参議院決算委員会で6月13日、2020年度(令和2年度)決算外2件に関する締めくくり総括質疑が行われ、田名部匡代議員は「自民党農政における『所得倍増』計画等の目標達成状況」を踏まえ、立憲民主党が掲げる「食料安全保障」への転換を岸田総理に迫りました。

自民党議員による不祥事問題

 冒頭、田名部議員は、「政治には信頼が大事」と強調。その上で、「岸田派のホープ」とも言われている吉川赳衆院議員による18歳女性との飲酒報道について、自民党は離党届を受理する以前に、「事実確認をすべき」と批判。細田衆院議員のセクハラや選挙買収についても、「事実確認をすべき」と岸田総理に迫りました。

 「本人において説明」との答弁を繰り返す岸田総理に対し、これまでの自民党議員による不祥事も踏まえ田名部議員は、「(総理が)本人が説明責任を果たすべきと言っても、誰もその説明責任を果たしていない」と批判。田名部議員と同様に青森県出身で、与野党を越えて信頼のあった大島理森前議長を念頭に、細田議長は「比べたくないけれど残念だ」と断じました。

予備費の使用について

 田名部議員は自身の3月の参院予算委員会で、立憲民主党は物価高が長引くことが予想されるため、「(当初予算に)物価高対策費を盛り込むべき」と提案していたと訴えました。

 憲法第87条は予備費について「予見し難い予算の不足に充てる」としているが、当初予算の予備費を支出し、補正予算で再度、予備費を積み増すというのは、「国民生活が見えていない、見通しが甘い、総理は反省すべき」と田名部議員は批判しました。

自民党農政における「所得倍増計画」等の目標達成状況

 安倍政権が「農業所得倍増計画」を掲げ、「2023年までに担い手への農地集積80%、40代以下の農業従事者40万人、米生産コスト4割削減(16,000円から9,600円)」との目標を掲げたが、最新の値では順に「58%、22.7万人、15,046円(全国平均)」にとどまることを田名部議員は指摘。

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 「何が問題で、実現できないのか」として田名部議員は、「ずっと歴代政権は同じことを言っている」と述べ、農林水産関係予算がこの間、減らされてきたことを踏まえ、「今こそ真剣に、日本の食料安全保障のために必要な予算」を確保すべきと強調。防衛費倍増などとだけ言うのではなく、全体を見て「食料安全保障の観点」こそが欠かせないと訴えました。

 その上で田名部議員は、自民党政権下で、「企業による農地取得・民間企業の導入、種子法廃止、生乳流通改革、農協改革、水田活用交付金の見直し」が行われ、「農業、農村は壊れてきた」と批判。「行き過ぎた規制緩和、規制改革、いい加減にやめてください」と訴えました。

 また、輸入しているミニマム・アクセス米(MA米)について田名部議員は、国内需要量は減少しているにも関わらず、MA米の輸入数量は2008年度から変化がないことについて、国際的な「義務」ではないので、「国内産業を優先すべき」と訴えました。

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