についてはもう既にいろいろな問題が出てきていますので、そういう資質があるのかなどは、どうしてもこれは予算委員会でやるべきだと思いますので、その思いを強くしていますので、引き続き予算委員会の要求をしていきたいと思います。
【共同通信】
今、予算委員会の件のお話があったが、党首討論に関しては、石破さんはことし6月だったかのブログで2時間以上はやるべきだというふうなことを自身で書かれている。仮にこの党首討論も予算委に加えてというか、予算委は別にして党首討論が開催されたときに、どういったところを重点的に討論したいか、どういうお考えかお聞きしたい。
【代表】
現時点では予算委員会か党首討論かという議論になっていますので、あくまで我々は予算委員会を主張していきたいと思います。
加えて党首討論ならばこれは大いに結構だと思うのですね。最近なかなか党首討論の機会がなかったので、予算委員会もやるけれども党首討論もというならばなおいいと思うのですが、その際には、ブログでせっかく書いていらっしゃるので、2時間でも、でしょう。
ただ、6月くらいの話でしたので、ブログ。その後、言ったことを守っていないので、6月に言ったことを守ってくれるかわかりませんが、最大限やはり時間は取らなければいけないと思いますね。せめて、と思います。
○裏金問題(1) 旧石破派の不記載報道について
【朝日新聞】
一部報道だが、自民党石破派が19年から21年の間にパーティー収入の不記載80万円があったということが明らかになった。自民党のこの不記載の再調査も含めて、この80万円の不記載があったこと、首相の足下であったことについて、どうお感じになるかお願いしたい。
【代表】
会計をしていた会計責任者の人に調べるようにと指示しているとは報道で出ていましたが、それだけではなく、総裁選挙のときにも石破さんのみならず皆がおっしゃっていましたが、新しい事実が出てくれば再調査する、(そうでない限り)しないと言っていた。でも、新しい事実が出てきましたね。それは麻生派もそうでした。石破グループも出てきました。そして、今まではキックバックのお金は違法なことに使っていないという(党内調査の)結果を出していましたね。岸田さんが説明していましたが。堀井学さんのようなケースもありますので、新しい事実が次々出てきているので、きちっと再調査をすべきであると強く主張したいと思います。石破グループを含めて。
○党人事について
【朝日新聞】
もう一点、別件で、立憲民主党の総合選対が立ち上がり、その人事のことで伺いたい。小沢一郎さんが本部長代行、ナンバー2のポストに就かれたと思う。きのう小沢さんは記者団の取材に対して、代行の権限がはっきりよくわからないと。2009年のときは全部の権限を任せていただいていて、任せていただけるかどうかは野田代表次第だというふうな発言をされた。小沢さんに役割として期待することや、どういう権限で、どういうお仕事をお願いしたいかというのがあればお願いしたい。
【代表】
本部長は私です。最後の責任は私が負いますが、代行というのはそれに続く立場であるということでありますので、大変重たい立場をお引き受けいただいたということで、09年の民主党の規約と、その後の立憲民主党の規約は違うので、ちょっとそこのニュアンスの違いがあるということはご理解いただかなければいけないと思いますが、その中で、やはり選挙については本当に精通されていた、言葉は適切な言葉が浮かびませんが、手だれの人でありますので、本当に頼りにしています。
お願いしたいことはいっぱいありますので、そういうことを常にお願いをして、そして、力を発揮していただければと思います。全幅の信頼を置いて、そして、いろいろお願いをしていきたいと思います。
【朝日新聞】
それは党内で何か戦略的なアドバイスをいただくだけではなく、他党との交渉でも一 翼を担っていただきたいということか。
【代表】
もう既に具体的ないろいろなこともお願いしていますので、緊密に連携をしていきた いと思います。
○外交・安全保障政策について(1)
【フリーランス】
冒頭にご発言があった外交・安保の関係で伺いたい。今の中東情勢やウクライナ情勢を連日報道などで見ていると、国がミサイルなどの反撃能力・敵基地攻撃能力や核抑止力を増強することが戦争や虐殺の状況から市民を守ることになるとはとても考えられない。アメリカとイスラエルの軍事同盟の関係や、集団的自衛権を想定したNATOも、戦争状態を悪化・拡大する方向でしか動いてなく、全く歯止めになっていない状況が続いている。石破政権の顔ぶれを見ると歴代の防衛大臣経験者もずらっと並んでいるが、本日以降の国会論戦、それから解散・総選挙という中で、2022年12月の安保関連3文書改定の閣議決定の見直しといったことを含め、根本的に外交・安保政策を見直す必要があるという方向での論戦は何かお考えか。世界中が注目していると思うが、お願いしたい。
【代表】
ちょっと多岐にわたる内容なので、どうお答えしていいか、ちょっと整理しなければいけないと思いますが、例えば、今、アジア版NATOなんていう話が出てきましたよね。これはおそらくフルスペックで集団的自衛権が行使できるようにしなければいけない、憲法改正を伴うようなものだと私は解釈いたしました。そんなことを誰が望んでいるのだろうと。国民も、アメリカも望んでいないかもしれない。アジアの諸国が望んでいるとも思えませんので、こういうことについては厳しくただしていきたいと思います。
加えて、現実、今、中東情勢がどんどん緊迫しています。歯止めをかけるための努力というのは、これはアメリカの影に隠れた外交、あるいはG7の一員としての外交ではなく、日本は中東で独自の外交をこれまでやってまいりましたので、その平和をつくるために、あるいは停戦にまで持っていくために、日本独自の外交もあるだろうと思います。そういうことはもっと我々は強調していかなければいけないと考えています。
あとは何でしたか。閣議決定の話。安保法制について。安保法制については、従来から申しているとおり、違憲部分については、これは廃止するということ、そのための必要な措置を講ずるというのが基本的な見解です。そのための検証を、もし政権をお預かりするならばしながら、そのプロセスをたどっていくということであります。
【フリーランス】
選挙戦ではそのことを、総選挙や国会、短いかもしれないが、その中ではそういったことは積極的に訴えるお考えはいかがか。
【代表】
政権公約集をつくりまして、これは全員に配るわけではなく、メディアの皆さんとか何かにお配りする範囲ではありますが、あるいは必要に応じて候補者の皆様にもお渡しする程度になってしまうかもしれません、短い期間なので。そこの政策のパッケージの中にはそういう項目を入れております。
【フリーランス】
もう一点だけ。立憲民主党のネクストキャビネットで安全保障の担当大臣が福山哲郎参議院議員になった。PFASの問題や日米地位協定見直しの問題にも今まで取り組んでこられたと思うが、例えば辺野古新基地の大浦湾埋立ての代執行中止と沖縄県との協議といった、今現在進んでいる現在進行形のことについては、特に地方自治との関係で何か取り組んでいくお考えはあるか。
【代表】
福山さんはバランスの取れた感覚の方で、選ばせていただきました。個別のテーマでどうのというか、全体的にバランスの取れた考え方であるということで選ばせていただきました。
【産経新聞】
今の質問に関連して、安保法制について伺いたい。先ほどのご回答の中でも、違憲部分の廃止を掲げ、政権を預かった場合は検証していくとお話しになったが、まず、どの部分が違憲に当たるとお考えなのか、具体的に教えていただきたい。
【代表】
従来から、党の意見の中では、どの部分が違憲の部分という決め方はしていません。今回の、もし政権をお預かりしたならば、防衛省とか、あるいはアメリカ等含めて、検証しながら、そのプロセスの中で明らかになっていくということだと思います。
【産経新聞】
政権を預かった場合に検証していくということ、その方向性は党内議論を経て定まっているものなのか。
【代表】
ええ。これは到達点に達した、今までの集約した意見だと思います。
○裏金問題(2) 裏金議員の公認・比例重複について
【読売新聞】
冒頭に、自民党の裏金議員を次期衆院選で公認するという報道について言及された。驚いているというようなお話だったが、具体的にどう対応すればよかったというふうにお考えか。
【代表】
本来は、国民の目はものすごく厳しいですよね。単なる政治スキャンダルではなく、自分たちは1円たりとも税逃れできないというインボイスも導入されている中で、国会議員(に対して)は、そもそも4月の自民党の処分が甘かったと皆さん思っているのではないですか。離党勧告だとか党員資格停止という比較的重たい処分は5人しかいなかったのです。選挙で公認しないというのは上から4番目なのです。上から4番目の議論もあってもいいのに、全然その対象がいなかったのですね。
そのときにもっと声を上げていればよかったと思うんですよね、石破さんも含めて。そのときに何も言わず、総裁選挙では公認しないかもしれないようなメッセージを出していた人が複数いたではないですか。だったら新しいリーダーはそこからきちっと責任を持った対応をすべきだと思っていたのに、トーンダウンどころか、そのまま認めてしまうというのは、これは誰も信じることができないし、これ公明党はここに推薦を出すんですかね、そうなったら。両党ともこれは厳しい批判を浴びると思いますよ、ということを思いました。
【読売新聞】
もう一点あるが、次期衆院選について、2日に公認予定者を追加で発表されたが、これで現時点で200人程度となっている。比例区も含め、次の衆院選に向けて、勝敗ラインをどのようにお考えか。
【代表】
私はそもそも自公の過半数割れに追い込むということですので、これは相対的な数字。どれくらい減らすことができたのか、その分こちらがどれだけ増えたか、そういった相対的なものですので、その数を明らかにしろと言われても困りますが、ただ、今、200人を小選挙区で超えましたが、比例区も含めてしっかりと、むしろ、単独でも主張できる、政権を取るという構えには切り替えていきたいと思います。
【毎日新聞】
今の質問に関連するが、前任の泉代表は150議席という数字を挙げ、獲得できなければ辞任するということをおっしゃっていた。野田代表の今のお話だと、必ずしもその数字を今明らかにするお考えはないのかもしれないが、では、その150という数字はどのように位置づけるか。代表が替わったので一旦その話はなくなったと捉えていいのか。
【代表】
違いますからね、私と泉さんは。私は私の目標の下で頑張ります。
【フリーランス】
今の発言に関連して。150議席未満でも辞めないというのは、ちょっと開き直りに聞こえるが。
【代表】
そこまで言っていませんよ。
【フリーランス】
それを維持するかもしれないと。
【代表】
そこまで言っていません。具体的な数字は申し上げることではなく、自公の過半数割れを目指すということを申し上げているのです。
【フリーランス】
数字で示さないということは、150議席を割っても辞めない可能性は十分あるというふうに取られるが、背水の陣で臨むという。
【代表】
辞める辞めないの議論ではなく、やはり多くの議席を獲得することが私の責任ですから、そのつもりで頑張ります。
【フリーランス】
野田新代表になった時期に、共産党との関係が悪化して、選挙での連携・協力関係も明らかに後退しているが、きのうの田村委員長との会談でこれは解消したのか。改善する兆しはあるのか。
【代表】
きのうは最初の誠意ある対話の第一歩ですので、これをもって全てどうのということではありませんし、加えて、私になってから急に主張を変えているわけではありませんので、共産党との関係については前執行部と同じラインの物事を申し上げているつもりであります。それ以上に私が変わったということはありませんので、それは共産党さんの方針の問題はあるかもしれませんが、私自身が何かを前執行部と変えて物を言っているということはありません。
【フリーランス】
結果的に共産党の受け止めとしては、野田新代表の下では一緒に選挙協力できないと、 後退するというふうに発言して、その辺の反省、自覚は全くないのか。総裁選での発言が 共産党との関係悪化を招いた。
【代表】
発言は、正確に言うと、前執行部と同じことを言っていますので。
【フリーランス】
同じことを言っていたのに、何で関係が悪化して、今までに立てなかった選挙区に共産党が立てているのか。
【代表】
だから、その主張はお会いする度にきちんとそれは申し上げたいと思います。
【フリーランス】
それで誤解は解消したのか。
【代表】
誤解かどうかはわかりませんが、私は変わっていません。
【フリーランス】
少なくとも泉代表のときは、補選のときに3連勝して、そのときは共産党とすみ分けができていた。一本化で合意した。それが野田新代表になって後退して、暗雲が垂れ込めているわけで、このままだとまたA級戦犯になるおそれが十分あるとお感じになっていないのか。
【代表】
だからといって従来の主張を変えるつもりはありませんし、同じことをずっと申し上げています。その上でご納得いただけるかどうかだと思います。
○政権公約の概要について(2)
【東京新聞】
冒頭の政権公約集について、個別なことだが伺いたい。普天間の移設問題と消費税について、どのような記述が盛り込まれるのか、可能な範囲で教えていただきたい。
【代表】
普天間については、これは正確な記述はおそらく後ろのほうの政策パッケージのほうで出てくると思うのですが、沖縄の負担軽減のためには、沖縄の民意を十分踏まえて、そして、アメリカと丁寧な協議をしていくという方向性は出させていただいていると思います。その基地のあり方、あるいは地位協定のあり方も含めて、丁寧な議論を進めるということの表現をさせていただいていると思います。これは従来の党の方針に基づいた記述にしています。
それから、消費税は、還付法案についての、これもパッケージのところに書かせていただいていると思います。
【東京新聞】
消費税についても、従来の。
【代表】
逆進性対策の一つとして、還付法案。これは従来、党で泉「次の内閣」で閣議決定したもの。これを明記させていただいています。
【東京新聞】
それについては代表選でのご発言とずれというか変化はないと。
【代表】
それは私も枝野さんも、決選投票に残った2人はそれを主張していましたので、これが一番直近の民意だと、党内の。
ただ、そのほかの、食料のゼロというご主張もありましたし、そういう意見を持っている方も根強くいらっしゃいます。これについては、そういう観点もあるのかということで勉強させていただきましたから、検討事項になっていますので、検討事項ではありますが、検討事項をここのいわゆる選挙公約の中に入れるというのはちょっと適切ではないと思いましたので、還付法案のほうを明記させていただいています。
○衆院総選挙に向けた取組について(3)
【毎日新聞】
野党の裏金議員への一本化のことだが、維新は維新の空白区には候補者を擁立しない協力も考えるというようなことを言っていたと思う。ただ、立っているところの取下げはしないと。こういう形の協力、一本化というのは、野田代表が考えていた形の一本化なのか。それとも、そうではなく、やはり取下げを求めるということなのか。
【代表】
そういうところからでも、お互いにそれは連絡を取り合うということではないですか。こういう動きがありますよと。などなど、連絡を取り合う態勢になるということは大きな前進だと思いますので、これを第一歩として、更にどこまで協議できるかだと思います。
【毎日新聞】
お互いの取下げだったりということも話し合っていければということか。
【代表】
個別の選挙区事情について、誠意ある対話を続けていきたいと思います。
【関西テレビ】
今の裏金議員の選挙区の野党一本化の話の続きだが、維新の場合、もうほとんどの選挙区で立候補予定者を出し切っている状態にかなり近い。この間の発表のときには、もうそれが最終便みたいなことを言っており、結構もうできている状態で、馬場代表が今から新たに立てるときには立憲民主党さんと協議するというふうにきのうおっしゃっていたようだが、あまり変わらないというか、維新の協力の度合いは、今から逆に増えるつもりが元々ないところを、これから出すところは協議するというのは、あまりその協力度合いはそんな高くないような気もするが、その辺り、きのうの維新の申出というのはどういうふうにお感じになっているか。
【代表】
ちょっと党内の擁立状況とかを私が把握しないでうかつなコメントはできないのですが、ただ、そういう物の言い方は出てきたということ自体が前進ではないですか。私のいわゆる主張に対して配慮を示してくれているということは一定の前進だと思いますので、その上で何ができるかだと思います。
【関西テレビ】
裏金議員と言われるところの選挙区で、私の地元もそうだし、大阪とかでもそうだが、立憲民主党は出していないが例えば共産党と国民民主が出しているとか、共産党と維新が出しているという選挙区が幾つかある。そういうところについては、立憲民主党としても候補者を出したいという考えは今もお持ちなのか。あるいは、そういうところにはもう新規では立てないというお考えなのか。この辺りは基本的にはどういうお考えなのか。
【代表】
それはちょっと府連でどんな動きになっているかを把握してみないとわかりませんが、この期に及んで新規にというのは、よほどきちっと各党の理解を得なければいけないと思いますので、もしそういう場合があるならば、きちんと事前に連絡を進めていきたいと思います。
【関西テレビ】
立憲民主党が候補を立てていない裏金議員の選挙区について、例えば国民民主党と共産党が立っているときに、どっちが野党の候補として立憲民主党的にはお勧めなのか。推薦までは出さずとも。あるいは、共産党と維新が両方並んでいて、どっちが立憲民主党的には推したいのか。
【代表】
あまり「どっちが」「どっちが」と詰めないでくださいよ。数字とかをよく見ながらの総合判断だと思いますので。
【関西テレビ】
維新はきのう、そういう一本化した場合も相互推薦しないという話はしていたが、立憲民主党としては相互推薦というのは何か考えていたりするか。
【代表】
誠意ある対話の中で、どういうきっかけが出てくるか、まだわかりません。可能性がある、なくはないとは思いますね。どの党というわけではなくてですよ。
○外交・安全保障政策について(2)
【フリーランス】
先ほどの質問の続きだが、外交・安保でいうと、特に地方自治体との関係で、直近だと沖縄の辺野古基地建設の代執行、大浦湾の埋立てについて、中止を求めて沖縄県と協議を求めるといったような取組はされるのかどうか。それから、オスプレイの再開問題で、各地方自治体の知事などが、これについても再考を求めるような取組をやっている自治体もある。そういった地方自治との関係において、これからの国会論戦、それから選挙戦において、どういうことを主張されていきたいか。福山さんも取り組んでこられた課題だと思うので、お願いしたい。
【代表】
軟弱地盤の問題などが出てきていますので、今おっしゃったようなことなども含めて、やはり地元の声をしっかりと生かしていく、そういう協議を行っていきたいと思います。
二つ目は何でしたか。
【フリーランス】
オスプレイの飛行再開。
【代表】
これも地域のいろいろな声をよく踏まえながら議論を進めていくということだと思います。
【フリーランス】
明確にこうすべきだということは、現段階では代表の口からは。
【代表】
国会の論戦でというご質問でしたが、それは代表質問と、予算委員会ができるかどうかという中で、取り上げられるかどうかは、これはちょっとまだ何とも言えません。
(以上)