立憲民主党のジェンダー平等推進本部と外務・安全保障部門会議10月14日、合同で元自衛官五ノ井里奈さんへの性暴力事件をめぐる経緯と現状について、被害当事者の五ノ井さん同席のもと防衛省よりヒアリングを行いました。
自衛隊における自身の性被害体験を実名で公表し、第三者委員会による調査と謝罪を強く求めてきた元自衛官の五ノ井里奈さんに対し、防衛省は9月29日、性暴力の事実を認め五ノ井さん本人に公開の場で謝罪しました。
この日のヒアリングで防衛省大臣官房の石川武総括審議官は、9月6日に防衛大臣より「ハラスメントは、基本的人権の侵害であることは無論、部隊行動を基本とする防衛省・自衛隊において、隊員相互の信頼を失わせ、精強性を揺るがす決してあってはならないこと」であることから「ハラスメントの根絶に向けた措置に関する防衛大臣指示」が出されたこと、事実関係の概要が固まったため9月29日に公表するとともに、防衛省として五ノ井さんに直接謝罪を行った経緯を説明しました。そして、「今後さらに事実関係の細部を固めて懲戒処分を行うとともに、防衛省全体としてそのような事案が二度と起こらないようしっかりと再発防止に取り組む」と述べました。
この説明に対し五ノ井さんは、「何をするにも遅い。一般企業ならすぐに出るような処分がなぜ自衛隊では時間がかかるのか」と防衛省の取り組み姿勢を強く批判しました。また、防衛省の特別防衛監察が現職自衛官を対象としていることについて、退職者への調査も求めました。これに対し防衛省担当官は、「退職された方から申し出があった場合も防衛監察本部で受け付けて可能な範囲で調査を実施してまいりたいと考えている」と述べました。
党ジェンダー平等推進本部長の西村智奈美衆院議員は、五ノ井さんが勇気をもって声をあげたことに敬意を表しつつ、防衛省に対して「この事案を契機にしっかりと立て直ってほしい」と述べました。五ノ井さんのサポートをしてきた原口一博衆院議員は、勇気を出して発言した人が二次被害にさらされている現状に鑑み、自衛隊そのものの信頼を勝ち取るためにも二次被害の防止に取り組むよう防衛省に求めました。また、五ノ井さんからは10月17日に加害行為者からの直接謝罪を受ける旨の報告がありました。
この日のヒアリングには、司会進行を務めた党ジェンダー平等推進本部事務局長の岡本あき子衆院議員、ネクスト安全保障副大臣の篠原豪衆院議員のほか、衆議院から渡辺周、金子恵美、櫻井周の各議員、参議院から徳永エリ、横沢高徳、打越さく良、高木真理の各議員が出席し、質疑を行いました。