野田佳彦代表は2月23日、鹿児島県鹿児島市、伊佐市を訪れ、鹿児島市では連合鹿児島との意見交換後に鹿児島県連ジェンダー平等委員会・青年局・うとけい子鹿児島県議後援会共催の「女性・学生お話会 野田佳彦さんとお話しよう」に出席し、基調講演とパネルディスカッションを行いました。伊佐市では、水稲農家の農業法人ファームKを経営する亀割浩介さん、和牛子牛生産農家の瀬戸口和雄さんを野間健衆院議員と訪問し、それぞれ意見交換を行い、その後も周辺農家との意見交換を行いました。

■「女性・学生お話会 野田佳彦さんとお話しよう」

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 鹿児島市内のカクイックス県民交流センターの研修室で基調講演と、川内博史衆院議員、村田享子参院議員と一緒に主に不登校や教育をテーマにパネルディスカッションを行いました。子どもが不登校で悩んでいるという質問に対し、野田代表は、岐阜県岐阜市で不登校児童に向き合いたいという教職員を有志で集めて、生徒一人ひとりがどの教師を担当にするかを選ぶ不登校特例法の実施例を紹介。生徒へマンツーマンで丁寧に向き合った結果、高校進学率が100%となった事例を紹介し「鹿児島でも取り入れてほしい」と話しました。川内議員は、「大事なことは、子どもたちと十分に向き合う教職員の配置をしなければいけないということ」と述べ、「教職員を増やすと相談できる人が増えるので、そういう予算を確保するのが大事だ」と述べました。

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川内博史衆院議員

 災害時に社会的弱者が避難に苦労するので、その対策について質問がありました。野田代表は、「関根ジロー松戸市議が被災地をまわり、一番困っているのはトイレだと分かった」と話し、学校トイレの洋式化を推進する全国的な運動につながったことを紹介。「まだまだ和式トイレの学校があり、高齢者にとっては洋式の方が助かる」等避難所における不便さの解消を訴えました。村田議員は、能登の震災により避難している女性から、女性専用の着替え場所を作ってほしい、女性用トイレを増やしてほしい、おむつや生用品が足りないといった悩みがあがったことを紹介しました。国にそのことを伝えると「マニュアルを作っているので大丈夫」という回答であったことを述べ、「全然大丈夫ではない。役所に危機感を理解させるために議員がいる。役所に行ってうまくいかなければ議員を使ってほしい」と提案しました。

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村田享子参院議員

 最後に政権交代に向けてのビジョンを問われると野田代表は、「お金の使い方を変える」と述べました。民主党政権時に農業者戸別所得補償や高校授業料無償化を取り入れたことに触れ、「今は、どの政党も高校授業料の無償化を打ち出している」と述べ、政権交代してお金の使い方を変えることで政策が正しいと思ったらどの政党も真似をして良い方向に向かっていくと説明しました。

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尾辻朋実(おつじ・ともみ)参院選推薦予定候補
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■水稲農家、畜産農家を訪問

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農業法人ファームK代表の亀割さんと真ん中は野間健衆院議員

 伊佐市の水稲農家と畜産農家を訪問しました。農業法人ファームK代表の亀割さんは、こだわりのブランド米を30haで生産・販売しています。法人化すると、雇用者の社会保険料等の半分を負担しなければならず、コメの生産1本ではやっていけないとサツマイモ、露地イチゴ栽培などに手を広げています。亀割さんは、農家の子どもが後継として働く場合(親元就農)にも支援制度ができましたが、親元就農は地域を守り農村を支え親の農業形態をステップ、ジャンプで変えていく可能性が高いと考えているとのことです。亀割さんからは今後、国・自治体をあげて普及拡大と制度の充実に取り組んでほしいと要望がありました。また、地域の農家の受託作業と買取を頼まれているため、小規模農家から集まったコメの販売を引き受けると消費税を全て被ることになるため、インボイス制度は廃止してほしいと要望がありました。

 和牛子牛生産農家の瀬戸口さんは、子牛生産と育成牛合わせて約90頭を飼育。水稲7.6haで契約栽培米1300袋(30kg)を販売、飼料畑8.4haで自家飼料づくりをされています。
 瀬戸口さんは、子牛相場は雌の場合平均価格が一時30万円まで下がり、雌が多いと経営に大きく影響するため、今年度も子牛補給金が継続されたことに感謝を示しました。また、飼料の高騰で先行きが不透明で、子牛の販売だけでは生活が苦しいため飼料高騰対策の支援策を今後も続けてほしいと要望しました。他にも、これまで牛舎は自己資金で建設してきましたが、補助事業を農家や畜産農家にとって使い勝手の良い事業にしてほしいこと、クラスター事業は地区が偏っているように思えるので、政治的そんたくのない配慮をお願いしたいと行政への意見を述べました。

 野田代表は視察終了後に、「コメ農家では政府の備蓄米の放出は効果がないと心配の声があった。まさに現場感覚だと思う。畜産農家では飼料高騰で経営が苦しいと聞いた。和牛は日本の武器だと思うが、和牛の生産が飼料の高騰で厳しいことがわかったので、政府として対策を講じないといけないのではないか」とコメントしました。