参院予算委員会で12月2日、2022年度(令和4年度)第2次補正予算案の質疑が終局し、「立憲民主・社民」を代表し、古賀千景議員は反対討論に立ちました。討論の末採決が行われ、与党などの賛成多数で可決しました。

 古賀議員は、「現在国民の暮らしは、長引くコロナ禍、物価高騰、低賃金、年金減少の4重苦により『生活氷河期』とも言うべき深刻な状況に直面し、効果的な経済対策の実施が急務だ。一日一日をぎりぎりの状況で生活している非正規雇用、シングルマザーの皆さん、満足に食べることのできない居場所のない子どもたち、奨学金の返済に苦しむ若者、困窮している人々がたくさんいる。まずは、暮らしを支えるための『人への投資』が喫緊の課題だと考える」と表明。「しかしながら、今回の第2次補正予算は、明らかに年度内に支出することが困難な予算を過大に積み上げていることに加え、肝心な経済対策も、その場しのぎで不合理、かつ即効性のない施策に終始している」と断じました。反対理由として特に、(1)予備費(2)政府基金(3)人への投資が不十分であること――を挙げ、「巨大な予備費を積み増すことは看過できない状況。コロナ禍や、物価高騰に対する名目で既存の予備費を3.7兆円を積み増し、ウクライナへの対応として1兆円を新設していくことにしている。政府だけで使途を決められる予備費を安易に積み増すことは、憲法が定める財政民主主義を軽視していると言わざるを得ない」「過去最大の政府基金への8.9兆円もの予算措置については、到底受け入れられない。緊急事態に対応するための補正予算の趣旨に反していることに加え、基金からの補助金の支出は、会計検査院からも過大計上や、透明性について指摘されていて、人のチェックが十分に担保されているとは言い難い状況。無駄遣いの温床にもなりかねない。そもそも政府は、創設や既存基金への積み増しについては、財政規律の観点から厳に抑制するのではなかったのか。このような基金への巨大な支出が状態化すれば、財政が悪化することは火を見るより明らかだ」「賃上げ促進と、人への投資への支出は1割にも満たず、深刻な状況に瀕している国民の生活に対してあまりにも無頓着だと言わざるを得ない」とそれぞれ指摘しました。

 古賀議員は、衆院で否決された立憲民主党と日本の維新の会が共同で提案した組み替え動議にも言及し、「私たち立憲民主党は、真に国民がしあわせに、安心して暮らせる社会の実現のために力をいっぱい頑張っていくことを誓う」と討論を締めくくりました。