環境・原子力部会と復興部会は3月24日合同で会議を開き、3月16日福島県沖地震による東京電力福島第一原子力発電所への影響等について、東京電力および政府からヒアリングを行いました。復興部会長の金子恵美衆院議員は、「東日本大震災を経験し、地震が起きるたびに『原発は大丈夫か』と考え、福島県民は不安を抱えながら生活をしている」と述べ、地震による被害状況および対応状況について説明を求めました。
東京電力は、地震発生後の福島第一原発の状況について、「震度6弱であったことから、原子力警戒体制を発令し監視体制を強化した」「放射性物質の環境への漏えいや、人身災害などプラント運営に影響を与えるような設備被害はなかった」「敷地境界のモニタリングポスやダストモニタには変動はなかった」「一時的に上昇した建屋周辺のダストモニタも通常の値に復帰した」「使用済み核燃料プールの冷却が相次いで停止した」「⼈や環境へ与えるリスクが高い中低濃度タンクエリア及びFタンクエリア全1136基のうち160基にタンクのずれを(滑動)を確認した」「タンクとタンクをつなぐ連結管の変位を6カ所確認した」等、状況を説明しました。また、「1号機原子炉格納容器の水位は、3月16日に計算上の水位で低下が確認されたものの、その後、大きな変化は確認されず、監視を継続していく」「燃料デブリの冷却は問題なく継続されており、外部環境への影響はないと判断している」などと述べました。
原子力規制庁、資源エネルギー庁は、東京電力に対して原子力発電の安全に関わる正確な情報を発信するよう指導したと報告しました。
質疑応答では、出席議員から「格納容器の水位低下の原因」「5号機、6号機で確認された地盤沈下が全体的に起きていないか」「廃炉工程に影響ないか」などの質問が上がり、東電側は「格納容器から建屋に漏れた量が増えた詳細な原因をつかんではいないが、格納容器から出た水は建屋内に滞留水として留まり、外に出るものではない。注水の量を上げて原子炉の水位を回復している」「護岸側はもともと地盤が緩く想定内。まずは応急処置をしてから恒久的な処置をしていく」「現時点に廃炉工程に大きな影響を与えるトラブルは起きていない」などと説明。漏水による水位の低下に対しては、注水を1時間当たり約0.5立方メートル増やし水位が一定となるようコントロールしていると述べました。
①【参考資料】220322_3月16日地震発生後の福島第一原子力発電所の状況について(続報3).pdf
②【参考資料】地震発生後のタンクエリアパトロールの重点パトロールおよび区分IIIパトロールの実施状況(0321時点).pdf
③【参考資料】220322_福島第一原子力発電所 2022年3月16日の地震における地震観測記録(速報).pdf
④【参考資料】220322_福島第一原子力発電所 1号機及び3号機原子炉格納容器の水位について.pdf