岡田克也幹事長は12月3日、岩手県宮古市の音部漁港と田老地区を訪問し、東日本大震災からの復興状況を、横沢高徳党岩手県連代表、菅野博典県連幹事長(県議)、佐々木順一県議らとともに、視察して回りました。視察は達増拓也岩手県知事、山本正徳宮古市長が同行し、視察後にはまた、達増知事との面談、連合岩手との意見交換も行いました。

 音部漁港では達増知事からあいさつがあり、「震災で船も港も施設も壊滅した。しかし、いち早く立ち上がり、まず海に出る行動を始めた。岩手の復旧復興の立ち上がりがここ重茂(おもえ)漁協にあった」と重茂漁協を紹介しました。その上で、「現在は主要魚種の不漁に加え、燃料高、物価高によるコスト高による現状などを見てもらいたい」と述べました。

 重茂漁協の山崎義広組合長からは、「漁港、水揚げした生産物の運搬のための道路網の整備が重要だ。これからも支援をお願いしたい」との要望が出されました。

 

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 岡田幹事長は「震災から11年。当時は与党の幹事長を務めていた。被災地を訪れその惨状を見て、政府・与党として、全力で復興をやらなければならないと誓った。それ以来、県と政府・与党が一体で、地元の皆さんと合意形成を図りながら取り組んできた」と振り返りました。そして、「美味しくて安全なものを消費者の口に届けるという皆さんの思いが実現するように、私たち立憲民主党も、達増知事と協力しながら、しっかりと政府に働きかけていく」と述べました。

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 宮古水産振興センターの担当者から、震災から現在までの復興状況について説明を受けました。特に現在は、漁船を安全で利用しやすく内陸に停泊させることができるように掘り込み港湾工事を進めており、今年度中に完成をさせたいとの方針を聞きました。

 田老地区では、高台にある山王団地展望台を訪れ、山本市長からこれまでの復興についての説明を受けました。その中で山本市長は、「新しい施設などを整備していくが、津波の災害を伝えていくために、『学ぶ防災』として震災遺構のたろう観光ホテルを活用し、また津波資料館も建設し、津波とともに生きてきた宮古市の歴史、資料などもしっかりと保存していく」と話しました。

 最後に山本市長より、(1)コロナ禍における経済対策(2)日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に係る財政支援(3)脱炭素に向けた再生可能エネルギーの導入(4)三陸沿岸道路の機能強化(5)福島第一原発におけるALPS処理水の海洋放出(6)被災者の心のケア、コミュニティ支援――等の6項目についての要望書を受けました。

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 視察終了後に記者団の取材に応じた岡田幹事長は、「震災が起きた時は与党の幹事長だった。ここ田老地区は何度か訪れたが、高台移転が完了している状況はうれしいことでほっとした。関係者の努力の賜物だ」と述べました。

 これまでの11年を振り返っての感想を聞かれ、「もっと早くできなかったかなと思うこともあるが、(市民の皆さんの)合意形成を得るにはある程度時間がかかる。それでも達増知事と協力しながら、迅速にできたのではないか」と、答えました。

 復興後に向けて岡田幹事長は、「大事なのは人だと思う。跡を継ぐ人がだんだん減っていくと、立派な施設ができてもさびれてしまう。東北全体に言えることだが、漁獲量が被災前に比べ大きく減っている。若い人がここで生活しようと思うほどの稼ぎが必要。また夢もいる。それをしっかりと作っていくのが政治家だ」と述べました。