第24回政調審議会が28日、国会内で開催されました。
 泉健太政務調査会長は、「特に第3波、第4波に対する対応はひどく、惨状だと言ってよいのではないか」と菅政権の新型コロナウイルス対策を批判しました。また、東京大学の仲田泰祐准教授らの感染者数のシミュレーションに触れ、「2月の時点で、患者数があまり減らない段階で(緊急事態宣言を)解除すれば、早晩、このゴールデンウィーク前後には感染拡大が起こることが明確だった。それがまさに今、起きている」と述べました。また、そのシミュレーションによると、オリンピックの時期に感染の再拡大が起こならないようにするためには、東京での1日の感染者数を100人までに抑えてから緊急事態宣言を解除するシナリオしかないと説明し、「緊急事態宣言が5月11日とか17日に解除されるなんということはあり得ない。もしその段階で解除すると、いずれ感染拡大に入っていくということなる」との見解を示しました。その上で、「われわれは緊急事態宣言の際にしっかりと患者数を下げるべきだ」と主張し、「その際には追加の経済支援を含めた大型な支援策が必要だ」と訴えました。
 また、「総理がオリンピックを開く覚悟があるのかが問われている。今のような感染対策では、およそオリンピックを開けるような状態にはならない」と述べ、感染症の治療にあたる医療体制の拡充とワクチン接種をできる限り早く進めることが大事で、「オリンピックよりも医療提供体制、ワクチン接種を優先すべき」との考えを表明しました。

■報告事項
 生殖補助医療プロジェクトチーム(PT)よりPTにおける議論の進め方について報告がありました。
 消費者部会から政府提出の特定商取引法等改正案について、与党との修正協議を始めたいとの報告があり了承されました。

■審査事項
【政策審査】
 ワクチン接種に関する課題検討PTより「新型コロナウイルス感染症ワクチン接種に関する第2次提言」について報告があり、了承されました。

【閣法法案審査】
 法務部会、及び外国人受け入れ制度及び多文化共生社会あり方PTより、「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律」について政府案は入管での長期収容、難民認定を何ら改善するものではないため、反対の方向との報告があり、了承されました。
 厚生労働部会より「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案」に賛成するとの報告があり、了承されました。

【議員立法法案審査】
 災害対策本部等5部会より、超党派議員立法「災害時等における船舶を活用した医療提供体制の整備の推進に関する法律案」について引き続き検討することになりました。
 環境・原子力部会より野党議員立法「プラスチック廃棄物等の削減等の推進に関する法律案」(閣法への対案)について報告を受け、対応は政調会長に一任されました。

【議員立法法案登録・審査】
 政治改革部会より、「公職選挙法の一部を改正する法律案」(自民案=参院6増法案の条文ミスを修正) に反対との報告があり、了承されました。「公職選挙法の一部を改正する法律案」(国民・維新案=参院比例代表議員6減)について説明があり、対応は政調会長に一任されました。
 憲法調査会より、与党の「日本国憲法の改正手続きに関する法律の一部改正案」(国民投票法改正案・7項目)について、CM規制、外国からの寄付等を禁止する項目を3年間で検討する附則を加える修正を求め、与党の反応を見て対応を検討したいとの報告があり、対応は政調会長に一任されました。

【議員立法法案登録】
 次の2件の議員立法登録が了承されました。
 超党派の議員立法「自然災害義援金に係る差押禁止等に関する法律案」(災害対策部会)
 与党議員立法「公共建築物における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」(農林水産部会)