泉健太代表記者会見

2022年11月18日(金)10時30分~11時18分

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/YLWOPMcSW_c


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○ウクライナ情勢 ポーランドへのミサイル落下について

【代表】
 おはようございます。
 まずは、ウクライナ情勢の件で、ポーランドにミサイルが着弾して被害者が出たと。ツイッターでは既に私も発信していますが、改めて、ポーランドの、被害に遭われた、命を失われた方に哀悼の意を表したいと思います。
 今後、ウクライナも含めて調査をして、どういう状況で起きたものなのかということが調べられると思うのですが、改めて、各国が表明しているように、そもそもこのロシアによる侵略に端を発したさまざまな事象ですので、ロシアの即時停戦と撤退というものを我々としては引き続き求めていきたいと思います。

○首相外遊 各国との首脳会談について

【代表】
 岸田総理、外交をさまざま取り組んでおります。立憲民主党でもけさも外務省から各種国際会議の報告を受けているところです。
 こういった形で党としても一つ一つの動きはチェックしていきたいと思っておりますが、まずは、そうですね、これまで岸田総理に対しては私は数度にわたって、おそらく各政党の中では唯一だと思いますが、日中首脳会談を早期に行うべきだということを求めてきた立場ですので、その意味では、岸田総理がようやくこうして日中首脳会談を実現に至ったということは評価をしたいと思います。
 その上で、どこまで突っ込んだ話をできたのかというところ。これはまず互いの対面ができたということの意義がとても大きいと思いますし、例えば日中間のホットラインは、かつて、それを整備していくことを合意した後、随分時間がかかってきて、今、最終段階にはありますが、このホットラインを適切に運用できるように引き続き努力をしていく必要があると思いますし、互いに緊張を高め合うということばかりではよくないと思いますので、この安定化に向けた取組、こういったものも強化していかなければいけないと思います。
 日本としては当然ながら言うべきことは主張するということで、尖閣の問題や、日本のEEZ内にミサイルが撃たれたということは、これは当然こういったことを行うべきではないということを強く主張すべきだと思いますし、また、中国における新疆ウイグルや香港やさまざまな人権問題、これについても明確にメッセージを発していくべきだと考えております。
 引き続き、この日中間の建設的かつ安定的な関係というものについて努力をしていただきたいし、我々もまたそれは協力していきたいと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について

【代表】
 続いて、(旧)統一教会の救済法案のことです。今週、まさにきょう、政府から概要が示されるという段階に来ました。
 一つは、ここに至るまで相当時間を、政府自身が相当時間をかけてしまったということで、もう今国会中の成立ということが共通していると思いますので、ぜひそうしたことが可能な日程感で政府・与党には取り組んでいただかなければいけないということです。
 そして、内容についても、今さまざま、債権者代位権ですとか、話が出てきています。改めてきょう概要が示されて以降、当事者・被害者の皆様方が、これで本当に救われるのかと、まさにそういった方々の声も出てくることになると思います。そういった中で、実効性のあるものなのか。法律の成立だけを求めて中身が何でもよいというものではありませんので、骨抜きにならないように、ちゃんと救済ができるものでなければいけない。ですから、被扶養者が本来養育されるための費用だけを請求できるということと、高額な献金を取り戻すということには、随分の開きがあると思っておりますので、こういった辺りはぜひ当事者の声を十分踏まえた法案にしていかねばならないと思っています。
 また、旧統一教会の、組織的なと言ってもよいのでしょう、養子縁組の話も出てきております。こうしたことというのは、国会の中で我々国対ヒアリングを行っていますが、解散命令の請求にも関わることでもあると思いますので、政府としてぜひ早急な事実確認を行うべきだということもお伝えしたいと思います。

○寺田総務相の政治資金問題について

【代表】
 寺田総務大臣は、いよいよ辞任に向けた動きに入っているのではないかと信じたいと思います。そうでなければ、今の政権には真っ当な判断力がないと、善悪の区別が乏しい政権だということになってしまうと思いますので。きょうも徐々に動きが出てきていると聞いておりますが、さすがに、あれだけ、政治資金を所管する、公選法を所管する、その大本の大臣が自身の団体でさまざまな疑惑に満ちあふれているという状態では、大臣の任にあたわず、大臣の任務を遂行することはできないと思います。
 これは葉梨大臣のときもそうでしたが、やはり一つのあり方として、その所管する行政を遂行するに値する大臣なのかというか、所管する業務を遂行するに信頼に値する大臣なのかということが問われるわけですが、まさに死刑執行を扱う法務行政を担うにはこれはもう無理だということで葉梨大臣は辞任をした。そして一方で、寺田総務大臣はこれだけ自身の政治団体で疑惑を重ねているということで言えば、もう総務行政が成り立たないということですね。政治資金のルールや公職選挙法のルールを扱う大臣として成り立たない状態になっているということですので、来週また予算委員会が始まりますが、それまでに岸田総理は決断すべきだと思います。そうでなければまた無駄な質疑時間を取らざるを得ない状態になるということだと思いますので、予算委員会までに決着をつけるべき問題であると認識しています。

○文通費改革 歳費法改正案を提出

【代表】
 そして、文通費です。きのう3党で文通費の改革の法案を、改めて歳費法改正案を維新・国民民主と共に提出いたしました。自民党さえ賛成すれば、この文通費、調査研究広報滞在費の使途公開や国庫返納が可能になるということですから、ぜひ自民党には賛成をしていただきたいと思います。
 国会法における臨時国会の開会規定もそうですが、自民党が口だけではなく実際に国会改革、国民のための国会改革に取り組もうとしているのかどうかということが問われていると思いますので、早急に答えを出していただきたいと思います。


■質疑

○衆院小選挙区「10増10減」について(1)

【時事通信・木田記者】
 衆議院小選挙区の「10増10減」に関して伺いたい。増加する都市部での選挙区に関して、どのような方針で候補を擁立していくお考えか。ほかの野党との調整についても含めてお聞きしたい。

【代表】
 新たに生まれる選挙区、これは現在我が党の衆議院議員が存在している選挙区も数多くありますので、当然ながら候補者の擁立を、独自候補の擁立を進めていきたいと、そのように考えています。他党との調整ということは現時点では考えていないということになります。

○臨時国会終盤の重要テーマについて(1)

【時事通信・木田記者】
 別件でもう一点伺いたい。臨時国会の会期も残り3週間ということで、来週から終盤国会とも言える状況だと思うが、立憲民主党としてどのようなテーマに力を入れて、どのように臨むか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 まずは、やはり経済対策です。国民の世論の中にも相当、今回の政府の経済対策は額を膨らませ過ぎだという声も出てきています。改めて、本当にこの年度内に責任を持って実行するものに限るべきだと思いますし、(新型)コロナを理由にしていつまでもじゃぶじゃぶと、ただ予算だけ、しかも並べるだけでは、むしろ国民には増税の不安感が高まるだとか、財政への不満・不安が高まるだとか、こういう弊害も出てくると思いますので、そういった経済の論戦はぜひやっていきたい。
 そして、自民党の経済対策というのは、額は大きいのですが、直接国民にすぐ届くものにむしろ乏しいということだと思うのです。立憲民主党の側は、今、物価高で、そして消費が落ち込むという状況を考えると、この消費を支えるということが大事だと考えていますので、一つは、政府の行っている5万円給付の範囲を2倍ほど拡大させるということで、半分以上の国民の世帯にはこの5万円給付が届くようなものにしていきたいということ。そして、特に学校給食も含めて、子育てでどんどんさまざまなものが高騰しているという状況で、子ども1人当たりの10万円給付、これを実施することによって直接家計に届くわけです。
 よく自民党の側が、政府の側が、鳴り物入りで電気料金の話をしますが、聞くとトータルで4万5000円の規模ですので、5万円給付にも届かないし、当然ながら子ども1人当たりの給付にも大きく届かないもので、規模としては届かないものであるわけで、その意味では、直接国民にすぐ届くものはむしろ野党(案)より少ない。一方で、基金ですとか予備費ですとか、積んでおく状態のものや、中間団体に届くもの、業界団体に届くものに大きく予算が割かれてしまっている。しかも、年度内に使うものにはなっていないということで、この経済については立憲民主党の考え方で対策を講じていくべきだということは強く主張していきたいと思っています。
 そして、先ほどもお話ししましたが、国会改革です。国民の皆さんがこれだけ苦しい生活環境を強いられているときに、国会がちゃんと適切に機能するということが大事だと思いますから、先ほど言った国会法改正の臨時国会の開会規定ですとか、文通費の使途公開とか国庫返納とか、こういうことはちゃんと着実に行われるべきだと思います。  そして、当然ながら、これも先ほど言いましたが、今国会で旧統一教会の被害者救済法、これを実のあるもので成立させるということ。
 そういったことを重点的に、そのほかには安全保障、あるいはコロナ対策、そういったことを取り上げていきたいと思います。

○衆院小選挙区「10増10減」について(2)

【NHK・高橋記者】
 重なるが、「10増10減」の法案に関して、今開かれている参議院本会議で成立する見込みだが、改めてこの法案自体の受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 立憲民主党として、この「10増10減」というのは、かねてから、一票の格差を是正するということで審議会で議論されてきたものですので、粛々とこれを成立させていくべきだと、早期に成立させるべきだと訴えてきましたので、この成立は一つの節目であろうと思います。
 今後の選挙制度のあり方は、衆議院、参議院、それぞれまずは議論をしていただくと。超党派で議論していただくということになろうと思います。
 ここに至るまでを少し振り返ると、細田議長の再三にわたる不適切な発言等々で議論が少し先延ばしになってきたというのは問題だと思いますし、細田議長に関して言えば、きのう伊吹元議長も、議運かどこかの場でしっかり発言をすべきだということも言っております。改めてですが、決して細田議長は今、統一教会問題を含めて、細田議長の問題がなくなったわけではないという、そういう認識を持っていただきたいと思います。すみません、「10増10減」とはちょっと離れた話ではありますが。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(1)

【NHK・高橋記者】
 続いて、救済法案の関係だが、きょう概要が示されるということだが、先ほど代表もおっしゃったように、子どもの養育に関わる費用の問題や、報道で出ている範囲では、借金とか家を売るとか、そういったことが出ているが、現時点で新法に対してどういうふうに評価されているというか、受け止めはあるか。

【代表】
 もちろん今この時間は出てきていないものですから、14時に出てくるので、何かそれに対して今論評するタイミングではないと思いますが、改めてですが、これまで政府・与党は十分に、野党が法案を今国会に提出してからもう1カ月たつわけですから、その我々の求める、そしてそれは当事者が求めている法案の中身というのは十分理解しているはずだと思いますので、それが与党内、自民党・公明党の中で骨抜きにされたり、政府の中で骨抜きにされてしまうものが出てくるとすれば、これはまた随分と巻き戻ったスタートラインから協議をせねばならなくなる。そこは政府・与党に法案成立の真剣さが問われる、真摯さが問われることだと思いますので、やはりきょう概要が出るときに、まさに、これまで上がってきた当事者の声、そして、立憲民主党、国民民主党の法案、そういったものを十分踏まえたもので出していただきたい。その誠実さが問われると思います。

【NHK・高橋記者】
 もし立憲民主党の法案を踏まえたものでないとか、骨抜きであるというふうなことになった場合には、今後どういうふうに対応されていくか。

【代表】
 今は出される前の段階で、仮定の話になりますので、何かそれについてお答えをするものではありません。

○衆院小選挙区「10増10減」について(3)

【産経新聞・大橋記者】
 「10増10減」で、繰り返しで恐縮だが、宮城とか減るところも一方であると思う。例えば安住国対委員長とか影響を受ける方も立憲内にもいらっしゃると思うが、その点についての代表の受け止めと、今の選挙制度だとどうしても地方が減って都市部が増える。人口の割合を反映するとそうなる選挙制度のあり方そのものについては代表はどういうふうにお考えか。

【代表】
 ありがとうございます。
 これは一票の重さというのは確かに等しくなければならないということは大前提ではありますが、まず党内に減員県があるということで、選挙区が減る都道府県も、減らない、または増えるところも、選挙区の区割りが変わることは当然ながら活動に影響を与えますので、党としてはサポートをしていきたいということがまず第一点です。
 そして、この一極集中ですとか都市部集中、大都市圏集中の中で、どんどん定数に都道府県ごとに差が出てきている、較差が広がっているという状態。これはやはり我々も注視しなければいけない点だと思っていますので、そういった点を、衆議院、参議院、選挙制度はそれぞれ異なりますので、その中で全党で議論していくべきことだと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(2)

【朝日新聞・鬼原記者】
 救済法について伺いたい。新法のほうはきょう概要ということだが、けさ方、消費者契約法の改正案が閣議決定された。これは新法とも絡んで非常に重要な法案と言われているが、この改正案の評価を代表はどのようにお考えかお聞きしたい。消費者契約法のほうです。

【代表】
 改正案だけではやはり不十分というところですし、この今の改正案を弁護士の皆さんや当事者の皆さんにお伺いしても、これでは救済にはならないと。そういうふうな考え方が我々の中では大半ではないかと考えています。

【朝日新聞・鬼原記者】
 新法のほうだが、概要が示されていないのでまだ何ともということは理解した上で、伝わっている範囲で、先ほど代表もおっしゃったが、債権者代位とか扶養請求権とか、そういうのが取り沙汰されているが、立憲民主党と維新の会が出した法案に比べるとかなり性質が違うと思う。要するに今後の短い期間内での修正協議云々で何とかなるレベルのものなのかということを思っている。そこで伺うが、あくまで臨時国会の会期内での成立にこだわるのか。それとも、常会に持ち越すという選択肢も今後出てくる余地があるのか。その辺を代表はどうお考えか。

【代表】
 この国会で成立を目指します。

【朝日新聞・鬼原記者】
 それで結果的にかなり立憲と維新が主張していたものと違うことになっても、やはりスピードを重視するというお考えか。

【代表】
 いや、質も当然重視します。

【朝日新聞・鬼原記者】
 今後の進め方だが、今、4党協議をされている。同時に国民民主党との3党協議も続いている状況だが、国民民主党を今後どうされるか。4党協議をこのまま続けていくということか。それとも、国民民主党を入れていくということも選択肢としてあるのか。その辺はいかがか。

【代表】
 それはある程度現場の中で判断もしてもらうところはあると思いますが、我々はずっとこの4党協議の中で議論してきておりますので、政府から説明を聞くということでの各党の幹事長が集まるという場はあるのかもしれませんが、そして、自民党がさまざまな政党とやりとりをするということはあるのかもしれませんが、法案を提出しているという立場の我々が4党協議をこれまで続けてきていますので、基本はその枠組みになります。

○臨時国会終盤の重要テーマについて(2)

【毎日新聞・安部記者】
 補正予算の論議についてお尋ねしたい。昨日のネクスト内閣閣議の後に長妻政調会長のほうから組替え動議について言及があった。維新を初めほかの野党にも呼びかけていくということだったが、野党第1党として補正予算の論戦をどのように展開していきたいかお聞きしたい。

【代表】
 先ほどもお話ししたように、経済対策、これがやはり重要だと思いますので、この論戦をやっていきたいということ。
 あとは、きょうの概要もそうなのですが、来週からの予算委員会までに政府・与党がどのような姿勢を示すのかというのは、やはり問われると思います。ですから、この被害者救済法に対して、どのように政府・与党が案を出してくるのか。
 そして、寺田大臣について、どのような判断をして予算委員会に臨むのか。
 そういうことも関係してくるのではないかと思います。

【毎日新聞・安部記者】
 昨日、長妻政調会長のほうからは、若者・子ども政策の部分は維新と重なる部分も多いと。そういったところは一緒に何か提出したりということも可能性としてはあるか。

【代表】
 可能性はあるでしょうね。

【毎日新聞・安部記者】
 まだ具体的なことはこれからというところか。

【代表】
 これからといっても、今、進めている最中だということです。

○寺田総務相の政治資金問題について(1)

【日本経済新聞・大澤記者】
 寺田総務大臣について伺いたい。冒頭発言で、予算委員会の前に対処すべきことだと、辞任を求めた発言があったと思うが、前回・前々回の2大臣の辞任も予算委員会を経て委員会を経た後に結局辞任するということで、結局国会の審議時間を無駄遣いする形になったと思う。野党側からは当然予算委員会前の辞任を求めていくということだと思うが、過去2回あったということもあり、今の岸田政権がそこの判断をできるかというのは非常に微妙なところだと思う。そこを踏まえて、改めて総理に責任問題をどう求めていきたいか伺いたい。

【代表】
 「二度あることは三度ある」なのか、3度目の決断なのか。そこが問われるのではないでしょうか。これが「二度あることは三度ある」であれば、相当やはり岸田総理の決断力あるいは情報収集力や認識力に欠如があるということだと思います。
 いまだに不思議なのは、葉梨大臣の発言というのは、自民党内においても一発アウトと言われる性質の、あるいは法務行政の専門家からしても弁護士・法曹界からしても一発アウトだと言われる性質のものであるわけです。にもかかわらず岸田総理は、本人に説明責任(を果たしてもらいたい)という言葉を使ったわけです。葉梨大臣にですね。その一発アウトの発言をした大臣に、何の説明責任を求めるのかと。厳重注意と説明責任では全くこれは対処ができないはずの性質のものにもかかわらず、その言葉を繰り返したというところに、かなり私は憂慮する。心配をしますね。本当に岸田総理、正しい判断ができる環境にあるのか、置かれているのかということがやはり問われるのだと思います。
 その意味では、寺田総務大臣のこの数々の疑惑も、連射ですよね、疑惑の連射のような状態ということについて、もう周囲は辞任不可避という空気になっているわけですね。にもかかわらず岸田総理が、本人が説明をすればよいと。これを繰り返しているようであれば、相当やはり認識が甘いということ。寺田大臣は、岸田総理(内閣)をサポートしたいとか、私自身の判断とかいうふうな言い方をしていますが、サポートになっていないことを寺田大臣は認識すべきだし、自身で判断をするということであればそれも一つの判断だと思いますが、それは岸田総理にも判断が求められている、決断が求められているということだと思います。

【日本経済新聞・大澤記者】
 既に自民党の中では、葉梨大臣のときに一緒に総務大臣も辞めさせておくべきだったと。ドミノ的なことになってしまうという後悔みたいな声や、ただ、そこで辞めさせると次は秋葉大臣も控えているからといったジレンマみたいなところに陥っているのだと思うが、総理が外遊中なので、自民党の幹事長や官房長官も含めて、今の政権与党の政権運営に対する危機管理能力みたいところはどういうふうにご覧になっているか。

【代表】
 まず、大臣に任命する際の身体検査能力ですね。これがやはりこの政権にはないということが一つです。
 そして、今おっしゃっていただいたように、この期に至っての危機管理能力、これもやはり問われると思います。これも機能していないのではないかと思います。
 被害者救済法も、きょう出てくる概要がどんなものかというのが問われるという話を先ほどしましたが、総理に立憲民主党から国会質疑などで、やはり被害当事者に会ってほしいと、これは随分我々強く求めました。そして、会いますと約束をした。これは大きかったと思っているのですが、どなたと会ったのかはなかなかわからないし、どの意見を聞いたのかも不明なままなのですね。ですから、すっとんきょうな案が出てくるのか、まさに被害者・当事者の皆様に寄り添う概要が出てくるのか、ここもやはり岸田総理の情報収集力が問われるところだと思います。
 大臣の今の処遇ということと、そして、一つ一つの法案に対する向き合い方。こういうところはやはり今の岸田政権の能力が問われているのではないかと思います。

○旧統一教会問題 被害者救済法の与野党協議について(3)

【テレビ朝日・森本記者】
 鬼原さんの質問に関連するが、救済法について、スピードも質も重視すると。元々は立憲民主党としては条文を出すように求めていて、その後、要綱を求めて、今、概要を出してくるという段階だ。概要というのも、そもそも4党協議などで実務者で議論する内容が出てくるのかというのも疑問が残ると思うが、その中で、この短期間で修正も求めてというのが本当に可能なのかという部分で、質とスピードが合わさるのかという疑問が残るが、お願いしたい。

【代表】
 まさにその疑問の鍵は与党が握っているということ、岸田政権が握っているということに尽きるので、我々としては、出てくるものが前向きなもの、また、当事者の声にかなうものであることを今は信じています。それを何とか成立させたい。立憲民主党としても既に素材というか、この法案をお示ししているので、何とかそれを軸にした、真の被害者救済になる法案を成立させたい。
 国会、各党派が本当に力を合わせればそれが可能なはずだと思っていますので、真摯にやはり自民党にはこの旧統一教会問題に向き合ってもらいたい。単に関係を絶つというだけではなくて、向き合っていただきたい。被害者の声に向き合っていただきたい。今はそう信じています。

○臨時国会における日本維新の会との共闘について

【北海道新聞・木村記者】
 維新との国会共闘について、評価をお願いしたい。先ほどもあったが、現在、立憲と維新の両党で補正予算案への組替え動議の共同提出を検討されていて、安住委員長などによると、これが提出されれば、文通費の改正法案もきのう提出され、臨時国会での合意8項目がほぼ全て実現する。会期ももう大詰めだが、救済法案の4党協議なども含めて、ここまでの維新との国会共闘について改めて手応えや感想をお願いしたい。あわせて、通常国会での政策テーマ別の連携や共闘に向けたお考えについてもお願いしたい。

【代表】
 野党第1党には国会論戦を実のあるものにしていく責任があると思っていますので、その責任を果たすため、要は国民の皆様の期待に応えて、数は少なくとも政治を動かすために、どのような取組をするか。これが我々立憲民主党に問われている中で、野党第2党と連携できる政策については連携をして、力を合わせて政権与党に迫っていこうというところからスタートした、この立憲と維新の国会内における連携です。
 ですから、統一地方選挙に向けてなどは特にそうですが、当然ながらそれぞれ候補者を出し合って各地で競い合いをするということはもう大前提ですので、選挙における協力というものを今考えているわけではない。
 しかし、選挙における協力がないとしても、国会の中で国民の皆様の期待に応えること、これはとても重要だと思います。国民の皆さんの期待に応えるというのは、一つは政治に緊張感を持たせること、一つは国民の願う政策を一歩でも実現すること、というふうに思っているときに、我々は8項目の合意項目をつくって、これは特に国民の皆様が願う項目であり、自民党がなかなか進めてこなかったものなのですね。そういうものを、力を合わせて一つ一つ法案にしたり、与野党協議の場に結びつけたり。例えば子どもの置き去りの事故ですね。前もお話ししましたが、最初、政府側は全額補助というふうに言っていなかったわけですが、我々の側から全額補助という政策を提案したことによって、政府側が政策を変えた。全額補助に変えたわけです。やはりこういう形で力を合わせて、プレッシャーをかけて、世論をしっかり背中につけて政策を実現するというのは、国民の皆様のためになることであると思いますので、成果は大きかったと思います。
 今後続けていけるかどうかというのは、またさまざまな話合いを通じて決まっていくことだと思いますので、それはもう継続ありきとか、ここで終わりとかという、その両方ではなくて、やはり国民課題に直面したときに、そして政府が動いていないときに、立憲民主党として責任を果たす。その一点で、これからも場合によってはそういったことは十分あり得ると思っています。

○北朝鮮によるICBM級ミサイル発射について

【NHK・高橋記者】
 北朝鮮のミサイルの関係で伺いたい。今、防衛省の発表で、北朝鮮が先ほど午前10時14分ごろに発射したミサイルが、ICBM級1発で、東方向だったと。現在も飛行中で、日本の排他的経済水域の内側に落下する可能性があるとしている。まだちょっと状況が動いている中ではあるが、受け止めを。

【代表】
 度重なる北朝鮮の国際法に違反する行為、これは許されませんし、厳重に抗議したいと思います。
 そして、EEZ内ということであれば、特に船舶の安全、航空機の安全、これは早急に政府として確認せねばなりませんので、落下物等々の危険ということについてはとにかく迅速に政府としては対応せねばならないと思います。
 今回、ICBM級だということ。EEZ内だということ。一段の緊張感を持って対処するということと、ちょうど日米韓の首脳会談も開かれたわけで、その中では情報の連携も確認されていますので、こうした3か国による緊密な連携で分析もこれまで以上に進めていくべきだと思っています。

○「首相外遊」「経済対策」等について

【フリーランス・小山記者】
 APECでイギリスとの会談が流れたりして、ちょっと岸田首相の顔色というのは私も見ていたが、きのうは習近平氏が満面のほほ笑みで岸田総理を迎えるといったところをテレビで拝見した。ちょうど泉代表は外交・安全保障戦略PTでこのような話をしていますというようなツイートをされたところだったが、今回、全体を見渡してどのように、岸田総理の外交に関して何を思われていたのかということが一つ。それから、習近平氏は、私は就任の頃に、以前に比べて環境に配慮のできる政治家だというふうに伺い、少し印象をよくしていたことがある。今回のその満面のほほ笑みというところも、これは泉代表はどのようにお考えだったかというところを伺いたい。

【代表】
 まず、私が予算委員会で求めてきたこの日中首脳会談は、もうことし年初の話でありますし、ことしそのものが日中国交(正常化)50年の年であるということを考えれば、本来、関係性が良好であれば両国の往来というのは、コロナ禍であっても例えばオンラインでのさまざまなイベントも含めて本来はもっと活発に行われるはずの年であったわけですが、首脳会談がこの11月まで持ち越されてきたということ。ここがまさにこれまでの日中関係の難しさを表しているなと思いますので、遅ればせというか、本当にここまでかかったということは、なかなか、本来はもっと早く行っていただきたかったというのはありますが、しかし、何とかこの50年の節目のときに首脳会談が行われたという意義はとにかく大きいと思っています。久しぶりの対面ということで言えば、そう多くの成果を出すことは難しいとは思いますが、これまで積み上げてきたことを再確認して再起動させていくという意味ではやはり意味合いは大きかったと思います。
 その習近平氏の満面の笑みというのは、それはそれそのものが国家の全ての姿勢を表すということでは私はないと思っていますので、一つの瞬間における表情であるわけですから、おそらく国のリーダーとしてはさまざまな表情を見せている瞬間もあるのだろうと思います。
 当然ながら日本としては許されないことは許されないとしっかり主張して、毅然とした姿勢で外交をしていく。毅然とした中にも友好を深めていく、平和・安定を希求していく、そういう取組をしていくことになると思います。

【フリーランス・小山記者】
 もう一点だが、一昨日、インボイス問題検討超党派議員連盟のヒアリングが行われ、私も気になったので動画で拝見した。財務委員会の筆頭の末松議員が大変力を入れており、経済政策の代表の落合議員と一緒にリーダーシップを取ったのではないかと思うが、立憲民主党全体を見渡してどのような意見が大半を占めていると代表はお思いか。

【代表】
 まず、議員連盟のことなので、党とはまた区別されているものという理解がまず一つ。
 そして、立憲民主党としては、インボイスは、このコロナ禍という異常時であるということ。なかなか普及啓発ができていないということ。また、現場から話を伺うと、税務署などで説明会を行っているのですが、通り一遍の説明で、あとはホームページを見てくださいと言われたとか、そういう話もあって、中小企業・零細企業の、あるいはフリーランスの、不安に応えるものになっているのかということも現時点では疑わしいと思っています。
 その意味では、我々、廃止法案を提出して、何とか、少なくとも(実施)延期ですとか、猶予期間の延長や、猶予のときの暫定措置というか経過措置ですね、こういったものももう少し延長させるべきではないかと。そんな声はこれからも政府当局に伝えていきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 先日の代表の商店街への訪問を通じて、多くのお店の経営者も影響を受けるんだなということを私は改めて認識したが、今回の経済対策、与党の政策にも立憲野党の政策にも小規模経営者を救済する傾向のものが、暮らしを助けるという部分ではやっているが、直接インボイス廃止法案以外になかなか見当たらないのかなと思ったが、組替え動議にこの辺りというのは視野に入ってくるのかどうか伺いたい。

【代表】
 まず一つは、事業者の中でも、当然所得が少ないというご家庭があれば、我々は与党以上に給付金を出していくということ。
 そして、もちろん子育てをされていれば、そこにも給付金が直接入っていくということ。
 そして、我々はゼロゼロ融資についての見直し、一部債務免除ですとか返済の繰延べ、そういったことも経済対策の中に入れております。
 さらには、直接商店街の皆さんともお話ししましたが、いわゆるこういう電気(灯)とか冷蔵庫の買換え、そういったもので電力消費を抑えていく、そこに補助を出していくということ。これは結構今も各都道府県では交付金を使ってやっているところもあるのですね。ただ、必ずしも補助額が大きくなかったりしますので、よりこれを行うことでトータルの経費を削減できて、そして、収支が少しでもよくなるような、そういったメニューを立憲民主党の経済対策では用意しています。

○寺田総務相の政治資金問題について(2)

【TBS・星記者】
 寺田大臣についてお聞きしたい。大臣が会見で、これまでの説明をめぐって国民の理解を得られるかと問われた際に、地元の方々からは説明に感心したという声しか聞いていないといった旨の発言をしている。この発言についてどのように思われるか。

【代表】
 その開き直りぶりに、という意味ですかね。感心したというのは。いや、本当に説明に感心したという。

【TBS・星記者】
 という声しか聞いていないと。

【代表】
 相当ずれておられるのではないでしょうか。これだけ問題が次々と明らかになっていて、何に感心するのか、皆目見当がつかないわけですね。しかも、疑惑が晴れていない状態です。全く私はそうは思いませんが。

【TBS・星記者】
 地元の方々は寺田大臣の説明に感心したというふうに大臣自身は聞いているということだが、その発言について、どう感じるか。

【代表】
 それは、地元の発言、それとも大臣の発言、どちらの発言について。

【TBS・星記者】
 大臣の発言です。

【代表】
 大臣が、そういう声しか聞いていないと。

【TBS・星記者】
 というふうに言っている。

【代表】
 世の中の声も聞いて、地元の方の声だけではなく、世の中や、まさに政治資金規正法の専門家や公職選挙法の専門家の意見もぜひ聞いていただきたいと思います。