岡田克也幹事長記者会見

2023年2月28日(火)17時28分~17時44分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/UU_TNmF484k


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第69回常任幹事会を開催

【幹事長】
 私からは、まず、常任幹事会の報告です。
 あまり大きな問題はなかったのですが、ご報告しておくべきことは一点。愛媛県第1区の友近さんが、体調不良ということで、現在総支部長になっておりますが、その辞退、辞任の申出があり、県連から上がってまいりましたので、承認をしたということであります。大変すばらしい人材で、残念ですが、体調ということであればやむを得ないというふうに思っております。常任幹事会で承認されました。
 常任幹事会については以上であります。

○予算審議 予算案の衆院通過を受けて

【幹事長】
 きょう、予算が先ほど衆院を通過いたしました。
 国対委員長も言っていたと思いますが、非常にさまざまな政策的な大きな論点について、しっかり議論ができたし、各党の質疑の中でも立憲民主党は粒ぞろいで非常に重要な論議ができたというふうに思います。大臣の首を取るとか、そういうことにはなりませんでしたが、逆に政策論争をしっかりできたということで、非常に意味のある衆議院の予算委員会の質疑ではなかったかと思います。
 しかし、大きな論点について、いろいろな総理の答弁がなされましたが、なおよりしっかりとした答弁を求めなければいけない、あるいは明らかにしなければいけない点が残されたことも事実であります。
 私、最初に予算委員会が始まったときに、安全保障の問題、防衛3文書、それから「反撃力」について質疑をいたしました。トマホークの数すら言わないことにちょっと驚いたわけですが、これは400発ということでようやく出てきたと。アメリカは議会にそれが報告されるということで、慌てて帳尻を合わせてきたという感じで、いかにもこう、何でもかんでも防衛秘密、安全保障の問題ということで答弁しないという、そういう政府の姿。アメリカ政府と比べても明らかに違うということがはっきりしたというふうに思います。
 もう一つ。私が予算委員会の中で、具体例を挙げて、特に「存立危機事態」における「反撃力」の行使というのはどういう場合があるのか具体例を挙げて説明してもらいたいというふうに申し上げました。その後、22日に本庄議員が同様の質問をいたしまして、そのときの総理の答弁は、「ご指摘のような図等を活用した形で説明を行うこと、これは重要だと申し上げました。今、具体的にどのような説明がわかりやすいのか、この調整を進めているところであります」という答弁がありました。しかし、きのうの総理の答弁は、それをもう一度白紙に戻すような、具体例は言えないという、そういう大変お粗末な、そして一貫しない答弁がなされたことは大変問題だと思います。
 安全保障法制の議論のときにさまざまな事例が紹介されました。いい事例だったというふうには私は思いませんが、それでも一応説明しなければという気持ちは政府の側にあったのだと思います。今回、全く霧の中で、どういう場合に「存立危機事態」で、かつ「反撃力」を行使するのか、説明がなされておりません。「必要最小限」とか「他に手段がない」ということは満たされる(必要がある)んだと言っていますが、「存立危機事態」で「必要最小限」って、一体何に対する「必要最小限」かということも定かではありません。日本が攻撃を受けたときにそれに対して反撃するというならば、「必要最小限」というのは、やられたら同じ程度にやり返すとか、そういうことである程度わかるわけですが、今回(存立危機事態においては)日本はやられていないわけですから、では、アメリカがやられた分だけ全部お返しするのかと。それは明らかに過剰でありますし、非常に説明になっていないということで、ここは参議院においてよりしっかり議論していかなければいけない点だと思います。
 そして、それは別に参議院がというよりも、政府の国民に対する説明責任、最低限の説明責任。日本が攻撃を受けていないにもかかわらず「存立危機事態」の要件を満たせば相手を攻撃するという、そういう話で、そういうことをすれば当然さらなる攻撃を受けることもある。国民の命に関わる話。それを霧の中で、できるんですよと言っているだけというのは、私には全く理解しがたいところであります。
 子ども予算についても、自分で倍にと言っておきながら、何か数字ありきではないというようなことも言っていて、この辺も本当にひどい話だというふうに思います。
 そういった点についてなお議論が尽くされることを期待したいと思いますし、むしろ野党第1党である我々のそれは責任だというふうに考えております。


■質疑

○予算審議について(1)

【日本経済新聞・大澤記者】
 まず、予算審議について伺いたい。今回の予算審議、代表質問も含めて、若手、1期生の起用というか抜擢も目立ったかと思うが、立憲民主党として世論に、党の政策の主張も含めて、どのような発信ができたか。その点の評価を教えていただきたい。

【幹事長】
 若手、1期生だけではなくて、中堅、ベテランも含めてバランスよく質疑に立たれたというふうに思います。むしろ前国会のほうが、若手、1期生の割合は高かったのではないかなと思いますが、起用された1期生もそれぞれしっかりと議論していましたし、我が党の層の厚さというものを国民の皆さんに理解していただけたのではないかというふうに思います。
 ただ、率直に申し上げて、そういったいい議論がどこまで伝わっているのかというと、私は少し残念な気がしております。それは質問しているほうが悪いのではなくて、なかなかメディアも報道していただけない。まともな政策論争が取り上げられるというよりは、非常に典型的な話をしますと、ガーシー議員が出る出ないと、もうそこにニュースは集中してしまって、もう当日の予算委員会の議論、たしかあのときも集中(審議)だったと思うのですが、もうほとんど、私も夜のニュース番組をチェックしていますが、ほとんど取り上げられなかったということもありました。
 我々の工夫ももっと必要だと思いますが、しっかり政策論争を国会でやっているということを、ぜひメディアの皆さんにも伝えていただければありがたいというふうに思っています。

○衆院千葉5区補選について

【日本経済新聞・大澤記者】
 別件で、もう一点。選挙について伺いたい。衆院千葉5区の補欠選挙について、先ほど共産党の志位委員長は記者団に、候補者調整について、もうそろそろタイムリミットですよねというふうな発言があった。岡田幹事長も先日千葉を訪れた際には、交渉と言えるような状況に野党間で入っていないという認識だったと思うが、志位委員長の発言の受け止めと、改めてこのタイミングでの候補者調整について現状の受け止めを教えていただきたい。

【幹事長】
 現時点ではまだ具体的なことはありません。少なくとも国民民主党や維新は、調整しようという、そういう方向性はありませんので、そこはタイミングを見ながら働きかけはしていきたいというふうに思っています。

【日本経済新聞・大澤記者】
 タイムリミットという指摘については、どういうふうにお考えになるか。

【幹事長】
 タイムリミットは、ぎりぎりまで、タイムリミットはないと思いますが、あまり間近になってしまうとなかなか調整も難しくなる部分もあるというふうに思います。いつということは言うつもりはありませんが、やはり国民有権者の期待は、野党はまとまってもらいたいと、この選挙に関して言えば、というのが有権者の期待だと思いますので、それをどれだけ皆で共有できるかという問題だと思います。

○安保政策 存立危機事態における反撃能力の行使について

【共同通信・恩田記者】
 「存立危機事態」での「反撃能力」の発動について、政府はずっと手の内を明かすことになるので明らかにできないという答弁を繰り返しているが、今後、参院や衆院の合同審査で政府をただすときにどういった工夫が必要か。幹事長のお考えはどうか。

【幹事長】
 「存立危機事態」における「反撃力」は、やはり具体的事例をなぜ示せないのかと。本庄議員がパネル、つまり安全保障法制のときに政府が示したパネルを提示していましたが、こういう場合は「存立危機事態」になり得るということで言っていた事例が六つだったか八つだったかあるわけですね。そのときに「反撃力」の行使というのはどういう場合ができるのかというふうに本庄議員は聞いていたと思いますが、まさしくそういうことについてきちっと答えなければおかしいと私は思いますが。必要だから「存立危機事態」における「反撃力」を認めなければいけないと言っているならば、どういう場合に必要なのか全く言わないというのはあり得ない対応だと思います。

○予算審議について(2)

【NHK・岩田記者】
 あしたとあさって、G20の外相会合がインドで開かれる予定で、外務大臣は海外渡航の了承をこれまで参議院に打診していたが、これに対して野党から、新年度予算審議を優先すべきではないかという声も上がっている。これに対して、外交日程と新年度予算審議について、幹事長はどのようにお考えか、お願いしたい。

【幹事長】
 野党だけが言っているのかどうかですね。与党はどうなのか。
 そもそも、当然3月の頭というのは参議院における予算委員会の審議が行われることは、もう前から予想できたことで、どうしてそういうところに重要な会議をバッティングさせたのか。日本の外交力をもってすれば少しずらせることはできたはず。それをなぜしなかったのかという、そこがまず問題なんだというふうに思います。重要な予算委員会のスタートで外務大臣が存在しないというのは非常に考え難いことで、そこの説明をまず政府はしっかり行うべきだというふうに思います。
 具体的にどうするかは、参議院の対応、我が党の参議院の対応、国対の対応に委ねておきたいというふうに思います。

○首相のウクライナ訪問検討について

【読売新聞・中山記者】
 総理が今、ウクライナの訪問を検討されていると言われているが、このウクライナ訪問に関する意義や賛否、あるいは国会に対する事前事後の説明のあり方について、ご所見を伺いたい。

【幹事長】
 これは国対委員長もお話しになっていると思いますが、意義はきちんと説明される必要がありますが、事前にそれを説明するということは日程がある程度明らかになってしまいます。やはりいろいろなリスクもありますので、事後でもいいからきちっと説明してもらう必要があるというふうに思います。国会の事前の承認が必ず要るというわけでもないので、状況判断からすると、あらかじめ承認を求めなければいけないということではないと思います。国益上どうしても必要だというふうにおっしゃるのであれば、行った上で事後的に説明されるという対応もありだというふうに思っています。

【読売新聞・中山記者】
 ウクライナを訪問すること自体はどのようにお考えか。

【幹事長】
 行って何を議論するかですが、ただ、G7の議長国で、かつ、日本だけが行っていないという状況の中で、行くことにそれなりの意味はあるかもしれないというふうに思います。