中小事業者向けの給付金支給に関する提言をおこなうため、立憲民主党経済産業部会は17日夕、経済産業省を訪れ、岩田和親経済産業大臣政務官に対して申し入れをおこないました。この申し入れには、山岡達丸経済産業部会長、落合貴之政務調査会副会長、山井和則、山崎誠両衆院議員が参加しました。

 今回の提言は、政府が中小事業者向けに、地域や業種を問わない新しい給付金制度の導入を検討していることについて、わが党の立場を明確に示したものです。申し入れ文書では、政府の対応について、わが党の提案した時期からは大分時間が経ってはいるものの、「今回の補正予算にて、持続化給付金の再支給ともいえる制度導入の検討に入っていることは前向きに評価する」とした上で、以下の提言をおこないました。

1.新たな給付金の対象とすべき事業者について 
 1カ月の売上高が「50%以上減少」と「30%以上減少」の2つの基準を設け、後者に当てはまる場合、支給額を減らす形で差を付けることを検討する旨が報じられているが、長期化するコロナ禍の事業者の現状を勘案し、減収率を「30%以上減少」に一本化すること。

2.対象期間および過去の売上との比較について
 対象期間を12カ月とした上で持続化給付金と同程度となるよう定め、過去の売上を比較する場合には、コロナ禍前である3年前の同じ月と比較することも認めること。

3.申請受付の開始
 申請受付は年内開始とすること。あわせて、申請受付から支給までの期間は、持続化給付金と同様に3週間程度を目指すこと。

4.申請事業者の負担軽減、手続の簡素化
 申請サポートセンターの再設置を含めて、最大限の配慮を行うこと。

5.不正受給の防止
 周知を徹底した上で、事後チェックも含めて不正受給を厳しく取り締まること。

政府検討中小事業者給付金申し入れ(確定).pdf

 申し入れをするにあたり、山岡経済産業部会長は、以下のように発言しました。

 「今年3月に議員立法を提出するなど、私たちは持続化給付金の再支給を声高に主張してきた。岩田政務官もご地元を歩かれる中で、そのような声を相当聞かれたことだろうと思う。今回の補正予算で、政府が大型の給付金制度の創設を検討していることについては、これまで同様の主張をしてきたわれわれとしては前向きに受け止め、これを実現する方向で考えたいという思いだ。政府が検討している内容について、さまざま漏れ伝わってくる中で、もっと予算規模を充実させ、対象範囲を広げ、そして早く皆さまにお届けできるような制度にすべきだ。こういう強い思いをもって今日は提言にまいらせていただいた」。

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 これに対して岩田政務官からは「岸田総理が10日、事業者の業種や地域を限定しない、新たな給付金制度の創設について初めて言及したところだ。この大きな方針の下で19日のとりまとめに向け、今、詳細を詰めている状況だ。詳細について申し上げる段階にないことはご理解いただきたい。『できるだけ早く』とのことだが、私もさまざまな事業者の皆さんからの大きな期待を感じている。できる限りのスピード感をもって取り組んで参りたい」との回答がありました。

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 この後、今回の申し入れでは、対象となる事業者の売上減収率を「30%以上減少」に一本化するべきであるとしていることについて、山井衆院議員から説明があり、「地元で話を聞いていても、売上が『50%以上減少』している事業者というのは、皆すでに潰れており、ほとんど存在していない。ですので何がなんでも3割減に一本化していただきたい。報道された政府案の内容では、3割減だと上限が30万円くらい。これでは月々6万円程度にすぎない。支給金額に差をつけないでいただきたい」と述べました。

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 続けて山崎衆院議員から以下のような発言がありました。「現場の声は切実だ。タイミングも切迫している。廃業してからでは遅すぎる。年内には開始し、来年早々には支給を始めるようなスケジュール感をぜひ打ち出していただきたい。また政府は支給が遅れるとの理由から、これまで不正受給防止策には後ろ向きだったが、事後でもチェックできるよう、監視体制を見直していただきたい」。

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 また落合貴之政務調査会副会長から以下のような発言がありました。「わわわれは持続化給付金の再支給を主張してきた。政府の新制度はこれに似てはいるものの、金額が全然異なる。事業者からは、がっかりする声が上がる可能性はかなり高いと思う。われわれは間口をもう少し広げ、金額も大きくすべきだと主張している。今はコロナで経済にブレーキがかかっている状況。コロナのせいで減収している企業は、国がしっかり面倒を見るという基本姿勢を打ち出すことが必要だ」。

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