岡田克也幹事長記者会見

2022年10月4日(火)15時48分~16時12分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/J5pKuheFPkI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第59回常任幹事会を開催

【幹事長】
 まず、常任幹事会の報告から。
 まず、私の報告・承認事項の中で、先般入党されました米山議員が、旧統一教会との接点について、もう従来、無所属の時代に既にメディアに対して公表されておりますが、2009年、自民党公認候補として新潟5区で立候補した際に、若干名の、1名か2名のボランティアを受け入れた。それから、関連団体で選挙演説を行ったということでございます。この度、入党されましたので、改めて党として、私がご本人から話を直接聞いて、一応自民党時代のこととはいえ現在我が党の議員ですので、今までの調査結果に加えるということにいたしました。
 そのほか、きょうはあまりなかったのですが、選挙の関係で、沖縄、那覇市長選挙。翁長雄治さんの推薦を決定いたしました。お手元に資料があるかと思います。
 それから、協議事項の中で、福岡市長選挙。田中慎介さんの推薦を決定したということです。そのほかにもいろいろありますが、主なところはそういったことであります。田中慎介さんは、相手はおそらく現職だと思います。まだはっきりしていないという話もありますが。それに挑む我が党の市会議員ということでございます。

○北朝鮮による弾道ミサイル発射に対し厳重に抗議・非難

【幹事長】
 さて、きょうは、一つは北朝鮮のミサイル。これはもう代表が既に紙も出して(抗議と非難を)言われておりますので、私から繰り返すことはございません。
 ただ、我が国の上空を通過したと。足も非常に長かったということで、非常に懸念されるところでございます。

○臨時国会開会 首相の所信表明演説について

【幹事長】
 所信表明演説をきのう聞きました。なかなかめり張りがないなというのが私の実感で、具体的に何を岸田総理がやりたいのかというのがあまり見えてこない演説だったと思います。あすからは代表や西村代行の代表質問がございます。しっかりとそういった点をただしてもらいたいと思っているところであります。
 岸田さん、ちょうど1年ということになりますが、登場したときに国民の中には今までと変わるのではないかという期待感はあったと思います。菅さんはやはり安倍さんと一体的に見られていて、それが政策も政治スタイルも違うということで、期待された部分はあったと思います。その直後に衆議院選挙もございました。ただ、見ていると、政策も、「新しい資本主義」一つとっても、当初の分配、今回の演説中では分配という言葉も出てこないような状況で、安倍・菅政権のときとどこが違うのかよくわからないという状況です。政治スタイルも、この前の国葬儀の説明ぶりや、あるいは決め方を見ていますと、安倍総理とどこが違うのか、非常に見えにくい感じがします。
 私は、やはりこの10年間で国会と内閣の関係というものが相当いびつになってしまったというか、さまざまなことがありました。総理が事実に反する答弁を平気でなされたり、公文書の改ざんとか隠蔽が行われたり、あるいは、国会で政府が説明して確定していた解釈が突然変えられたり。検察官の定年の問題ですが。あるいは、国会召集を求めても開かれなかったり。これは野党で法案を出しましたが。いろいろなことで、この国の民主主義は相当危ない状況にあるというふうに私は認識しております。
 それが総理が代わることで変わるのかと期待しておりましたが、今までのところやっていることは同じということで、これは国会が機能しないということを通じて民主主義が相当危険な状況にあるという、そういう問題意識を私は持っておりますが、岸田総理にはそういったことをしっかりと認識を持って、今までとは違う、過去10年間とは違うやり方を心がけてもらいたいと思っております。


■質疑

○岸田内閣1年の評価について

【NHK・岩田記者】
 冒頭発言で岸田内閣1年に対する幹事長の評価があったが、与党の中では「聞く力」を発揮してうまく政権運営をしてきたという声も上がっている。その点については野党から見てどのように映っているか。

【幹事長】
 聞くのはいいのですが、聞いて何か変わるかというと、聞いているだけではないかと。
 私は今回の国葬の問題でもそのことを強く感じたのですが、丁寧に説明すると言われて、丁寧に同じことを繰り返されたという印象なのですね。最初に四つのことを挙げて国葬の必要性を言われて、その他、法的根拠とかいろいろなことを言われましたが、それは最後まで変わらなかったです。より突っ込んだ質問をしたって、答えは同じものが返ってくる。これでは聞いていることにならないと思います。改めてもらいたいと思います。

○首相長男の政務担当秘書官への起用について(1)

【NHK・岩田記者】
 もう一点、別件で。岸田総理は政務担当秘書官に長男の翔太郎氏を起用する方針を固めている。政権運営の最前線で経験を積ませるという狙いがあると見られるが、こういった親族を政務の秘書官に据えるということをどのように評価されるか。

【幹事長】
 ちょっとわからないのですが、政務秘書官って2人でしたっけ、元々。2人でもいいんでしたっけ。人数に制限はないのかな。私の認識では1人という認識で、嶋田さんと思っていたのですが、事務所出身の秘書の方をご子息に差し替えるということは私も報道で知りました。
 特に何か申し上げることはありません。それぞれのお考えだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 今の更問いをしたいので合計3点になるが、まず、おっしゃるとおり総理秘書官は政務は普通1人だったのが今回2人ということで、元経産事務次官の嶋田さんと、岸田事務所出身の人からさらには今回長男ということで、政務が2人ということが異常だと思う。ちょっとだけ言うと、江田憲司政務秘書官は、日程をつくるので、ビル・ゲイツさんと、ある小さい国の大統領と、どちらか片方だけ会うなんていう大変難しいことを総理に代わってやっていらっしゃったので、2人では無理だと私は思うが、ちょっと概括で、ご存じの範囲内でもう一度、政務が2人ということに関してお話しいただきたい。

【幹事長】
 制度的にそういうことが認められているなら、私は構わないと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 内閣法では認められていると思う。

○次期総選挙に向けた取組について

【フリーランス・宮崎記者】
 常任幹事会に関して、第50回衆院選に向けて、宮城3区、34歳・元会社員の方、大野園子さんの公認内定辞退について、理由を教えていただきたい。前向きな意味での公認内定辞退か。

【幹事長】
 ご本人の申出によるものです。

【フリーランス・宮崎記者】
 ほかの選挙に出るとか。

【幹事長】
 それは県連あるいはご本人に聞いてください。

○議員立法「悪質献金被害救済法案」について

【フリーランス・宮崎記者】
 「次の内閣」のほうで既に悪質献金被害救済法案というのが、対策本部の消費者部会のほうで賛成、きょうの常幹でも正式に承認されたということだが、きのうの総理の所信表明演説でも消費者被害の救済の法律の見直しをしたいということがあった。また、山口那津男公明党代表が向こう2年間に向かって党大会で話した中でも法律改正が必要なことに関しては話があったが、要するに政府が法案を今国会中に出すかどうかということははっきり言えない、不確定だと思うが、立憲民主党としてはとりあえず法案を出して政府・自民党にのむように言いたいと、そういった形になってくるか。

【幹事長】
 まず、法案は常任幹事会で承認されるものではなくて、報告です。決めるのはNC(次の内閣)です。
 我が党としてこれを決めたわけですが、これから野党間の協議というのは当然必要になります。維新を初め各党と相談をして、なるべく一つにまとめたいと思っておりますので、この法案で、今回の法案で国会に出すということは決まっているわけではありません。その基になるものとしてまとめたということです。これから野党協議を経て内容をなるべく一本化して提出するということになると思います。

○首相長男の政務担当秘書官への起用について(2)

【共同通信・恩田記者】
 総理秘書官の関連で、追加で伺いたい。冒頭発言で、安倍・菅政権と変わらないということでお話があったが、身内びいきという点では今回の起用も変わらないかと思うが、その点、幹事長のお考えはいかがか。

【幹事長】
 秘書官としてどういう人を選ぶかは、今回は総理秘書官ですが、総理が最も適切だと思う人を選ぶわけで、身内びいきだとか、経験を積ませるとか、そういう報道もありますが、総理がどう考えておられるかわかりませんので、私はあまり軽々にコメントしないほうがいいというふうに判断して先ほどのご返事になりました。

○「政策課題発掘チーム(りっけんチェック)」の立ち上げについて

【共同通信・恩田記者】
 もう一件、別件で。先ほど泉代表は、常任幹事会の冒頭、国民と共有して動かない政府を動かしていきたいというご発言があった。この前「政策課題発掘チーム」を立ち上げたが、動かない政府をどう動かしていくのかという意味で、このチームに対する期待感を伺いたい。

【幹事長】
 当選1回生の皆さんを中心に、フレッシュな感覚で、ぜひ具体的な形につくり上げてもらいたいと思っています。大変期待しているところです。

○北朝鮮ミサイル発射(1) 国民保護の体制について

【日本経済新聞・大澤記者】
 冒頭あった北朝鮮のミサイルについて伺いたい。今回5年ぶりにJアラートも発令された事態になったが、年内の政府の3文書の改定も念頭に、国民保護という観点で、現在政府に取組を求めるべきところを、お考えを教えていただきたい。

【幹事長】
 きょうのJアラートは、もう着水した後も鳴っていたとかいう話もありまして、そういうところはもっと改善される必要があると思います。
 国民保護というのは、何と言いますか、十分ではないと思うのですね。日経新聞のテレビでも私は申し上げたかもしれませんが、例えばシェルター一つとっても自治体任せ、核シェルターに至ってはほとんどない状態という状況で、よりいろいろな意味で武力衝突のリスクが高まるということであれば、あわせて国民の命を守ることもやっていかないと、単に攻撃力を持つとかそういうことでは済まない話だと思います。

○臨時国会(1) 代表質問について

【時事通信・堀内記者】
 冒頭でも発言があった、あしたから始まる代表質問について。先ほどめり張りがないというような所信へのご感想があったが、どういう点をただしていきたいか、もう少し具体的に伺いたい。

【幹事長】
 それは質問するご本人に聞いてもらったほうがいいと思います。代表と西村さんに。

○北朝鮮ミサイル発射(2) 敵基地攻撃能力論について

【時事通信・掘内記者】
 もう一点、別件で。北朝鮮のミサイルに関連して、きょうの自民党の国防部会等では「反撃能力」の保有についてもう少し真剣に考えるべきだという意見も出ているが、幹事長はこの動きをどのように見られているか伺いたい。

【幹事長】
 何か一つの出来事があったから反射的にいろいろな声が出るというのは、あまり賢明だとは言えないと思います。
 もちろん北朝鮮のミサイルは深刻な事態です。数も増えているし、能力も非常に上がっています。そういう中で、それに対してどう対応していくかということは真剣に議論されるべきだと思います。
 具体的なことは、これから玄葉(ネクスト外交・安全保障)大臣の下で議論していくことですので、私が先取りして何か言うことは控えたいと思います。

○福岡市長選について

【西日本新聞・井崎記者】
 先ほど福岡市長選の推薦決定を決められたということだったが、改めて、市長選での野党共闘も候補が模索している段階ということだが、野党共闘についてどうお考えなのかお聞きしたい。

【幹事長】
 まだそれは途上だというふうに聞いておりますので、本部までは何も上がってきておりません。
 相手は現職ですが、まだ出馬表明もはっきりされていないのではないでしょうか。そういう非常に流動的な状況だというふうに理解しております。

【西日本新聞・井崎記者】
 2009年に政権交代したときは、その前に地方の首長を取って、九州でも福岡市長とか北九州市長とか、ほかのところでもあったと思う。非常に首長を取るということは重要なことだと思うが、改めて福岡市長選に懸ける意気込みというか、何かそういうようなものがあればお聞きしたい。

【幹事長】
 首長は、かなり自分の考え方でいろいろなことができますから、大阪で大阪維新がやっているのを見ても、そういう意味では非常に首長選挙は大事だと思います。
 ただ、せっかく大きな力を、後押しをして首長が誕生しても、議員がそれに伴っていかないと、結局、議会の中で多数派に配慮したことが必要になったりして、苦い思いを抱いたケースもままあるのですね。そういう意味では、首長だけではなくて地方議員も含めてしっかり取っていくということが非常に大事ではないかと思っています。

○臨時国会(2) 日本維新の会との共闘について

【関西テレビ・原記者】
 維新との共闘について伺いたい。きのう国会法の改正案提出に至り、統一教会の法案についても、今、共同提出に向けて協議が進んでいると思う。維新と組んだことについて、現時点での幹事長の評価について伺いたい。

【幹事長】
 組んだというか、6項目について合意をして、そこでなるべく歩調を合わせようということです。あくまでこの(臨時)国会における共闘ということで、それ以上でもそれ以下でもありません。
 ただ、第1党・第2党が協力するということは、それだけ与党に対して対抗力が出てきますし、それから、野党全体もまとまりやすくなるという効果も期待できると思うのですね。そういう意味で、維新とできる範囲でしっかり共闘していくというのは国会戦術として非常に意味のあることだと思います。

【関西テレビ・原記者】
 現時点では非常に効果があるというふうに評価しているということか。

【幹事長】
 そう思うからやっているわけですね。

○世論調査結果 国葬に対する評価について

【毎日新聞・古川記者】
 週末の世論調査で国葬についての評価が出ていたが、一部の世論調査では、国葬を行ったことを評価しないという数字が評価する数字を上回っていて、なかなか厳しい数字が出ている。一部では菅さんの弔辞がよかったというような声も聞かれたが、こういった結構厳しい数字になっている分析をお願いしたい。

【幹事長】
 先ほど言いましたように、丁寧に説明と言いながら実は何も説明していないとか、何をやろうとしているかわからないとか、いろいろな批判は出ていますね。その結果、数字にも出ているのだろうと思います。
 ただ、私自身は、いろいろな数字に一喜一憂しないということを常に言っていますので、岸田政権についての数字についても、あまり私がとやかく言う話ではないというふうには思います。

○「臨時国会(3)」「原発・エネルギー政策」について

【フリーランス・小山記者】
 臨時国会、限られた日数かと思うが、公約の実現に関して伺いたい。立憲民主党の挙げた選挙公約の項目の中で、この臨時国会で委員会のほうで活発に押していけそうなものは重点項目として何があるか伺いたい。
 それから、首相の所信表明演説の中に堂々と原発再稼働11基の話があった。私も首相官邸から霞ケ関駅まで続くあの長い列に2011年に並んだ人間だが、ザポリージャ原発への攻撃があったにもかかわらず、そして、きょうのようなことがあったにもかかわらず、原発の再稼働というのは能天気としか思えない。頼みの綱の立憲民主党は原発を減らしていくという立場に立たれている党だが、こちらについて反論していただけるのかどうか伺いたい。

【幹事長】
 選挙公約で掲げたものについて、いつどういうタイミングで具体的なアクションを取っていくかということは、政調を中心に議論をしているところです。この国会もあれば通常国会もありますので、今、具体的に何か決めているわけではありません。この国会で一部は法律の形で出したり、もちろん代表質問で代表や代行が取り上げられたりするということになると思います。
 原発については、我が党の立場は、新しいものは造らないということ。それから、再稼働については、安全性の確認、そして地方の理解ということを言っております。その考え方に沿って進めていくことだというふうに思っています。

【フリーランス・小山記者】
 では、原発の再稼働について、立憲民主党の立場は条件つき容認ということか。

【幹事長】
 言い方はともかくとして、我々は、安全性の確認と、そして地元の理解というものが必要だというふうに考えております。再稼働全てがだめだと言っているわけではありません。