衆院憲法審査会が3月16日に開かれ、立憲民主党の近藤昭一議員が現行国民投票法の4つの根本的欠陥について指摘しました。

 第1の欠陥として近藤議員は、遠洋航行している船員や要介護2や3の人など、国民投票を確実に実施することに困難をともなう人が存在すると指摘し、「さらなる投票環境の向上を図るべき」と提案しました。

 第2として、国民投票において影響力の大きいテレビ広告が活用されることが必至であるにもかかわらず、「テレビ広告に対する規制が極めて不十分」であることを問題視しました。

 第3として、インターネット広告費が既にテレビ広告費を大きく上回り、ターゲッティング広告という受け手の性格や関心に合わせた情報発信を行っていることから、その影響力がテレビよりも大きいとも言える状況にあると指摘。そのインターネット広告に全く規制がないことに疑問を呈し、「適切な規制を設ける必要がある」と提案しました。

 第4として、個人情報を不正に利用してフェイクニュースなどを効果的に発信する技術を駆使し、イギリスのEU離脱の国民投票やアメリカ大統領の選挙に影響を与えたケンブリッジ・アナリティカ事件を引き合いに出し、「インターネット上での情報悪用の危険に対応できていない」と問題視しました。これらについて「国民主権、国家の主権にかかわる重大な問題であり、放置することは許されない」と訴えました。

 最後に近藤議員は、「憲法審査会は、憲法96条及び附則4条の趣旨に則り、現行国民投票法の重大な欠陥の是正に真摯に取り組まなくてはならない。憲法改正手続の重大な欠陥を放置したまま改憲発議をすることは絶対にあってはならない」と訴え発言を終わりました。