泉健太代表記者会見(冒頭・ビジョン22発表会見)

2022年5月20日(金)10時30分~11時24分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/Ol5GMCB0lw0

★「ビジョン22」 詳細は以下URLでご覧下さい。
https://cdp-japan.jp/campaign/sustainable_society/summary


■「ビジョン22発表会見」冒頭発言

〔 動画「ビジョン22」上映 〕https://youtu.be/R-TmkyD0alA
同席ご発言:持続可能な社会ビジョン創造委員会・事務局長の小川淳也政務調査会長
同席ご発言:持続可能な社会ビジョン創造委員会コーディネーター・本間京都芸術大
学教授
【配布資料:4点添付】

■「ビジョン22発表会見」質疑

■冒頭発言・泉健太代表記者会見

■質疑・泉健太代表記者会見


■「ビジョン22発表会見」冒頭発言

○持続可能な社会ビジョン「ビジョン22」を発表

【司会(事務局)】
 本日は泉代表の定例会見ですが、それに先立ちまして、持続可能な社会ビジョン創造委員会で取りまとめました「ビジョン22」について発表させていただきます。
 発表に際しまして、本日は事務局長の小川政調会長と、コーディネーターをお務めいただきました本間京都芸術大学教授にもご同席いただいておりまして、後ほど発言をいただく予定になっております。
 まず、「ビジョン22」の総論部分をイメージしました動画がありますので、そちらをご覧いただければと思います。

〔 動画「ビジョン22」上映 〕

【司会(事務局)】
 続きまして、泉代表から内容についてご説明いたします。

【代表】
 おはようございます。
 皆様のお手元に、「ビジョン22」、配付されていると思います。今、映像もご覧いただきました。改めて、これは当然我が国の映像ということになりますが、この日本、すばらしい歴史や伝統、文化、そして自然を有している国だと思います。その中の一部である、自然の一部であり、この我が国の一部である、それが我々でありまして、我々日本に暮らす一人ひとりも自然の中の一部であるという認識を持って、改めて、きょう、この総論・各論について触れたいと思っております。
 持続可能な社会ビジョン創造委員会、ことし1月28日、我々として立ち上げをさせていただきました。政治家だけではなく、民間、さまざまな分野の有識者の方にもお集まりいただき、老若男女、まさに高校生からベテランの有識者の方まで、幅広い価値観を持った方にご参集いただいて、この委員会が運営されてきました。その意味では、多様性ですとか、将来世代に向けた持続可能性というものを当初から意識して、我々としてこの委員会の中でビジョンをつくっていこうということを考えてまいりました。最終的には4月28日に我々として取りまとめ案を議論したということになります。そして、きょう皆様にお示しさせていただいているのが総論と各論ということになります。
 きょうは皆さんに、このポンチ絵というか、図をお示ししていますが、立憲民主党の綱領、基本政策、「ビジョン22」、そして選挙政策の関係性ということを改めてご認識いただければと思います。我が党には既に綱領・基本政策というものがありますが、その綱領・基本政策、綱領を引用して基本政策を説明しているということでありますが、その綱領を引用して基本政策を説明する、その中のストーリーですね。我々の目指す社会像・方向性というものを提示するのが、この「ビジョン22」の役割と考えております。そして、こういった綱領、「ビジョン22」、基本政策を基にして、選挙政策を具体化していくということの位置づけになります。これを今後、我が党の所属国会議員、自治体議員、そして党員、協力党員・サポーターズ、パートナーズ等々にも「ビジョン22」を共有して、我々の考え方としてまいりたいと思っております。
 この総論の中で、今の映像にもあったように、大きな視点で我々は今の日本の置かれている状況というものを考えていきたいと思っております。総論の部分に書いてありますが、「Caring(ケアリング)」「Dynamic(ダイナミック)」「Planetary(プラネタリー)」ということで、今、我々立憲民主党は青空対話集会というのをやっておりますが、「Caring」というのは、お互いの声を聞き合い心を寄せ合う、分断ではなく調和ということが大事であると。これを掲げ、その調和、違いを認め合う中で、ダイナミックにエネルギーを生み出していく。大胆に生み出していく。ここは、例えば多様性を今認めることができていない日本の政治、男女共同参画ですとか選択的夫婦別姓ですとか、こういうことにもっと取り組むことで、さらなる活力が生み出されていくと思っております。そういった意味での、この「Dynamic」というものを掲げていきたいと思います。そして、カーボンニュートラルというのは主に国内の対策という形で捉えられがちですが、やはり我々、常に地球的規模の視点を持って持続可能性を考えていきたい、将来世代を考えていきたいという意味での、「Planetary」、これを掲げさせていただきました。
 第1回の会合が、まさに調和、何と何を調和させるのかというところからスタートしておりますので、その意味で、我々として、例えば社会と学校の調和というものもあったり、地方と都市の調和というものもあったり、消費と環境の調和とか、さまざまな調和がありましたが、そういったものを総称して「和の国」「調和の国」ということを改めて銘打ってさまざまな施策を展開していきたいと考えております。
 各論のほうでは、ベーシックサービス。これは改めて重要な考え方でありまして、我々は普遍主義。岸田政権はその考え方に立っていないと思います。児童手当も所得制限があるということに象徴されるように、我々の普遍主義とは大きく考え方が異なると思っておりますが、こういったベーシックサービス、普遍主義。
 そして、分配が成長を促すという我々の考え方ですね。成長なくして分配なしではなく、分配が成長を促すという我々の考え方。
 そして、応益負担ではなく応能負担。
 そして、先ほどもお話ししたように、我々としては多様性を尊重する。
 また、雇用・環境・人権、こういった価値観を大事にすることが今後の我が国の成長にもつながっていくという、まさに成長を考えていくならば雇用・環境・人権を重視するということが新機軸になってくる。もちろん、雇用・環境・人権、教育ですね。雇用・環境・人権・教育、こういったことを重視することで我々として成長に向かっていくということを考えております。
 大変ざくっとですが、まず、この総論について、そして各論について、皆さんに配付させていただいておりますので、私からの皆様への説明を一旦終わらせていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 小川さん、何かございますか。追加、もしよければ。

【小川政調会長】
 ビジョン懇のほうで事務局長を務めさせていただきました、政調会長の小川淳也です。代表が大くくりのところをご説明なされましたので、少々各論を補足させていただきます。
 総論部分では、とにかく長期的視点・視座、それから地球的規模で物を考えるということがポイントになろうかと思います。
 きのうちょっと実務的なご説明はしていますので、本当に駆け足だと思いますが、5ページに、一つ目の柱。とにかく社会がほころびを見せています。社会が傷んでいます。ですから、ベーシックサービスで、医療や介護、教育、保育、障がい者(福祉)、住宅を含めて、きちんと現物給付を行き届かせて社会のほころびを埋めようと。中段にありますが、弱者を救済するのではなく、弱者を生まない社会をつくるというところに大目標を掲げています。
 6ページは、そのための公平な税制と再分配でございまして、分配は、分配のための分配であると同時に、分配による安心こそが経済の正常な成長にもつながるということを改めて明記いたしております。それから、地球環境の持続可能性についても6ページで触れております。
 7ページは、人への投資ですが、中心に教育を掲げております。教育は未来への投資であると同時に、今の社会の格差解消に向けて最も大きな分野。同時に、研究開発への公的投資(拡充)などにも言及しております。
 8ページは、四つ目の柱ですが、極めてこれから重要な、環境と成長の調和について触れております。経済成長至上主義ではありませんが、脱成長でもありません。あくまで環境と経済が調和した、両立させるべく、脱炭素型の経済を目指す。関連して、女性や若者の労働条件の改善、文化や芸術の振興、そして地球全体の健全性といったことに言及しております。
 9ページは、五つ目の柱、分散型社会です。そうした調和型の社会を整えていくためには、おそらくこれまでのように都市型・大都市集中型の社会構造ではなく、分散型の社会システム、社会構造にしていく必要がある。それに伴ってさまざまな政策の組み直し、農林水産業の発展、住宅政策などが必要だという立場でございます。
 10ページ、すべての人に居場所と出番のある共生型の社会ということで、ジェンダーの問題や、パリテの早期実現。男性においても育児休業を取りやすい世の中、選択的夫婦別姓や同性婚(の実現)。障がいや性的指向を初めとしたさまざまな差別の解消を訴えております。
 11ページが、今まで申し上げたようなことを総体として実現していくのは調和型の政治だということで締めくくっております。ポピュリズム等と一線を画して、対話型の、調和を重んじた政治を実現していくということになっております。
 大変駆け足で恐縮ですが、各論について少し補足させていただきました。

【司会(事務局)】
 本間先生からも一言お願いいたします。

【本間コーディネーター】
 皆さん、こんにちは。この委員会のコーディネーターを務めました、京都芸術大学の本間正人と申します。
 この会議室の横に張ってありますのは、委員の一人でもあります一般社団法人グラフィックファシリテーション協会代表理事の山田夏子さんによるグラフィックファシリテーションの成果物でありまして、やはり話合いが密室で行われるのではなくて、そのプロセス自体が見える化された対話で皆でビジョンを構築していくということが、今、本当に大事なのだと思います。言葉だけではなくて、その話し合っている人の気持ちとか、その人の思いみたいな、エネルギーみたいなものも表現しているのがグラフィックファシリテーション。
 こちら側の面に描かれているのは、高校3年生だった井上紗彩さんと泉代表が対談したときの記録になりますが、今は大学1年生になりましたが、こういう公共政策を扱うような委員会に高校生が参加するということ自体も一つ画期的なことだったのではないかと思います。そのときに井上さんが提案してくださったのが、こういうビジョンの創造ということを当事者として考える若い世代がもっと集まって、自分一人で若い世代を全部代表することはできない、若者版のビジョン創造委員会というのをぜひつくってほしいという提案をしてくれて、泉代表もやりましょうということで、今後それが設置されることを楽しみにしています。
 「Caring」「Dynamic」「Planetary」、これは今まで使っているようでそんなに使われてこなかった言葉だと思うのですが、日本の国が今後どうあるべきかということを指し示す重要なキーワードではないかと考えています。どうも特定の人たちだけが何か得をするような、そういう社会ではなくて、皆が心を寄せ合うような、そういう社会を目指しているのが立憲民主党であると。
 委員の先生方も、必ずしも皆が皆、立憲民主党の支持者、サポーターということではない。でも、今のままでいいだろうかという、そういう思いから、本当にお忙しい中、出席していただき意見を寄せ合っていただきました。改めて、委員の先生方、また事務局の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。


■「ビジョン22発表会見」質疑

【司会(事務局)】
 それでは、本件についてご質問をお受けいたします。その他の一般的な質問については後半でお受けする機会を設けますので、まず本件についてのみお受けしたいと思います。ご質問のある方は挙手をいただいて、指定された方は後ろのスタンドマイクでご質問ください。
 それではご質問のある方は挙手をいただけますか。。

○「ビジョン22」について

【時事通信・木田記者】
 今回のビジョンにおいて、政府や自民党の政策との一番の違い、ポイントを教えていただきたい。また、このビジョンの考えは選挙の政策の基にもなると思うが、このビジョンを基に参議院選挙でどういったことを訴えたいかも、あわせてお聞きしたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 まず、やはり我々、分配が成長を促すと。この考え方ですね。これが大きく今の政府と異なる点だと思います。
 そして、参議院選挙政策に、これは具体的に生きてきます。各論の中でさまざま、総合合算制度とか、ベーシックサービスの充実、分散型社会、そういうものを書かせていただいていますが、こういったことをより具体的に参議院選挙政策の中に書き込んでいくということになります。
 当然、既に出している「物価高と戦う」「教育の無償化」「着実な安全保障」、この3本柱にも、この「ビジョン22」はつながっていくということにもなります。

【毎日新聞・宮原記者】
 最初にビジョン創造委員会が設置されたときの泉代表の挨拶でも、岸田政権が「新しい資本主義」を掲げる一方で、その内容には中身があまりないのではないかと。では、今、目指していくビジョンは何だろうという、そういったところもスタート地点にあったと思うが、こちらのビジョン、「新しい資本主義」という言葉と対峙するならば、そもそも持続可能な社会ビジョンというのがその言葉になるのか。それとも、今回の総論の「調和的な未来を創造するために」の「調和的な未来」とかが対峙する言葉になるのか。「新しい資本主義」との関係だと何が対峙する言葉になるか伺いたい。

【代表】
 それは「調和的な未来を創造する」と。「調和的な未来」ということでいいと思います。

【毎日新聞・宮原記者】
 「ビジョン22」とあって、「22」はもちろん2022から来ていると思うが、元々これは、関係のところにも書いてあるとおり、「綱領と基本政策をつなぐストーリー」と。綱領と基本政策は党として恒常的に持っていくものかと思うが、この「ビジョン22」も今後党として恒常的に持っていくビジョンということでつくったのか。それとも、「22」とあったりすることから、あくまでも現時点のものであって、時限的に持っていくものなのか。そこのお考えはいかがか。

【代表】
 こういうものは、ヨーロッパの政党などでもよく、そのときにおいてのビジョンというのを掲げるケースがあります。それが何年で更新されるとか、それが明確になっているものではないと思います。もしかすれば数年後に次なるビジョンというのが出てくることはあり得ると思います。

【毎日新聞・宮原記者】
 ということは、「綱領と基本政策をつなぐストーリー」だが、その前提として綱領や基本政策も今後変わり得ると。

【代表】
 それは両方に改定の規定・規約があると思いますので。

【毎日新聞・宮原記者】
 あと、一応だが、この「Caring」「Dynamic」「Planetary」、これはCDPというのが立憲の頭文字でもあるが、そこを意識してこの英単語を選ばれているという理解でよろしいか。

【代表】
 意識、していないわけがないですね。はい。

【フリーランス・西中記者】
 今のお話の中に、価値観の多様性や人権の尊重という言葉が入っており、雇用・環境・労働・教育などについて重視したビジョンになっているというお話だったと思う。ただ、この中に、現在問題になっている入管・難民問題、あるいは移民問題、外国人労働者の問題、難民の受入れといった問題については具体的なことは書かれていない。委員の中でも、中川正春さんとか、在日ブラジル人コミュニティの問題に長年関わっている議員も入っているが、この構成議員の中にも入管・難民問題等に積極的に長年関わってこられた方はそんなに入っていないのではないかと思う。これは少子高齢化の問題にしてもそうだし、外国人の受入れ、日系人の受入れから30年以上経ち、その前から在日朝鮮人の人権問題とかもまだ残っているわけだが、こういった多文化共生社会のあり方について何か具体的な検討というのは、このビジョンの中でされたのか。あるいは、新たに今後そういった論点をつけ加えていくというようなお考えはあるか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 先ほど経過を説明いたしましたが、ビジョンの会合は4度開いています。ですから、4度で全ての政策項目を一つ一つ時間をかけて議論するということは困難になります。しかしながら、10ページをご覧いただきますと、10ページの下から4行目、象徴的に言えばということですが、「国籍による差別」ということについて言及しておりまして、具体的な政策は党の中で既にさまざま入管法について取り組んでいることがありますので、このビジョンの中では、象徴的にはこの「国籍による差別」というところがそれに当たると理解をしていただければと思います。

【フリーランス・西中記者】
 このビジョンは、選挙に向けてさらに詳しく具体的にされていくという、今の移民とか難民の問題も含めてだが、そういうお考えはあるか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 先ほどお配りしている表というかイラストですね、それをご覧いただいてもわかりますように、ビジョンを踏まえて選挙政策で具体化していくということですので、ビジョンを変えていくわけではありません。選挙政策の中で表現していくということになります。

【NHK・坂井記者】
 今回のビジョンについて、立憲民主党らしさや他党との差別化という点では、どういったところを意識しておられるかということと、立憲らしさという点で、今回まとまったビジョンを代表としてどう評価されているかお聞きしたい。

【代表】
 立憲らしさ、先ほども何点かお話ししました。ベーシックサービス、普遍主義、分配が成長を促す、応能負担、多様性の尊重、そして雇用・環境・人権を成長と両立させるなどなどを言わせていただきましたが、それを表現的に整理したものは、4ページ目の各論の各項目の標題ですね。こちらをご覧いただくと立憲民主党の特徴というものが出てきているかと思います。

【NHK・坂井記者】
 ビジョンを通して、立憲らしさというところでは、代表としてはどういうふうに感じていらっしゃるか。他党との差別化、例えば新自由主義との決別とか、格差・貧困をなくすとか、そういったこれまで立憲民主党も訴えてこられたところが強調されているような印象を受けるが、どういうふうな思いを今回このビジョンに込められたのか。意識された点をお聞きしたい。

【代表】
 その思いが込もったものが、この総論と各論になりますので、これがまさにその思いが込もったものなのですが、そうですね、私が特に好きなというか、やはり大事だなと思うのは、「環境と成長が調和する定常社会」というのは、ぜひ目指していきたいと思います。

【NHK・坂井記者】
 その理由も含めてお聞きしたい。

【代表】
 やはり、この国、そして地球が、持続可能でなければいけない。次の世代に受け継いでいかなければいけないという思いからです。

【NHK・坂井記者】
 参院選を前にこうしたビジョンを打ち出すことの狙いと、他党との差別化という点ではどういったところをアピールしていきたいとお考えか。

【代表】
 先ほどお話ししたように、他党との差別化は、まさに各論でお話ししたことと、先ほど私が説明したことが、他党との差別化になります。それでよろしいですか。

【NHK・坂井記者】
 わかるのですが、そこの部分を代表のコメントとして端的にお聞かせいただけるとありがたい。

【代表】
 なので、「環境と成長が調和する定常社会」が特に私としてのこだわりです。それは他の政党が訴えていないことだと思っております。
 参議院選挙前に出すというのは、それはある意味、我々としては、しかるべき時期に出すということが前提で、そして、参議院選挙に向かっていくのであれば、参議院選挙の具体的な選挙政策のまさに土台となるものとしてこれを扱いたいということから、この時期に出させてもらいました。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 最初のPRテープも少し驚いたが、総論を読む限りにおいては、綱領よりもはるかに理想社会というのか環境社会というのか、立憲未来の党とか立憲自然の党とか、何かそんなイメージを描いてしまうが、立憲民主党はややアイデンティティ喪失しているのではないか。ああいうPRされているようなことは僕は立憲の議員の先生とあまり議論したこともないが、要するに未来に対して責任を持っていきたいということをおっしゃっていると思うが、本当に綱領とかそういうのとつなげてああいう絵になるのかどうか。より宗教的な、何かそんなイメージもしたが、どんな感じなのでしょうか。

【代表】
 今回の創造委員会のある意味特徴は、やはり議員たちだけで構成しなかったというところにあるかなと思っています。こういった映像ですとか、このグラフィックファシリテーションとか、そして、まさにこの総論・各論においても、外部からの声、外部から見た立憲民主党、そういったものもたくさん盛り込まれたのではないかと思いますし、外部から見て立憲民主党に何を求めたいかというものも含まれたと思います。そういうものが表現されているというところもあると。そう理解していただくとよいかなと思います。

【フリーランス・小山記者】
 ちょっと世の中がすさんでいる中で、今回の打ち出し、ビデオというよりも、この見せていただいて、タイトルを見るだけでも次世代の方々に希望を与える内容だと感じる。マインドを、魂を先に、立憲民主党としての魂の行く先というのを先に検討、つくられ、それを具体化するように全員で頑張っていこうという方向性かと思うが、具体的にこれを公約に落とす方法にすごく興味がある。市民からたくさんの政策提案が出たものがホームページに一覧で落としてあり、これも感心しているが、例えばそこから必ず引っ張るとか、公約のつくり方として、どのような委員構成とか、人を入れてやっていくとか、何か特徴的なことをお考えであれば教えていただきたい。

【代表】
 公約のつくり方ということでいくと、既に公約はだいぶもう積み上がってきています。小川政調会長の下で全国から公約のさまざまなアイデアも募集して、その募集したものは1000件を超えて、そして、その募集した政策も含めて、これまでの党の蓄積と、その募集したもので、各部会や調査会でそれをもんで、審議していく中ではまた外部の有識者をヒアリングで呼ぶということもしながら、各部会から政策が上がってきております。その中から、最も今参議院選挙で多く広く訴えたいというものが「生活安全保障」の3本柱ということで先に発表して、そして、全体の政策については近日発表になっていくと。そういう過程をたどってきております。
 ですので、このビジョン創造委員会の中で議論されたことも、そうした参議院選挙の公約の発表の中に、この総論・各論の中からより具体化して政策の中に入っていく という形にもなっていきます。

【フリーランス・小山記者】
 現実と折り合わせということで、大変な作業だと思うが、今回名前が並んでいる委員の先生方は、その政策づくりにまた参加していかれるというイメージでよろしいか。

【代表】
 そういうことではなく、このメンバーの皆さんはビジョン創造委員会のメンバーです。

【司会(事務局)】
 本件についてはそろそろよろしいですか。ほかにご質問ありますか。
 では、なければ、「ビジョン22」についての発表は終わります。小川先生と本間先生、ご同席ありがとうございました。


■冒頭発言・泉健太代表記者会見

【司会(事務局)】
 それでは通例の定例会見の形式に移りますので、まず、泉代表から冒頭の発言があります。

○在日スウェーデン大使との面談について

【代表】
 お疲れさまです。
 まず、来週25日にスウェーデン大使と面談をする予定になっております。
 今まさにスウェーデン・フィンランドがNATO加盟を申請するという状況でもあります。互いに意見交換をして、私からは、特にロシアの隣国ということでもありますので、スウェーデンの考える対露政策ですとか、そういったことについて意見交換をさせていただきたいと思っています。
 引き続き、この新たな国際秩序の構築には、私自身も、また立憲民主党としても、貢献していきたいと思っております。

○未就学児のマスク着用について

【代表】
 マスクの着用は、きのうが厚生労働省アドバイザリーボード、そして、きょう政府で方針ということですが、特に未就学児のマスク着用、これがわかりにくい表現になっていて、最終的にどうなるのかと思います。マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないということについて、周知内容をより明確にした上で幅広く周知徹底を行っていくことが重要というふうに資料ではなっているわけですが、各紙もさまざまな表現をしているという状況だったと思います。
 改めて、現在の感染状況では、2歳以上も含めて、未就学児は着ける必要はないと。これを明確にすべきだと思います。そうでなければ、よくわからないのですね、結局のところ、これまでの方針を変えないと言ったり、無理にでなければ着用させるべきなのかとか、いろいろな考え方が出てきてしまいますので、改めてですが、2歳以上も含め未就学児は着ける必要がないと明確にすべきだと。今の感染状況であれば、ということだと思います。

○細田衆院議長のセクハラ疑惑について

【代表】
 細田議長のセクハラ発言、これは既に各党が説明を求めるということで動いております。事実であれば資質に疑念があるということで、議長自らの説明を求めたいと思います。特に現役の記者がコメントしているものだと思いますので、やはり議長が自ら説明をしていただく、議長は自ら説明すべきだと思います。。

○物価高対策について

【代表】
 物価高については、今やはり相当進んでいるという感じがいたします。4月の消費者物価指数が公表されて、生鮮食品を除くと2.1%、生鮮食品を入れると2.5%。よくコアコアCPIだとかコアCPIという形でエネルギーや生鮮食品を抜くという数字もありますが、今まさに生活実感としては、そのエネルギーと生鮮食品が値上がりしている。ここは直視しなければならないという意味では、総合で言うと2.5%の上昇であります。タマネギは98.2%、もう倍ですね。
 いや、これは私も時々スーパーには行きますが、本当に高くなっているというのを実感します。また、さまざまな人に聞いても、普通スーパーで物価高を全体として実感するという機会はなかなかないと聞きますが、今、それを実感されている方は非常に多いと思います。
 改めて、この物価高と戦わねばならない。
 そして、中小企業、きょうの報道でも8割が価格転嫁できないと。こんな状況でもありますので、この円安・物価高は、生活者、そして事業者に、多大な影響を与えていると思います。ですので、給付や減税の実施、これを求めたいと思います。もちろん賃上げというのも引き続き求めていくわけですが、給付や減税の実施を求めたいと思います。
 こういったことは、今後、来週の予算委員会でも訴えてまいりたいと思っております。


■質疑

○終盤国会に向けて(1)

【毎日新聞・宮原記者】
 物価高について、来週の予算委でも訴えたいということで、来週の予算委は泉さんがバッターとして立たれて政府にいろいろ質疑されていくと思うが、今の物価高を含めて、どういったことを質疑して、今の政府に対して、政策に対してどういったことをただしていきたいか。いま一度伺いたい。

【代表】
 詳細はこれからということになりますが、当然、今お話しした物価高。そして、日米の首脳会談もありますので、そういった論点も重要だと思います。また、(新型)コロナ対策等々。そして、物価高で、この経済対策というか補正予算ということになるわけですが、予備費の問題。そういったところになるかと思います。

【毎日新聞・宮原記者】
 予備費の問題というところは、やはり額の問題であったり、遅かったりとか、あるいは財政民主主義上の問題とか、そういったところか。

【代表】
 そうですね。はい。

○在日スウェーデン大使との面談について

【毎日新聞・宮原記者】
 スウェーデン大使との面談は、どちらからの呼びかけによって実現されるのか。

【代表】
 実はこれは双方の呼びかけというようなことがありまして、我が党で交流している議員がありまして、「では、一度、ぜひ党代表と大使とで」という話になったということです。

○細田衆院議長のセクハラ疑惑について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 細田議長に関して伺いたい。三つか四つぐらい、今いろいろと疑惑があるかと思うが、財務事務次官の辞任というのも以前セクハラであったが、それと比べると、むしろ重いような気もする。ただ、国会法などには議長を解任する規定はどこにもない。今後、会期末に向けて、議長不信任決議案などを出しても、本会議に上程されるかどうかというところからして違うかもしれないが、大枠で細田議長に対してどういったことを今回の問題はやっていかれるか。

【代表】
 各党が取り組んできた「10増10減」に対して、それをひっくり返す発言。議員が増えても構わないというような発言。100万しか給料もらっていないとか、こういった発言というのは、国民感覚からずれているということだと思います。本人も陳謝をしているわけですから、やはり発言に問題があったという認識はあるのだろうと思います。
 そういう中で、新たに今回セクハラ発言の疑いが出てきたということですので、事実であれば、これは不適切ということになると思います。ですから、やはりまず議長からの説明、議長が自ら説明すべきだと。そう思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 重ねてだが、仮に議長が説明しなかった場合は、何か審議拒否みたいなことを、そ ういった抵抗というのもあり得るか。

【代表】
 これは国対との相談で、我々、今後対応を考えていきたいと思います。

【朝日新聞・鬼原記者】
 細田議長の件について引き続き伺いたい。先ほど冒頭では、事実であれば資質に疑念と。今は、事実であれば不適切とおっしゃったが、事実であれば即アウトだと思う。もう少し今回の問題についての問題意識を強く出されるかなと思ったが、一歩慎重になられているような気がする。先ほど話が出たが、一度、議長に対する不信任決議案を泉さんは大島議長に出したことがあったと思うが、そういう対応を今回は考えられないのか、改めて伺いたい。

【代表】
 あらゆることが考えられます。それは国対とよく協議をしてということですね。

【朝日新聞・鬼原記者】
 事実であれば不適切ということだが、資質に対しても、これは議長にあるまじき、つまり、もう議長失格だというふうに思われないか。

【代表】
 何が事実かということは当然まず確定させなければいけませんので、何が事実かを確定していない段階で、そこまで何かを我々としても明確にすることはできないと思います。どこまでが事実なのか。例えば、週刊誌に書かれていることが全てなのか、それとも、まだほかにもあるのか。当然そういうことも出てくると思いますし、そういう中で決まってくるかなと思います。

○終盤国会に向けて(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 後半国会について伺いたい。予算委も含めて、後半の国会、終盤国会が続いていくわけだが、立憲民主党として最大の争点となること。つまり、このテーマで政府を追及していくという、そのテーマみたいなものは何だというふうにお考えになっているか。

【代表】
 物価高への対応、ではないですか。我々立憲民主党は、物価高と戦う。それが政府はできていないということですね。

○関西遊説について(1)

【関西テレビ・原記者】
 あした代表は大阪・奈良・京都で街頭に立たれると思うが、代表の地元でもある関西を改めてどのように位置づけていらっしゃるのかと、参院選に向けて、大阪から周辺への勢力拡大を目指している維新と今後どう対峙していくのか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 関西で立憲民主党の力というのは、もっともっと高めていかなければいけない。そういった意味で、重点的なエリアだと思っています。立憲民主党のよさというか、価値観や政策立案力というものがもっと関西の皆さんに伝わるように、運動を活発にしていきたいと思います。
 私たちは、例えば大阪でいえばカジノの計画、これはおかしな方向に向かっていると。当初の想定とも違っている。そして、本当に成就するものなのか、失敗がないのかということも懸念しています。カジノはやめるべきだということも訴えたいと思います。
 そして、関西エリアの復権ということは立憲民主党自身も取り組んでいきたいと思いますし、例えば中央省庁ですね。京都には文化庁が来るわけですが、関西のパワーを考えれば、さらに政府の役所機能を関西に移転させる、そういう政策もあってよいのではないかと思いますので、関西がより魅力的になるように立憲民主党としても訴えていきたい。それは維新と違う形で訴えていきたいと思います。

○細田議長のセクハラ疑惑について(2)

【日本経済新聞・大澤記者】
 細田議長に関して、説明責任というのはあくまで国会の場での説明を求めているという理解でよろしいか。

【代表】
 野党各党は議運での説明を求めています。

○「中国が空自機を模した標的を設置」報道について

【日本経済新聞・大澤記者】
 安全保障について伺いたい。中国が新疆ウイグル自治区の砂漠地帯で、自衛隊が運用する飛行機やミサイルのレーダー、AWACSと呼ばれるものを模した構造物を飛行機の上に置いているのが、航空写真を分析した弊社の報道でわかった。専門家や自衛隊の元幹部らは、中国軍がミサイルで自衛隊機を攻撃する訓練の仮想標的だと指摘している。台湾有事における日米連携の想定という見方も出ているが、こうした安全保障環境の変化について代表の考えを伺いたい。

【代表】
 立憲民主党も、1991年からの30年で中国の国防費が42倍になっていると、大変深刻に受け止めていますし、当然対応せねばならないと思います。
 これまでも、私も、その新疆ウイグルの砂漠地帯のようなところで、おそらく我が国のものだけではなく、さまざまなものを模して、中国が何かしらの訓練をしているという情報は見聞きしたことがありますので、おそらくそういうものの一環なのではないかというふうに推察はされるわけです。
 ですから、当然一方的な現状変更は許されませんし、我々として特に日米の同盟の中で情報交換も密にしながら、そして、Quadですとか、またASEANとも、多国間の連携をより強化して、とにかくおかしな行動ということは全く許されないと思っておりますので、暴発も含めて、自制を促すと。暴発させない取組というのは引き続き強化していきたいと思います

【日本経済新聞・大澤記者】
 そうした取組というのは、政府に求めていくということか。

【代表】
 そうですね。はい。

○「関西遊説(2)」「入管行政・難民問題」について

【フリーランス・西中記者】
 先ほど、関西のほうを回るという話があった。先ほど私も質問した入管や難民の問題、それから人権の問題にしても、関西は元々、被差別部落の問題や、沖縄出身者、在日朝鮮人、そして今もインドシナ難民や日系人、とにかく外国人もたくさん住んで、地域で活躍している方もたくさんいる。多様性ということでいうと、人権教育とか人権問題、ある意味で関東以上に関西のほうがこういった問題に非常に敏感で、いろいろな取組も長年あり、人権政策、多文化共生政策の中心に位置する地域でもあると思う。そういった観点から、今回関西に行かれる中で、どのように立憲民主党の政策を示すか。人権政策の立場からもし考えがあれば、人権とか多文化共生社会のあり方についての、何かこういう方に会うとか、こういうアピールをしたいとか、もしあれば教えていただきたい。

【代表】
 大阪・高槻で、辻元清美さんの地元事務所が、襲撃というか、被害に遭うということもありました。あるいは、京都では、福山哲郎参議院議員が街頭活動中に暴力を受けるということもありました。こういった犯罪や暴力は決して許されない。これは人権侵害になりますので、その姿勢は改めて私も強く持って関西地域を回らせていただきたいと思っております。
 多文化共生や人権というものが大事であることはもとよりのことですので、これはもう関西に行くときだけの話ではなくて、常日頃から全国に行く場合でも気にしていることであります。
 ことしは全国水平社100年という年でもありまして、京都では特に人権に関するさまざまな取組、関心というのが高まっておりますので、私もこれまで、水平社100年ということで、関係する方々と意見交換等々をしてきておりますので、そういったものは今後の政策に生かしていきたいと思っております。

【フリーランス・西中記者】
 終盤国会と、その後の参議院選挙の政策ということだが、この通常国会が始まる前に、与党が入管法案は今回出さないと。これは参議院選挙に影響するから今回は政府案は出さないんだということで通常国会が始まったというふうに認識している。先日、立憲民主党など野党5会派で難民等保護法案と入管法案を参議院に提出され、その前に戦争避難民等の保護法案についても衆議院に提出された。法案は提出されたが、この問題は、今、ウクライナの避難民の受入れもどんどん実態として進んでおり、これからの日本社会のあり方として、立憲民主党のビジョンのあり方として、法案審議そのものは難しいかもしれないが、その法案の内容について国会の中で取り組んでいく、アピールしていくとか、現行法の問題について追及していくとか、そういう取組も何か必要ではないかなという気がするが、それについて代表の考えがあればお聞きしたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 そういった取組は日々行っておりますので、引き続き、当該委員会ですとか、国会のさまざまな場で取り組んでいきたいと思います。

【フリーランス・西中記者】
 終盤国会の中で、この問題について具体的に質問する議員が何人かいらっしゃるというふうに考えてよろしいか。

【代表】
 それは国対で具体的に決めていくことになると思います。

○選挙制度改革 定数のあり方について

【読売新聞・北村記者】
 衆議院の議員定数のあり方について伺いたい。先ほど議長の、増やしてもという発言については言及があったが、この発言の是非はともかくとして、削減していくという流れの中で、地方の声が届かなくなるという懸念は一定あるのだと思う。今後、この一票の格差是正のために削減の方向性を維持していくべきだというふうにお考えになるか。また、その際に重視すべき、地方の視点などあると思うが、考えるべき課題というのはどういったことがあるとお考えになるか伺いたい。

【代表】
 地方の代表という観点はやはり重要だと思いますし、今、各都道府県ごとに我が国の地方行政が営まれているという意味では、今後もさらに合区が進んでいくというようなことをただ漫然と対応していくということではいけないと思います。やはり何らかの地域代表というものをどう確保していくのかという観点で、引き続き努力をしていくべきだと思います。  定数については、少なくとも定数を増やしてほしいというのは国民の思いではないと思っておりますので、我々は、どちらかと言えば、定数は、より効率的にできるかどうかということは考えねばならない。あとは国民のニーズを踏まえて対応していくということかと思います。

【読売新聞・北村記者】
 今のは、衆参ともにという見解ということか。

【代表】
 はい。